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	<title>農業 - NIHONMONO</title>
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	<description>「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン</description>
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	<title>農業 - NIHONMONO</title>
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		<title>肥沃な土壌が育むコクのある豊かな味わいの河内晩柑「吉本農園」／愛媛県愛南町</title>
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		<pubDate>Sun, 22 Mar 2026 05:19:36 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto005.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>愛媛県愛南町の特産である河内晩柑を中心に、さまざまな品種の柑橘を生産している愛南町御荘にある吉本農園。こだわりの方法で栽培されている柑橘たちは「他とは一味違う」と高く評価され、リピーターも多い。園主である吉本敏幸さんによ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto005.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>愛媛県愛南町の特産である河内晩柑を中心に、さまざまな品種の柑橘を生産している愛南町御荘にある吉本農園。こだわりの方法で栽培されている柑橘たちは「他とは一味違う」と高く評価され、リピーターも多い。園主である吉本敏幸さんによると、そのおいしさの秘密は“土”にあるという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">さっぱりとした甘さとほろ苦さが上品な大人の味わい</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto022.jpg" alt="" class="wp-image-54238" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto022.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto022-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto022-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>愛媛県の南部に位置する愛南町は、日本一の生産量を誇る河内晩柑（かわちばんかん）の一大産地だ。愛南ゴールド、宇和ゴールド、美生柑など、幾つもの名前を持つ河内晩柑は、その見た目と味わいがグレープフルーツに似ていることから“和製グレープフルーツ”と呼ばれることもある。甘みはしっかりあるけれど甘ったるくはなく、心地良い酸味とほのかな苦味があって、瑞々しくジューシーな人気の柑橘だ。この河内晩柑を中心に、甘平や紅まどんな、せとか、伊予柑、デコポン、温州みかんなど9種類の柑橘を、家族と一緒に力を合わせて生産しているのが吉本農園の園主である吉本敏幸さんだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">周囲の反対を押して前例のない平地での柑橘栽培に挑戦した初代</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto006.jpg" alt="" class="wp-image-54239" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto006.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto006-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto006-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>愛媛県における柑橘栽培の中心地である南予地方の柑橘園地は、急斜面につくられた段々畑が主流だが、吉本さんの園地は傾斜のない平地にある。第二次世界大戦中には「飛行場にできるんじゃないか？」と言われていたほど広く平らなこの土地を見て、愛媛県の柑橘栽培先進地である吉田町でみかんを作っていた人が「ここにみかんを植えてみたら？」と言ったことが吉本農園のルーツとなった。「祖父が柑橘栽培を始めようとした当時、ここは芋畑だったんです。周囲からは『なんで芋畑に柑橘を植えるんだ？』と反対されたらしいんですが、それを押し切ってやってみたら上手くいった。だから今があるんです。ここは雨が多く降るし、暖かい。北西の風が強く吹くので、まず防風林を植えて。温州みかんは雨を嫌うと言われていますが、土をきちんとつくればどんな柑橘でも栽培できることがわかってきました。おいしい柑橘が育つ、保水力があって水キレの良い土にするためには、有機物と微生物が大事なんです」と吉本さんは話す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">土中の微生物や生き物の力を借りてつくる健やかで豊かな土壌</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto014.jpg" alt="" class="wp-image-54240" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto014.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto014-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto014-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>おいしい柑橘とは単純に糖度の高い・低いだけではなく、糖度と酸とのバランスと、土中のミネラルによるコクが重要だという。そのためには土中にミネラルをつくり出してくれる微生物を繁殖させてやる必要がある。「堆肥や敷きワラなどの有機肥料を入れながらコツコツと土づくりを続けてきました。今は堆肥センターがあってそこで堆肥を買うことができますが、昔は畜産農家から家畜の糞をもらってきて、茅や稲わらを入れて発酵させていたからものすごく臭かったんですよ。土が肥えてくるとミミズが増えてきます。そして次にはモグラが来てイノシシが来る。地面に穴が空いていたり、土を掘った跡ができたりすると、いい土ができたというサイン。でも除草剤をかけると微生物は激減してしまうんです」。祖父の開墾した園地を父親から受け継いだ吉本さんは、20年以上堆肥を入れ続け、大切に園地の土を守り育てている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">自然が与えてくれる豊潤なおいしさ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto007.jpg" alt="" class="wp-image-54241" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto007.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto007-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto007-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>河内晩柑は収穫する時期によって味が全く違う不思議な柑橘だ。収穫期の始まりにあたる3月に出回る河内晩柑は、水分が多くフレッシュな感じで種がある。収穫期の中盤に差し掛かる6月頃から不思議なことに種が消え、プリプリした食感の円熟した味わいが終盤の8月頃まで楽しめる。「時期によって味や食感が変わりますが、どの時期もそれぞれに特長があり、ちゃんとおいしいと思ってもらえるものを作っている自負があります最初はよそで作っているみかんと味が変わらなかったけれど、差が出てきているのが自分でもわかるようになったら自信がついてきました。10年くらい前からお客さまからも『おいしいね』という反応が出てきて、リピートしてくれる方が増えてきました」。そう話す吉本さんの目は輝いている。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto009.jpg" alt="" class="wp-image-54242" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto009.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto009-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto009-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「自然は、その季節に人間が欲するものをうまく与えてくれているように感じます。寒い冬には温かそうなオレンジ色をした温州みかんが、暑い夏には見た目にも涼やかな黄色の河内晩柑がおいしくなってくる。暑さに参っていても、みずみずしくスッキリとした味わいの河内晩柑を食べると元気になります。夏にはなくてはならない柑橘のひとつです。今は一年中いろいろな果物や野菜が手に入りますが、季節感がないのは良いことなのか、悪いことなのか。旬のものは生産時の環境負荷もないし、何よりおいしいんじゃないかと思いますね」。</p>



<p>吉本農園では、さまざまな品種の柑橘をバランス良く栽培しているため、品種リレーによって一年を通して季節の柑橘が収穫できるという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">おいしいみかんづくりに完結はない。日々努力の繰り返しが続いていく</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto034.jpg" alt="" class="wp-image-54243" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto034.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto034-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto034-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>除草剤や化学肥料をできるだけ使用せず、肥沃な土壌をつくるためにはもちろん苦労もある。除草剤を使いたくないからといって、園地を草だらけにしてしまうわけにはいかない。土づくりにこだわった柑橘栽培は草刈りとの戦いでもある。しかし、これまでは人の手で行なっていた草刈りも、24時間自動で園地の草刈りをしてくれる自走式草刈り機によって省力化を図るなど、時代に合わせて変化している。ちなみに自走式草刈り機の導入は、園地が平らであったからこそ可能だったことでもある。地の利を生かした栽培だ。</p>



<p>また夏の水やりも柑橘の生育や品質に影響を与える重要な作業だ。3km下の水源からポンプアップした水や、山から引いてきた水を使って潅水しているが、それも限りがある。足りない分は川から汲み上げたり、水田に水が要らなくなる8月頃からは灌漑用水を利用したりしながら、適切な量とタイミングで灌水を行っているという。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto001.jpg" alt="" class="wp-image-54244" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto001.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto001-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto001-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>除草剤を一切使わず、人の手で草を刈り、刈った草はそのまま土に還す。そんな地道な作業を長年積み重ねることで、畑は保水力がありながら水はけの良い、ふかふかな土壌へと育っていった。根が健やかに張ることで果樹は必要な養分をしっかりと吸収し、果実の糖度は自然と高まる。また、草を活かした環境づくりは、カメムシなどの害虫が発生しにくい畑づくりにもつながっている。柑橘それぞれの特性に合わせて土壌を整えることで、ほどよい酸味が甘みを引き立て、「一度食べればまた食べたくなる」味わい深いみかんが生まれる。こうした長年にわたる試行錯誤と、土作りに真摯に向き合い続けてきた姿勢が評価され、2003年に吉本農園は農林水産大臣賞を受賞した。</p>



<p>「みかんの産地を守りたい、産地を盛り上げないといけないという信念を持ってみかんを育ててきました。それが認められ、こんな素晴らしい賞をいただけたことは本当に嬉しいことです。せっかく今までおいしいみかんづくりをやってきたんだから、その技術やノウハウを伝えて行きたい。そうすることで愛南町も元気になるし、農家の生きがいにもなるんじゃないかと思っています」と吉本さんはいう。「一度食べればまた食べたくなる」と絶賛される吉本農園の柑橘たちは、年を重ねるごとに新たなファンを増やし続けている。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54229/">肥沃な土壌が育むコクのある豊かな味わいの河内晩柑「吉本農園」／愛媛県愛南町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>柑橘を食べ物からエンターテイメントへ昇格させる柑橘ソムリエ。「NPO法人柑橘ソムリエ愛媛」二宮 新治さん／愛媛県宇和島市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 22 Mar 2026 05:08:30 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[愛媛県]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit047.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>“愛媛の柑橘をサブカルチャーに”と発足した「NPO法人柑橘ソムリエ愛媛」。その理事長である二宮新治さんを中心とする若手の柑橘農家が、「ワインや野菜のように柑橘のソムリエがいたらおもしろいんじゃないか」という考えの下、20 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit047.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>“愛媛の柑橘をサブカルチャーに”と発足した「NPO法人柑橘ソムリエ愛媛」。その理事長である二宮新治さんを中心とする若手の柑橘農家が、「ワインや野菜のように柑橘のソムリエがいたらおもしろいんじゃないか」という考えの下、2020年に「柑橘ソムリエライセンス制度」を立ち上げた。それ以来、この制度をきっかけとし、知れば知るほど深みにハマるという柑橘の世界に魅せられる人が増えている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">愛媛県が名実ともに柑橘王国である理由      <strong>    </strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit042.jpg" alt="" class="wp-image-54220" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit042.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit042-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit042-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>愛媛県といえば真っ先に柑橘が思い浮かぶほど、愛媛県は柑橘類の収穫量と品目数ともに日本一を誇る柑橘王国だ。紅まどんなや甘平、紅プリンセスなどの独自品種もあり、品種リレーにより、ほぼ1年中柑橘が市場に出回っていることも柑橘王国と称される由縁となっている。</p>



<p>柑橘栽培は県内全域で行われており、特に生産量が多いのが、県内の沿岸部全域だ。さらに、南予地方に位置する宇和島市は柑橘栽培の中心地であり、愛媛県で最初に温州みかんの栽培が始まった愛媛県のみかん栽培発祥の地としても知られている。リアス海岸の急斜面に広がる段々畑は宇和島市の原風景だ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">柑橘の一大産地・宇和島から発信する柑橘ソムリエライセンス制度</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit001.jpg" alt="" class="wp-image-54221" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit001.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit001-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit001-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>そんな柑橘栽培の盛んな宇和島市で、柑橘農家を営みながら「柑橘ソムリエライセンス制度」を立ち上げたのが二宮新治さんだ。宇和島市で生まれ育った二宮さんの実家は祖父の代から続く柑橘農家だったが、二宮さんに家業を継ぐ気はなく、京都でアパレル系の仕事に従事していた。しかし20代半ばに祖父が亡くなったことがきっかけとなり、家業を継ぐこと本格的に考えるようになる。「1990年代後半から2000年代の前半にかけて、家業を継ぐ前後の柑橘業界は、不景気の煽りを受けて暗く沈んでいました。家業を継いで数年が経過し、やっと自分も農業にも慣れてきたと思えるようになったころ、同世代の地元農家と柑橘と地域を盛り上げるために何か面白いことができないか話していました。その時『ワインや野菜のように柑橘のソムリエがいたら面白いんじゃないか？』と盛り上がったことが柑橘ソムリエライセンス制度を立ち上げるきっかけになりました」と二宮さん。そこから地元の柑橘農家を中心に、思いに共感してくれた各分野のプロフェッショナルや柑橘愛好者たちが集り、柑橘のおいしさや楽しさを伝えることを目的とするNPO法人柑橘ソムリエ愛媛を設立。柑橘ソムリエライセンス制度を立ち上げた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">柑橘を単なる嗜好品からサブカルチャーへ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit011.jpg" alt="" class="wp-image-54222" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit011.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit011-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit011-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「柑橘は品種が多くて個性豊か。美しい色や可愛らしい形、味や香り、皮を剥いたときの音の違い、生産者の人柄や産地の特色など背景もさまざま。そこにサブカルチャー的な要素を感じたんです」と二宮さんはいう。愛媛が誇る柑橘だからこそ、せっかくならおいしいもの・好みに合うものを選べるようになって欲しい。味のバリエーションを知ってもらうことで柑橘に興味を持ってもらいたい、柑橘に対する愛を自由に語り合って欲しい。そんな思いも「柑橘ソムリエライセンス制度」誕生の背景にある。</p>



<h3 class="wp-block-heading">学科と実技の集中講義で柑橘を最大限に楽しめる人材を養成する</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit014.jpg" alt="" class="wp-image-54223" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit014.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit014-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit014-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>柑橘ソムリエライセンスは、2日間の講座を受講し、試験を受けて合格すれば取得できる。講座はテキストに沿って柑橘の基礎知識について学んでいく学科と、テイスティングによる実技で構成されている。学科で使われるのは、二宮さんたちが試行錯誤しながらつくったという「柑橘の教科書」だ。業界初の柑橘ガイドブックであり、 “みかんとは”という定義からはじまり、みかんと柑橘の曖昧な関係、柑橘の分類や品種の解説、食べ方、農法や販売・流通、歴史やなど、柑橘に関するあらゆる情報が網羅されていて、テキストとしてだけでなく、読み物としても楽しめるという。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit016.jpg" alt="" class="wp-image-54224" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit016.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit016-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit016-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>実技では生果やジュースを使い、柑橘の目利きの仕方やテイスティングによる味のとらえ方、柑橘の魅力を伝える表現力を鍛えていく。目利きの方法もいろいろあるが、ヘタから得られる情報は多い。色や形、大きさを見ることによって、糖度や酸味、味の濃さ、水分量などがわかる。甘みにも爽やかなものもあればモッタリと重いものもあり、香りにも華やかなもの、穏やかなものがある。さらに酸味と甘みのバランス、香りのカーブなど、単純においしい・おいしくないを越えて、味を構成する要素を分析しながら受け止めることを学んでいく。その上で、学んだ柑橘の魅力を伝える表現方法を見つけていくのが目指すところだという。</p>



<p>「ワインソムリエや野菜ソムリエの内容を落とし込んでいけば早かったんでしょうけど、自分たちが柑橘農家として感じたことを取り入れようとしたので、講座の内容を完成させるまでに時間がかかりました。周囲は概ね好意的で、他の産地も協力してくれています。停滞していた柑橘業界を盛り上げる、起爆剤的なものが求められていたのかもしれません」と話す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">柑橘の魅力を、より身近に伝えるために</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit026.jpg" alt="" class="wp-image-54225" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit026.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit026-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit026-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p><br>柑橘ソムリエライセンス制度の運営と並行して、二宮さんたちはオンラインストアで生果やストレートジュースの販売にも取り組んでいる。その背景にあるのは、柑橘のおいしさや面白さを、より身近な形で伝えたいという思いだ。品種の違い、産地や栽培方法による味わいの変化。柑橘ソムリエとして生産に携わるメンバーは、日々柑橘と向き合う中で、その個性や奥深さを言葉にしてきた。その知見を消費者と共有する手段として選ばれたのが、柑橘をそのまま搾ったジュースである。</p>



<p>使うのは、柑橘ソムリエ自らが育てた柑橘のみ。単一品種で個性をまっすぐに表現したものもあれば、複数品種を組み合わせ、味わいの広がりを引き出したものもある。甘さの立ち方や余韻、香りの違いから、柑橘の多様さが感じ取れる。産地や生産者の違いといった背景まで含めて知ることで、柑橘はより深く、面白い存在になる。こうした体験を通じて柑橘の魅力を伝え、楽しむ人を増やしていくことも、柑橘ソムリエの活動の一つなのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">我が子のようでもあり、自分自身でもある柑橘</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit019.jpg" alt="" class="wp-image-54226" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit019.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit019-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit019-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>柑橘を盛り上げようという活動が広がりを見せる一方で、国内における柑橘の需要は減り続けているという現状がある。さらに温暖化による寒暖差の減少で味に締まりがなくなる、気温の上昇で木が活性化して肥料が大量に必要になる、病気や害虫の発生期間が長くなるなど、柑橘栽培を取り巻く環境は年々厳しさを増してきている。さらに人手不足や後継者問題、機械化が困難などといった、産業を維持していく上での課題もあるという。</p>



<p>しかし、できることはまだまだあると二宮さんはいう。「今後は変化に対応していくことが重要です。成長を抑制するような栽培方法の模索、気候に合わせた品種へ切り替えていくとか。柑橘をおいしいといってもらえることは、自分が肯定されているように思えるんです。柑橘に自分を投影しているんでしょうね。だからやれることを一生懸命やっていきたいです」。&nbsp;</p>



<h2 class="wp-block-heading">一人でも多くの柑橘ソムリエが世に羽ばたいていくことを願う</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit003.jpg" alt="" class="wp-image-54227" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit003.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit003-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit003-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>年に2〜3回のペースで開催されている柑橘ソムリエライセンス講座は、募集をかけると最短約5分で枠が埋まってしまうという人気ぶりだ。各地から開催して欲しいとの申し出があるものの、当面はこのペースで続けていく予定だそう。ちなみに合格率は65〜70％程度で、合格すれば認定証が付与される。2020年に柑橘ソムリエライセンス制度がスタートしてから、2026年3月時点で200人を超える柑橘ソムリエが誕生し、全国各地で“柑橘を楽しむプロフェショナル”として活動している。そして、この活動を続けてきたことで、柑橘好きのコミュニティは増えていると二宮さんは感じているという。それをもっと増やしたい、この活動を次の代にまで繋げていくというのが二宮さんの今後の目標だ。柑橘王国・愛媛ならではのユニークな取り組みは、着実にその成果を上げてきている。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54210/">柑橘を食べ物からエンターテイメントへ昇格させる柑橘ソムリエ。「NPO法人柑橘ソムリエ愛媛」二宮 新治さん／愛媛県宇和島市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>故郷の段々畑を守り、真穴みかんの歴史をつなぐ。「真穴柑橘共同選果部会」／愛媛県八幡浜市</title>
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		<pubDate>Sun, 22 Mar 2026 04:57:07 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[新着記事]]></category>
		<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[パチパチ]]></category>
		<category><![CDATA[真穴みかん]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana030.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>全国屈指のかんきつ王国・愛媛。なかでも八幡浜市真穴（まあな）地区は、高級温州みかんブランド「真穴みかん」の産地として知られる。いかにして温州みかんを高級かんきつの地位に押し上げたのか。そこには、栽培技術の研鑽やブランドイ [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54185/">故郷の段々畑を守り、真穴みかんの歴史をつなぐ。「真穴柑橘共同選果部会」／愛媛県八幡浜市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana030.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>全国屈指のかんきつ王国・愛媛。なかでも八幡浜市真穴（まあな）地区は、高級温州みかんブランド「真穴みかん」の産地として知られる。いかにして温州みかんを高級かんきつの地位に押し上げたのか。そこには、栽培技術の研鑽やブランドイメージの向上など、産地を守り育てるための「真穴柑橘共同選果部会」のたゆまぬ努力があった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">宇和海を臨む、県内有数のみかんの産地</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana023.jpg" alt="" class="wp-image-54198" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana023.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana023-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana023-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>四国最西端に位置する愛媛県佐田岬半島を臨む、八幡浜市の真網代（まあじろ）地区と穴井地区。真穴は、この2つの地区の総称だ。市内中心部から車を走らせること25分。海岸線に沿って進んでいくと、そのうち急傾斜の段々畑が見えてくる。地元の人々にとってはありふれた景色かもしれないが、海と段々畑の織りなすそれは、日本の原風景を思わせる美しさだ。</p>



<p>真穴みかんは、宇和海を臨むこの段々畑で栽培されている。温州みかんのなかでも極上品として知られ、首都圏を中心に高い評価を得ている。</p>



<p>生産から出荷までを行う「真穴柑橘共同選果部会（以下、真穴共選）」は、共選長の中井平昌（ひらまさ）さんをはじめ、155軒の生産者とJA職員で構成されている。生産者のほとんどは真穴地区出身。地域と共選のメンバーが一丸となって高品質の真穴みかんの生産に取り組んでいる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">真穴の温州みかんをブランディングし「真穴みかん」に</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana009.jpg" alt="" class="wp-image-54199" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana009.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana009-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana009-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>真穴のみかん栽培の歴史は、明治33（1900）年、愛媛県における温州みかん発祥の地・宇和島市吉田町立間から植栽した300本の苗木から始まった。</p>



<p>海岸部にリアス式海岸が続き、平地が少なく傾斜地の多いこの地域は、農耕には向かないが、気候は温暖で日照量も多く、水はけも良いことから果樹栽培には適した環境だった。先人たちは山を耕し、段々畑を築き、懸命にみかん栽培に取り組んできたのだ。</p>



<p>その名が全国に轟いたのは、昭和39（1964）年。みかん産地として日本初の「天皇杯」を受賞したのだ。天皇杯は、全国各地の特に優れた農林水産業者に授与される最高位の栄誉。これを契機に、より高品質なみかん栽培に取り組み、「真穴みかん」として商標登録を行うなど地域ぐるみでブランド化を進めてきた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「５つの太陽」が育む、唯一無二の甘さ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana029.jpg" alt="" class="wp-image-54200" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana029.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana029-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana029-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>自然の地形と知恵を活かした「５つの太陽」。これが真穴みかんを甘くジューシーに育てる秘訣だという。</p>



<p>太陽の光、海のきらめき、段々畑の石垣の照り返しという明治時代から変わらぬ3つの太陽に、近年は園内の地温の調整や保湿、大雨による肥料の流出防止を兼ねて敷いた農業用の白いマルチシートによる太陽光の反射、舗装された園内道からの照り返しが加わった。これら5つの光を巧みに利用し、光合成を促進させることで果実の糖度を最大限に高めている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">厳格な基準と、職人による食味確認</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana014.jpg" alt="" class="wp-image-54201" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana014.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana014-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana014-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>真穴みかんの出荷は10月下旬から始まり、ピークは11月〜12月。</p>



<p>収穫されたみかんは選果場に運ばれるが、選別は非常に厳しく、最新鋭のカメラと光センサーを用いて糖度・酸度・大きさ・形が計測され、ランク分けされる。</p>



<p>最終的には熟練者による食味のチェックも行われるという。「私はこれを、最も重要な判断基準にしています」と中井さん。</p>



<p>これらの厳しい選考基準をクリアした果実だけが真穴みかんとして赤いシールのお墨付きをもらう。果肉を包む薄皮は口のなかでとろけ、ジューシーな果汁が溢れるので「飲むみかんジュース」と称されるほど。</p>



<h3 class="wp-block-heading">気候変動に負けない、全天候型のマルチドリップ栽培</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana025.jpg" alt="" class="wp-image-54202" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana025.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana025-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana025-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>真穴地区は天然の乾燥地域という恵まれた条件で、昔から良いみかんが実ると評価されてきたが、昨今の相次ぐ異常気象により、みかんの味わいにばらつきが生じる年が増えたという。特に、秋に大量の降雨に見舞われると糖度が十分にのりきらず、品質の低下につながってしまうのだ。</p>



<p>その対策として導入しているのが「マルチドリップ栽培（通称：マルドリ栽培）」。園地に白いマルチを敷くことにより雨水を防ぎ、気候変動に左右されることなく高品質を維持するための取り組みだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">持続可能な農業の可能性を秘めた画期的技術</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana004.jpg" alt="" class="wp-image-54203" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana004.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana004-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana004-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>マルドリ栽培は、園地に白いマルチを敷き、その下に点滴チューブを入れて適度な灌水を行う手法。専用のセンサーにより土壌水分量を管理しながら、最低限のストレスの中で果実の糖度を上げる一方で、酸は抑えることができる。</p>



<p>ストレス栽培は果実の糖度を高めるうえで不可欠な手法だが、従来式では木への負担が大きく、良く実が成った年の翌年に不作となる隔年結果や、木の寿命を縮める懸念があった。</p>



<p>一方、マルドリ栽培は「木の負担を減らしつつ、果実にマイルドストレスをかけることで高糖度のみかんを生産できる」という。実際、真穴地区全体の生産者1軒あたりの平均収穫量が4トンなのに対し、マルドリ栽培で成功している生産者は毎年安定して6〜8トンの収穫量を記録。品質のブレも少なく、安定した生産が望める。</p>



<p>「良い年と悪い年のブレを最小限にとどめ、生産量を確保しながら美味しさを追求する。それを可能にするのがマルドリ栽培です」と中井さんは手応えをにじませる。マルドリ栽培に取り組む生産者は年々増加していると言う。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ブランドを支える、加工品の展開</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana018.jpg" alt="" class="wp-image-54204" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana018.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana018-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana018-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>真穴共選では、一年を通して真穴みかんの美味しさを届ける加工品開発にも積極的だ。</p>



<p>「出荷基準を満たした果実でも贅沢に加工原料として使用し、極上なみかんジュースに仕上げています」と事務局長の阿部定生（さだお）さん。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana005.jpg" alt="" class="wp-image-54205" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana005.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana005-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana005-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>加工品の主力はストレートジュース。素材の味そのままの濃厚な甘さと香りが楽しめると好評だが、その陰には開発に長い時間をかけ、幾度となく試作を繰り返しながら特別な製法を生み出した苦労があったそうだ。</p>



<p>「なぜ真穴みかんのジュースは色が濃いんですか？とよく聞かれるのですが、これも開発の中で、店頭に並べていただいたときに、他のみかんジュースとひと目で違いが分かるように試行錯誤を繰り返した結果です。」と中井さんは話す。搾汁方法の違う果汁をブレンドすることで、より深みのあるジュースに仕上がるそうだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">真穴みかんで作るクラフトジン「八°八°（パチパチ）」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana036.jpg" alt="" class="wp-image-54206" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana036.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana036-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana036-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>近年、小規模な蒸留所発のクラフトジンが流行っているが、真穴共選でも真穴みかんを使ったクラフトジンの商品化に挑んだ。真穴みかんの公式販売を行う「旬香物産」と、地元の酒造メーカー「近藤酒造」との共同開発による「八°八°（パチパチ）」だ。</p>



<p>真穴みかんの果実、花、新芽、防風垣に使うコノテガシワの実など、みかんに関係する8種のボタニカルを素材ごとに蒸留し、ブレンドしている。</p>



<p>「八°八°（パチパチ）」というユニークな名前の由来は、みかんを収穫するときの音。</p>



<p>真穴地区では、ハサミで果実を傷つけないよう二度摘みを行う。一度目のハサミは少し枝を長めに残して切り、手元でもう一度。丁寧にみかんを収穫する真穴地区ならではの音を、丁寧に仕込んだクラフトジンの名前にしたのだ。</p>



<p>みかんらしい爽やかな香りや甘みを表現した意欲作は、「東京ウイスキー＆スピリッツコンペティション2022」洋酒部門（ジン）で銀賞を受賞した。</p>



<h2 class="wp-block-heading">段々畑の風景を守り、未来永劫、産地としての歴史が続くように</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana015.jpg" alt="" class="wp-image-54207" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana015.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana015-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana015-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>担い手の高齢化、後継者不足などの影響もあり、中山間地の農業は全国的に縮小傾向にあるが、真穴地区は異例の粘りを見せている。</p>



<p>真穴共選の栽培面積は、20年前が約290ヘクタールだったのに対し、現在（2025年）は約250ヘクタール。共選によるブランド化と新技術の導入といった取り組みにより、この20年で栽培面積の減少はわずか40ヘクタールにとどめているのだ。また農家の減少率も他の地域に比べると少ないようで、現在も155軒の農家が産地を支えている。</p>



<p>「ブランド化することによって、生産者一人ひとりにプライドを持って作っていこうという気概が生まれたのだと思います。」と中井さんは語る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ベテラン農家と新規就農者をマッチング</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana006.jpg" alt="" class="wp-image-54208" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana006.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana006-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana006-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在、真穴地区では年間１〜2名の農業研修生を迎え、新規就農者の増加を目指している。行政に頼るのではなく、共選としていかにして新規就農者を受け入れていくか。それが未来の真穴地区を作っていくために重要なポイントだと二人は考えている。</p>



<p>承継を考えている60代以上の生産者を募り、研修生とマッチングさせる取り組みを実施。ベテラン生産者のもとで2年間研修を行い、将来的にその園地を承継するというのが理想的な流れだ。「今後は倉庫や園内道などハード面での整備を進め、受け入れ体制を充実させていきたい」と阿部さんは話す。</p>



<p>「生産者と地域の人々が一致団結して取り組んでいくことによって、他の産地と切磋琢磨しながらみかん産業を盛り上げていきたい。」</p>



<p>中井さんのその言葉には、みかん農家としての矜持がにじんでいた。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54185/">故郷の段々畑を守り、真穴みかんの歴史をつなぐ。「真穴柑橘共同選果部会」／愛媛県八幡浜市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>“一途に育てて半世紀”トマト農家の新たなる挑戦「ヨダファーム」／山梨県中央市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 22 Mar 2026 04:33:37 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export2.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>甲府盆地の中央部に位置する山梨県中央市は、日照時間の長さとミネラルが豊富な水を活かし昔から農業が盛んな地域。この地でヨダファームはトマト一筋でつくり続けること約半世紀。娘婿の功刀隆行（くぬぎたかゆき）さんが加わり6年、ト [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export2.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>甲府盆地の中央部に位置する山梨県中央市は、日照時間の長さとミネラルが豊富な水を活かし昔から農業が盛んな地域。この地でヨダファームはトマト一筋でつくり続けること約半世紀。娘婿の功刀隆行（くぬぎたかゆき）さんが加わり6年、トマトの美味しさを伝えるべく日々奮闘している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">義父の育てたトマトの味</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export4.jpg" alt="" class="wp-image-54166" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export4.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export4-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export4-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ヨダファームに功刀さんが就農するきっかけとなったのは、農園長である依田克己（よだかつみ）さんの娘である妻との出会いだった。結婚の挨拶で訪問した際、義父である克己さんの育てたトマトを食べ、その美味しさに感銘を受けたという。しかし、「トマトづくりは自分の体力が尽きたら終わりだ」という克己さんの言葉に、高齢化が進む農業界の実態を痛感する。功刀さんは「こんなに美味しいトマトを終わらせることはできない」と一念発起。13年間勤めた農業協同組合の退職を決意し、後継者となるため就農を果たした。</p>



<h2 class="wp-block-heading">トマト一筋、こだわりの品質</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_0683_batch.jpg" alt="" class="wp-image-54167" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_0683_batch.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_0683_batch-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_0683_batch-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>60年の歴史を持つヨダファームでは、代々「桃太郎トマト」に品種を絞ってトマトをつくり続けてきた。桃太郎トマトは甘みと酸味のバランスの良さが特徴の大玉トマト。フルーツトマトなど甘みの強い品種が好まれる中「甘さだけではない」トマトづくりを追及してきたのだという。味が濃く、はじけるような瑞々しさ、皮の薄さや実とゼリー部分のバランス、それら細部に至るまでこだわり抜かれているのがヨダファームのトマトなのだ。</p>



<p>「量産するのではなく“質”に重きを置いてきた」というトマトづくりには、随所に長年培ってきた工夫がみられる。本来であれば1本の苗から約70個のトマトが実るところをその半量に制限し、1個に対して2個分の旨味と栄養が凝縮された濃厚な味わいのトマトをつくりあげている。他にも自然に近い状態でトマトを育てるため、農薬の使用に細心の注意を払いながら受粉を担うマルハナバチの活動を妨げない環境づくりへの取り組みも行っている。このような品種を限定したトマトづくりの裏には、「様々な品種に栽培のリソースを分散させるのではなく、これまで積み上げてきた経験を最大限活かして質を高めていく」というこだわりが詰まっている。そしてその思いは克己さんから功刀さんへ、二代にわたって受け継がれているのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">水耕栽培で育つトマトの味は？</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export3.jpg" alt="" class="wp-image-54168" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export3.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export3-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export3-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>克己さんの先代から続くヨダファームは、当初土に植えて育てる土耕栽培をしていた。しかしこの手法には土に含まれる細菌や病害虫の影響を受けやすく、対策として消毒や農薬に多くのコストがかかるという難点がある。より美味しく安全なトマトをつくるため、克己さんは当時まだ日本ではあまり普及していなかった水耕栽培に挑戦。水と肥料分を溶かした培養液を流して作物の根に伝えて栽培する方法で、農薬を最小限に抑えられることが大きなメリットだ。まだ、水耕栽培を始めた当初は「水を与えれば大きくなるが、味が薄い」という悪いイメージが強かったという。土とは異なり乾かすことができないため水の与えすぎには注意が必要であるが、日差しが強い時にあえて水やりを抑えてストレスをかけることで、トマト本来の甘味を引き出している。2棟あるビニールハウスの中は夏になるとかなりの暑さとなるが、その中でもエアコンを付けずに日光を取り込み続けて光合成を促すことで、糖度5〜6度と甘みの強いトマトが出来上がるのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「美味しいトマトを届けたい」クラウドファンディングの始動</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4583_batch.jpg" alt="" class="wp-image-54169" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4583_batch.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4583_batch-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4583_batch-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「義父がこだわって育てたトマトの美味しさを、より多くの人に届けることはできないだろうか」。功刀さんは更なるビジネスルート拡大のため、全国から農家が集う都内の青山ファーマーズマーケットにも出店し、直販を行った。新鮮で美味しい野菜や果物を求める食通のユーザーが多く足を運ぶ市場であるが、お客さんと対話できるのはわずか30秒ほど。「トマトの質には自信があるし、相応の売上げは立つが、その“思い”までは伝えることができなかった」と功刀さんは話す。どうにか生産に込めた思いを伝える術はないのか。そんな中スタートすることとなったのが、クラウドファンディングサービス「Makuake」でのプロジェクトだった。</p>



<p>Makuakeは商品に込めた思いやこだわりをプレゼンし、商品やサービスに対して応援したいと感じた人が出資をしてくれるシステム。ヨダファームのプロジェクトは2019年8月の第1回から始まり、第9回まで回数を重ねる中で総サポーター数は3000名を超え、応援総額は約2400万円にまで及んだ。Makuakeの加工品プロジェクトでは、トマトを程よく乾燥させることで旨味を凝縮させつつ、フレッシュでジューシーな味わいをバランス良く残した「レアドライトマト」づくりを。他にも新ジャンルとして挑んだ、調味料･ソース･ドレッシングなどにアレンジを効かせられる「トマトの『み』」や、無水で調理した「トマト糀カレー」など、創意工夫を凝らした数々の商品を展開していく。料理研究家の友人のアドバイスをもとに試行錯誤を重ね、パッケージは高校時代の同級生にデザインを任せるなど、周囲の協力を得ながら商品の開発を進めていったという。加工品プロジェクトの中でも特に高い支持を得た「トマトケチャップ」、「トマト塩糀」、「バーベキューソース」は、現在もヨダファームのwebサイトで販売数の多い人気プロダクトに成長した。昨今では「美味しい」という商品の感想から、「調子はどう？」といった知人の支援者から何気ない励ましのメッセージが届くことも多く、Makuakeのプロジェクトを成功させて以降、既存顧客との関係性が濃くなっている実感があるのだと、功刀さんは嬉しそうに話す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">トマト本来の味が活きる商品づくり</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4584_batch.jpg" alt="" class="wp-image-54170" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4584_batch.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4584_batch-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4584_batch-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>功刀さんが新たな加工品の開発に挑むこととなったもうひとつの理由は、大量に生じてしまうフードロスの問題だった。年間生産量の約10％、重さにして5トンにも及ぶ規格外品のうち、市場に出すことのできないものは泣く泣く畑の肥料となっていたという。形は悪くとも、味のポテンシャルは十分に高い。自信のある品質だからこそ、加工の際に添加物など余計なものは一切使わず、トマトの本来の味を活かせるよう工夫を凝らしている。2020年には功刀さんのフードロス削減に対する思いに共感を得た企業との初コラボレーションが実現。その中でも反響が大きかったのは日本酒銘柄「七賢」を醸造する山梨銘醸と共同開発し、造り酒屋の塩糀と組み合わせた「トマト塩糀」だ。塩糀と絶妙な割合でブレンドすることで、トマト本来の味が引き立つ仕上がりとなり、支援者をはじめ多くのユーザーから好評を得た。他にも「とろけるトマトケチャップ」は七賢の醸造に使用している糀に加え、同じく県内企業であるアサヤ食品のワインビネガーを使用。規格外品となったトマトを完熟させ、一瓶に約10個分使用したトマトの存在感が抜群のケチャップとなっている。様々なコラボ商品を手掛けつつも、「トマトが主役になる」というこだわりは常に大切にしているそうだ。</p>



<p>とは言え目新しい商品の考案に励むあまり、「奇をてらいすぎた商品だ」と率直な意見が返ってくることもしばしばあったのだそう。斬新さも必要だが、あくまでも歴史あるヨダファームのトマトの良さを活かせるようなバランスが肝心。商品開発から学ぶことは非常に多かったと、功刀さんは当時を振り返る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">農家の逆境の中で</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export16.jpg" alt="" class="wp-image-54171" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export16.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export16-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export16-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>昨今の世界情勢において、資材費や光熱費の高騰による生産意欲の低迷、高齢化に伴う農業者の減少は日本の大きな課題となっている。これらが要因となり市場に出回る農産物は“質”ではなく、より効率性を追求した“量”が重視される現実を功刀さんは市場で目の当たりにした。高品質を保つことをモチベーションに品種や生産量も制限してきたヨダファームにとっては向かい風とも言える状況と言えるだろう。そういった意味でも、生産者が値段を決めることができない一般市場ではなく、自分たちでトマトの負荷価値を値段に反映して販売できる直販やクラウドファンディングの実施は、非常に実りの多い取り組みだったに違いない。クラウドファンディングの活動が県内スーパーの目に留まり、ヨダファームのトマトを求めて声がかかることもあったという。2023年の春にはほとんど一般流通ではなく、独自の販売ルートを開拓するまでにこぎ着けた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">美味しいものを評価してもらえるような機会をつくりたい</h3>



<p>功刀さんは今後、より直接お客さんと繋がることができる体験型の企画を提案していきたいと語る。直近のMakuakeのプロジェクトでは、リターンとして「初代ヨダファーム農民権」と題した農業体験チケットを考案。実際に農作業をして採れたてのトマトを味わえる収穫体験のほか、商品の割引や野菜のサブスクリプション購入などの特典を設けている。加えてカフェ兼加工工場の建設も予定しており、収穫したての新鮮なトマトをその場で調理して食べてもらえるようなサービスの展開も視野に入れているのだとか。オンラインでの交流という段階から、実際に現地へ足を運んでもらうという新たなフェーズへ。「農家のリアルを感じてもらいたい」という功刀さんの理想が、より現実味を増してきた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ヨダファームだからつくることができるトマトの価値を</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export7.jpg" alt="" class="wp-image-54174" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export7.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export7-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export7-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>トマトを手に取る時、食味･栽培過程･価格など、消費者の購買理由は様々だろう。その中でもヨダファームのトマトが選ばれ続けている理由は、ここまで述べてきたように半世紀に及んで培ってきたノウハウと、“美味しいものをつくりたい”という思いが詰まっているから。克己さんは過去に海外まで赴き、トマトづくりを学んだこともあるそうだが、そういった職人の蓄積された経験とスキルに、斬新な展開やクラウドファンディングへの挑戦をする功刀さんのような発信者の力が掛け合わさることで、トマトの新しい価値を提唱している</p>



<p>流通や担い手の問題など、こうした課題は決してトマトに限ったことではない。課題解決に向けて、まずは普段食べている野菜のつくり手の思いに触れる機会を設け、様々な人の苦労や関わりがあってこそ、安全で美味しい製品がつくられているということ。また従来の量産･出荷のスタイルに固執せずとも、柔軟な発想を取り入れた新しいスタイルで持続可能な農業を築いていけることを、自身の取り組みを通して多くの人に伝えたいと功刀さんは語る。</p>



<p>農産物の価値が見直され、農家が潤い、さらに質の良い野菜が生産されていく。その先に国内の食糧自給率や就農者の増加といったあらゆる好循環を生み出していける未来が待っているのではないだろうか。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54160/">“一途に育てて半世紀”トマト農家の新たなる挑戦「ヨダファーム」／山梨県中央市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>棚田の美しい風景を作る米、「坂本自然農場 穂田琉」／愛媛県東温市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 14 Jan 2026 06:53:23 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[米･食味分析鑑定コンクール国際大会 国際総合部門金賞]]></category>
		<category><![CDATA[音田の棚田]]></category>
		<category><![CDATA[ほたるまい]]></category>
		<category><![CDATA[JINEN（自然）]]></category>
		<category><![CDATA[恩田千年之米]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/image-47-1024x682.jpeg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「つなぐ棚田遺産」に選定されている、愛媛県東温市河之内（とうおんしかわのうち）音田（おんだ）地区の「雨滝音田（あまたきおんだ）の棚田」。この地で作られた「穂田琉米（ほたるまい）」は「米･食味分析鑑定コンクール国際大会 国 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53886/">棚田の美しい風景を作る米、「坂本自然農場 穂田琉」／愛媛県東温市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/image-47-1024x682.jpeg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「つなぐ棚田遺産」に選定されている、愛媛県東温市河之内（とうおんしかわのうち）音田（おんだ）地区の「雨滝音田（あまたきおんだ）の棚田」。この地で作られた「穂田琉米（ほたるまい）」は「米･食味分析鑑定コンクール国際大会 国際総合部門」の 第22回（令和2年）･第23回（令和3年）、2年連続金賞など高い評価を得ている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">棚田風景を残すために始めた農業</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_049.jpg" alt="" class="wp-image-53892" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_049.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_049-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_049-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>実家は東温市の米やシキミ（仏事に用いられる常緑樹）の栽培農家。若い頃は都会への憧れが強く、家業を継ぐつもりはなかった。大学卒業後は縁あって地元･東温市役所に就職。農林振興課時代に棚田の整備をはじめ地域活動に深く携わるなかで、年々農業が衰退しかつての風景が失われていく現実に直面する。音田は40戸ほどの集落で、田畑は10ヘクタール余り、戦後には河之内全体で80ヘクタールほどあったが、現在耕作されているのは50ヘクタールほど。「棚田風景を残したい」という思いから58歳で早期退職。本格的に米作りに取り組み始める。</p>



<p>米作りを始めて間もなく、自分が育てた米の食味値を農協職員に計測してもらうと、思いのほか88点という高い数値が出た。初収穫ながらの高数値に、雨滝･音田の棚田はおいしい米を育てられる場所なのだという大きな自信を得ることができた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">森と渓谷が育む清流と棚田</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_019.jpg" alt="" class="wp-image-53893" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_019.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_019-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_019-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>音田の棚田には、おいしい米が育つための条件がそろっていた。標高250メートルに位置し、昼夜の寒暖差が大きく、日当たりも良好。さらに土壌には保水力があり、稲作に適した性質を備えている。そして何より、この地が誇るのは水質だ。</p>



<p>農場のすぐそばには「雨滝（あまたき）」という小さな滝があり、かつては雨乞いの儀式が行われていた神聖な場所。ほかにも、白猪（しらい）の滝、唐岬（からかい）の滝、窪の淵など、豊かな水の名所が点在し、これらは広葉樹に囲まれた山間にあり、養分やミネラルを含んだ清らかな山の水が田んぼの水源となっている。清流の証とも言えるのが棚田近くにある「雨滝ほたるの里」。夏の夜には無数のホタルが舞い、自然の豊かさを感じさせてくれる。　</p>



<h2 class="wp-block-heading">穂田琉米（ほたるまい）の誕生</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_041.jpg" alt="" class="wp-image-53894" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_041.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_041-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_041-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>豊かな自然環境の恩恵を受けているものの、草刈り負担や有害鳥獣被害など生産効率が高いとは言えない棚田での米づくり。続けていくには米の価値を高め、ブランドとして確立させる必要があった。「風景が作る米」という意味を込めて「穂田琉米（ほたるまい）」と名付け、2013年には日本最大級の国際的なお米のコンクール、「米･食味分析鑑定コンクール」へ初出品。このコンクールでは、米の水分･タンパク･アミロースなどを専用機械で分析した数値と、旨味や甘味やコクなど食べたときの味の感じ方の審査、両面から米のおいしさを評価する。「甘かったですね。最初はまったくでした」と当時を振り返る。その後はコンクール開催地へ足を運び、全国の農家を訪ね歩き、多くの生産者と対話し技術を学んでいった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">減農薬･有機栽培へ移行し、金賞受賞へ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_056.jpg" alt="" class="wp-image-53895" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_056.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_056-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_056-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>最初は農薬や化学肥料を用いた慣行栽培から始まった「穂田琉米」。全国の農家と交流を重ねるなかで、次第に減農薬や有機栽培への関心が高まっていった。肥料中の窒素成分を抑える栽培方法や、有機質のミネラル肥料を使った土づくりなど、さまざまな分析を重ね、タンパク質が少なく粘りのあるおいしい米を目指してきた。タンパク質量が少ない米は、でんぷんが水分となじみ、ふっくらやわらかく、食感のいい米に仕上がりやすい。「データの収集と分析は得意でしたから。農家ごとに異なる、ほんのわずかな違いを自分なりに吸収し、磨き上げていったんです」。</p>



<p>有機栽培をはじめてしばらく経った2020年･2021年には、「米･食味分析鑑定コンクール」にて「坂本自然農場 穂田琉（ほたる）」の「にこまる」が、国際総合部門で金賞を受賞した。コンクールでは食味値審査の後に、「おねば層」を測定する味度値の審査が行われる。おねば層とは、炊飯時に米のでんぷんが溶け出して、米粒の表面に形成される粘りのある層のことで、おねば層がしっかりしている米ほど、ツヤ、粘り、口当たり、甘味の感じやすさにつながる。「味度値が上がったのは、有機栽培にして化学肥料を使わなくなってから。有機に変えてから突然花開いたわけではなく徐々にです。追い求めていた味に近づいてきました」。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="565" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/64d9864d91b24b9097170bd440cbeb9e.jpg" alt="" class="wp-image-53896" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/64d9864d91b24b9097170bd440cbeb9e.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/64d9864d91b24b9097170bd440cbeb9e-300x205.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/64d9864d91b24b9097170bd440cbeb9e-768x526.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「穂田琉米」は、食味･安心･品質にとことんこだわった米だ。食べる人の元に届くまでの品質管理にも余念がない。米は空調完備の精米室で冷房精米され、保冷庫で一年を通して14度以下に保たれている。これは、冬を越した際に室内と外気の温度差で結露が発生するのを防ぐためだ。さらに通常の管理では虫がつきやすい肥料用の糠（ぬか）さえも、温度管理のうえ丁寧に保管されている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">自然と人が共存する「JINEN（自然）」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_007.jpg" alt="" class="wp-image-53897" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_007.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_007-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_007-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在、「穂田琉米」は4品種6銘柄を栽培しており、「農薬を8割削減した米（エコえひめ基準比）」と「農薬を使わない米･JINEN（自然）」の2種類に分かれている。どちらも化学肥料は使わず、ワラやぬか、モミガラくん炭など、田んぼに還る有機肥料だけで育てられている。</p>



<p>独自ブランドである「JINEN（自然）」には、この土地に生きる微生物や畔（あぜ）に咲く花など、すべての命と共に米を育てていきたいという想いが込められている。「本来、米は自然に育つもの。必要でない肥料を無理に加えるのではなく、足りないものだけをそっと補う。それが、自分らしい米作り。風景に恥じない米を作りたい」と語る。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_014.jpg" alt="" class="wp-image-53898" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_014.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_014-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_014-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>JINEN（自然）の一種である「恩田千年之米（おんだせんねんのこめ）」は、自家採種した種を使い、肥料や化学物質には一切頼らない「一粒苗づくり」による自然栽培の米だ。すべての工程が手作業で行われており、まさに人と自然の力だけで育まれている。山間部での栽培ということもあり、収穫量は一反あたり約4〜5俵とごくわずか。現在の農業では平地での一反あたりの収穫量は一般的に8〜10俵ほどと言われ、収穫量は圧倒的に少ないが、これが坂本さんの米作りの循環における基礎になっている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">農村に誇りを、未来へつなぐ棚田の米作り</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_001.jpg" alt="" class="wp-image-53899" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_001.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_001-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/S_001-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>新たに米作りを始める就農者はほとんどいないのが現実だ。古くて狭い構造の棚田を農地として活かすには、水路の整備などを含め、多くの課題がある。「この風景を守りたい」という想いから始まった米作りは、いまや個人の挑戦を超え、地域全体への願いへと広がっている。</p>



<p>坂本自然農場 穂田琉では、米のオーナー制度「ほたるクラブ」を立ち上げ、米作りにいちから関われる仕組みを整えた。草刈りなどの小さな作業からでも参加でき、初期投資や農地がなくても、兼業として米作りに関わることが可能だ。とくに子どもを持つ親世代の参加者たちは、「子どもたちが将来も安心して米を食べられる未来」への意識が高い。自ら学び、育て、食べる。その体験を通して、米作りのできる環境を持つことが、子どもたちの未来を守る一歩になると感じている。</p>



<p>「一番大切なのは農村に誇りを取り戻すこと。この風景を作っているのは自分たちなんだと誇れること」。そのためにも、この地で育つ米の価値を高める努力は惜しまない。おいしい米が育つ環境である「雨滝音田の棚田」で、この土地の自然（じねん）を最大限に活かせば、世界に通用する米ブランドへと育つ可能性がある。「実現するのは僕の次の世代かもしれません。未来へつなげていくことが、今の自分の夢です」。</p>



<p>2025年12月には生産･販売団体として活動していた事業を法人化し、「株式会社 穂田琉」を設立。これにより同社は、輸出を見据えた販路の拡大や農産品の加工、さらには里山の保全活動などを視野に事業の拡大を目指し、地域資源を次世代へつなげるためのフェーズへと踏み出す。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53886/">棚田の美しい風景を作る米、「坂本自然農場 穂田琉」／愛媛県東温市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>すべて高糖度･蜜入り。選び抜かれた特別なりんご「冬恋」／岩手県盛岡市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 14 Jan 2026 06:20:39 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[りんご]]></category>
		<category><![CDATA[はるか]]></category>
		<category><![CDATA[岩手県オリジナル品種]]></category>
		<category><![CDATA[下久保農園]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_083_8533.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「冬恋（ふゆこい）」は、岩手県で生まれたりんご品種「はるか」のうち、糖度や蜜入りなどの高い基準を満たした実だけが選ばれる、特別なりんごのブランド。冬のはじまりの短い期間にだけ味わうことができる、その濃厚な甘さとシャキッと [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_083_8533.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「冬恋（ふゆこい）」は、岩手県で生まれたりんご品種「はるか」のうち、糖度や蜜入りなどの高い基準を満たした実だけが選ばれる、特別なりんごのブランド。冬のはじまりの短い期間にだけ味わうことができる、その濃厚な甘さとシャキッとした食感は、まさにプレミアムな美味しさだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「オリジナル品種」も多彩なりんご産地･岩手</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_103_8583.jpg" alt="" class="wp-image-53862" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_103_8583.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_103_8583-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_103_8583-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手県は、青森県、長野県に続く全国第３位のりんご産地。寒暖差の大きい気候や豊かな土壌といった自然条件を生かし、内陸部を中心に高品質なりんごが栽培されている。</p>



<p>日本に初めて西洋りんごの苗木が輸入されたのは、開国間もない1871年。その翌年には岩手県で西洋りんごの栽培が始まり、全国的にも早い時期からりんごづくりに取り組んできた。生産性だけでなく品質の向上や品種改良にも力を入れ、生産者やJA･自治体･研究機関などが連携し、果皮が濃い紅色で甘みが強い「紅いわて」や、ジューシーで大玉の「大夢（おおゆめ）」など、数々の「岩手県オリジナル品種」も生み出している。そのひとつが「冬恋」のベースとなる品種「はるか」だ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">岩手生まれのりんご品種「はるか」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_057_8464.jpg" alt="" class="wp-image-53863" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_057_8464.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_057_8464-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_057_8464-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>はるかは、1976年に岩手大学農学部の園地で誕生し、2002年に品種登録･市場デビューしたりんご品種。その品種名は、生みの親である横田清名誉教授（故人）の孫の名前から付けられた。果皮が黄色の晩生品種で、たっぷり入った蜜と濃厚な甘み、シャキッとみずみずしい歯応えが魅力だ。その反面、実が小さめであることや、果皮が変色しザラザラになる「サビ」が発生しやすいという性質を持つことから、デビュー当初は「見た目が悪い」と人気が出ず、栽培に取り組む生産者もほとんどいなかったという。</p>



<p>だが一方で、はるかのポテンシャルに可能性を見出す人たちもいた。2006年、県内各地の生産者有志が集まり、果樹栽培の関係機関と「岩手はるか研究会（現･岩手冬恋研究会）」を設立。「はるかを岩手のブランドりんごに育てよう」と、品質の向上や栽培方法の確立に向け取り組みを始めた。</p>



<p>その初期メンバーのひとりが、盛岡市にある「下久保農園」の熊谷峰男さんだ。20年以上にわたってはるかの品質向上や栽培方法の確立に尽力し、2024年度まで「岩手冬恋研究会」の会長も務めていた熊谷さんは「外観は良くないけれど、はるかの蜜入りの良さ、糖度の高さは大きな魅力。なんとか生かしたいと思いました」と、研究会を立ち上げたきっかけを振り返る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「袋かけ」で、弱点を克服</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_089_8610.jpg" alt="" class="wp-image-53864" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_089_8610.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_089_8610-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_089_8610-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>広い岩手県の各地域でりんご栽培を営む「岩手はるか研究会」のメンバーは、各々の畑の一角ではるかを育て、情報交換や議論を重ねながらさまざまな栽培方法を検証していた。ある年、メンバーのひとりが、隣の木と間違えて、はるかに『袋かけ』をしたところ、サビのないきれいな黄色の果実が育ったという。</p>



<p>「袋かけ」とは、摘果（果実の間引き）後のりんごに袋をかける栽培方法。病気や日焼けを防ぎ、収穫後も鮮度や品質を保ち、長期間保存できる「貯蔵性」を向上させるほか、収穫直前に袋を外し日光に当てることで着色が促進し、ムラなく鮮やかに色づく効果が期待できる。</p>



<p>「これはいけるぞ」と手応えを感じた熊谷さんたちは、はるかの栽培を「無袋」から袋かけに変更。その結果、サビやキズの発生が大幅に減少した。</p>



<p>だが一方で、袋かけをしたりんごは、日光をたくさん浴びて育つ無袋に比べて糖度が低くなる。それを克服しようと、素材や仕様の違う袋を何種類も試したり、樹上の実を限りなく減らして1つの実に養分を集中させるなど試行錯誤を重ねた。数年にわたる取り組みにより、本来の食味を損なわず、実も大きく育てることに成功。今では専用の袋を使って袋かけを行い、樹上で完熟させてから収穫するなど、高品質なはるかの栽培技術は確立されつつある。</p>



<p>「とはいえ、りんごづくりは１年に１回。20年はるかを育てても、まだ20回しか収穫を経験できていないんです。もっと適した袋があるかも、他にもいい方法があるかも、と研究に終わりはありません」と熊谷さん。こうしたたゆまぬ努力の積み重ねが、はるかの品質と評価を着実に高めている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">選び抜かれたりんごだけが「冬恋」になれる</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="562" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/main.jpg" alt="" class="wp-image-53865" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/main.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/main-300x204.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/main-768x523.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /><figcaption class="wp-element-caption">※「冬恋」はＪＡ全農いわての登録商標です</figcaption></figure>



<p>こうして育てられた岩手産の「はるか」のうち、糖度や蜜入り･見た目などの基準を満たしたものだけに与えられるのが、「冬恋」という称号だ。<br><br>「冬恋」は、JA全農いわてが扱うブランドりんご。収穫したはるかを、光センサー選果機を用いて1個ずつ計測し「糖度15度以上」「蜜入り」「外観に優れるもの」ものを選別。こうして選ばれたものが「冬恋」として出荷される。また、さらに基準を高くした「糖度16度以上･蜜入り」「サビ･キズがない」ものは「プレミアム冬恋」となる。</p>



<p>出荷時期は11月下旬〜12月。岩手県で生産されるりんごの中で最も遅い冬直前に収穫されることや、糖度の高さが甘い恋をイメージさせることから名付けられた「冬恋」は、年々認知度が上がり贈答用として人気。百貨店や高級青果店でも扱われるという。</p>



<p>「はるかはもともと糖度が高く、蜜が入りやすい品種で、うちで育てているはるかの糖度は、平均で18度ぐらい。20度を超えるものもざらにあります」と熊谷さん。一般的なりんごの糖度は13度前後。そう考えると、冬恋に選ばれなかったはるかも十分に甘い。</p>



<p>「じゃあ冬恋は何が特別なのかというと、見た目の美しさ。自家消費用ならサビの入った無袋のはるかでもよく、むしろこっちのほうが美味しいんじゃないかと思うけど、人にあげるならやっぱり、見た目がきれいなものがいいから」</p>



<p>はるかの果皮はとてもデリケートで、袋をかけて外部の刺激から守り、気を配りながら大切に育てても、サビやキズがついてしまうこともある。冬恋のキズひとつない滑らかな質感は、生産者の丁寧な仕事がつくりだす結晶なのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">手間をかけ、価値を高める</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_107_8640.jpg" alt="" class="wp-image-53866" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_107_8640.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_107_8640-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_107_8640-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>りんごを大きく質の良いものに育てるには、幼い果実を間引く「摘果作業」が欠かせない。りんごは、葉で光合成し果実に栄養を送り込むため、葉と果実の数のバランスが重要だ。通常は、１つの実に対し葉が40〜50枚つく割合になるよう間引くことが多いが、はるかはなんと、１つの実に葉が100枚。樹上の果実の数を大幅に減らすことで、果実に養分をたっぷり行き渡らせ、甘く、大きく育てるのだという。</p>



<p>そうして「少数精鋭」で育てられるはるかは、作付け規模もまだ小さく、生産量が限られるため、店頭に出回ることがなかなかない。そこから選び抜かれる「冬恋」「プレミアム冬恋」はなおのこと、希少な存在だ。「その希少性を価値にして、少しでも生産者に利益として還元できるようにしたい」と熊谷さん。研究会を立ち上げたのも「頑張っていいものをつくり、きちんと評価されて利益になる」という仕組みを作りたいという思いがあったからだと話す。</p>



<h3 class="wp-block-heading">岩手のりんごの魅力を伝える存在に</h3>



<p>熊谷さんは「岩手冬恋研究会」の会長として、県内外のイベントや市場に出向き販促活動も行っている。「ここ数年で、ようやくはるかや冬恋にファンがついてきたと実感できるようになりました。この取り組みに賛同してくれる生産者も増え、研究会の会員数も伸びています。この流れにのって、さらに仲間を増やしたい」と語る。</p>



<p>はるかは岩手で誕生した品種だが、栽培地に規制があるわけではなく、現在は県外でも栽培されている。しかし、「冬恋」というブランドを名乗れるのは岩手産のはるかだけ。「全国的には、りんごといえば青森や長野のイメージがあると思いますが『岩手にもこんなにいいりんごがある』というのを広く伝えていきたい。冬恋とはるかは、その大きなアピールポイントになると思っています」と熊谷さんは期待を込める。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「いいものづくり」には、限界がない</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_071_8506.jpg" alt="" class="wp-image-53867" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_071_8506.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_071_8506-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_071_8506-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手山を望む丘陵地に広がる「下久保農園」のりんご畑。標高はおよそ360mで、岩手のりんご畑としては高い場所にある。平地に比べ気温が低いため、40年前にこの農地を取得したときは実が大きくならず苦労したそうだ。しかし、温暖化に伴い徐々に気温が上昇。「今は、標高が低いほかの畑より、いいりんごが育つようになった。標高が高い分昼夜の寒暖差も大きいので、キリッと身が締まったりんごができる」と熊谷さんは話す。</p>



<p>とはいえ、温暖化は深刻な問題だ。りんごは冷涼な気候を好み、気温が高いと着色不良や日焼け、食味の低下などさまざまな障害を引き起こす。また、蜜が入りにくくなる傾向もあり、「蜜入り」をアピールポイントにしているはるかや冬恋にとっては、ブランド価値を揺るがしかねない。</p>



<p>また、資材の高騰や人件費の増大も大きな負担となっている。機械化が進む米などの作物に対し、りんご栽培はほとんどが手作業。特に袋かけや収穫は、果実の繊細な取り扱いが求められるため、一つひとつ手で行う。「機械化ができれば、息子と２人で回せるかもしれないけど、そうはいかない。だから人を雇わないといけないし、手間をかけるほど人件費がかさみます」と熊谷さん。温暖化や近年続く異常気象、生産コストの増大など、りんごづくりを取り巻く環境は年々厳しさを増している。</p>



<p>「もうヘロヘロですよ。首の皮1枚つながってなんとか続けているようなもの」。そう言って苦笑いするが「時代や環境の変化に巻き込まれながらも、ここまで続けてこれたのは幸せなこと」と話す熊谷さん。「自分で工夫したり、試行錯誤できるこの仕事は楽しい。自分にはまだまだ知らないことがあって、まだやれることがあると思うんです。いいものをつくるのには、限界がないから」と、りんごづくりに向けるまなざしは熱いままだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">りんごの木を切らずに済むように</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_063_8480.jpg" alt="" class="wp-image-53868" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_063_8480.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_063_8480-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_063_8480-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「りんごづくりを辞めようと、木を切ってしまうのは簡単。でも、それまで手をかけてきた長い年月が一瞬で失われ、取り戻したいと思ったら同じだけの時間がかかります。だからできるだけ続けたい。今育てているりんごの木を切らなくて済むように」</p>



<p>その想いは、父とともにこの農園を運営する息子の勝彦さんも同じだ。「このまま温暖化が進むと、りんごだけに頼っていられないときが来るのかなというのもあり、別の畑ではりんご以外の作物もつくったりしています。ただ、りんごづくりは辞めたくないと思いますね。大変なんだけど、やっぱり楽しいから」</p>



<p>「りんごづくりは楽しい」と口を揃える熊谷さん親子。さまざまな課題や苦労を抱えながらも「よりいいものを」と真摯に向き合うその姿勢が、はるか、そして冬恋の特別な味わいを支えている。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53855/">すべて高糖度･蜜入り。選び抜かれた特別なりんご「冬恋」／岩手県盛岡市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>県知事賞を連続受賞。とろける果肉が魅力の斉藤徳雄さんが作る十郎梅干し／神奈川県小田原市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 08 Jan 2026 08:12:45 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[十郎梅]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1008.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>神奈川県小田原市の曽我地区は、梅の名産地として知られ、特に果肉が厚く柔らかい「十郎梅」は梅干し用品種の最上級品とされる。その梅を完熟まで待って収穫し、塩だけで漬け込み、夜露に当てながら干し上げる伝統の技を守り続けているの [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1008.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>神奈川県小田原市の曽我地区は、梅の名産地として知られ、特に果肉が厚く柔らかい「十郎梅」は梅干し用品種の最上級品とされる。その梅を完熟まで待って収穫し、塩だけで漬け込み、夜露に当てながら干し上げる伝統の技を守り続けているのが斉藤徳雄さん夫妻だ。受賞歴も重ねる確かな技と誠実な姿勢が、多くのファンを惹きつけている。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>小田原に根づいた梅の歴史</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1260.jpg" alt="" class="wp-image-53819" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1260.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1260-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1260-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>神奈川県小田原市は、古くから梅の名産地として知られている。戦国時代には北条早雲が梅干しを兵糧に用い、長期保存ができる食料として兵士たちを支えた。梅の薬効や腐敗防止作用にも注目され、戦場では欠かせない存在だったのである。やがて江戸時代になると、梅干しは薬用や食用として庶民に広まり、小田原宿を行き交う旅人の土産としても定着した。弁当の防腐や健康維持にも役立つ梅干しは、生活の中に欠かせない保存食として根強い人気を博していった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">曽我梅林と梅祭りのにぎわい</h3>



<p>こうした歴史を背景に、小田原の曽我地区には広大な梅林が形成された。曽我別所･原･中河原の三つの梅林をあわせて「曽我梅林（そがばいりん）」と呼び、今では約3万5千本もの白梅が植えられている。梅には、観賞用で中国原産の落葉高木（らくようこうぼく）「花梅（はなうめ）」と、食用や薬用にする「実梅（みうめ）」があるが、同地区で生育されているものの多くが食用の梅を生産するための木であり、果実を加工して梅干しや梅酒として地域に流通させる役割を担っている。</p>



<p>とはいえ、曽我梅林では収穫だけでなく、その花の美しさや香りを観光資源にしていきたいと、「梅まつり」も開催。開花期の2月から3月にかけて一面に咲く梅は訪れる人々を魅了し、地元の特産品販売や観光と結びつき、地域のにぎわいを生み出している。梅の生産と観光が一体となったこの景色は、まさに小田原の梅文化を象徴する光景といえる。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>文化庁「100年フード」にも認定された小田原生まれの十郎梅</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1081.jpg" alt="" class="wp-image-53821" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1081.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1081-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1081-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>小田原では、「白加賀（しろかが）」や「南高（なんこう）」「梅郷（ばいごう）」などの品種が栽培されているが、中でも特別なのが「十郎梅（じゅうろううめ）」である。全国的な知名度はまだ高くないが、実は梅干し用としては最高峰とされる品種だ。果肉が厚くやわらかで、種が小さいため食べやすく、漬けるとまろやかな酸味と深い旨みを生む。そのとろけるような食感に一度出会えば、思わず「こんな梅があったのか」と驚く人も多い。</p>



<p>この梅が生まれたのは1950年代。小田原市で選抜された足柄上郡の在来実生で、室町時代の軍記物語･曽我物語に登場する曽我十郎の名にちなんで「十郎梅」と呼ばれるようになった。小田原の土地と風土に適したこの梅は、まさに地域が誇るブランドなのである。さらに、この「曽我の梅干し」の歴史と魅力を次世代に継承し、広く普及させるため、文化庁が実施する「100年フード」に応募したところ、「伝統の100年フード部門～江戸時代から続く郷土の料理～」に認定されている。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>生産者泣かせの一面</strong></h3>



<p>一方で、この十郎梅は“生産者泣かせ”と呼ばれるほど扱いが難しい品種でもある。果皮が非常に薄く、枝に触れただけでも傷がつきやすい。収穫するときは一粒ずつ手でもぎ取り、収穫かごにはクッションを敷くほどの気遣いが欠かせない。さらに、天日干しでの裏返しは神経戦。完熟果ゆえに皮が破れやすく、最後まで気が抜けない。</p>



<p>加えて、結実が安定せず収穫量に大きな差が出る年もあるため、生産者は栽培から加工まで常に神経をとがらせている。それでも十郎梅にこだわり続けるのは、この梅でしか得られない独特の味わいがあるからだ。実際に十郎梅で梅干しを漬けた人は、その柔らかさと奥深い風味に魅了され、翌年からは「十郎梅しか使えない」と言うようになるという。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>県知事賞を重ねた確かな実力</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1021.jpg" alt="" class="wp-image-53822" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1021.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1021-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1021-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>そんな、曽我梅林の別所地区で梅干しづくりに励む斉藤徳雄さん。夫婦で力を合わせ、十郎梅を使った昔ながらの梅干しを守り続けてきた。その確かな仕事ぶりは地元でも広く知られ、長年にわたり高い評価を受けている。</p>



<p>斉藤さんの梅干しは、これまで小田原梅干品評会にて、2023年、2024年連続入賞、過去には農林水産大臣賞や神奈川県知事賞も受賞しており、小田原梅干品評会の上位入賞の常連として、その技術と実直な姿勢は折り紙付きだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>品評会で評価されるポイント</strong></h3>



<p>小田原梅干品評会では、大きさや粒のそろい具合、皮の状態、色合いといった外観が厳しく見られる。そして試食では、柔らかさや酸味、塩加減のバランスが問われる。斉藤さんの梅干しは果肉がとろけるように柔らかく、塩の角が取れたまろやかな味わいが特徴で、審査員だけでなく消費者からも高く支持されている。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>技を磨き続ける姿勢</strong></h3>



<p>品評会は結果だけでなく、日々の努力の積み重ねを映し出す舞台でもある。柔らかさと粒ぞろいをいかに両立させるか、酸味と塩味の調和をどう整えるかといった、細部へのこだわりが求められる。斉藤さんは「工夫は出し尽くした。あとは手を抜かずに続けるだけ」と語る。派手さはなくとも、積み上げてきた経験と誠実な作業こそが評価につながっている。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>10年で築いた梅農家としての基盤</strong></h3>



<p>斉藤徳雄さんの家は、梅･みかん･キウイを栽培する農家だった。自宅の隣には大きなしょうゆ蔵があり、子どものころから食や発酵の文化が身近にあったそうだ。</p>



<p>社会人になってからは料理人としての道を歩んだ。しかし父親が早くに他界し、40代後半で家業を継ぐ決断を下す。農業に本格的に取り組み始めたのはこのときで、実は本格的に農業に向き合ってからの年月は10年ほど。それでも、梅を中心に神奈川県産の米「はるみ」や、甘味と酸味のバランスに優れたキウイ「ヘイワード」も栽培し、季節ごとに畑に向き合う暮らしへと切り替わっていった。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>農業を支える家族とこだわり</strong></h3>



<p>転身後は母親と奥さんと共に畑を守り、作業を分担しながら歩みを続けてきた。平日は料理人として働きながら農作業を手伝う時期もあったが、専業になってからは天気予報を見ながら作業を進める日々となった。特に、害虫や病気予防のため、日当たりや風通しをよくする剪定という作業は独自のこだわりを持ち、枝を整えた結果、良い実が生ったときには大きな手応えを感じるという。まだ農家としての歴史は浅いが、食に携わってきた経験と家族の支えが、斉藤さんの農業を強く支えている。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>完熟の瞬間を逃さず、塩と太陽で引き出す十郎梅の旨み</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1053.jpg" alt="" class="wp-image-53823" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1053.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1053-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1053-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>斉藤さんの梅干しづくりは、収穫からすでに独自のこだわりがある。木から自然に落ちる寸前まで熟した梅だけを丁寧に拾い集めるのだ。黄色からオレンジに色づき、香りが立ちはじめた実は果肉がやわらかく、とろけるような梅干しに仕上がる。その見極めは簡単ではなく、毎日の畑の観察が欠かせない。雨や風の影響を受けやすいため、わずかなタイミングのずれが品質に直結するが、そこに手を抜かないのが斉藤さんの流儀だ。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>塩分18％で仕上げる昔ながらの味わいと土用干し</strong></h3>



<p>収穫した梅は、選りすぐったうえで塩をまぶし、重石をかけて漬け込む。塩分は18％を基本にしており、保存性と味わいのバランスを取る昔ながらの方法を貫いている。塩だけで仕上げる「白梅干し」は、ハチミツなどを加えたまろやかな味わいの梅干しと違い余計な調味料を加えない分、ごまかしのきかない真剣勝負。果肉の柔らかさや酸味のまろやかさを引き出すためには、経験に裏打ちされた判断が必要になる。</p>



<p>梅雨が明けると、次は天日干しの工程が待っている。斉藤さんは梅を三日三晩、夜露に当てながら干す「土用干し」を大切にしている。日中の強い日差しと夜の湿り気を繰り返すことで、果皮がやわらかくなり、果肉の旨みが凝縮されるのだ。干す作業では梅を一粒ずつ裏返さなければならず、皮が破れやすい十郎梅にとっては神経を使う作業が続く。それでも「このひと手間が味を決める」と斉藤さんは語り、昔ながらの方法を守り続けている。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>仕上がりの特徴</strong></h3>



<p>こうして仕上がった梅干しは、口の中でほどけるようなやわらかさ、粒が大きく揃っているのが特徴だ。酸味はまろやかで旨みがしっかりと感じられ、塩の角が取れた深い味わいに仕上がる。食べた人の多くが「もう十郎梅以外では物足りない」と口をそろえるのも、その確かな品質があってこそ。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>2トンからわずか数キロだけ認定される極上ブランド『雲上』</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1311.jpg" alt="" class="wp-image-53824" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1311.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1311-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1311-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>斉藤さんの梅干しは、小田原市が公認する地域ブランド「雲上」にも選ばれている。斉藤さんの家の場合、2トン漬けてもわずか数キロしか認定されないほど厳しい基準が設けられており、選ばれるのはごく一部の梅干しだけだ。条件としては、粒の大きさが4L（直径42mm）以上であること、形が整い皮がきれいに張っていること、色合いの美しさ、そして味わいの確かさまで徹底して確認される。さらに塩分も基準の一つで、斉藤さんは「あと塩分ですね。18％で漬けていて、20％以下で仕上がっているかどうか。20％未満でいかないと」と語り、基準を守り抜いている。雲上に認定された梅干しは個包装で販売され、一粒あたり300円ほどで取り扱われる高級品だ。こうして選ばれた梅干しは、市内でも限られた農家しか手にできない誇りの証でもある。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>地域とともに広がる誇り</strong></h3>



<p>『雲上』に認定されると、市の公式ブランドとして百貨店などで販売され、消費者の目に触れる機会が増える。これは単なる販売促進ではなく、小田原の農産物としての信頼を高め、地域全体の誇りにもつながるものだ。斉藤さん自身も「自分の梅干しが地域を代表している」との思いを強く持ち、次世代へつなげる責任を感じている。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>一粒に込めた思いが未来へ続く</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1033.jpg" alt="" class="wp-image-53825" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1033.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1033-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/Ume-Saito-1033-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>斉藤さんの農業は、家族の協力とともに歩んできた。これまで積み重ねてきた経験や工夫が、十郎梅の魅力を引き出す確かな技につながっている。塩だけで漬ける昔ながらの白梅干しは、果肉の柔らかさと深い旨みをそのままに伝える仕上がりで、炊き立ての温かいご飯に添えれば思わず箸が止まらない。「派手なことはできないけれど、真面目に続けていくことが大事」と語り、その一粒一粒に誠実さを込める斉藤さん。静かな情熱がにじむ姿勢こそ、これからも小田原の梅文化を支えていく力になっていく。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53812/">県知事賞を連続受賞。とろける果肉が魅力の斉藤徳雄さんが作る十郎梅干し／神奈川県小田原市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>被災地に実る希望。次世代型農業で人が集う場所をつくる「デ・リーフデ北上」／宮城県石巻市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 15 Dec 2025 04:13:12 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[富丸ムーチョ]]></category>
		<category><![CDATA[パプリカ]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[トマト]]></category>
		<category><![CDATA[リーフデ・テラス]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5435.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>宮城県石巻市、北上川のほとり。かつて震災で大きな被害を受けたこの地で、被災した建設会社が新たに選んだのはオランダ式農業による復興だった。社名の「デ・リーフデ」はオランダ語で「慈愛（De Liefde）」を意味する。人と土 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5435.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>宮城県石巻市、北上川のほとり。かつて震災で大きな被害を受けたこの地で、被災した建設会社が新たに選んだのはオランダ式農業による復興だった。社名の「デ・リーフデ」はオランダ語で「慈愛（De Liefde）」を意味する。人と土地を想う挑戦が2013年より始まり、今も続いている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">復興を通して、新たな希望を育てる</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5392.jpg" alt="" class="wp-image-53747" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5392.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5392-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5392-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2011年の東日本大震災で町が壊滅し、居住禁止区域になった宮城県石巻市北上町釜谷崎地区。「この場所を復興させたい」との思いから、デ・リーフデ北上の挑戦は始まった。</p>



<p>「新しく農業にチャレンジしたい人たちや、震災後に移住してきた人たちが集える場所でありたいと考えています」と語るのは、総務部長の阿部さん。</p>



<h3 class="wp-block-heading">被災した建設会社が、「農業で復興」を選んだ理由</h3>



<p>デ・リーフデ北上の前身は、茅葺屋根を手掛ける建設会社。震災による津波で会社は流され、もともと農地だった場所は地盤沈下と塩害で再生が困難な状態にあった。代々受け継いできた土地が、瓦礫置き場になった姿を見て、会社の代表はしばらく何もできなかったという。転機となったのは2013年。オランダで農業コンサルタントをしている石巻市出身者が、この地を訪れたことにある。</p>



<h3 class="wp-block-heading">オランダ式農業で、持続可能な仕組みをつくる</h3>



<p>オランダ式農業の特徴は、テクノロジーを駆使して温度や湿度、CO2濃度を管理しながら栽培を行う施設園芸であること。さらに、高収量品種に特化して生産し、労働力とエネルギー効率を最大化する。こうした仕組みが、収益力のある農業として実現している。先端技術を駆使した高収益戦略を知り、「石巻を元気にし、雇用の創出や人口増加に貢献できる」と希望を見出し、施設の建設に踏み切った。</p>



<p>2014年、国の次世代型農業支援制度が始まったタイミングで補助金を得て、2016年に本格稼働。被災地に、復興の光が確かに見えた瞬間だった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">石巻の地で、トマトに復興を託す</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5508.jpg" alt="" class="wp-image-53748" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5508.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5508-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5508-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>豊富な日射量があり、夏は涼しい宮城県では、昔からトマトの栽培が行われていた。しかし、震災以降、津波による農地の冠水などの影響により県内のトマト生産量は半減。「トマトは日本で最も食べられている野菜のひとつ。冬でも安定して供給できれば、生産者にも地域にもプラスになる」との思いで、栽培する野菜はトマトと決めていた。施設園芸を行うことで、通年収穫も可能になるとの見込みもあったのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">生産性とおいしさを両立。飲食店に選ばれる理由</h3>



<p>デ・リーフデ北上が育てているトマトの品種は、「富丸（とみまる）ムーチョ」。日本とオランダの種苗メーカーが共同開発したもので、日本のトマトらしい甘さと、オランダ品種の多収性を兼ね備えている。</p>



<p>富丸ムーチョは加工にも適しており、販売先は飲食店がメイン。日持ちが良く、スライスしても水分が染み出しにくい特徴を説明して、販売先を少しずつ開拓したという。現在はコンビニチェーンや大手ハンバーガーショップなどにも卸している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">農水大臣賞を受賞した、人・環境・地域の好循環を生む農場</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="549" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC9364.jpg" alt="" class="wp-image-53749" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC9364.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC9364-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC9364-768x511.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>一般的なビニールハウスではなく、透過率の高いガラスハウスを導入しているデ・リーフデ北上。1.1haの広さに圧倒されるが、その構造にも特徴がある。高い天井から日射をさんさんと取り込み、空気の循環を良くすることで、平均的なハウスの約3倍もの収穫量を実現。さらに、IT技術を活用して安定出荷や労働環境改善を叶えた。その成果が評価され、2023年全国優良経営体表彰の生産技術革新部門で最高賞となる農水大臣賞に選ばれた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">誰もが働きやすい、やさしい農場設計</h3>



<p>水耕栽培の仕組みを活かし、トマトの根の位置を高く設定。床下には作業用台車のレールを設け、立ったまま収穫できるよう工夫されている。体への負担が少ないため、高齢者や女性スタッフも安心して働ける職場だ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">天候に左右されない、安定した雇用の実現</h3>



<p>これまで宮城県内で行われていた農業は天候に左右され、雇用の安定化が難しいとされてきた。しかし、デ・リーフデ北上のガラスハウスでは、コンピューター制御による温度管理により、天候に左右されず通年で安定生産が可能。雇用が途切れず、農業の常識を覆す働き方を実現している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">木質チップと雨水循環。環境にやさしい農業へ</h3>



<p>燃料には地元の木質チップを利用し、雨水を循環利用。環境負荷を抑えながらエネルギーを自給する仕組みを整えている。さらにLEDライトによる試験栽培では、冬場の収穫量を20%増加させることに成功したという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">次なる挑戦へ。地域とともに歩む未来</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5605.jpg" alt="" class="wp-image-53750" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5605.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5605-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/DSC5605-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2021年には、敷地内にレストラン「リーフデ・テラス」がオープン。食品ロス削減に取り組みながら、年間数千人が視察に訪れる地域の交流拠点にもなっており、地域経済にも貢献している。</p>



<p>また、施設の外ではヤシ殻を培養土として活用したブルーベリー栽培もスタート。山形県の農家と連携しながら、新たな循環型モデルの実現と農業の6次産業化を目指している。</p>



<p>「オランダ式農業をそのまま真似るのではなく、この土地に合った形でさらに発展させたい」と先を見る阿部さん。石巻の地に根を張り、挑戦を続けるデ・リーフデ北上には、震災から立ち上がった人々の、確かな希望が息づいている。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53741/">被災地に実る希望。次世代型農業で人が集う場所をつくる「デ・リーフデ北上」／宮城県石巻市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>「せり鍋」で仙台を元気に。「三浦農園」代表・三浦隆弘さん／宮城県名取市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 04 Dec 2025 09:13:44 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[せり鍋]]></category>
		<category><![CDATA[仙台せり]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_0827.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>春の七草がゆなどにも使われ、古くから日本の食に欠かせない「せり」。宮城県名取市は、「仙台せり」の名産地だ。その名産地で、今では仙台・宮城名物となった「せり鍋」を広めた立役者が、「三浦農園」代表の三浦隆弘さん。三浦さんの育 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53623/">「せり鍋」で仙台を元気に。「三浦農園」代表・三浦隆弘さん／宮城県名取市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_0827.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>春の七草がゆなどにも使われ、古くから日本の食に欠かせない「せり」。宮城県名取市は、「仙台せり」の名産地だ。その名産地で、今では仙台・宮城名物となった「せり鍋」を広めた立役者が、「三浦農園」代表の三浦隆弘さん。三浦さんの育てるせりは、飲食店から引く手あまたで、入手困難となっている。三浦さんが仕掛けた「せり鍋」が、仙台を代表するグルメに根付いた理由は何なのだろうか。</p>



<h2 class="wp-block-heading">400年続く、名取市の土壌で育つ「仙台せり」</h2>



<p>400年ほど前から名取市でせりの生産が始められ、雑煮や七草がゆとして仙台の人たちが食していた。この地域でせりが育てられてきたのは、その土壌が栽培に適していたから。三浦さんによると、レンコンや慈姑（くわい）などを育てるような、“少し土を掘ると水が出てくる”湿地帯の土壌が適しているのだという。三浦さんはそんな恵まれた土壌を生かしながら、自然に寄り添う農業を実践している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">“土地の翻訳者”として、自然と人をつなぐ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_6939.jpg" alt="" class="wp-image-53629" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_6939.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_6939-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_6939-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>せり農家として、三浦さんが大切にしていることがある。それが、食べる人の皿の上にきちんといい状態で届けるようにすること。</p>



<p>「ただ売って終わりではなく、人様の口に入っていくことを自分で想像できるかどうか。自分が一番厳しいお客様にならなきゃいけないというのは常に考えています。土や生態系、水などの“翻訳者”になることが農家の役割。どんな生き物がいて、どんな植物がいるかを言語化するようにしています」と、穏やかに語る三浦さん。</p>



<p>土地に根差したものの価値を伝えていくことこそが、農家をやっていく意味や価値となり、過去と未来を繋ぐ存在になると考えている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ネイチャーポジティブな栽培を目指して</h3>



<p>三浦さんが心がけているのが、ネイチャーポジティブな栽培をすること。これは、人間の営みが自然環境に与える悪影響を減らし、生態系の回復や多様性を促す考え方だ。</p>



<p>農薬や化学肥料は使用せず、有機物を取り入れてイトミミズやゲンゴロウなど土の中の生き物が喜ぶ環境をつくる。そうして生物が増えるほど土が豊かになり、結果としておいしい作物につながるという。使用する有機肥料は、ハタハタを発酵させたものや大豆油粕や鶏糞など。鶏糞は即効性があるものの、リン酸が多くなりがちなので、魚粕などのアミノ酸系の肥料を増やしてバランスを取っている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">丁寧な手作業を重ねる、三浦農園のせり</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_7559.jpg" alt="" class="wp-image-53630" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_7559.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_7559-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_B_7559-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>せりの収穫時期は9月から5月頃まで。新芽が緑色に色づき、50センチ程度に育つと収穫の合図。防水のつなぎを着て田んぼに入り、手作業で一本ずつせりを引き抜いたら、泥をすすいで出荷作業へ。 収穫したせりは、葉が黄色かったり傷んでいたりするものを選別する。実際に出荷されるのは全体の4割ほど。残りはすべて選別段階で省かれる。 「食べる人の顔を思い浮かべながら、“これなら自分も食べたい”と思えるものだけを出すようにしています」。</p>



<h2 class="wp-block-heading">地元食材を主役に。「せり鍋」誕生の原点</h2>



<p>せりを使った鍋といえば、秋田の「きりたんぽ鍋」が有名だ。ただ、あくまでも主役はきりたんぽで、せりが全面的に出てくることはない。しかし、仙台の「せり鍋」の主役は「仙台せり」だ。</p>



<p>この「せり鍋」を三浦さんが考案したのは、およそ20年前。仙台には牛タン、笹かま、萩の月、ずんだなどの名物があるものの、その原料が宮城県産でないものが多いため、地元の食材を使った名物を作りたいという思いがあったのだそうだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">料理人との協働で形になったユニークな宮城名物</h3>



<p>当時、茎中心に食べられていたせりは、葉や根はほとんど使われずに捨てられることが多かったという。</p>



<p>「でも、すべての部分がおいしく食べられる。だったら丸ごと味わえる料理があってもいいと思ったんです」。</p>



<p>三浦さんは、仙台駅近くの割烹料理店「いな穂」のご主人に相談し、2003〜2004年頃に「せり鍋」を開発。仙台の飲食店を中心に徐々に広がり、次第に“冬の味覚”として定着した。</p>



<p>ちょうどSNSが流行し始めた時期でもあり、せりを山盛りにしてみたり、あえて根を上にのせたりして関心を引くための工夫は欠かさなかったという。「味は食べてもらわないと分からない。でも、見た目で興味を持ってもらえればチャンスを生み出せる」と三浦さん。<br></p>



<h2 class="wp-block-heading">葉から根まで、余すことなくせりを味わう</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_1285.jpg" alt="" class="wp-image-53631" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_1285.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_1285-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_1285-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「せり鍋」の大きな特徴として挙げられるのが、根っこの部分を食べること。有機栽培で育てたせりは、茎の付け根や根際に甘みと香りが際立っており、鍋に入れるとその旨みが絶妙に溶け合う。 それまで仙台の人たちがせりの根を食べることはなかったが、そのおいしさに気づいた人が増え、今では「仙台せり」の象徴となっている。 また、季節によっておいしい部分が異なり、秋と冬には根、春には新芽と、その時期での楽しみ方が変わってくる。</p>



<p>「せり鍋」に合う肉としては、鶏肉や鴨肉のほか、魚やジビエもおすすめだという。出汁にも決まりはなく、いろいろな店で食べ比べができるのもおもしろさなのだと、三浦さんは語る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">震災を機に広がった「せり鍋」文化</h3>



<p>はじめは、地元の“食いしん坊”の間で「おいしい」と評判に。しかしその名が広く知られるようになったのは、東日本大震災がきっかけだった。復興の応援として、「宮城の酒と合わせるなら『せり鍋』だ」と、いろいろなところから声がかかるようになったのだそうだ。他の料理は県外産の素材に頼るものも多かったため、地元産のせりを使うことで地域経済に寄与できることが大きかった。また、被災地を訪れた人たちが「折角来たなら、地元のものを食べて応援しよう」という機運も「せり鍋」の周知を後押しした。</p>



<p>三浦さんは、「せり本来のおいしさは、この土地でこそ伝わる」と考えている。そのため、販売は一部の例外を除き、仙台市内の店舗に限られている。「この地で食べてもらうことが、結果的に地域経済を元気にすることにつながるんです」と語る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">20年かけて商品価格を2倍に。地域の農業を未来へつなぐ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_0898.jpg" alt="" class="wp-image-53633" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_0898.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_0898-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/miura_A_0898-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「せり鍋」人気のおかげで、この20年間は宮城県内のせりの需要が増え、価格が2倍になった。実際に宮城県の農協が示すデータによると、2007年の出荷量は622トンで金額は4億9,000万円。2019年は出荷量が345トンだったにも関わらず、その金額は5億5,000万円以上となっている。生産者の高齢化などにより出荷量が半減しているのに、その金額が上がっているのが分かる。</p>



<p>そのため、若い世代がせり農家を職業として選択するようになり、後継者不足の解消に繋がっているのだそうだ。</p>



<p>「生産者と、流通、そして食べてくれるところがうまく回れば、ローカルの大事な繋がりができるという事例になると思うんです」と話す三浦さん。そして、ローカルガストロノミー、つまり地域の風土、歴史、文化を料理に仕込むことで、さまざまな地域でこの事例を作っていくことができる。「せり鍋」の成功で価格が倍になったように、自分の地域の文化を掘り下げればもっといい未来があるのではないか、と希望を託す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">次世代のせり農家を育て、仙台を活気づける</h2>



<p>三浦さんの夢は、せり農家を増やし、湿地を守りながら環境にやさしい農地を広げること。また、若い世代が農業に参入できるようなプラットフォームや教科書を作って、ロールモデルになること。そして食育など、より若い世代への教育も続けていくことだと話してくれた。</p>



<p>「せり鍋」の普及活動を続け、今や宮城の名物へと押し上げた三浦さん。 これからも、地域、そしてローカルガストロノミーのロールモデルとして活躍していくことだろう。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53623/">「せり鍋」で仙台を元気に。「三浦農園」代表・三浦隆弘さん／宮城県名取市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>食べておいしいお米を追求し、日本一に輝いた「会津猪苗代カンダファーム」神田 忍さん／福島県猪苗代町</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 27 Nov 2025 04:29:53 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[ゆうだい21]]></category>
		<category><![CDATA[第26回米･食味分析鑑定コンクール国際大会]]></category>
		<category><![CDATA[国際総合部門･金賞]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[米]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8110.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>美しい水田が広がる福島県猪苗代町（いなわしろまち）で日本一の米作りを目指して邁進する「会津猪苗代カンダファーム」の神田忍さん。試行錯誤を重ね、2024年に「第26回米･食味分析鑑定コンクール国際大会」で最高賞となる「国際 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8110.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>美しい水田が広がる福島県猪苗代町（いなわしろまち）で日本一の米作りを目指して邁進する「会津猪苗代カンダファーム」の神田忍さん。試行錯誤を重ね、2024年に「第26回米･食味分析鑑定コンクール国際大会」で最高賞となる「国際総合部門･金賞」を受賞した。日本一の夢を叶えた神田さんの米作りとは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">お米にとっての最後の楽園に</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8154.jpg" alt="" class="wp-image-53541" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8154.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8154-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8154-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>会津猪苗代カンダファーム（以下、カンダファーム）のある猪苗代町は、会津磐梯山（ばんだいさん）と猪苗代湖に囲まれた全国有数の景勝地。標高500ｍ以上にも関わらず、広大な水田が一面に広がっており、磐梯山系の豊富な雪解け水に恵まれ、有機質土壌の田んぼも点在する。スキー場のある豪雪地帯としても知られ、統計開始以来、一度も猛暑日を観測していなかったそう。「寒暖差が激しいこの地域は、温暖化が進む今、お米にとって“最後の楽園”かもしれません」と神田さんに笑顔があふれる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">営業職から農家へ転身し、卸売りから直販へ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8025.jpg" alt="" class="wp-image-53542" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8025.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8025-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8025-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>大学卒業後、サラリーマンとしてキャリアを築いてきた神田さんの転機となったのが、家業を継いでいたお兄さんの急逝だった。兄の遺志を継ぎ、農家と民宿を営むご両親を支えるために2011年に30歳で就農したが、1か月後に東日本大震災が発生。農業にも甚大な被害をもたらし、風評被害の影響で米の価格が急落した。神田さんは現状を打破する方法を模索するうちに、営業職の経験を生かして直販への切り替えを決めた。「JAなど卸先への価格は大幅に下がって売り上げが激減していたので、米は自分で売っていく時代になると思ったのが始まりです。しかし、当初は売り上げが少なく、消費者に選ばれるためには品質の良さとブランドを作り上げていく必要があると実感しました」と振り返る。そこで目標としたのが、10年後の40歳までに米のコンクールで受賞すること。ここから日本一を目指す挑戦が始まった。</p>



<p>ちなみに神田さんが金賞を受賞した「米･食味分析鑑定コンクール国際大会」は、米･食味鑑定士協会が主催している“お米のコンクール”のこと。お米の検査といえば「等級検査」のみが主流であった2000年当時、お米の食味にこだわり、衰退しつつあった「地方･農業･稲作の復興」を後押しするべく、コンクールがスタート。第1回大会は400に満たない出品数での始まりだったが、今や5,000もの総出品があり、数多くの自治体との共催によって、世界最大規模のお米のコンクールへと成長した。また、第10回より国際大会となり、コンクール受賞者のお米は、国内はもとより海外でも高い評価を得ている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">毎年10パターン以上の試験栽培でデータを蓄積</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8030.jpg" alt="" class="wp-image-53543" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8030.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8030-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8030-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>独学による研究を進めるために、まずは毎年10パターンの試験栽培を実施。品種や栽培方法、与える肥料の量や稲を刈るタイミングなどを変えながら検証し、品質の改善に取り組んでいった。周囲からは「神田さんの田んぼはまだ穂が出ていないけれど大丈夫なの？」と言われるなど反応も様々だったと言う。試験栽培した米は食味計の測定や実食により最良ロットを選定し、次年度はさらに10パターン以上の試験栽培に挑戦。この独自の試験栽培を継続してデータを蓄積し、納得できる栽培方法を確立していった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">出会いに感謝。自分で切り開いて夢を叶えていく</h3>



<p>米作りを通して出会ってきた人々も神田さんに大きな影響と幸運を与えてくれた。「日本一の米の産地･南魚沼には米作りの師匠がいます。コンクールでの出会いを機に毎年訪れ、肥料や田植え、刈り取り時期など細部まで教えていただきました。また、日本一を獲得した農家への研修視察や全国の米農家さんとの交流もずっと続けています」と楽しそうに話してくれた。営業マンとして培ってきたコミュニケーション力を発揮し、積極的に出かけて良い米づくりを学んで吸収できることも神田さんの大きな強みだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">食卓を彩るプレミアム米「ゆうだい21」</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8160.jpg" alt="" class="wp-image-53544" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8160.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8160-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8160-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>10パターン以上の試験栽培を継続する中で大切に育ててきたのが、プレミアム米「ゆうだい21」。宇都宮大学の開発プロジェクトの中から生まれた「奇跡の米」と呼ばれる品種で、粘り気があり、強いうまみと甘みが特徴。コンクールで日本一を取った米農家たちも認める品種に取り組み、神田さんは日本一を目指してきた。「標高が高く低温になる猪苗代では、冷害に強い「ひとめぼれ」をメインに栽培していましたが、試行錯誤を重ねる中で土地に合った肥料設計や栽培方法に成功。「ゆうだい21」は私が重視している食感や粒感、肌触り、お米としての存在感があります」。</p>



<p>カンダファームの米の収穫は、もち米から始まり、ひとめぼれ、ゆうだい21へ続く。直販は始めた当初は売り上げは少なく厳しい状況が続いたが、購入した方の評判は高く、リピートも増加。さらに、受賞を機に広く認知されるようになり、売り上げも目標を達成するようになっていった。炊きたてはもちろん、時間がたっても変わらないおいしさが評判を呼び、毎年完売する人気ぶりだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">農業はクリエイティブな仕事。目標は、5年連続日本一！</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX7998.jpg" alt="" class="wp-image-53545" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX7998.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX7998-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX7998-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>（7998）</p>



<p>カンダファームの「ゆうだい21」は、2024年に開催された日本最多の出品数を誇る「第26回米･食味分析鑑定コンクール国際大会」で最高賞となる「国際総合部門･金賞」を受賞。神田さんが44歳の時だった。ついに、日本一を叶えた神田さんの次なる目標は、5年連続の日本一だ。「受賞して、そこで立ち止まったら進歩がないと思っています。自分が満足できるかどうかが大切なので、これからも毎年挑戦して5年連続受賞を目指します。なぜ5年連続なのかというと、2026年から3年連続でこの大会が福島県で開催されるから。そのためにも、常に挑戦者でいたいんです。農業は地味な仕事のように思えますが、明確な目標があると非常にクリエイティブで、こんなにおもしろい仕事はないですね」と大きなやりがいを感じている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">精米機の厳しい設定も、おいしさの秘密</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8057.jpg" alt="" class="wp-image-53546" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8057.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8057-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8057-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在は30パターンもの試験栽培を行い、精米にも大きなこだわりを持つ神田さん。本来は色彩選別機を何度も通せばきれいになるが、米を傷つけたくないために1回だけ通して厳しいジャッジをしていると言う。機械のラインを厳しく設定することで、通常は透明感のある米粒の中で乳白色に濁った「白濁」や粒の腹部が白く濁った「腹白」などを取り除けるため、雑味のないおいしいお米が出来上がる。白濁や腹白などの濁った粒は食べても味に問題はないが、生育中に天候の影響（高温や日照不足など）で発生するため、米のでんぷんが不十分とされており、ご飯がやわらかくなる原因となる。</p>



<p>「コンクールに出品するために厳しく設定していたものを通常の販売用にも対応したことで、理想的なおいしいお米になりました」と明言する。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「日本一を目指す米」と「究極の普段食」を２本柱に</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8148.jpg" alt="" class="wp-image-53547" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8148.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8148-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/XXXX8148-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>有機栽培による「ゆうだい21」の可能性にも挑戦する中で大切なことは草対策だと言う。収穫量を増やし、病害虫や雑草を防ぐために化学肥料や農薬を使用する「慣行栽培」より植える苗の量を減らして、光合成を促進するため、雑草対策にも余念がない。「農業は天職なので苦労とは思っていません。営業マンの時より輝いていると自分で思っており、子どもたちにも誇れる仕事です」と愛する家族とともに田んぼを見つめる神田さん。</p>



<p>5代目を継いで以来、２本柱で栽培に取り組んでおり、そのひとつは「日本一を目指す米」。もう１つは手頃な価格で食べ盛りの子どもたちもお腹いっぱいになれる「究極の普段食」だ。今後も日本一を目指しながら、毎日の食卓にも幸せを届けてくれるに違いない。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53532/">食べておいしいお米を追求し、日本一に輝いた「会津猪苗代カンダファーム」神田 忍さん／福島県猪苗代町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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