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	<title>野菜 - NIHONMONO</title>
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	<description>「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン</description>
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		<title>全国から注文が入るフルーツトマト「うしの恵み」を育てる家族「眞嶋農園」／高知県香南市</title>
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		<pubDate>Mon, 17 Aug 2026 07:25:02 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-182718.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>高知県は、「フルーツトマト」と呼ばれる、高糖度トマトの発祥の地と言われており、県内各地で付加価値の高い高糖度トマトが生産・販売されている。県で3番目の生産量を誇る香南市で、「うしの恵」と名付けた「フルーツトマト」のブラン [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-182718.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>高知県は、「フルーツトマト」と呼ばれる、高糖度トマトの発祥の地と言われており、県内各地で付加価値の高い高糖度トマトが生産・販売されている。県で3番目の生産量を誇る香南市で、「うしの恵」と名付けた「フルーツトマト」のブランド化に成功しているのが、眞嶋農園だ。眞嶋農園は、高知龍馬空港から約10分、高知県の東部エリアへ伸びる国道55号近くにある。住宅と畑の間に厩舎とビニールハウスが建つ、家族経営の酪農家兼農家だ。牛乳を生産し、牛糞を「濃縮堆肥」にして販売、さらに堆肥を使って旨味のある「フルーツトマト」を育てることに取り組んできた。また、同じ堆肥で、耕作放棄地を活用した青パパイヤ栽培や、飼料にする牧草を育てて、持続可能な循環型の耕畜連携を実践している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">酪農と農業の循環を築き、継承に力を注ぐ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172203.jpg" alt="" class="wp-image-55069" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172203.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172203-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172203-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>代表の眞嶋順一さんは、「うちは元々、父の代から約60年続く酪農家なんです」と語る。26年前、母の入院をきっかけに、眞嶋さんが妻と息子を連れて県外からUターンして、家業を継いだのだそうだ。</p>



<p>飼育しているのはホルスタイン種という搾乳に特化した牛で、現在は35頭を世話する。しかし、飼料の高騰や、少子化による学校給食での牛乳消費量の減少など、酪農を取り巻く環境は厳しい。「酪農は、家族経営ではだんだん厳しくなっていて、メガファームやギガファームといった大規模化、IT化が進む流れもあります」と眞嶋さんは言う。</p>



<p>そんな環境下で、眞嶋家は、自給飼料への切り替えを図るなどしてコストを下げながら、酪農と農業を循環させる工夫を続けている。今では、主に眞嶋さんが酪農を、野菜ソムリエの資格を取った妻の美加さんがトマト栽培を担い、息子の将さんが夫婦の後継として共に働いている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">超濃縮タイプの“乾燥牛糞堆肥”づくり</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175214.jpg" alt="" class="wp-image-55070" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175214.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175214-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175214-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>眞嶋さんは父から酪農を引き継いで以降、酪農の副産物である糞尿をどう活かすか試行錯誤を重ねたという。</p>



<p>父が取り組み始めていた堆肥づくりを、販売できるまでにするにはどうすればよいか。本を読むなどしていろいろ調べ、糞尿を乾燥装置で水分10％以下まで落とし、その乾燥堆肥を水分調整材として再利用する独自の手法を編み出した。</p>



<p>「一度出来上がった乾燥堆肥を混ぜることで水分を調整して、また良い堆肥ができる。これを繰り返すことで、オガクズなどを入れることなく、高品質な堆肥を安定的に製造できています。</p>



<p>並行して、父は販売を見据え2000年頃から堆肥の効き目を検証するために『フルーツトマト』栽培を始めていました。トマト農家を営む親戚から栽培について教わり、その2年後に私たち夫婦がノウハウを受け継いだんです。堆肥の投入量の適正化を含め家族で試験を重ねてきました。</p>



<p>トマトが美味しいと言われて売れるようになり、堆肥の品質の良さが証明されたことで、堆肥も売れるようになりましたが、軌道に乗るまで、5～6年かかりましたね」</p>



<p>酪農家が堆肥をつくることは珍しくない。一般的には、糞尿に籾殻やオガクズを混ぜて発酵させることで水分量が60％以上の発酵堆肥が作られている。ただ、眞嶋農園のように糞尿を乾燥させた堆肥を水分調整に用いる例は非常に珍しい。</p>



<p>眞嶋農園の牛糞99.9％という超濃縮タイプの“乾燥牛糞堆肥”は、軽くて扱い易く、肥料としての質が高い。評判が広がるにつれ農家からの注文が増えて、現在は製造が追いつかないほどだそう。</p>



<p>「農作物の肥料として少量でも十分な効果を発揮する点が自慢です」と眞嶋さんは言う。</p>



<h3 class="wp-block-heading">始めは大玉、徐々に高糖度の「フルーツトマト」に仕上げる </h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175636.jpg" alt="" class="wp-image-55071" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175636.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175636-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175636-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>そもそも「フルーツトマト」とは特定の品種名ではない。品種やサイズに関わらず、糖度が8以上あるものを「フルーツトマト」と呼ぶ。小ぶりな「ミニトマト」はフルーツトマトと混同されがちだが、ミニトマトはあくまでも形で分類された小さいトマトの総称。規定の糖度を越えなければフルーツトマトとして出荷することはできない。そのため、糖度を上げるための栽培方法が重要になってくる。一般的には、小ぶりな品種のトマトを選び、水分制限して育てると糖度を上げやすいと言われるが、眞嶋農園のトマトは、独自の栽培方法を確立している。</p>



<p>眞嶋農園では、品種は大玉トマトの「桃太郎ファイト」を使う。食味、柔らかさ、皮の硬さなどの観点でいろいろな品種を試した結果、最終的に選んだ。年配の人にも美味しく食べてもらえる皮の食感だという。</p>



<p>「現在も試し続けていますが、ここ数年は今の品種が一番うちの栽培方法にピタッと合っていると思います」と、美加さん。</p>



<h2 class="wp-block-heading">眞嶋流は、どこよりも時間をかける</h2>



<p>何より特徴的なのは、急がず、健康的な株を育ててから“ゆっくりと高糖度に仕上げる”という考え方だ。他所よりも時間をかけて育てるため、「他のフルーツトマトはもう店頭に並んでいるけど、おたくのトマトの出荷はまだなの？」と、お客さんから問い合わせを受けることもあるのだとか。</p>



<p>多くの農家は、根の広がりを制限して水の管理を徹底する「隔離栽培」を行うことで早く糖度を上げて「フルーツトマト」に仕上げようとするのに対し、眞嶋農園では根の広がりを制限しない。むしろ、しっかり根を張った健康的な株を育てることに時間をかける。水を制限するのも段階的だ。敢えて、最初から「フルーツトマト」にしないというのが、こだわりだ。</p>



<p>「そもそもフルーツトマト専用の種はなく、大玉トマトの品種を栽培方法でフルーツトマトに仕上げていきます。うちの場合は接ぎ木をせず、茎を太くして根がいっぱい張るように育てています。さらに堆肥の効果が後まで続くようにと考えて、最初に堆肥を少し多めに入れるため、その効き目が出て、初めは大玉がつきます。そこから、糖度を上げるために徐々に水分を制限することで、結果的に小ぶりになってはいきますが、他より大きめのトマトでも糖度が乗ったものができます。</p>



<p>単に甘いだけでは魅力を感じません。甘み・酸味のバランスを整えた上でのトマトらしい甘みであってほしいし、自家製の牛ふん堆肥による独自の旨みを大事にしています」と、眞嶋さんは言う。</p>



<h3 class="wp-block-heading">トマトの目利きは、妻と息子</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-181810.jpg" alt="" class="wp-image-55072" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-181810.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-181810-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-181810-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>糖度は、実が色づき始めた頃にはほぼ決まっており、そこから追熟が進むと酸味が旨味に変わっていき、甘みも強く感じられるようになり微妙な味わいの変化があるという。</p>



<p>「糖度が上がってくると、トマトの中の果肉が透けて見えるようになります。また、糖度が高くなるひとつの目安に、青いトマトのヘタ部分に入る『ベースグリーン』と呼ばれる濃い緑色のラインがあります。スターマークは知られるようになりましたが、そんなことも目安に日々食味しながらトマトの状態を確認しています。目利きはもう、妻と息子には敵わないです」と、眞嶋さん。続けて、妻の美加さんが言う。</p>



<p>「トマトの見極めは、家族で手分けして行っています。人を育てないと、とは思いますし、画一性を求めるなら人に任せず糖度センサーを入れればいいんでしょうけど、お客さんによって異なる好みに対して、直にお応えしたい。やはり相手の顔が見えている中で販売・やり取りしていますので、大切にしたい部分なんです」</p>



<p>「フルーツトマト」の産地として知られる高知県だけあって、競合も多い。そんな中で、眞嶋農園はきめ細かさで、顧客の要望に応えている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">独自の“斜め誘引”と、5,500本を支える手仕事</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180144.jpg" alt="" class="wp-image-55073" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180144.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180144-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180144-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>トマトの圃場に入ると、まず目を引くのが“斜め誘引”という珍しい栽培方法だ。株を斜めに伸ばし、根を自由に張らせているという。「吊るし式も試しましたが、収穫姿勢が厳しく断念しました」と、眞嶋さん。</p>



<p>斜め誘引は、株が成長するにつれ収穫位置が上がり、作業がしやすい。ただし手間は膨大だ。5,500本すべてを紐でくくり、脇芽を取り、毎日手入れをする。繁忙期は家族だけでは手が足りないので、手伝ってもらう。これが最初に教わった方法だったという。以来、20年以上、眞嶋さんはずっと手間を惜しまず、斜め誘引を継承している。</p>



<p>また、ハウスの温度や湿度の管理は、コンピュータ制御ではなく、経験と経験に培われた勘で乗り越えてきた。南国・高知と言われるだけあって、冬でも日中の気温が12〜16℃あって温かい。そのうえ、気候変動でハウス内が30℃になる日も出てきたが、「自分たちの目と感覚で管理しています」と美加さん。手を抜かず、積み上げてきた経験がものを言う。</p>



<h3 class="wp-block-heading">害虫対策は、農薬の使用量を減らして天敵昆虫を使う「環境保全型農業」 </h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180240.jpg" alt="" class="wp-image-55074" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180240.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180240-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180240-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>さらに、トマト栽培に害をなすコナジラミの対策には、トマト苗生育中に並行して、ごまを育て、天敵昆虫のタバコカスミカメを自家採種。タバコカスミカメの餌植物であるクレオメを植えて自然繁殖させ、害虫の発生を抑制させる。農薬の使用を減らす「環境保全型農業」も実践していた。高知県は全国的に見てもこの「環境保全型農業」への意識と実践が非常に高い。JAが中心となって農薬に頼らない栽培を推進している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">野菜ソムリエ仲間の口コミから広がった、「うしの恵み」の輪</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180527.jpg" alt="" class="wp-image-55075" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180527.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180527-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180527-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>販路拡大のきっかけは、妻の美加さんの野菜ソムリエ資格の取得だった。夫に付き添ってIターンして数年後、美加さんは友人5人と毎週末、高知から香川まで通って野菜ソムリエの資格を取得する。その後に知り合った県内外の野菜ソムリエ仲間がレストランや百貨店と繋いでくれたり、SNSで発信してくれるなど気にかけてくれた。こうして口コミが広がって、県外からの注文が増えていったという。</p>



<p>「お客さんがお客さんを呼んでくれるんです」。<br>営業に出る時間がない家族経営にとって、これは大きな力になった。<br>ハウスの広さは25アール。「もっと広げたら？」と言われるが、品質を守るためにあえて増やさない。</p>



<p>「二人でしっかり見られる限界が25アールなんです」と、夫妻は言う。</p>



<p>規模よりも味。今のお客さまに喜んでもらえることが一番。その姿勢が、ファンを増やし続けている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">牛を可愛がることが、美味しい牛乳につながる </h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172839.jpg" alt="" class="wp-image-55076" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172839.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172839-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172839-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>一方、厩舎を覗くと、乳牛たちが穏やかに牧草を食んでいた。子牛が興味深そうにこちらを見てくる。「さくらちゃん、さくらちゃーん」と、美加さんが声をかける。厩舎の牛たち全頭に名前がついており、赤ちゃんの頃から「かわいいね」と声をかけ続けるのだそうだ。ストレスを与えないことが、美味しい牛乳の第一条件だからとはいえ、美加さんの声は、母親がわが子に呼びかけるように優しい。</p>



<p>牛舎にはミストと大型扇風機が設置され、暑さに弱い牛を守る。角は幼少期に焼いて除角し、怪我を防ぐ。1日4回、1頭25kgの餌を食べ、約30Lの牛乳を出す。繁殖も丁寧だ。生後14ヶ月で初めての種付け、妊娠期間は10か月。出産2か月前からは搾乳を止め、赤ちゃん牛に栄養を回す。</p>



<p>さらに、県の事業として「土佐あかうし」の受精卵移植にも協力。ホルスタインが代理母となり、地域の畜産を支えている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">“去年の美味しさ”を超えるために。続いていく家族の挑戦  </h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180853.jpg" alt="" class="wp-image-55077" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180853.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180853-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180853-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>酪農から出た堆肥が、農作物を育て、乳牛たちの飼料になり、美味しい牛乳となる一連の循環が、眞嶋農園を支えている。</p>



<p>眞嶋農園では、トマトの収穫は12月から6月末まで。そこで一旦区切りを設けて、次の植え付けに着手するというが、美加さんは、植え付けからの手入れ期間は「一番楽しい」と笑う。逆に収穫が始まると緊張の日々なのだとか。</p>



<p>「これまでは、良くする努力を重ねてきましたが、おかげさまで、お客さんに付いていただけるようになったので、今度は、できるだけ味を変えない努力をしています。息子が苦労している最中ですが、先の状態を想像しながら管理していくことは、気候変動の中では非常に難しいと、ここ近年感じています」</p>



<p>美加さんは、「お客さんの記憶の中の“美味しい”は年々美化されていきます。だから、それを超えるぐらいの気持ちでトマトを作って、次の年も「美味しい」と言っていただけるようにと想いを込めて作っています」と言う。</p>



<p>水の管理と玉の大きさの調整、機械に頼らずに生育状態を日々自身の目で細かく見極めるなど、味を狂わせないための数々の努力と、家族だけが可能な“目利き”が、今年もトマトを仕上げていく。</p>



<p>牛と堆肥とトマトがつくる“恵みの循環”は、家族の力でこれからも続いていく。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/55058/">全国から注文が入るフルーツトマト「うしの恵み」を育てる家族「眞嶋農園」／高知県香南市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>山田町の原木椎茸を牽引し続ける。茸の匠･芳賀榮三さん／岩手県山田町</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 13 Jul 2026 09:46:46 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[茸の匠]]></category>
		<category><![CDATA[名人]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[原木椎茸]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi26.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>岩手県沿岸のほぼ中央に位置する山田町。太平洋に面していることから、漁業のまちとしての印象が強いが、町の特産に原木椎茸があり、全国規模で行われる品評会では、毎年のように町内から農林水産大臣賞受賞者を輩出してきた。そんな山田 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi26.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>岩手県沿岸のほぼ中央に位置する山田町。太平洋に面していることから、漁業のまちとしての印象が強いが、町の特産に原木椎茸があり、全国規模で行われる品評会では、毎年のように町内から農林水産大臣賞受賞者を輩出してきた。そんな山田町における原木椎茸の先駆者と言えるのが、全国でも数名しかいない名人格のうちの一人･芳賀榮三さんである。</p>



<h2 class="wp-block-heading">冷涼な気候と豊かな山が原木椎茸を育む</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi6.jpg" alt="" class="wp-image-54816" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi6.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi6-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi6-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手県下閉伊郡（しもへいぐん）山田町は東側に太平洋、西側に北上山地の山々が連なる自然に抱かれた町だ。山にはブナやナラ、アカマツなどの広葉樹が豊富に植生していることから、原木椎茸の生育適地として、椎茸栽培が盛んに行われている。原木椎茸は直射日光が当たらず風通しがよく、適度な湿度がある場所を好むため、草木が日除けとなったり、標高による冷涼な気候や、樹木が呼吸をすることで適度な湿気が保たれる山林の環境は好条件なのだ。</p>



<p>ちなみに椎茸には栽培方法によって「原木椎茸」と「菌床椎茸」があり、スーパーなどで販売されている生の椎茸は菌床椎茸が多い。その理由として、菌床椎茸は、おがくずを固めた菌床ブロックに人工的に養分を加えて育てるため3〜6か月で収穫でき、原木椎茸に比べて成長速度も4倍近く早い。加えて設備さえ整っていれば場所を選ばず、気候にも左右されないため、生産量も安定する。</p>



<p>一方、原木椎茸は天然の木に種菌を植え付けるので、木の養分のみで育つため成長には時間を要する。種菌を植え付ける榾木（ほたぎ）さえあれば、室内でも栽培することは可能だが、条件の整った自然の中でじっくり育った原木椎茸は、特段、味も強く、傘も肉厚になるのだという。</p>



<p>山田町では、この原木椎茸を乾燥させ乾椎茸（ほししいたけ）に加工することが多い。乾椎茸の中でも傘が大きく形が良いものは贈答品や高級食材として重宝されている。&nbsp;</p>



<h3 class="wp-block-heading">高級食材でもある山田町の乾椎茸</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi5.jpg" alt="" class="wp-image-54817" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi5.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi5-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi5-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>乾椎茸には、いくつかの呼び名がある。「花どんこ」は、傘の表面に花のような白い亀裂が入ったもので、見た目の美しさから贈答用に使われることが多い 。「こうしん」は、どんこよりも傘が開きヒダがあるものを指し、よく出汁が出るため、煮物などに重宝されている 。全農乾椎茸品評会には「こうしん中葉厚肉」や「花どんこ」「どんこ」などの部門があり、色･形･大きさなどによって審査される。</p>



<p>これらの品評会で賞を取るほどの 乾椎茸は、高級食材としてホテルや料亭などで使用される。見た目もよく味も良い山田町の乾椎茸は、料理人や寿司職人などから引っ張りだこだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">原木椎茸の名人として</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi2.jpg" alt="" class="wp-image-54818" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi2.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi2-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi2-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>原木椎茸の名人･芳賀榮三さんは、山田町の中でも内陸に位置する豊間根地区にきのこ工房を構え、原木椎茸を栽培している。秋になると山に入り松茸も採る。山を知る芳賀さんがとる松茸は品質が良いと評判で、周囲からは「茸の匠（きのこのたくみ）」とも呼ばれている。</p>



<p>芳賀さんが原木椎茸の栽培を始めたのは1983年。38歳の頃だ。全国の品評会で初めて農林水産大臣賞を受賞したのは49歳の時。その後も「花どんこ」の部で農林水産大臣賞を５回受賞。最高位の常連になった芳賀さんは「名人位」を授けられた。以来、部門を変えて出品し、受賞を重ねている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">山田町に豊富にあるナラの木で原木椎茸を栽培</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi12.jpg" alt="" class="wp-image-54819" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi12.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi12-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi12-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>芳賀さんの原木椎茸は、露地栽培とハウス栽培の両方で行われる。椎茸の菌を植える榾木（ほだぎ）は、ナラの木を使う。榾木に適しているのは針葉樹ではなく、広葉樹だ。 他県ではクヌギを使うことが多いが、山田町の山林にはクヌギが生えておらず、一方でナラが豊富にあるため、ナラを使っている。ナラの木は樹皮に亀裂があり、椎茸の種菌（たねきん）を植えやすいという特徴もある。芳賀さんは「ほかの広葉樹で栽培するところもあるが、試してみてもやっぱりナラの木で作った椎茸が美味しい」と言う。 椎茸は涼しく程よい湿度がある場所で育つため、榾木には直射日光が当たらない方がいい。そこで、露地栽培と言っても背の高い樹々に覆われた山林の中で栽培される。椎茸の大きさは榾木の大きさに比例するという。太くて立派な榾木であれば、椎茸も大きくなるというわけだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">山田町の原木栽培を牽引する存在</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi11.jpg" alt="" class="wp-image-54820" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi11.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi11-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi11-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>芳賀さんが原木椎茸の栽培を始めた1983年は、ちょうど山田町が椎茸栽培に力を入れ出した頃と重なる。同じ時期に原木椎茸を始めた人たちがたくさんいた。しかし、平成に入ると安価な中国産が出回るようになり、市場価値が低下。山田町の原木椎茸も苦境に立たされた時期があった。なかにはその頃に廃業してしまった人もいるという。そのような中でも、芳賀さんは精力的に全国の品評会に出品を続けた。&nbsp;</p>



<h2 class="wp-block-heading">原木椎茸の未来に思いを馳せる</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi15.jpg" alt="" class="wp-image-54821" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi15.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi15-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi15-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>芳賀さんは80歳を過ぎてもなお、精力的に原木椎茸を作る。「菌床椎茸よりも原木椎茸のほうが、歯ごたえがあって旨味もある」と言い、原木椎茸にこだわる。<br>品評会で受賞する原木椎茸は、傘の大きさ、色、形をできるだけ揃えたものを出品するのだという。同じ大きさの椎茸を数多く育てるには、榾木の大きさも揃えなければならない。榾木の直径は約18㎝。重さもあることから、高齢の芳賀さんにとって榾木の管理は重労働だ。</p>



<p>「ずっとハウスの中に入れておくと高温障害が出る。7月になればハウスの中は暑くなる。そうしたら榾木を山に置く。薬をかけるより、山に戻しておくほうが風通しも良くていい」と芳賀さん。11月。ハウスの榾木にはまだ椎茸は発生していなかったが、4月ごろになると収穫できるという。農薬をかけない榾木を使って栽培するから原木椎茸は安全･安心なのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">命ある限り原木椎茸を作り続ける</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi4.jpg" alt="" class="wp-image-54822" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi4.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi4-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/07/kinokonotakumi4-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>山田町で原木椎茸の栽培が盛んになった頃から、第一線を走り続けている芳賀さん。同年代の生産者が栽培をやめてもなお、椎茸栽培の最前線を行く。「1番の課題は自分の体力。これが最後の椎茸になるかもしれないと毎年思いながらやっている」と話す。しかし、そのような中でも、芳賀さんは品評会で結果を出し続けている。「長年の積み重ねなんだろうね。毎日通っていれば気候が教えてくれる。湿度が上がった時に傘が割れて白くくっきり亀裂が入り、きれいな椎茸になる。湿度が足りない時は散水する。我ながらうまいことやっている。後継者の育成もしないとね。命ある限りはがんばりたい」と話す芳賀さん。その表情には名人としての矜持があった。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54808/">山田町の原木椎茸を牽引し続ける。茸の匠･芳賀榮三さん／岩手県山田町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>家族の想いを未来へつなぐ。「ファームベジコ」より愛を込めて／高知県高知市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/54642/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 19 Jun 2026 04:39:32 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[きゅうり]]></category>
		<category><![CDATA[野菜ソムリエサミット大賞]]></category>
		<category><![CDATA[冬きゅうり]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[ベジタブル・コミュニケーション＆コラボレーション]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-b131400-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>太平洋の恵みと山河が育む自然豊かな南国の地・高知県。なかでも高知市春野町は太平洋に面した温暖な地域だ。海から吹く風と豊かな日照、そして平野と丘陵が入り混じる地形。こうした土地の恵みを受けながら、ファームべジコは農の未来を [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-b131400-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>太平洋の恵みと山河が育む自然豊かな南国の地・高知県。なかでも高知市春野町は太平洋に面した温暖な地域だ。海から吹く風と豊かな日照、そして平野と丘陵が入り混じる地形。こうした土地の恵みを受けながら、ファームべジコは農の未来を切り拓いている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">冬にハウスで野菜を育てる、逆転の農業</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-b132415.jpg" alt="" class="wp-image-54649" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-b132415.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-b132415-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-b132415-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>高知県は県土の約9割を山地が占め、四国山地から流れ出る河川は急流となって海へ注ぐ。そのため土砂が広く堆積しにくく、大規模な平野が発達しづらい地形が特長だ。では、この限られた平地をどう生かすのか。その課題に応える形で発展してきたのが、狭い面積でも高収量を得られるハウス園芸だった。夏は山間部で露地栽培、冬は平野部でハウス栽培。季節と地形を巧みに使い分けることで、この土地ならではの農業が形づくられてきた。</p>



<p>長崎朝陽さんがつくるファームべジコのきゅうりは、10月初旬に定植し、11月中旬から6月まで毎日収穫が続く。露地栽培では夏に実る作物を、冬に育てるという逆転の発想だ。寒さに耐えたきゅうりは青臭さが薄れ、甘みが増す。冬のハウスで育つきゅうりには、夏とは異なる静かで力強い味わいが宿っている。</p>



<p>しかし、寒冷地では加温費がかさむため、冬のきゅうり栽培を大規模に広げることは難しい。その点、温暖で日照に恵まれた太平洋側は、冬の実りを育むのにふさわしい土地といえる。なかでも高知県はきゅうりの収穫量が全国上位に位置し、近年は6〜7位前後を推移。重要産地として安定した地位を保っている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">土をつくり、葉を読み、実をまっすぐに育てる</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-081210.jpg" alt="" class="wp-image-54650" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-081210.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-081210-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-081210-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ファームべジコのきゅうりは、夏の3か月間のオフシーズンにすべてが決まる。米農家でもある長崎家では、稲作で出た籾殻や米ぬかを大量に土へ入れ、発酵させる。冬のきゅうりが驚くほど甘いのは、この土づくりに理由がある。ぬか漬けが甘くなるのと同じ理屈で、米ぬかで育った土が甘みを引き出す。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ハウスに息づく、緑の生命力</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-081916.jpg" alt="" class="wp-image-54651" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-081916.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-081916-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-081916-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ハウスの中では、一本のきゅうりの株から伸びる“身体”と“手足”のようなつるを見極めながら、葉の枚数を調整し、光合成の量をコントロールする。葉はそれぞれ近くの実を育てる役割を持ち、葉を落としすぎても残しすぎてもいけない。</p>



<p>日本の市場では「まっすぐなきゅうり」が求められる。葉に触れれば曲がり、地面に触れれば黄色くなる。農家は一本一本の成長を見守りながら、時に摘果し、時に手で形を整え、A品へと仕上げていく。A品とは、形・色・大きさが規格どおりで、傷や曲がりが少ない正規品のことだ。もちろん曲がっていても味は変わらない。それでも市場の規格が農家の収入を左右する現実がある。</p>



<p>ハウスの中で、きゅうりのつるは空気を探るように細く伸び、まだ何にも触れていない先端が、そっと宙に揺れている。支えを求めて手を伸ばす前の、ためらいにも似た静かな動き。</p>



<p>そのわずかな気配の中に、これから命がどこへ向かうのかを選び取ろうとする、植物の確かな意志が宿っている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">50年続く農園と、家族が残した遺産</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-083848.jpg" alt="" class="wp-image-54652" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-083848.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-083848-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-083848-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ファームべジコの歴史は、50年以上前に遡る。祖母の代からメロンやトマトを育ててきた農家に、旅行会社で働いていた父が養子として入り、畑を受け継いだ。農業は未経験。それでも、職人気質の父は土に向き合い、一つひとつの作業に没頭し、技を磨いていった。</p>



<p>そのそばには、同じ旅行会社に勤めていた母がいた。人と自然に関係を結ぶ力を持つ母は、「ベジタブル・コミュニケーション＆コラボレーション」という理念を掲げ、ファームべジコというブランドを立ち上げた。シェフとの対話を大切にし、きゅうりだけでなくハーブや多様な野菜を育て、料理人の声に応え続けた。さらに東京のスーパーへ自ら足を運び、品評会にも積極的に挑むことで、一般の生活者へも、ファームべジコの名を静かに、そして確かに広げていった。</p>



<p>両親が築いた農園を守り、次の世代へつなぐために、長崎さんは東京でのサラリーマン生活を経て、自ら畑に立つ道を選んだ。しかし 2025年5月、母は病でこの世を去った。長崎さんが農園に戻って4年目のことだった。直接教わった時間は長くはない。それでも、母の背中から受け取った“人の喜ぶ顔をつくる農業”という精神は、今も変わらず、この農園の中心に息づいている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">市場と直販の狭間で揺れる、農家の現実</h3>



<p>現在、ファームべジコの出荷は市場が7割、直販が3割。JA出荷はやめた。JA出荷は手数料が高く、農家の手取りは半減することもある。価格決定もJA主導で、売り先を主体的に選びにくい。一方で、集荷・選別・販売を任せられ、販路が安定する利点は大きい。</p>



<p>市場出荷は手数料が1割程度と低く、手取りが増えるのが魅力だ。ただし、仕分け・箱詰め・出荷作業をすべて自分で担う必要があり、品質の安定や信頼づくりも農家の責任となる。それでも、自らが育てるきゅうりへの愛情と誇りが、個のブランドを育てる道を選ばせた。</p>



<p>きゅうりの単価は相場で決まり、農家が値段を決めることはできない。A品でも1本30円ほど。規格外は1キロ50円という厳しい世界だ。ハウスの建て替えには3千万〜4千万円。修理だけでも毎年、百万単位の費用がかかる。若い農家が増えない理由がここにある。</p>



<p>それでも長崎さんは「農業は楽しい」と言う。</p>



<p>「親元就農で基盤があったことは幸運でした。けれど、何もない状態から始めるにはハードルが高い。国が使われていないハウスを若者に貸し出す仕組みがあれば、農業人口は増えるはずです」と語る。</p>



<p>直販を増やし、適正価格で買ってくれるシェフやスーパーとつながること。それが小規模農家が生き残る道だ。実際、2013年に野菜ソムリエサミットにて大賞を受賞して以降、ファームベジコの知名度は向上し、東京のレストランや外資系ホテルのシェフたちは、同園のきゅうりを求めて高知を訪れるようになった。なかには花のついた極小サイズのきゅうりを欲しがる海外シェフもいる。そんな料理人の感性が、農家に新しい視点をもたらしている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">これからも守りたい“味”。若き農家の想い</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="547" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-081342.jpg" alt="" class="wp-image-54653" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-081342.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-081342-300x199.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/25nagasaki-081342-768x509.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ファームべジコのきゅうりをかじると、収穫直後から水分があふれ、みずみずしさが口いっぱいに広がる。しかも、そのみずみずしさは数日経っても失われにくい。冬にゆっくり育つことで細胞が締まり、水分を抱えたまま保つ力が強まるのだ。<br>さらに冬の寒さに耐えた実は青臭さが少なく、驚くほど甘い。</p>



<p>長崎さんは言う。「父がいなくなっても、味が変わったと言われるのが一番嫌なんです」。ハウスを増やすつもりはない。規模を追わず、味を守る。そして、自分たちの作物を正当に評価し、適正価格で買ってくれる人たちとつながる。それがファームべジコのこれからの形だ。</p>



<p>高知の冬に育つ一本のきゅうり。その背景には、家族の歴史、土地の気候、土の記憶、そして人と人のつながりがある。静かなハウスの中で、今日もまた、まっすぐに伸びようとする小さなつるが、支えを探して手を伸ばしている。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54642/">家族の想いを未来へつなぐ。「ファームベジコ」より愛を込めて／高知県高知市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>人と環境にやさしい農法で、旬のおいしい野菜を追求する「ニッケイファーム」大竹英世さん／福島県郡山市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 19 Jun 2026 04:26:50 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[ピュアホワイト]]></category>
		<category><![CDATA[直売]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[トウモロコシ]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0469.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「虫も出ない畑を子どもたちには見せたくないから、農薬は使いません」ときっぱり話すのは、「ニッケイファーム」代表の大竹秀世さん。農業を志して17年あまり。農薬を一切使用せず、有機肥料での野菜作りにこだわり、今では年間100 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0469.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「虫も出ない畑を子どもたちには見せたくないから、農薬は使いません」ときっぱり話すのは、「ニッケイファーム」代表の大竹秀世さん。農業を志して17年あまり。農薬を一切使用せず、有機肥料での野菜作りにこだわり、今では年間100種類もの野菜を栽培する、福島県郡山市の農業の未来を担う1人だ。2024年の「野菜ソムリエサミット」で最高金賞を受賞した「レジェンドほうれん草」でも知られ、全国からも注目される存在に。農業に従事しながら自社直売所での販売を担当する奥様の志保さんやスタッフとともに、人を喜ばせる野菜作りを追求している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">美容師から農業へ転身。人を喜ばせる意味では同じだった</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0444.jpg" alt="" class="wp-image-54636" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0444.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0444-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0444-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>実は大竹さんは、高校卒業後に最初についた職業は美容師だったそう。「高校時代、ある美容師さんに自分の髪の悩みを解決してもらえた時、自然に『ありがとうございます』という言葉が出たんです。自分もいつか美容師として人を喜ばせたいと思い、弟子入りしました」。</p>



<p>当時から、大竹家では畑を所有して野菜を育てていたが、農業に携わっていたお母様が病気のために畑に出られなくなったことで、農業に携わることに。美容師の道に進めたことへの感謝の思いもあり、その後、悩みながらも美容師から転身し、農業の道を志すことになった。</p>



<p>「まさか美容師をやめて農業の道に進むとは思ってなかったので自分でも驚いています。当初はやりたくなくて、泥まみれになるのはかっこ悪いと思っていました。でも、うちの野菜を食べた方からの『おいしかった。ありがとう』の一言に、美容師でも農業でも人を喜ばせる意味では同じだと気付きました。農業で人を幸せにしたいという気持ちが芽生えました」と笑顔で振り返る。</p>



<h2 class="wp-block-heading">土の中にいる生き物こそ、農業に欠かせない大切な仲間</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0613.jpg" alt="" class="wp-image-54637" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0613.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0613-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0613-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>周囲からは「無農薬は難しい」と言われて悔しかった大竹さんは、まず初めにトウモロコシを1,000本植えて始まった。しかし、ハクビシンやカラス、虫の被害にあってしまいトウモロコシは全滅。その経験からハクビシン除けに電柵を張るなど工夫し、少しずつ成功率を上がっていったそう。「微生物を育てながら栽培していくと、連作（同じ場所で同じ作物を何度も繰り返し栽培すること）によって起こる野菜の病原菌感染や育ちが悪くなるなどの障害も出ないようです」と独自の有機農法に自信を持つ。</p>



<p>就農して約17年。勉強熱心で追求する性格の大竹さんは多種多彩な野菜作りに挑戦してきた。とにかく農業を知ることから始まり、先輩農家の話を聞いたり、指導を受けるなど様々な経験を積んで、失敗を重ねながら独自のスタイルを築いてきた。</p>



<p>野菜作りにおいて大竹さんが大切にしているのは、農薬を使わずに昔ながらの農業を残していくこと。ただし、決して農薬否定派ではない。その思いの背景にはご自身の幼少時代の楽しかった経験が影響していると言う。</p>



<p>「昔から虫が大好きで、カブトムシやトンボを採ったりしていました。田んぼにはカエル、畑には虫がいるのが当たり前でしたが、農薬を使い出したせいか、いつの間にか消えてしまいました。農業の実体験を通して学びましたが、野菜を育てているのは土であって、土作りのやり方を変えることで、土壌の微生物たちも変化し、健康な土になる。健康な土になれば、自然と虫も増えるんです。だから、むしろ虫たちから野菜の生育のヒントをもらいます。虫たちがいる畑は子どもたちにも誇れますから」と楽しそうに笑う。虫たちにとって畑はレストランみたいなものだと言う。人間が身勝手に殺虫するのではなく、土質をあまりいじらず、緑肥という形で少しずつ微生物を増やしている。「虫がいる土を使って野菜作りをさせていただいている」という考えで今のスタイルを築き上げた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">震災後の苦しい状況を乗り越え、熱い思いで農業を守る</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0496.jpg" alt="" class="wp-image-54638" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0496.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0496-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0496-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>大竹さんは農業について勉強する中で、出荷についてもこだわりを追求してきた。無農薬野菜や多品種の希少な野菜を必要とする方に届けるための手段を検討した結果、市場やJAなどへの出荷ではなく、契約する販売店や飲食店へ直接販売する独自の農業を貫きながら、自社直売所でも旬の野菜を販売する。</p>



<p>順調に農業の道を歩んできたように思えるニッケイファームだが、17年の間には東日本大震災後の風評被害やコロナ禍を経験し、作った野菜を捨てなければならないような苦しい状況を何度も乗り越えてきた。</p>



<p>「震災前の売り上げは飲食店を専門とする仲介業者を通して東京の飲食店などに出す分が約8割、地元が2割ぐらいの比率だったので震災と原発事故の風評被害で8割分がごっそりなくなってしまいました」と振り返る。福島県民にも地元野菜が避けられたため、「当時のことを思い出すと、今でも涙がこらえられなくなります」と話す奥様の志保さん。しばらくは作っては捨てるという毎日を過ごし、心身ともにダメージが大きかった。赤字が続き、会社としては全く成立していなかったが、地元のレストランが立ち上がったことで支えられ、復興に向けて少しずつ歩んできたと言う。</p>



<p>「10年ぐらいは本当に苦しくて大変でした。しかし、震災後に農業をあきらめざるを得なかった方も多い中で、僕らは福島県、そして郡山の農業を未来へ繋いでいかなければならないと決意しました」と故郷への思いを語る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">自社直売所では、有機肥料で育てた新鮮な旬の野菜を販売</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0592.jpg" alt="" class="wp-image-54639" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0592.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0592-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/XXXX0592-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>郡山市大槻町の住宅街に静かに佇むニッケイファームの直売所では、自社の野菜を中心に、おいしい野菜を作っている生産者の野菜も多数取り扱う。小さな店舗にはカラフルな野菜や、他店では目にすることがあまりない希少な品種が並び、訪れる人を笑顔にする。農薬を使わず、有機肥料で栽培した野菜は自然の恵みをたっぷり吸収し、味も香りも濃厚。夏の時期は枝豆、ズッキーニ、インゲンなどに加え、カラフルなミニトマトやビーツ、京まんじゅう（ナス）などが登場。コロンとした形が愛らしいサラダカボチャや朝採りのトウモロコシは生でも食べられるほど新鮮だ。</p>



<p>「口頭にはなりますが、お客様には販売する野菜を使って楽しめる料理のレシピを数種類ご紹介しています。直接話せるのは楽しいし、野菜の魅力を伝えることができるのはうれしいです」と微笑むのは、直売所を切り盛りする志保さん。また、市内のレストランでニッケイファームの野菜を使用した料理を食べ、自分でも調理してみたいと来店する人も多いそう。</p>



<h2 class="wp-block-heading">まるでフルーツのような甘さ。生でも食べられるトウモロコシ</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="683" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/image-7-1024x683.jpeg" alt="" class="wp-image-54632" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/image-7-1024x683.jpeg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/image-7-300x200.jpeg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/image-7-768x513.jpeg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/image-7.jpeg 1299w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>年間100種類もの品種を栽培するニッケイファームは少量多品種をベースとしているが、その中でも主力のトウモロコシは26,000本もの量を出荷している。旬を迎える夏の3か月間は毎日午前3時頃に収穫し、もぎたての新鮮な状態で出荷する。それは、トウモロコシは夜中にデンプン（糖分）を蓄え、朝が一番甘みのある状態だからだ。また、早朝に収穫したトウモロコシは水分量が多いため鮮度を保ちやすくなり、昼間の暑さによる品質の劣化を防ぐのにも役立つという。</p>



<p>ニッケイファームでは、トウモロコシは通常より10日ほど長く育てるため、甘みが凝縮し味が濃くなるそう。白いトウモロコシ「ピュアホワイト」の糖度は22.5度、黄色いトウモロコシは21.5度と高水準を維持している。</p>



<p>「トウモロコシの頭の部分を触って実がしっかりしていて、お尻を触って確認し、ひげ部分の乾燥具合や色で判断をして収穫します」とピュアホワイトを手にする大竹さん。トウモロコシの害虫として知られるアワノメイガを防ぐために茎を切ったり、葉の数を減らすなど工夫することで害虫被害は劇的に減ったと言う。</p>



<p>「白いトウモロコシは生食がおすすめです。ジューシーで新鮮な甘みを感じることができます。黄色は少し火入れをしたほうが甘みが増します」と教えてくれた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">野菜の味でたくさんの人を感動させたい</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="683" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/image-8-1024x683.jpeg" alt="" class="wp-image-54634" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/image-8-1024x683.jpeg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/image-8-300x200.jpeg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/image-8-768x512.jpeg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/06/image-8.jpeg 1300w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>「夢はまだまだたくさんあります」と笑う大竹さん。そのひとつが自分の農業のスタイルになっている、野菜の味でたくさんの人を感動させること。</p>



<p>野菜を食べることや食べさせることを親子で義務のように感じるのではなく、子どもがお菓子を買うように、「あそこの野菜がおいしい」「あのトウモロコシが食べたいから買ってほしい」と思われるような存在になりたいと願う。</p>



<p>「子どもの頃の農業体験を通して面白さやメッセージを届けることができれば、畑は子々孫々まで野菜を作り続けられる場所であり続けることができると信じています。また畑に遊びに行ってみたいと思われることが幸せです」。</p>



<p>また、消費者にとって野菜が安いのは当たり前という現状は決して農家が望んでいることではないため、「農家が抱える状況を理解して意識を変えてもらうことも大事なこと」と言う。</p>



<p>「様々な困難を乗り越えてきましたが、今となっては農業をやってよかったと思えます。誰かのためにできることなら僕は頑張れます」と話す大竹さん。隣で志保さんも大きくうなずく。これからも「おいしかった！」という笑顔を見るために、日々やりがいを感じながら独自のスタイルで農業の道を突き進んでいく。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54628/">人と環境にやさしい農法で、旬のおいしい野菜を追求する「ニッケイファーム」大竹英世さん／福島県郡山市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>農家の未来を見据え、儲かる農業を目指す「黄金崎農場」／青森県弘前市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/54448/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 07 May 2026 10:01:38 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[新着記事]]></category>
		<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[キャベツ]]></category>
		<category><![CDATA[JGAP認証]]></category>
		<category><![CDATA[おきな]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_66.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>全国でもトップクラスの広大な土地で葉物野菜や加工用じゃがいも、種芋など30品種以上の野菜を生産する「黄金崎農場（こがねざきのうじょう）」。取引先には大企業も名を連ね、2025年には、キャベツが青森県初のJGAP認証を取得 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_66.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>全国でもトップクラスの広大な土地で葉物野菜や加工用じゃがいも、種芋など30品種以上の野菜を生産する「黄金崎農場（こがねざきのうじょう）」。取引先には大企業も名を連ね、2025年には、キャベツが青森県初のJGAP認証を取得。地元産野菜の底力を見せ、未来の農家を支える取り組みを続ける。</p>



<h2 class="wp-block-heading">広大な土地と利便性を生かした青森らしい農業</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_27.jpg" alt="" class="wp-image-54454" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_27.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_27-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_27-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>500ha（東京ドーム100個分）の土地に、じゃがいも、キャベツ、大根などのほか30品種以上の種芋を全国へ届けている「黄金崎農場」。取引先は北海道から沖縄までと広く、カルビーポテトや湖池屋など大手企業の名も並び、青森の土地環境を生かした農業を続けている。</p>



<p>規模の大きさや品質以外に、青森ならではの利点があるという。そこに着目したのが、創業者の佐々木君夫さんら4人の農家だった。彼らは、北海道に似た気候と土地の利便性を生かし、持続可能な農業経営を目指したという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">農家でもサラリーマン並の給料を</h3>



<p>佐々木さんが同社を設立したのは、1976年。20代の頃だった。天候や野菜の価格の不安定さを危惧し、「サラリーマンのような安定した収入のある農業はできないか」と仲間4人で話し合い、法人組織を発足。これにより、規模の拡大やコストダウンも期待でき、利益が出れば給料になると考えたのだ。</p>



<p>当初から取り入れたのが、土地利用型農業だ。土地利用型農業とは、広大な土地を利用し、大型機械やスマート農業を導入して作業の効率化や、同じ作物を同じ畑で栽培し続けることで土壌環境が変化して生育が悪くなってしまう連作障害の軽減も期待できる農法で、北海道型の大規模農園を目標とした。北海道のような規模を想定したのは、ひとつは気候が似ていることにある。じゃがいもなどは冷涼な地域が適地の品種が多く、青森の昼夜の寒暖差も高品質なじゃがいも生産に向いているという。</p>



<p>さらに、青森の最大の強みは陸路での流通が可能という点だ。特に葉物野菜は一日でも早く届けることが重要となるため、北海道に比べると関東圏の取引先などは有利といえる。気候と流通の強みを生かし、青森ならではの大規模農園を定着させようと考えたのだ。</p>



<p>佐々木さん達は若者らしい行動力の早さで土地を見つけ、さっそく企業法人経営をスタートさせた。見つけた土地は、西海岸に面した深浦町の「黄金崎」岬の丘陵地で、朝から晩まで開墾をしながら資金繰りを猛勉強する日々だったという。農家の給与面の不安定さは今も昔も課題となっているが、そこを解決することで次世代の若手育成も視野に入れながら、突き進んでいったという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「儲ける農業」から「損をしない農業」へ</h3>



<p>土地を開墾し、じゃがいもやにんじん、メロンにスイカなどさまざまな品種の野菜を作り、市場へ持ち込んだのだが、期待通りの収入にはつながらなかった。そこに冷害などが重なり、生活もままならない状況が続き岐路に立たされた佐々木さんらは、市場への出荷をストップさせる道を選んだ。相場に左右されるよりも、自らが売価を設定して売り込もうと考えたのだ。創業から6年ほど経った頃だった。</p>



<p>営業先は、東京の商社。営業経験はなかったが、良い農産物を大量に安定して仕入れたいという先方の要求と、佐々木さん達の農業形態がうまく合い、交渉は順調に進んだ。「儲け一辺倒」から価格の安定した「損をしない経営」、「作る農業」から「売る農業」へと方向性を変えていったという。</p>



<p>じゃがいもや大根などを中心に契約栽培をし、売上も徐々に伸びていった。利益が出たことで経営面積も増え、黄金崎に250ha、弘前市の岩木山麓に250haという広大な農園に成長していったのだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">日本でも有数な高品質の種芋</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_05.jpg" alt="" class="wp-image-54455" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_05.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_05-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_05-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>取引先を増やすと同時に行ったのが、高品質な種芋（たねいも）の生産。種芋とはじゃがいもなどの繁殖用として植える芋のことで、当初は加工用のじゃがいもを生産していたのだが、使用した種芋の状態が悪く、納得のいく出来にならなかったそう。それならば自分達で種芋から作ろうと考えたのが始まりだという。高品質なじゃがいも栽培には、種芋の品質も重要になってくる。</p>



<p>しかし、「じゃがいも栽培以上に、種芋栽培は難しい」と言われるほどで、病害管理が非常に厳しくウイルスや細菌に感染させないことが絶対条件となる。また、冷涼で災害発生が少ない立地であることや、異なる品種が混同しないよう距離をあけるなど、品質管理の徹底が必要なのだ。難しい分野への挑戦ではあるが、国産じゃがいもの品質を守りたいと、試行錯誤を繰り返した。</p>



<p>その中でも同社の強みとなったのが、広大な土地だ。異なる品種の種芋を植えても混同するリスクが少なく、連作障害も防げる。</p>



<p>その努力が徐々に実を結び、今では全国のじゃがいも農家へ黄金崎農場の種芋を届けるほどになった。特に多品種の種芋を栽培している農場は数少ないため、日本のじゃがいも生産を支えているといっても過言ではないのかもしれない。</p>



<p>「今では黄金崎農場といったら芋という方もいるほど定着しています。ただ、品種の特性を把握したり、風乾及び冷蔵保存できる施設が必要にもなります」と話すのは現代表取締役社長の東正浩さん。企業の担当者と連携してアドバイスをもらうなど、安定供給できる仕組みづくりを続けているそうだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">次世代へとつなぐ想い</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_10.jpg" alt="" class="wp-image-54456" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_10.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_10-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_10-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「昨年、加工用のキャベツがJGAPを取得しました。これは、企業や消費者の方の信頼にもつながると思っています」と話すのは、専務取締役の大倉和則さん。JGAPとは「Japan Good Agricultural Practice（日本の良い農業の取り組み）」の頭文字を取った日本発の農業生産工程管理の認証制度で、農業におけるリスク（農薬管理、異物混入、労働災害など）を減らし、安心・安全な農産物を安定的に生産するための基準だ。</p>



<p>主にカット野菜用で出荷しているキャベツは「おきな」という品種で、スーパーなどでよく見かける千切りキャベツなどにも使用されている。コールスローなどみじん切りに近い状態でもボリュームが出る固めの葉で、パリッとしていて歯ごたえがある。全国的に展開しているチェーン店の餃子にも使用されているそうだ。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_78.jpg" alt="" class="wp-image-54457" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_78.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_78-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/koganezaki_78-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「土づくりが重要になりますが、広さもあって時間もかかります。18ha／枚くらいある大きな畑だとトラクターで何周もしないといけないので、そこをAIなどで自動化できないかと考えています」と大倉さん。コスト面の問題もあるが、規模が大きいからこそドローン（令和8年5月7日納品）や機械の導入などは積極的に取り入れ、時代に合わせた仕組みづくりをし、環境整備を考えていきたいと話す。</p>



<p>また、広大な土地だからこそ、さまざまな品種にチャレンジできるメリットもある。昨年挑戦した玉ねぎは納得のいく出来にはならなかったが、大倉さんは「原因は必ずあるので、解決できればうまくいくと思っています。いつか産地になるかもしれません」と、意欲的だ。失敗を恐れるのではなく、そこから学んでいく姿勢が黄金崎農場をここまで成長させたのかもしれない。</p>



<h3 class="wp-block-heading">佐々木さんからつなぐ未来の農業</h3>



<p>実は大倉さんは茨城県からの移住者で、佐々木さんの想いに魅せられ入社を決意したという。「以前は30年ほど営業職をしていました。でも、佐々木さんの人柄と想いに惹かれてここに来たんです」。</p>



<p>長年農家の未来を願い、つなげようと奮闘した佐々木さんの姿は、さまざまな人の気持ちを動かしたようだ。大倉さんが勤めて間もなく亡くなったそうだが、次世代へとバトンをつないでほしいと、その想いごと託されたのだという。</p>



<p>「人手不足や高齢化など、農業の課題はまだまだあるかもしれません。それでも、国産野菜の重要性、日本の食を支える手助けをするため、地域農業の発展に貢献していきたいですね」。</p>



<p>佐々木さんが思い描いた農家の夢は、今の世代へとしっかり受け継がれている。日本の食を支える人達が、これからも継続し続けられる仕組みづくりは、今後さらに広がりをみせてくれそうだ。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54448/">農家の未来を見据え、儲かる農業を目指す「黄金崎農場」／青森県弘前市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>農業を「稼げる産業」へ。地域の未来を育てる農業経営「舞台ファーム」／宮城県仙台市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 10 Apr 2026 10:14:06 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[農業コンサルティング]]></category>
		<category><![CDATA[レタス]]></category>
		<category><![CDATA[美里グリーンベース]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2005.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>宮城県北東部に位置する美里町。町の約7割が水田や畑という、農業が暮らしに根づいた地域で、大規模ハウスによるレタス生産を行っているのが「株式会社舞台ファーム」だ。農作物の栽培・生産・商品開発に加え、物流や農業コンサルティン [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2005.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>宮城県北東部に位置する美里町。町の約7割が水田や畑という、農業が暮らしに根づいた地域で、大規模ハウスによるレタス生産を行っているのが「株式会社舞台ファーム」だ。農作物の栽培・生産・商品開発に加え、物流や農業コンサルティングも行い、多角的な農業経営を展開。全国の農家や企業と連携し、グループ連結で年間61億円の売り上げを生み出すまでに成長してきた。その背景には、従来の農業の枠にとらわれない、独自の経営戦略がある。</p>



<h2 class="wp-block-heading">家族経営の枠を超えて、農業DXを切り拓いた老舗農家</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2327.jpg" alt="" class="wp-image-54308" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2327.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2327-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2327-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>1720年から農業を営んできた針生（はりう）家。15代目で、株式会社舞台ファームの代表取締役社長を務める針生信夫さんが家督を継いだ時代に、大きな転換点を迎えた。</p>



<p>家族経営が主流だった当時、信夫さんは早くから農業の高齢化や働き手不足、後継者不足に危機感を抱き、最先端技術によるDX化や設備投資を積極的に導入。固定観念にとらわれない経営判断により、家族経営の枠を超えた大規模農場への基盤づくりを進めてきた。その背景にあったのは切実な危機感だった。家業に入ってからは長時間労働を行う毎日で「このままでは、働き続けても持続可能な形にならないのではないかのではないか」。そんな思いが、経営を抜本的に見直すきっかけになったという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">約300年続く農家の15代目が考えた<strong>「</strong>持続可能な農業<strong>」</strong></h3>



<p>「15代目は22歳で結婚し、翌年には14代目から家督を継ぎました。農家は50歳くらいまで家長のもとで暮らすという慣習があるなかでは、かなり早い決断だったと思います。『徳川家も15代目で大政奉還したように、15代目は大きな転換点になりやすい。だからこそ踏ん張れ』と、よく言われていたそうです」と教えてくれたのは、16代目で、舞台ファーム取締役の針生信洋さん。</p>



<p>15代目が家督を継いだ1980年代、農業は近代化という大きな転換期にあった。個人の努力だけでは立ち行かず、大規模化に耐えうる農機や設備への投資が不可欠な時代だったという。実際、この時期に思い切った設備投資や法人化に踏み切った農家のなかには、その後規模を拡大して成長した事例もある。一方で、従来の家族経営にとどまった農家が厳しい状況に置かれたのも事実だ。信夫さんは時代の変化を直感的に捉え、「持続可能な農業」を目指して経営基盤の強化を図った。</p>



<h3 class="wp-block-heading">農業の可能性を広げる鍵は「仕組み」にあった</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2156.jpg" alt="" class="wp-image-54309" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2156.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2156-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2156-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>農業が衰退する背景には、天候や土壌、担い手不足といった複数の要因が絡み合っている。いずれも、個々の農家が「一馬力」で解決できる問題ではない。だからこそ舞台ファームでは、過去の延長線ではなく、まず5年後、10年後の日本農業のあるべき姿を描き、そこから逆算して経営や技術導入を設計してきた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">家族経営からチーム経営へ。大規模化の舞台裏</h3>



<p>舞台ファームが家族営農から大規模ファームへ移行できた背景には、家族以外の人材を巻き込み、チームとして経営できたことがある。</p>



<p>高齢化した農家から土地を借り、5〜10年単位で契約を結ぶ形で事業を拡大。単なる土地確保にとどまらず、地域との信頼関係を築くことを重視し、農家の法人化支援や販路開拓支援にも取り組んできた。その道のりは平坦ではなく、契約条件の調整や将来不安への配慮など、一つひとつ対話を重ね、地域全体で持続可能な形を模索してきた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">16代目による「経営の見える化」で、生産効率を大幅改善</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2087.jpg" alt="" class="wp-image-54310" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2087.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2087-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2087-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2020年、16代目の信洋さんが舞台ファームへ入社。信洋さんはまず簿記や会計を独学で学び、PL（損益計算書）、BS（貸借対照表）、キャッシュフロー計算書を読み、会社の状況を理解することから着手した。「経営」を見える化することで、人が担うべき仕事、機械に任せられる工程、改善すべき点を洗い出し、ひとつずつ手を打っていった。</p>



<p>現在では、国内最大級のリーフレタス工場「美里グリーンベース」の運営や、IoT・AI技術の導入など、農業の在り方をアップデートする取り組みを次々と実践している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">露地栽培の約80倍の生産効率を実現する「美里グリーンベース」</h3>



<p>信洋さんは、農業には「日々の食を支える、食べなくてはならない農業」と、「付加価値を楽しむ嗜好品的な農業」の二つがあると考えている。舞台ファームが目指すのは前者。毎日口にする野菜を、安定した品質と適正価格で届けることだ。</p>



<p>その中核を担うのが、仙台市から北へ約60km、遠田郡美里町に構える次世代型植物工場「美里グリーンベース」。奥行500メートルに及ぶ大規模ハウスで水耕栽培を行い、天候や季節に左右されることなく、一日約4万株のリーフレタスを出荷している。リーフレタスは植物工場での自動化や周年栽培との相性がよく、品質の安定と高効率生産を両立しやすい作物。生産効率は露地栽培のおよそ80倍にのぼるという。国内外の事例を調べながら、舞台ファーム独自の運営モデルを構築したのだ。</p>



<p>計画生産によって廃棄率はほぼゼロ。さらに、電力を主なエネルギー源とし、ソーラーシェアリングを導入することで、環境負荷とコストの双方を抑える仕組みを構築している。安定供給と合理性を両立させるこの工場は、「食べなくてはならない農業」を支える象徴的な存在である。</p>



<h3 class="wp-block-heading">農地で電気もつくる。ソーラーシェアリングという選択</h3>



<p>農業は本質的に、太陽光エネルギーを食料へと変換する産業だ。舞台ファームでは、農地に支柱を立てて太陽光パネルを設置するソーラーシェアリングを導入。農地で米と電気を同時に生み出す仕組みを構築し、土地を「活用されていない負の動産」から「収益を生む不動産」へと転換している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">農業を稼げる産業に、数量×単価で考えるシンプルな経営</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_B_1858.jpg" alt="" class="wp-image-54311" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_B_1858.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_B_1858-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_B_1858-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>農業経営においても基本はビジネス。家族経営だとどんぶり勘定になりがちだが、売上を伸ばすには「数量×単価」の考え方が欠かせない。そのため、土地面積の拡大や二毛作・三毛作の導入、価格決定権の確保、徹底したコスト管理が重要だという。</p>



<p>また舞台ファームでは、JAに出荷を任せきりにせず、自ら価格を設定。市場関係者の動きや取引現場を観察し、各卸売業者の売値を把握。その上で、自ら小売店へ足を運び価格交渉を行い、直接契約へとつなげていった。肥料などの必要経費についても、「良いものを、いかに安く仕入れるか」を常に検討し、輸入に頼らざるを得ない肥料であっても、中間業者を極力省く工夫を重ねている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">地域の食を、次世代へつなぐために</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2129.jpg" alt="" class="wp-image-54312" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2129.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2129-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/butai-farm_A_2129-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>アメリカ留学など海外経験が豊富な信洋さんは、「日本ほど地域の食が豊かな国はない」と考える。その豊かさが、担い手不足によって失われていくことに、強い危機感を抱く。</p>



<p>地域の食を次世代につなぐために必要なものとして挙げてくれたのが、エネルギー、食料、雇用、教育という四つの柱だ。「エネルギーと食が安定的に手に入る町」を土台に、まず雇用を生み出し、次に特色ある教育を提供する。地域の農業生産者として食農教育にも積極的に取り組み、中学校などで特別授業を実施。農業の仕組みや経営の視点を伝えることでキャリア教育を推進し、人々が「ここに来たい」と思える町づくりの構想を進めている。エネルギーシェアリングを含めた仕組みづくりにより、農業を稼げる産業にし、2023年度で38％だった食料自給率を「最低でも50％以上に引き上げたい」と力強く語る。</p>



<p>その言葉の背景にあるのは、単なる数字目標ではない。地域に雇用を生み、次世代が誇りを持って農業に向き合える未来をつくるという決意だ。舞台ファームの挑戦は、一企業の成長物語にとどまらない。地域の可能性を、次の世代へ手渡すための実践である。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54302/">農業を「稼げる産業」へ。地域の未来を育てる農業経営「舞台ファーム」／宮城県仙台市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>“一途に育てて半世紀”トマト農家の新たなる挑戦「ヨダファーム」／山梨県中央市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 22 Mar 2026 04:33:37 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[桃太郎トマト]]></category>
		<category><![CDATA[トマト糀カレー]]></category>
		<category><![CDATA[トマトの『み』]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export2.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>甲府盆地の中央部に位置する山梨県中央市は、日照時間の長さとミネラルが豊富な水を活かし昔から農業が盛んな地域。この地でヨダファームはトマト一筋でつくり続けること約半世紀。娘婿の功刀隆行（くぬぎたかゆき）さんが加わり6年、ト [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export2.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>甲府盆地の中央部に位置する山梨県中央市は、日照時間の長さとミネラルが豊富な水を活かし昔から農業が盛んな地域。この地でヨダファームはトマト一筋でつくり続けること約半世紀。娘婿の功刀隆行（くぬぎたかゆき）さんが加わり6年、トマトの美味しさを伝えるべく日々奮闘している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">義父の育てたトマトの味</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export4.jpg" alt="" class="wp-image-54166" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export4.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export4-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export4-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ヨダファームに功刀さんが就農するきっかけとなったのは、農園長である依田克己（よだかつみ）さんの娘である妻との出会いだった。結婚の挨拶で訪問した際、義父である克己さんの育てたトマトを食べ、その美味しさに感銘を受けたという。しかし、「トマトづくりは自分の体力が尽きたら終わりだ」という克己さんの言葉に、高齢化が進む農業界の実態を痛感する。功刀さんは「こんなに美味しいトマトを終わらせることはできない」と一念発起。13年間勤めた農業協同組合の退職を決意し、後継者となるため就農を果たした。</p>



<h2 class="wp-block-heading">トマト一筋、こだわりの品質</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_0683_batch.jpg" alt="" class="wp-image-54167" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_0683_batch.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_0683_batch-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_0683_batch-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>60年の歴史を持つヨダファームでは、代々「桃太郎トマト」に品種を絞ってトマトをつくり続けてきた。桃太郎トマトは甘みと酸味のバランスの良さが特徴の大玉トマト。フルーツトマトなど甘みの強い品種が好まれる中「甘さだけではない」トマトづくりを追及してきたのだという。味が濃く、はじけるような瑞々しさ、皮の薄さや実とゼリー部分のバランス、それら細部に至るまでこだわり抜かれているのがヨダファームのトマトなのだ。</p>



<p>「量産するのではなく“質”に重きを置いてきた」というトマトづくりには、随所に長年培ってきた工夫がみられる。本来であれば1本の苗から約70個のトマトが実るところをその半量に制限し、1個に対して2個分の旨味と栄養が凝縮された濃厚な味わいのトマトをつくりあげている。他にも自然に近い状態でトマトを育てるため、農薬の使用に細心の注意を払いながら受粉を担うマルハナバチの活動を妨げない環境づくりへの取り組みも行っている。このような品種を限定したトマトづくりの裏には、「様々な品種に栽培のリソースを分散させるのではなく、これまで積み上げてきた経験を最大限活かして質を高めていく」というこだわりが詰まっている。そしてその思いは克己さんから功刀さんへ、二代にわたって受け継がれているのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">水耕栽培で育つトマトの味は？</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export3.jpg" alt="" class="wp-image-54168" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export3.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export3-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export3-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>克己さんの先代から続くヨダファームは、当初土に植えて育てる土耕栽培をしていた。しかしこの手法には土に含まれる細菌や病害虫の影響を受けやすく、対策として消毒や農薬に多くのコストがかかるという難点がある。より美味しく安全なトマトをつくるため、克己さんは当時まだ日本ではあまり普及していなかった水耕栽培に挑戦。水と肥料分を溶かした培養液を流して作物の根に伝えて栽培する方法で、農薬を最小限に抑えられることが大きなメリットだ。まだ、水耕栽培を始めた当初は「水を与えれば大きくなるが、味が薄い」という悪いイメージが強かったという。土とは異なり乾かすことができないため水の与えすぎには注意が必要であるが、日差しが強い時にあえて水やりを抑えてストレスをかけることで、トマト本来の甘味を引き出している。2棟あるビニールハウスの中は夏になるとかなりの暑さとなるが、その中でもエアコンを付けずに日光を取り込み続けて光合成を促すことで、糖度5〜6度と甘みの強いトマトが出来上がるのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「美味しいトマトを届けたい」クラウドファンディングの始動</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4583_batch.jpg" alt="" class="wp-image-54169" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4583_batch.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4583_batch-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4583_batch-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「義父がこだわって育てたトマトの美味しさを、より多くの人に届けることはできないだろうか」。功刀さんは更なるビジネスルート拡大のため、全国から農家が集う都内の青山ファーマーズマーケットにも出店し、直販を行った。新鮮で美味しい野菜や果物を求める食通のユーザーが多く足を運ぶ市場であるが、お客さんと対話できるのはわずか30秒ほど。「トマトの質には自信があるし、相応の売上げは立つが、その“思い”までは伝えることができなかった」と功刀さんは話す。どうにか生産に込めた思いを伝える術はないのか。そんな中スタートすることとなったのが、クラウドファンディングサービス「Makuake」でのプロジェクトだった。</p>



<p>Makuakeは商品に込めた思いやこだわりをプレゼンし、商品やサービスに対して応援したいと感じた人が出資をしてくれるシステム。ヨダファームのプロジェクトは2019年8月の第1回から始まり、第9回まで回数を重ねる中で総サポーター数は3000名を超え、応援総額は約2400万円にまで及んだ。Makuakeの加工品プロジェクトでは、トマトを程よく乾燥させることで旨味を凝縮させつつ、フレッシュでジューシーな味わいをバランス良く残した「レアドライトマト」づくりを。他にも新ジャンルとして挑んだ、調味料･ソース･ドレッシングなどにアレンジを効かせられる「トマトの『み』」や、無水で調理した「トマト糀カレー」など、創意工夫を凝らした数々の商品を展開していく。料理研究家の友人のアドバイスをもとに試行錯誤を重ね、パッケージは高校時代の同級生にデザインを任せるなど、周囲の協力を得ながら商品の開発を進めていったという。加工品プロジェクトの中でも特に高い支持を得た「トマトケチャップ」、「トマト塩糀」、「バーベキューソース」は、現在もヨダファームのwebサイトで販売数の多い人気プロダクトに成長した。昨今では「美味しい」という商品の感想から、「調子はどう？」といった知人の支援者から何気ない励ましのメッセージが届くことも多く、Makuakeのプロジェクトを成功させて以降、既存顧客との関係性が濃くなっている実感があるのだと、功刀さんは嬉しそうに話す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">トマト本来の味が活きる商品づくり</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4584_batch.jpg" alt="" class="wp-image-54170" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4584_batch.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4584_batch-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4584_batch-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>功刀さんが新たな加工品の開発に挑むこととなったもうひとつの理由は、大量に生じてしまうフードロスの問題だった。年間生産量の約10％、重さにして5トンにも及ぶ規格外品のうち、市場に出すことのできないものは泣く泣く畑の肥料となっていたという。形は悪くとも、味のポテンシャルは十分に高い。自信のある品質だからこそ、加工の際に添加物など余計なものは一切使わず、トマトの本来の味を活かせるよう工夫を凝らしている。2020年には功刀さんのフードロス削減に対する思いに共感を得た企業との初コラボレーションが実現。その中でも反響が大きかったのは日本酒銘柄「七賢」を醸造する山梨銘醸と共同開発し、造り酒屋の塩糀と組み合わせた「トマト塩糀」だ。塩糀と絶妙な割合でブレンドすることで、トマト本来の味が引き立つ仕上がりとなり、支援者をはじめ多くのユーザーから好評を得た。他にも「とろけるトマトケチャップ」は七賢の醸造に使用している糀に加え、同じく県内企業であるアサヤ食品のワインビネガーを使用。規格外品となったトマトを完熟させ、一瓶に約10個分使用したトマトの存在感が抜群のケチャップとなっている。様々なコラボ商品を手掛けつつも、「トマトが主役になる」というこだわりは常に大切にしているそうだ。</p>



<p>とは言え目新しい商品の考案に励むあまり、「奇をてらいすぎた商品だ」と率直な意見が返ってくることもしばしばあったのだそう。斬新さも必要だが、あくまでも歴史あるヨダファームのトマトの良さを活かせるようなバランスが肝心。商品開発から学ぶことは非常に多かったと、功刀さんは当時を振り返る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">農家の逆境の中で</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export16.jpg" alt="" class="wp-image-54171" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export16.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export16-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export16-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>昨今の世界情勢において、資材費や光熱費の高騰による生産意欲の低迷、高齢化に伴う農業者の減少は日本の大きな課題となっている。これらが要因となり市場に出回る農産物は“質”ではなく、より効率性を追求した“量”が重視される現実を功刀さんは市場で目の当たりにした。高品質を保つことをモチベーションに品種や生産量も制限してきたヨダファームにとっては向かい風とも言える状況と言えるだろう。そういった意味でも、生産者が値段を決めることができない一般市場ではなく、自分たちでトマトの負荷価値を値段に反映して販売できる直販やクラウドファンディングの実施は、非常に実りの多い取り組みだったに違いない。クラウドファンディングの活動が県内スーパーの目に留まり、ヨダファームのトマトを求めて声がかかることもあったという。2023年の春にはほとんど一般流通ではなく、独自の販売ルートを開拓するまでにこぎ着けた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">美味しいものを評価してもらえるような機会をつくりたい</h3>



<p>功刀さんは今後、より直接お客さんと繋がることができる体験型の企画を提案していきたいと語る。直近のMakuakeのプロジェクトでは、リターンとして「初代ヨダファーム農民権」と題した農業体験チケットを考案。実際に農作業をして採れたてのトマトを味わえる収穫体験のほか、商品の割引や野菜のサブスクリプション購入などの特典を設けている。加えてカフェ兼加工工場の建設も予定しており、収穫したての新鮮なトマトをその場で調理して食べてもらえるようなサービスの展開も視野に入れているのだとか。オンラインでの交流という段階から、実際に現地へ足を運んでもらうという新たなフェーズへ。「農家のリアルを感じてもらいたい」という功刀さんの理想が、より現実味を増してきた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ヨダファームだからつくることができるトマトの価値を</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export7.jpg" alt="" class="wp-image-54174" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export7.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export7-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export7-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>トマトを手に取る時、食味･栽培過程･価格など、消費者の購買理由は様々だろう。その中でもヨダファームのトマトが選ばれ続けている理由は、ここまで述べてきたように半世紀に及んで培ってきたノウハウと、“美味しいものをつくりたい”という思いが詰まっているから。克己さんは過去に海外まで赴き、トマトづくりを学んだこともあるそうだが、そういった職人の蓄積された経験とスキルに、斬新な展開やクラウドファンディングへの挑戦をする功刀さんのような発信者の力が掛け合わさることで、トマトの新しい価値を提唱している</p>



<p>流通や担い手の問題など、こうした課題は決してトマトに限ったことではない。課題解決に向けて、まずは普段食べている野菜のつくり手の思いに触れる機会を設け、様々な人の苦労や関わりがあってこそ、安全で美味しい製品がつくられているということ。また従来の量産･出荷のスタイルに固執せずとも、柔軟な発想を取り入れた新しいスタイルで持続可能な農業を築いていけることを、自身の取り組みを通して多くの人に伝えたいと功刀さんは語る。</p>



<p>農産物の価値が見直され、農家が潤い、さらに質の良い野菜が生産されていく。その先に国内の食糧自給率や就農者の増加といったあらゆる好循環を生み出していける未来が待っているのではないだろうか。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54160/">“一途に育てて半世紀”トマト農家の新たなる挑戦「ヨダファーム」／山梨県中央市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>県知事賞を連続受賞。とろける果肉が魅力の斉藤徳雄さんが作る十郎梅干し／神奈川県小田原市</title>
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		<pubDate>Thu, 08 Jan 2026 08:12:45 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[十郎梅]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1008.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>神奈川県小田原市の曽我地区は、梅の名産地として知られ、特に果肉が厚く柔らかい「十郎梅」は梅干し用品種の最上級品とされる。その梅を完熟まで待って収穫し、塩だけで漬け込み、夜露に当てながら干し上げる伝統の技を守り続けているの [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1008.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>神奈川県小田原市の曽我地区は、梅の名産地として知られ、特に果肉が厚く柔らかい「十郎梅」は梅干し用品種の最上級品とされる。その梅を完熟まで待って収穫し、塩だけで漬け込み、夜露に当てながら干し上げる伝統の技を守り続けているのが斉藤徳雄さん夫妻だ。受賞歴も重ねる確かな技と誠実な姿勢が、多くのファンを惹きつけている。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>小田原に根づいた梅の歴史</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1260.jpg" alt="" class="wp-image-53819" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1260.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1260-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1260-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>神奈川県小田原市は、古くから梅の名産地として知られている。戦国時代には北条早雲が梅干しを兵糧に用い、長期保存ができる食料として兵士たちを支えた。梅の薬効や腐敗防止作用にも注目され、戦場では欠かせない存在だったのである。やがて江戸時代になると、梅干しは薬用や食用として庶民に広まり、小田原宿を行き交う旅人の土産としても定着した。弁当の防腐や健康維持にも役立つ梅干しは、生活の中に欠かせない保存食として根強い人気を博していった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">曽我梅林と梅祭りのにぎわい</h3>



<p>こうした歴史を背景に、小田原の曽我地区には広大な梅林が形成された。曽我別所･原･中河原の三つの梅林をあわせて「曽我梅林（そがばいりん）」と呼び、今では約3万5千本もの白梅が植えられている。梅には、観賞用で中国原産の落葉高木（らくようこうぼく）「花梅（はなうめ）」と、食用や薬用にする「実梅（みうめ）」があるが、同地区で生育されているものの多くが食用の梅を生産するための木であり、果実を加工して梅干しや梅酒として地域に流通させる役割を担っている。</p>



<p>とはいえ、曽我梅林では収穫だけでなく、その花の美しさや香りを観光資源にしていきたいと、「梅まつり」も開催。開花期の2月から3月にかけて一面に咲く梅は訪れる人々を魅了し、地元の特産品販売や観光と結びつき、地域のにぎわいを生み出している。梅の生産と観光が一体となったこの景色は、まさに小田原の梅文化を象徴する光景といえる。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>文化庁「100年フード」にも認定された小田原生まれの十郎梅</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1081.jpg" alt="" class="wp-image-53821" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1081.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1081-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1081-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>小田原では、「白加賀（しろかが）」や「南高（なんこう）」「梅郷（ばいごう）」などの品種が栽培されているが、中でも特別なのが「十郎梅（じゅうろううめ）」である。全国的な知名度はまだ高くないが、実は梅干し用としては最高峰とされる品種だ。果肉が厚くやわらかで、種が小さいため食べやすく、漬けるとまろやかな酸味と深い旨みを生む。そのとろけるような食感に一度出会えば、思わず「こんな梅があったのか」と驚く人も多い。</p>



<p>この梅が生まれたのは1950年代。小田原市で選抜された足柄上郡の在来実生で、室町時代の軍記物語･曽我物語に登場する曽我十郎の名にちなんで「十郎梅」と呼ばれるようになった。小田原の土地と風土に適したこの梅は、まさに地域が誇るブランドなのである。さらに、この「曽我の梅干し」の歴史と魅力を次世代に継承し、広く普及させるため、文化庁が実施する「100年フード」に応募したところ、「伝統の100年フード部門～江戸時代から続く郷土の料理～」に認定されている。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>生産者泣かせの一面</strong></h3>



<p>一方で、この十郎梅は“生産者泣かせ”と呼ばれるほど扱いが難しい品種でもある。果皮が非常に薄く、枝に触れただけでも傷がつきやすい。収穫するときは一粒ずつ手でもぎ取り、収穫かごにはクッションを敷くほどの気遣いが欠かせない。さらに、天日干しでの裏返しは神経戦。完熟果ゆえに皮が破れやすく、最後まで気が抜けない。</p>



<p>加えて、結実が安定せず収穫量に大きな差が出る年もあるため、生産者は栽培から加工まで常に神経をとがらせている。それでも十郎梅にこだわり続けるのは、この梅でしか得られない独特の味わいがあるからだ。実際に十郎梅で梅干しを漬けた人は、その柔らかさと奥深い風味に魅了され、翌年からは「十郎梅しか使えない」と言うようになるという。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>県知事賞を重ねた確かな実力</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1021.jpg" alt="" class="wp-image-53822" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1021.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1021-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1021-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>そんな、曽我梅林の別所地区で梅干しづくりに励む斉藤徳雄さん。夫婦で力を合わせ、十郎梅を使った昔ながらの梅干しを守り続けてきた。その確かな仕事ぶりは地元でも広く知られ、長年にわたり高い評価を受けている。</p>



<p>斉藤さんの梅干しは、これまで小田原梅干品評会にて、2023年、2024年連続入賞、過去には農林水産大臣賞や神奈川県知事賞も受賞しており、小田原梅干品評会の上位入賞の常連として、その技術と実直な姿勢は折り紙付きだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>品評会で評価されるポイント</strong></h3>



<p>小田原梅干品評会では、大きさや粒のそろい具合、皮の状態、色合いといった外観が厳しく見られる。そして試食では、柔らかさや酸味、塩加減のバランスが問われる。斉藤さんの梅干しは果肉がとろけるように柔らかく、塩の角が取れたまろやかな味わいが特徴で、審査員だけでなく消費者からも高く支持されている。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>技を磨き続ける姿勢</strong></h3>



<p>品評会は結果だけでなく、日々の努力の積み重ねを映し出す舞台でもある。柔らかさと粒ぞろいをいかに両立させるか、酸味と塩味の調和をどう整えるかといった、細部へのこだわりが求められる。斉藤さんは「工夫は出し尽くした。あとは手を抜かずに続けるだけ」と語る。派手さはなくとも、積み上げてきた経験と誠実な作業こそが評価につながっている。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>10年で築いた梅農家としての基盤</strong></h3>



<p>斉藤徳雄さんの家は、梅･みかん･キウイを栽培する農家だった。自宅の隣には大きなしょうゆ蔵があり、子どものころから食や発酵の文化が身近にあったそうだ。</p>



<p>社会人になってからは料理人としての道を歩んだ。しかし父親が早くに他界し、40代後半で家業を継ぐ決断を下す。農業に本格的に取り組み始めたのはこのときで、実は本格的に農業に向き合ってからの年月は10年ほど。それでも、梅を中心に神奈川県産の米「はるみ」や、甘味と酸味のバランスに優れたキウイ「ヘイワード」も栽培し、季節ごとに畑に向き合う暮らしへと切り替わっていった。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>農業を支える家族とこだわり</strong></h3>



<p>転身後は母親と奥さんと共に畑を守り、作業を分担しながら歩みを続けてきた。平日は料理人として働きながら農作業を手伝う時期もあったが、専業になってからは天気予報を見ながら作業を進める日々となった。特に、害虫や病気予防のため、日当たりや風通しをよくする剪定という作業は独自のこだわりを持ち、枝を整えた結果、良い実が生ったときには大きな手応えを感じるという。まだ農家としての歴史は浅いが、食に携わってきた経験と家族の支えが、斉藤さんの農業を強く支えている。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>完熟の瞬間を逃さず、塩と太陽で引き出す十郎梅の旨み</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1053.jpg" alt="" class="wp-image-53823" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1053.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1053-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1053-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>斉藤さんの梅干しづくりは、収穫からすでに独自のこだわりがある。木から自然に落ちる寸前まで熟した梅だけを丁寧に拾い集めるのだ。黄色からオレンジに色づき、香りが立ちはじめた実は果肉がやわらかく、とろけるような梅干しに仕上がる。その見極めは簡単ではなく、毎日の畑の観察が欠かせない。雨や風の影響を受けやすいため、わずかなタイミングのずれが品質に直結するが、そこに手を抜かないのが斉藤さんの流儀だ。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>塩分18％で仕上げる昔ながらの味わいと土用干し</strong></h3>



<p>収穫した梅は、選りすぐったうえで塩をまぶし、重石をかけて漬け込む。塩分は18％を基本にしており、保存性と味わいのバランスを取る昔ながらの方法を貫いている。塩だけで仕上げる「白梅干し」は、ハチミツなどを加えたまろやかな味わいの梅干しと違い余計な調味料を加えない分、ごまかしのきかない真剣勝負。果肉の柔らかさや酸味のまろやかさを引き出すためには、経験に裏打ちされた判断が必要になる。</p>



<p>梅雨が明けると、次は天日干しの工程が待っている。斉藤さんは梅を三日三晩、夜露に当てながら干す「土用干し」を大切にしている。日中の強い日差しと夜の湿り気を繰り返すことで、果皮がやわらかくなり、果肉の旨みが凝縮されるのだ。干す作業では梅を一粒ずつ裏返さなければならず、皮が破れやすい十郎梅にとっては神経を使う作業が続く。それでも「このひと手間が味を決める」と斉藤さんは語り、昔ながらの方法を守り続けている。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>仕上がりの特徴</strong></h3>



<p>こうして仕上がった梅干しは、口の中でほどけるようなやわらかさ、粒が大きく揃っているのが特徴だ。酸味はまろやかで旨みがしっかりと感じられ、塩の角が取れた深い味わいに仕上がる。食べた人の多くが「もう十郎梅以外では物足りない」と口をそろえるのも、その確かな品質があってこそ。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>2トンからわずか数キロだけ認定される極上ブランド『雲上』</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1311.jpg" alt="" class="wp-image-53824" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1311.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1311-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1311-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>斉藤さんの梅干しは、小田原市が公認する地域ブランド「雲上」にも選ばれている。斉藤さんの家の場合、2トン漬けてもわずか数キロしか認定されないほど厳しい基準が設けられており、選ばれるのはごく一部の梅干しだけだ。条件としては、粒の大きさが4L（直径42mm）以上であること、形が整い皮がきれいに張っていること、色合いの美しさ、そして味わいの確かさまで徹底して確認される。さらに塩分も基準の一つで、斉藤さんは「あと塩分ですね。18％で漬けていて、20％以下で仕上がっているかどうか。20％未満でいかないと」と語り、基準を守り抜いている。雲上に認定された梅干しは個包装で販売され、一粒あたり300円ほどで取り扱われる高級品だ。こうして選ばれた梅干しは、市内でも限られた農家しか手にできない誇りの証でもある。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>地域とともに広がる誇り</strong></h3>



<p>『雲上』に認定されると、市の公式ブランドとして百貨店などで販売され、消費者の目に触れる機会が増える。これは単なる販売促進ではなく、小田原の農産物としての信頼を高め、地域全体の誇りにもつながるものだ。斉藤さん自身も「自分の梅干しが地域を代表している」との思いを強く持ち、次世代へつなげる責任を感じている。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>一粒に込めた思いが未来へ続く</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1033.jpg" alt="" class="wp-image-53825" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1033.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1033-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1033-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>斉藤さんの農業は、家族の協力とともに歩んできた。これまで積み重ねてきた経験や工夫が、十郎梅の魅力を引き出す確かな技につながっている。塩だけで漬ける昔ながらの白梅干しは、果肉の柔らかさと深い旨みをそのままに伝える仕上がりで、炊き立ての温かいご飯に添えれば思わず箸が止まらない。「派手なことはできないけれど、真面目に続けていくことが大事」と語り、その一粒一粒に誠実さを込める斉藤さん。静かな情熱がにじむ姿勢こそ、これからも小田原の梅文化を支えていく力になっていく。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53812/">県知事賞を連続受賞。とろける果肉が魅力の斉藤徳雄さんが作る十郎梅干し／神奈川県小田原市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>被災地に実る希望。次世代型農業で人が集う場所をつくる「デ・リーフデ北上」／宮城県石巻市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 15 Dec 2025 04:13:12 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[リーフデ・テラス]]></category>
		<category><![CDATA[富丸ムーチョ]]></category>
		<category><![CDATA[パプリカ]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[トマト]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5435.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>宮城県石巻市、北上川のほとり。かつて震災で大きな被害を受けたこの地で、被災した建設会社が新たに選んだのはオランダ式農業による復興だった。社名の「デ・リーフデ」はオランダ語で「慈愛（De Liefde）」を意味する。人と土 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5435.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>宮城県石巻市、北上川のほとり。かつて震災で大きな被害を受けたこの地で、被災した建設会社が新たに選んだのはオランダ式農業による復興だった。社名の「デ・リーフデ」はオランダ語で「慈愛（De Liefde）」を意味する。人と土地を想う挑戦が2013年より始まり、今も続いている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">復興を通して、新たな希望を育てる</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5392.jpg" alt="" class="wp-image-53747" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5392.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5392-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5392-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2011年の東日本大震災で町が壊滅し、居住禁止区域になった宮城県石巻市北上町釜谷崎地区。「この場所を復興させたい」との思いから、デ・リーフデ北上の挑戦は始まった。</p>



<p>「新しく農業にチャレンジしたい人たちや、震災後に移住してきた人たちが集える場所でありたいと考えています」と語るのは、総務部長の阿部さん。</p>



<h3 class="wp-block-heading">被災した建設会社が、「農業で復興」を選んだ理由</h3>



<p>デ・リーフデ北上の前身は、茅葺屋根を手掛ける建設会社。震災による津波で会社は流され、もともと農地だった場所は地盤沈下と塩害で再生が困難な状態にあった。代々受け継いできた土地が、瓦礫置き場になった姿を見て、会社の代表はしばらく何もできなかったという。転機となったのは2013年。オランダで農業コンサルタントをしている石巻市出身者が、この地を訪れたことにある。</p>



<h3 class="wp-block-heading">オランダ式農業で、持続可能な仕組みをつくる</h3>



<p>オランダ式農業の特徴は、テクノロジーを駆使して温度や湿度、CO2濃度を管理しながら栽培を行う施設園芸であること。さらに、高収量品種に特化して生産し、労働力とエネルギー効率を最大化する。こうした仕組みが、収益力のある農業として実現している。先端技術を駆使した高収益戦略を知り、「石巻を元気にし、雇用の創出や人口増加に貢献できる」と希望を見出し、施設の建設に踏み切った。</p>



<p>2014年、国の次世代型農業支援制度が始まったタイミングで補助金を得て、2016年に本格稼働。被災地に、復興の光が確かに見えた瞬間だった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">石巻の地で、トマトに復興を託す</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5508.jpg" alt="" class="wp-image-53748" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5508.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5508-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5508-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>豊富な日射量があり、夏は涼しい宮城県では、昔からトマトの栽培が行われていた。しかし、震災以降、津波による農地の冠水などの影響により県内のトマト生産量は半減。「トマトは日本で最も食べられている野菜のひとつ。冬でも安定して供給できれば、生産者にも地域にもプラスになる」との思いで、栽培する野菜はトマトと決めていた。施設園芸を行うことで、通年収穫も可能になるとの見込みもあったのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">生産性とおいしさを両立。飲食店に選ばれる理由</h3>



<p>デ・リーフデ北上が育てているトマトの品種は、「富丸（とみまる）ムーチョ」。日本とオランダの種苗メーカーが共同開発したもので、日本のトマトらしい甘さと、オランダ品種の多収性を兼ね備えている。</p>



<p>富丸ムーチョは加工にも適しており、販売先は飲食店がメイン。日持ちが良く、スライスしても水分が染み出しにくい特徴を説明して、販売先を少しずつ開拓したという。現在はコンビニチェーンや大手ハンバーガーショップなどにも卸している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">農水大臣賞を受賞した、人・環境・地域の好循環を生む農場</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="549" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC9364.jpg" alt="" class="wp-image-53749" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC9364.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC9364-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC9364-768x511.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>一般的なビニールハウスではなく、透過率の高いガラスハウスを導入しているデ・リーフデ北上。1.1haの広さに圧倒されるが、その構造にも特徴がある。高い天井から日射をさんさんと取り込み、空気の循環を良くすることで、平均的なハウスの約3倍もの収穫量を実現。さらに、IT技術を活用して安定出荷や労働環境改善を叶えた。その成果が評価され、2023年全国優良経営体表彰の生産技術革新部門で最高賞となる農水大臣賞に選ばれた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">誰もが働きやすい、やさしい農場設計</h3>



<p>水耕栽培の仕組みを活かし、トマトの根の位置を高く設定。床下には作業用台車のレールを設け、立ったまま収穫できるよう工夫されている。体への負担が少ないため、高齢者や女性スタッフも安心して働ける職場だ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">天候に左右されない、安定した雇用の実現</h3>



<p>これまで宮城県内で行われていた農業は天候に左右され、雇用の安定化が難しいとされてきた。しかし、デ・リーフデ北上のガラスハウスでは、コンピューター制御による温度管理により、天候に左右されず通年で安定生産が可能。雇用が途切れず、農業の常識を覆す働き方を実現している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">木質チップと雨水循環。環境にやさしい農業へ</h3>



<p>燃料には地元の木質チップを利用し、雨水を循環利用。環境負荷を抑えながらエネルギーを自給する仕組みを整えている。さらにLEDライトによる試験栽培では、冬場の収穫量を20%増加させることに成功したという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">次なる挑戦へ。地域とともに歩む未来</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5605.jpg" alt="" class="wp-image-53750" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5605.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5605-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5605-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2021年には、敷地内にレストラン「リーフデ・テラス」がオープン。食品ロス削減に取り組みながら、年間数千人が視察に訪れる地域の交流拠点にもなっており、地域経済にも貢献している。</p>



<p>また、施設の外ではヤシ殻を培養土として活用したブルーベリー栽培もスタート。山形県の農家と連携しながら、新たな循環型モデルの実現と農業の6次産業化を目指している。</p>



<p>「オランダ式農業をそのまま真似るのではなく、この土地に合った形でさらに発展させたい」と先を見る阿部さん。石巻の地に根を張り、挑戦を続けるデ・リーフデ北上には、震災から立ち上がった人々の、確かな希望が息づいている。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53741/">被災地に実る希望。次世代型農業で人が集う場所をつくる「デ・リーフデ北上」／宮城県石巻市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>「せり鍋」で仙台を元気に。「三浦農園」代表・三浦隆弘さん／宮城県名取市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 04 Dec 2025 09:13:44 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[せり鍋]]></category>
		<category><![CDATA[仙台せり]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_0827.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>春の七草がゆなどにも使われ、古くから日本の食に欠かせない「せり」。宮城県名取市は、「仙台せり」の名産地だ。その名産地で、今では仙台・宮城名物となった「せり鍋」を広めた立役者が、「三浦農園」代表の三浦隆弘さん。三浦さんの育 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53623/">「せり鍋」で仙台を元気に。「三浦農園」代表・三浦隆弘さん／宮城県名取市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_0827.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>春の七草がゆなどにも使われ、古くから日本の食に欠かせない「せり」。宮城県名取市は、「仙台せり」の名産地だ。その名産地で、今では仙台・宮城名物となった「せり鍋」を広めた立役者が、「三浦農園」代表の三浦隆弘さん。三浦さんの育てるせりは、飲食店から引く手あまたで、入手困難となっている。三浦さんが仕掛けた「せり鍋」が、仙台を代表するグルメに根付いた理由は何なのだろうか。</p>



<h2 class="wp-block-heading">400年続く、名取市の土壌で育つ「仙台せり」</h2>



<p>400年ほど前から名取市でせりの生産が始められ、雑煮や七草がゆとして仙台の人たちが食していた。この地域でせりが育てられてきたのは、その土壌が栽培に適していたから。三浦さんによると、レンコンや慈姑（くわい）などを育てるような、“少し土を掘ると水が出てくる”湿地帯の土壌が適しているのだという。三浦さんはそんな恵まれた土壌を生かしながら、自然に寄り添う農業を実践している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">“土地の翻訳者”として、自然と人をつなぐ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_6939.jpg" alt="" class="wp-image-53629" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_6939.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_6939-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_6939-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>せり農家として、三浦さんが大切にしていることがある。それが、食べる人の皿の上にきちんといい状態で届けるようにすること。</p>



<p>「ただ売って終わりではなく、人様の口に入っていくことを自分で想像できるかどうか。自分が一番厳しいお客様にならなきゃいけないというのは常に考えています。土や生態系、水などの“翻訳者”になることが農家の役割。どんな生き物がいて、どんな植物がいるかを言語化するようにしています」と、穏やかに語る三浦さん。</p>



<p>土地に根差したものの価値を伝えていくことこそが、農家をやっていく意味や価値となり、過去と未来を繋ぐ存在になると考えている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ネイチャーポジティブな栽培を目指して</h3>



<p>三浦さんが心がけているのが、ネイチャーポジティブな栽培をすること。これは、人間の営みが自然環境に与える悪影響を減らし、生態系の回復や多様性を促す考え方だ。</p>



<p>農薬や化学肥料は使用せず、有機物を取り入れてイトミミズやゲンゴロウなど土の中の生き物が喜ぶ環境をつくる。そうして生物が増えるほど土が豊かになり、結果としておいしい作物につながるという。使用する有機肥料は、ハタハタを発酵させたものや大豆油粕や鶏糞など。鶏糞は即効性があるものの、リン酸が多くなりがちなので、魚粕などのアミノ酸系の肥料を増やしてバランスを取っている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">丁寧な手作業を重ねる、三浦農園のせり</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_7559.jpg" alt="" class="wp-image-53630" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_7559.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_7559-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_7559-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>せりの収穫時期は9月から5月頃まで。新芽が緑色に色づき、50センチ程度に育つと収穫の合図。防水のつなぎを着て田んぼに入り、手作業で一本ずつせりを引き抜いたら、泥をすすいで出荷作業へ。 収穫したせりは、葉が黄色かったり傷んでいたりするものを選別する。実際に出荷されるのは全体の4割ほど。残りはすべて選別段階で省かれる。 「食べる人の顔を思い浮かべながら、“これなら自分も食べたい”と思えるものだけを出すようにしています」。</p>



<h2 class="wp-block-heading">地元食材を主役に。「せり鍋」誕生の原点</h2>



<p>せりを使った鍋といえば、秋田の「きりたんぽ鍋」が有名だ。ただ、あくまでも主役はきりたんぽで、せりが全面的に出てくることはない。しかし、仙台の「せり鍋」の主役は「仙台せり」だ。</p>



<p>この「せり鍋」を三浦さんが考案したのは、およそ20年前。仙台には牛タン、笹かま、萩の月、ずんだなどの名物があるものの、その原料が宮城県産でないものが多いため、地元の食材を使った名物を作りたいという思いがあったのだそうだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">料理人との協働で形になったユニークな宮城名物</h3>



<p>当時、茎中心に食べられていたせりは、葉や根はほとんど使われずに捨てられることが多かったという。</p>



<p>「でも、すべての部分がおいしく食べられる。だったら丸ごと味わえる料理があってもいいと思ったんです」。</p>



<p>三浦さんは、仙台駅近くの割烹料理店「いな穂」のご主人に相談し、2003〜2004年頃に「せり鍋」を開発。仙台の飲食店を中心に徐々に広がり、次第に“冬の味覚”として定着した。</p>



<p>ちょうどSNSが流行し始めた時期でもあり、せりを山盛りにしてみたり、あえて根を上にのせたりして関心を引くための工夫は欠かさなかったという。「味は食べてもらわないと分からない。でも、見た目で興味を持ってもらえればチャンスを生み出せる」と三浦さん。<br></p>



<h2 class="wp-block-heading">葉から根まで、余すことなくせりを味わう</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_1285.jpg" alt="" class="wp-image-53631" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_1285.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_1285-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_1285-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「せり鍋」の大きな特徴として挙げられるのが、根っこの部分を食べること。有機栽培で育てたせりは、茎の付け根や根際に甘みと香りが際立っており、鍋に入れるとその旨みが絶妙に溶け合う。 それまで仙台の人たちがせりの根を食べることはなかったが、そのおいしさに気づいた人が増え、今では「仙台せり」の象徴となっている。 また、季節によっておいしい部分が異なり、秋と冬には根、春には新芽と、その時期での楽しみ方が変わってくる。</p>



<p>「せり鍋」に合う肉としては、鶏肉や鴨肉のほか、魚やジビエもおすすめだという。出汁にも決まりはなく、いろいろな店で食べ比べができるのもおもしろさなのだと、三浦さんは語る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">震災を機に広がった「せり鍋」文化</h3>



<p>はじめは、地元の“食いしん坊”の間で「おいしい」と評判に。しかしその名が広く知られるようになったのは、東日本大震災がきっかけだった。復興の応援として、「宮城の酒と合わせるなら『せり鍋』だ」と、いろいろなところから声がかかるようになったのだそうだ。他の料理は県外産の素材に頼るものも多かったため、地元産のせりを使うことで地域経済に寄与できることが大きかった。また、被災地を訪れた人たちが「折角来たなら、地元のものを食べて応援しよう」という機運も「せり鍋」の周知を後押しした。</p>



<p>三浦さんは、「せり本来のおいしさは、この土地でこそ伝わる」と考えている。そのため、販売は一部の例外を除き、仙台市内の店舗に限られている。「この地で食べてもらうことが、結果的に地域経済を元気にすることにつながるんです」と語る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">20年かけて商品価格を2倍に。地域の農業を未来へつなぐ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_0898.jpg" alt="" class="wp-image-53633" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_0898.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_0898-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_0898-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「せり鍋」人気のおかげで、この20年間は宮城県内のせりの需要が増え、価格が2倍になった。実際に宮城県の農協が示すデータによると、2007年の出荷量は622トンで金額は4億9,000万円。2019年は出荷量が345トンだったにも関わらず、その金額は5億5,000万円以上となっている。生産者の高齢化などにより出荷量が半減しているのに、その金額が上がっているのが分かる。</p>



<p>そのため、若い世代がせり農家を職業として選択するようになり、後継者不足の解消に繋がっているのだそうだ。</p>



<p>「生産者と、流通、そして食べてくれるところがうまく回れば、ローカルの大事な繋がりができるという事例になると思うんです」と話す三浦さん。そして、ローカルガストロノミー、つまり地域の風土、歴史、文化を料理に仕込むことで、さまざまな地域でこの事例を作っていくことができる。「せり鍋」の成功で価格が倍になったように、自分の地域の文化を掘り下げればもっといい未来があるのではないか、と希望を託す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">次世代のせり農家を育て、仙台を活気づける</h2>



<p>三浦さんの夢は、せり農家を増やし、湿地を守りながら環境にやさしい農地を広げること。また、若い世代が農業に参入できるようなプラットフォームや教科書を作って、ロールモデルになること。そして食育など、より若い世代への教育も続けていくことだと話してくれた。</p>



<p>「せり鍋」の普及活動を続け、今や宮城の名物へと押し上げた三浦さん。 これからも、地域、そしてローカルガストロノミーのロールモデルとして活躍していくことだろう。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53623/">「せり鍋」で仙台を元気に。「三浦農園」代表・三浦隆弘さん／宮城県名取市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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