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	<title>酒造 - NIHONMONO</title>
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	<description>「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン</description>
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	<title>酒造 - NIHONMONO</title>
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		<title>この土地の恵みを大事に、川敬商店でしか味わえない日本酒を。「川敬商店」7代目･川名由倫さん／宮城県遠田郡美里町</title>
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		<pubDate>Fri, 10 Apr 2026 09:51:07 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0108.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>川敬商店の代表兼杜氏として酒造りを行っている川名由倫（ゆり）さん。伝統を重んじながらも、新しい技術や挑戦を取り入れ、「伝統は攻めてこそ守られる」という姿勢で酒造りに向き合っている。特に主要銘柄「黄金澤（こがねさわ）」は、 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0108.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>川敬商店の代表兼杜氏として酒造りを行っている川名由倫（ゆり）さん。伝統を重んじながらも、新しい技術や挑戦を取り入れ、「伝統は攻めてこそ守られる」という姿勢で酒造りに向き合っている。特に主要銘柄「黄金澤（こがねさわ）」は、芳醇な香りとスムースな口当たりで、日本酒初心者から愛好家まで多くの人を魅了。選ばれる酒造りのために、由倫さんが大切にしていることとは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">創業120年。伊達家ゆかりの商家がはじめた「川敬商店」</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0004.jpg" alt="" class="wp-image-54296" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0004.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0004-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0004-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>1902年、初代･川名敬治が宮城県北東部の遠田郡涌谷町（わくやちょう）で創業した「川敬商店」。そのルーツは、仙台藩･伊達家出入りの金物商にある。地租改正により自作田を得たことをきっかけに、涌谷町の南に位置する美里町へ移転。米の生産が盛んで、土地の肥沃さが古くから知られていた美里町だが、川名家が取得した土地は沼地が多く、稲作には不向きだったという。そのため、農業に頼らない生業として酒造業に着目し、蔵を構えることを決めた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">山廃仕込みでオリジナリティのある酒造りを続ける</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0587.jpg" alt="" class="wp-image-54297" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0587.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0587-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0587-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>川敬商店は創業時から、自然の乳酸菌の働きを利用して酒母（しゅぼ）を育成する「山廃仕込み」にこだわってきた。酒母とは酵母を増やして発酵の土台をつくる工程で、日本酒の味わいを左右する重要な要素。時間も労力もかかり高い技術が必要とされる造り方のため、一時期は生産を6割ほどにとどめて、人工的に作られた乳酸を直接添加する「速醸造り」でまかなっていた。しかし、今では山廃仕込みの酒が生産の9割を占める。その理由を由倫さんは「山廃仕込みは蔵ごとの個性が出やすく、川敬商店らしい味わいを表現できます。今の川敬商店には欠かせないと感じています」と話す。</p>



<p>地元の米と水にこだわり、丁寧に醸された「黄金澤」は繊細で上品な味わいが特徴で、食事とともに楽しめる日本酒として高く評価されている。冷や、ぬる燗、熱燗とどんな温度でも美味しく味わえるのも人気の理由。名前の由来は、金の採取で有名な涌谷町の商人が醸したことにある。</p>



<h2 class="wp-block-heading">日本酒離れの時代に育った一人娘の役割</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0599.jpg" alt="" class="wp-image-54298" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0599.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0599-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0599-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>由倫さんにとって子どものころから蔵が身近にあることは当たり前の風景ではあったが、そこにどのような歴史や技術が詰まっていたのか、関心を持つことはなかったという。だが、年齢を重ね、地域や家族の記憶に触れる中で、次第にその重みを理解するようになる。</p>



<p>多感な時期に日本酒の消費量が激減したこともあって、酒造りは「報われない仕事」と思っていた。しかし、その考えを変えたのは、2011年3月に発生した東日本大震災。実家が倒壊し、復旧にも時間がかかったこともあって、酒蔵を営む家の一人娘として生まれた意味を考えるようになったのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">酒造りのすべてを“一から”学び、杜氏を志す</h3>



<p>震災を機に、川敬家の一人娘である由倫さんは家業を継ぐことを考え始めた。本当に継ぐかどうかはともかく、酒造りとはいったいどういうものなのか知ってみようと、酒類総合研究所東京事務所（2015年に広島県にある本部に統合）で行われた40日間の講習会に参加した。酒類総合研究所は、酒類の品質や醸造技術を研究する国の研究機関で、全国の酒造関係者が学びに訪れる教育プログラムも提供している。「やってみたら、酒造りもけっこうおもしろかった」と笑って振り返る。</p>



<p>その感覚が酒造りをイチから学ぶ後押しとなり、2012年に「川敬商店」へ入社。最初は何もわからず戸惑ったそうだが、周囲の人々に教えてもらいながら、少しずつ酒造りの面白さに気づいていったという。そして、お父さまの亡き後、2019年に杜氏として酒造りの責任を背負うことになった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">素材の状態を見極め、おいしい酒に仕立てる</h3>



<p>由倫さんがこだわっているのは、米を手で研ぐこと。一部機械も使用してはいるが、5kgずつ手で研ぐことで、米の割れや吸水状態を細かく確認でき、狙った酒質に近づけやすいという。近年は米の硬化傾向があり、その洗い方によって酒の質も変化してしまうため、最新の注意を払う。洗う時には、食用米のように強く研ぐのではなく、優しく糠を取り除くイメージで洗うのだという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">より良い酒造りを目指し、川敬商店の新たな味を探求</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_B_6452.jpg" alt="" class="wp-image-54299" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_B_6452.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_B_6452-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_B_6452-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在の川敬商店の酒造りは、「飲んでくださる方を想い、心清らかに醸す」をテーマに掲げている。そのために、麹作りから酒母、醪（もろみ）まで、長期低温発酵させる「吟醸造り」にすることを徹底。そうすることで、きれいな味の酒に仕上がるから。</p>



<p>ただ、「他社の麹と比較すると、ややおとなしい印象があるため、今後は力強い麹造りにも挑戦したい」と話す。目指すのは、透明感としっかりとした骨格を持つ酒だという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">コロナ禍で見つめ直した「黄金澤の立ち位置」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0027.jpg" alt="" class="wp-image-54300" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0027.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0027-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/kawakei_A_0027-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>コロナ禍で日本酒需要が落ち込む中、由倫さんはあえてブランドの見直しに時間をあてた。その結果、「黄金澤」が持つ魅力や位置づけがより明確になったそうだ。どんな料理にも合わせられる“食卓に調和する酒”を追求し、人々に寄り添う存在であり続けること。そのために、「常に新しい挑戦を続け、より美味しい酒をつくりたい」と意気込む。</p>



<p>華美ではないが、料理を引き立て、飲み手の時間を豊かにする。その積み重ねこそが、川敬商店が120年守り続けてきた価値なのだろう。「黄金澤」はこれからも進化し続け、愛され続けていく。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54289/">この土地の恵みを大事に、川敬商店でしか味わえない日本酒を。「川敬商店」7代目･川名由倫さん／宮城県遠田郡美里町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>豊かな海のそばで「鮨に合う酒」を追求する「平孝酒造」代表･平井孝浩さん／宮城県石巻市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 02 Feb 2026 11:32:09 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4670.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>世界三大漁場 三陸･金華山沖のある石巻市で1861年から酒を醸している平孝酒造。代表銘柄「日高見（ひたかみ）」は、華やかさを競うのではなく、鮨を引き立てることに徹した一本。小さな蔵だからこそできるきめ細かな発酵管理と、漁 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4670.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>世界三大漁場 三陸･金華山沖のある石巻市で1861年から酒を醸している平孝酒造。代表銘柄「日高見（ひたかみ）」は、華やかさを競うのではなく、鮨を引き立てることに徹した一本。小さな蔵だからこそできるきめ細かな発酵管理と、漁場と共にある土地で生まれた酒は、今や全国の鮨職人から厚い信頼を集めている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「鮨に合う酒」は、最初から目指していたわけではなかった</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4658.jpg" alt="" class="wp-image-53973" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4658.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4658-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4658-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>全国新酒鑑評会で通算18回の金賞を受賞し、宮城県清酒鑑評会での宮城県知事賞（最高賞）にも輝いてきた平孝酒造の「日高見」。しかし「鮨に合う酒」として評価されるまでには、決して順風満帆とは言えない道のりがあった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「蔵を閉める」宣言から始まった覚悟</h3>



<p>平孝酒造4代目の息子として生まれた平井孝浩さん。宮城県内の大学を卒業後、家業を継ぐつもりはなく東京で就職した。しかし転機は急に訪れる。社会人2年目のとき、父が東京に来て「蔵を閉める」と告げたのだ。</p>



<p>当時、日本酒業界は焼酎やビールに押され、廃業が相次いでいた時代。平孝酒造は「新関（しんぜき）」の酒銘で長年地域に親しまれていたが、業績低迷が著しい状態だったという。卸会社で酒を扱う部署に勤めていた平井さんは、さまざまな蔵や酒造会社と仕事をする中で、家業の持つ魅力に気づき始めていたという。「なぜ閉めるんだと、どうしても納得がいかなくて。親父にはできなくても、自分ならできる」と強く反発し、蔵を継ぐ決断をする。そうして1987年に石巻に戻ったが、すぐに理想の酒造りができたわけではなかった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">売れる酒のために個性を模索する日々</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="549" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC9202.jpg" alt="" class="wp-image-53974" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC9202.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC9202-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC9202-768x511.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>バブル崩壊以降、日本酒業界は価格競争の真っただ中にあった。大量生産･大量流通が主流となり、地方の小さな蔵はトラックに酒を積み、足で売り歩くしかない日々。意気込んで継いだ平井さんだったが、想像以上に厳しい現状に目を背けたくなることが何度もあったという。</p>



<p>一方で、地酒ブームの兆しも見え始めており、「どう届け、どう選ばれるか」が問われていた。既存商品の「新関」では経営がままならなず、これからのことに四六時中頭を悩ませ、そんななかで行きついたのが「日高見」だ。</p>



<p>「廃盤商品をたまたま調べていたとき、父が造った『日高見』が目に留まりました。『日を高く見る』という響きがいいなって。調べてみたら、この地域と深い縁がある言葉だと知って、これは石巻で酒を造る自分たちにふさわしいと思いました」。</p>



<p>土地の歴史と、自分たちの覚悟。その両方を背負える名前として、「日高見」という名をあらためて掲げ直すことを決心。そして、商品数を絞り、「親関」から「日高見」へとブランドイメージ刷新を決めた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「鮨に合う酒」への方向転換</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4772.jpg" alt="" class="wp-image-53975" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4772.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4772-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4772-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>1990年、吟醸酒「日高見」の販売をスタート。当時の日本酒市場では、吟醸酒であることを一つの品質基準とする傾向があり、まずは評価される土台に乗ることが必要不可欠。明確なコンセプトを打ち出す以前に、造り手として正当に評価されるスタートラインに立つための戦術だった。販路を開拓しながら酒を売り続けたが、状況はすぐには改善しない。選んでもらえない現実に直面するたび、ただ造るだけではなく「何のための酒なのか」を考え続けた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">料理を引き立てる役割に活路を見出す</h3>



<p>「選ばれる酒」のヒントを得たのは、醸造試験場で酒造りを学ぶ仲間から金沢の寿司店に招かれたことにある。そこで供された鮨は、コース料理の一部としての鮨ではなく、鮨そのものが主役。割烹料理の中で鮨を口にすることが多かった平井さんにとって、その体験は衝撃だった。シャリとネタが一体となり、口の中でほどけるような風味に感動。自身の酒を合わせてもらうと鮨職人から思いがけない言葉が返ってきた。</p>



<p>「香りはいい。でも、鮨と合わせると酒が前に出すぎる」。</p>



<p>その瞬間、華やかな香りの酒は、鮨のように繊細な料理の良さを奪ってしまうことに気づいた。「酒は主役ではなく、料理を支える存在であるべき。鮨の繊細さを邪魔しない、むしろ引き立てる酒をつくろう<strong>」</strong>と決心したのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">長年かけてたどり着いた「超辛口純米酒」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4935.jpg" alt="" class="wp-image-53976" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4935.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4935-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4935-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>鮨に合う酒として目指したのは、キレがあり雑味のない超辛口純米酒。魚介類の繊細な旨味や風味を邪魔せず、脂やシャリの甘みを程よく流すことを狙った。どの程度の辛さが鮨に合うのか、杜氏にイメージを伝えて醸造を重ね、寿司店に持ち込んでは手厳しい評価を受けることを繰り返した。</p>



<p>そしてきめ細かな発酵管理と貯蔵を積み重ね、2008年に完成したのが「日高見 超辛口純米酒」だ。冷やでも燗でも崩れず、魚の旨みを引き立てる一本。</p>



<p>柔らかな口あたりとキレの良い後味、とりわけ赤身魚との相性の良さが評判となり、食中酒として高い評価を得た。四季折々の美味しい魚が捕れる石巻で生まれたので、「魚でやるなら日高見だっちゃ」というキャッチコピーを掲げた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">逆境に立ち向かい、品質を磨き上げる</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4754.jpg" alt="" class="wp-image-53977" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4754.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4754-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4754-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>しかし、2011年に三陸沖の太平洋を震源とする東日本大震災が発生。「ここからという矢先に震災があったんです」と振り返る平井さん。</p>



<h3 class="wp-block-heading">鮨職人に支えられて前進する</h3>



<p>東日本大震災で、平孝酒造は津波による甚大な被害を受けた。酒造りに欠かせない麹室や酒母（しゅぼ）室、発酵室も使えなくなり、先の見えない状況に追い込まれたという。 それでも平井さんは、「ここから進化してこそ復興だ」と前を向いた。すべてを総ステンレス張りへ改修し、温度管理と衛生管理を徹底できる環境を整備。以前よりも安定した品質を追求できる蔵へと生まれ変わらせた。</p>



<p>この再建の過程で、大きな支えとなったのが「鮨に合う酒」を模索するなかで出会い、懇意にしていた鮨職人たちだった。仲間を連れて石巻まで炊き出しに駆けつけてくれたのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">歩みを止めることなく新商品をリリース</h3>



<p>再建を進めるなかで生まれたのが、2012年発売の純米吟醸酒「弥助（やすけ）」。三陸･金華山沖では、貝類や白身魚といった淡泊な甘みを持つ魚介が多く水揚げされる。しかし、「日高見 超辛口純米酒」では、その淡い旨味をやや引き締めすぎてしまう場面もあった。そこで、より柔らかく、素材の甘みを引き立てる酒を目指して生まれたのが「弥助」である。</p>



<p>その特徴は豊かでふくらみのある旨味と、後味がキリッと引き締まるシャープな辛さを両立させていること。穏やかな味わいを感じさせながらも、さらりと抜ける透明感により料理の余韻を邪魔しない。特に白身魚やイカなど、甘みのある魚介類との相性の良さに定評がある。世界一おいしい市販酒を決める日本酒の品評会「SAKE COMPETITION 2025」においては、純米吟醸部門ブロンズを受賞した。</p>



<p>なお、酒銘は歌舞伎演目『義経千本桜』に由来し、花柳界では寿司を指す言葉として使われてきたもの。鮨文化への敬意と、鮨職人たちとの縁を込め、この名を現代に甦らせた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">酒造りを通して食べた人が幸せになる時間を</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4811.jpg" alt="" class="wp-image-53978" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4811.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4811-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/DSC4811-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「鮨の美味しさを支える、縁の下の力持ちのような酒でありたい」そう語る平井さんにとって、日高見は自己主張の酒ではない。料理と酒を組み合わせてお互いの美味しさを引き立て合うペアリングの考えに基づき、鮨を食べる体験そのものを豊かにすることに重きを置いている。</p>



<p>現在は海外への輸出も行っているが、販路をむやみに広げることはしない。「平井さんのお酒を使いたい」と声をかけてくれる、理念を共有できる料理人や店とだけ向き合っている。</p>



<p>太陽の恵みを受けた土地「日高見国」の名を冠し、この地でしか、この蔵でしかできない酒造りに挑み続ける平孝酒造。今では、鮨屋では必ずと言っていいほど見かけるまでになった「日高見」。鮨を口に運ぶその一瞬を、より特別な時間にしてくれる一杯として、ぜひ試してみてほしい。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53965/">豊かな海のそばで「鮨に合う酒」を追求する「平孝酒造」代表･平井孝浩さん／宮城県石巻市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>富士の湧水で紡ぐ伝統の清酒と挑戦のウイスキー「井出醸造店」／山梨県南都留郡富士河口湖町</title>
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		<pubDate>Thu, 08 Jan 2026 08:47:22 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[甲斐の開運]]></category>
		<category><![CDATA[北麓]]></category>
		<category><![CDATA[酒造]]></category>
		<category><![CDATA[日本酒]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>江戸時代から300年以上続く老舗酒蔵「井出醸造店」。富士山の北麓、河口湖のほとりで日本酒を作り続けてきた酒蔵が近年、新たに独自のウイスキーを作り始めている。伝統の名酒の味を守りつつ新たな挑戦に飛び込む次期代表の想いと、老 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53839/">富士の湧水で紡ぐ伝統の清酒と挑戦のウイスキー「井出醸造店」／山梨県南都留郡富士河口湖町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>江戸時代から300年以上続く老舗酒蔵「井出醸造店」。富士山の北麓、河口湖のほとりで日本酒を作り続けてきた酒蔵が近年、新たに独自のウイスキーを作り始めている。伝統の名酒の味を守りつつ新たな挑戦に飛び込む次期代表の想いと、老舗酒蔵のこれからを聞いた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">湖のほとりにある酒蔵</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export2.jpg" alt="" class="wp-image-53846" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export2.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export2-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export2-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>富士山の麓、富士五湖の内のひとつであり、例年多くの観光客が訪れる河口湖。そのほど近くに、今から300年以上前の江戸時代中期から続く老舗の酒蔵「井出醸造店」がある。現在清酒の醸造から販売、そして新たにウイスキー作りに取り組む22代目の、井出宇俊（いで たかとし）さんに話を聞いた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">醤油の醸造から始まった酒蔵</h3>



<p>「井出醸造店」の始まりは1700年頃まで遡る。富士山の北麓に位置するこの地域では湧き水や地下水は豊富であるものの、川が無く岩盤が固いため水路を掘削する事が難しかった。そのため、当時は田畑に水を供給することができず、清酒の原料である米作りには適さない土地だったという。対して雨水を利用した大豆の栽培が盛んであったため、当時の11代目・井出與五右衞門（いで よごうえもん）が、その大豆を使った醤油の醸造を始めるために蔵を開いた。1850年頃になると、16代目・井出與五右衞門が標高850mの涼しい気候と、豊富に湧き出る富士山の湧き水に注目。同じ山梨県内で米作りが盛んだった地域の米を仕入れ、清酒の醸造を始めた。ここから井出醸造店の清酒作りが始まった。</p>



<p>水田の少ない北麓地域のお米だけで全ての原料を賄うのは難しいため、現在は山梨県内をはじめとした全国様々な米農家から米を仕入れているそうだが、「地元の人の誇りになる清酒を造りたい」という想いから、近年は富士北麓地域のお米「玉栄（たまさかえ）」を使った銘柄、特別純米酒の「北麓（ほくろく）」なども展開している。しかし、いかに慎重に仕入れ先を選定しても、年度や産地によってお米の状態にばらつきが出てしまうことは、ある程度避けられないそう。「いかに製品に影響を与えず、蔵の味、同じ味を上手く消費者に届けられるかというのも、清酒造りにおける技術のポイントだと思っています」と、宇俊さんは自社の技術に自信を覗かせた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">井出醸造店の誇る日本酒</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export10.jpg" alt="" class="wp-image-53847" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export10.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export10-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export10-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>“富士山の湧水を使う”ことを全体のコンセプトに、「そのイメージを崩さないよう綺麗な清酒を作ることを心がけています」と語る宇俊さん。そんな井出醸造店の代表的な銘柄が「甲斐の開運」だ。清酒の醸造を始めた1850年頃は、偶然にも皇女、和宮（かずのみや）様の婚姻と同時期だったそう。それにちなんで「運が開け、幸せに向かうように」と開発した清酒に「開運」という名前が付けられた。後の1985年、長年にわたって人々に親しまれ続けた開運は、山梨の酒蔵としてより地域性を打ち出した甲斐の開運と名前を改め、現在まで醸造されている。その味は口当たりが滑らかで、少し辛口な味わい。キレが良く、食事のひと時にピッタリな仕上がりとなっている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">すっきりと揺らぎのない「甲斐の開運」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/4c212d661ac841ae1f41a9d5375693e2.jpg" alt="" class="wp-image-53849" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/4c212d661ac841ae1f41a9d5375693e2.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/4c212d661ac841ae1f41a9d5375693e2-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/4c212d661ac841ae1f41a9d5375693e2-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>井出醸造店の酒質を支えているのは、蔵の真下を流れる“富士の水”だ。標高約1,100メートルの地点から汲み上げられる伏流水は、富士山の火山層を80年かけて通り抜け、玄武岩層などによる天然ろ過を経て磨かれたもの。澄みきった柔らかさを湛えたこの水こそが、同店が目指す“綺麗な酒質”の核となっている。「すっきりと綺麗であること」。その基本方針は揺るがず、代表銘柄「甲斐の開運」の心地よい辛口のキレもまた、富士の水の透明感と調和し、食中酒としての魅力を引き立てている。</p>



<p>発酵を司る酵母には安定した協会系酵母を使用し、雑味を極力排しながら素材の味わいを素直に引き出すことを重視。なかでも宇俊さんが「特に大事にしている」というのが、搾った直後のできる限り迅速な火入れだ。空気に触れる時間を最小限にし、酒を安定させるための細やかな管理が欠かせない。火入れ後の酒は温度変化の少ない環境で静かに貯蔵され、一方、生酒は年間を通じて0度以下の冷蔵庫で保管される。繊細な味わいを守り抜くための丁寧な管理が、揺らぎのない清らかな酒を作りあげている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ここでしか味わえない「生原酒」</h3>



<p>酒蔵に併設した売店「酒望子（さかぼうし）」では、清酒をはじめ、醸造過程の副産物である酒粕（さけかす）を使用した食品などがラインナップされている。また2010年4月からは、一般の来客者に向けて酒蔵の見学もスタート。来店者しか味わうことのできない「特別純米生原酒 “囲 Kakoi”」という限定の生原酒も提供している。清酒の醸造過程では米を発酵させてアルコールを作っていく。そうして出来上がった米と清酒が混ざった醪(もろみ)から絞り出された液体を生原酒という。流通させる清酒の多くはここから殺菌のために火入れをしたり、アルコール度数の調整のために加水するのだが、特別純米生原酒 “囲 Kakoi”は、それらの工程を一切加えていない。「搾ってそのまま」のアルコール感に香る米の風味。滑らかな味わいと、微かに残る吟醸香を堪能することができる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">新たな挑戦、「富士北麓蒸留所」の立ち上げ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/f326418e119241bb049b8bf06d364d3b.jpg" alt="" class="wp-image-53851" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/f326418e119241bb049b8bf06d364d3b.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/f326418e119241bb049b8bf06d364d3b-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/f326418e119241bb049b8bf06d364d3b-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2020年7月、井出醸造店は新しい挑戦として「富士北麓蒸留所」というブランド名でウイスキー作りを始めた。世界的に見るとアルコール飲料はお米や麦等の原料を発酵させて作る「醸造酒」と、原料を発酵させて作ったアルコールを含む液体を加熱し、気化・冷却の工程を踏んで液体に戻す「蒸留酒」に分けられる。更にウイスキーであれば蒸留して作った原酒を木製の樽に入れ、長期間保存する「熟成」の工程が必要となる。これまで醸造酒を作って来た井出醸造店にとって、この「蒸留」「熟成」の工程は未知の領域だった。</p>



<p>「発酵の知識や実体験はあったのですが、蒸留、熟成に関しては全く未知だったので、本当に何もわからないところからのスタートでした」</p>



<p>「数年かけてようやく自社ならではの製造方法が固まって来たが、まだまだ勉強すべきことが多い」と、苦労を語る宇俊さん。蒸留酒を作ってみたいという思いが段々と強くなる一方で、多額の設備投資をしてまでウイスキー作りをスタートさせるか悩んでいた彼の背中を押したのが、近年顕著になっているインバウンド需要の増加だった。酒蔵に訪れる外国人の目当てが清酒だったとしても、ラインナップの中に海外発祥のウイスキーがあれば更に喜んでもらえるのではないか。そんな想いからウイスキー作りに踏み出す決心をした。</p>



<h3 class="wp-block-heading">酒蔵が作るお米原料のウイスキー</h3>



<p>「ジャパニーズウイスキーは今、世界で人気になっているんです。その要因のひとつに飲みやすさがあると思っています。それをしっかり押さえつつ、井出醸造店ならではの個性を出していきたいです」</p>



<p>ジャパニーズウイスキーで用いる熟成樽の多くはミズナラの木でできており、ウイスキーに上品で甘い香味とほのかな甘みを加えるのだそう。そうした「飲みやすさ」に加え、井出醸造店のウイスキーにはもう一手間の工夫が込められている。そのひとつに、通常は発酵工程でウイスキー酵母を使うところを、清酒の発酵に用いる「清酒酵母」を使っていること。もうひとつに、とうもろこし、ライ麦、小麦などの一般的な主原料ではなく、清酒と同じ「お米」を使用していること。こうすることでお米由来の違った甘みが加わり、より奥深く滑らかな口あたりのウイスキーに仕上がる。これらこだわりの背景には、「自分たちにしか作れないウイスキーを作りたい」という想いがある。「清酒の酒蔵が作るお米原料のウイスキー。他では味わえない個性があると思うんです」と、宇俊さんは胸を張る。現在は、前述の清酒酵母とお米を使用したウイスキー『大樹海』と、炭酸水と湧水を加えて更なる「飲みやすさ」を演出した『富士北麓蒸留所 ハイボール』を展開している。</p>



<p>「『普段清酒作りをしている井出醸造店が新しくウイスキー作りを始めた』という、新たな試みを広く周知するために作り上げた商品なんです。市場がどのような反応を示してくれるかが楽しみです」</p>



<h2 class="wp-block-heading">「飲み飽きない」普通酒を</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export11.jpg" alt="" class="wp-image-53852" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export11.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export11-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export11-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>将来的には22代目として井出醸造店を引っ張っていく宇俊さん。「今の井出醸造店の味である“すっきり感”と“綺麗さ”という軸をぶらさずに清酒を作っていきたいですね」と、これから思い描く未来を語った。加えて、「普通酒」である「甲斐の開運」の醸造にも力を入れていきたいと意気込む。「近年日本各地でも『特定名称酒』に注目が集まりがちですが、古くから生活に根ざしてきた『普通酒』もしっかりと作っていきたいんです」。</p>



<p>「清酒の製法品質表示基準」が定められるはるか前。1850年から味わいを変えずに作り続けられてきた「甲斐の開運」は、ぶれることのない井出醸造店のアイデンティティ。「華々しさこそないかもしれないが、家族で過ごす日々の食卓など、“普通”の瞬間のお供として愛され続けてきたもの。飽きることなく人々に愛され続けて欲しいんです」。“普通”でいられること、いつもの日々を過ごせることに、かけがえのない幸せがある。そんな「甲斐の開運」へ込めた思いが、井出醸造店の歴史と精神を繋いでいるのだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">井出醸造店のこれから</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export5.jpg" alt="" class="wp-image-53853" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export5.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export5-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/export5-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「日本文化を代表する清酒は、昨今のインバウンド需要を鑑みればこれからも世界から注目されていくと思う。だからこそ、昔ながらの伝統を今に繋ぐ「甲斐の開運」を作り続けていくニーズは十分あると思っています。そうした強い基盤を固めた上で、ウイスキー作りなど現代のニーズにマッチした商品を展開していきたいです。時代はどんどん変わりますからね」</p>



<p>醤油作りから始まり、地域の特性や恩恵に目を向けることで現在まで繋がれてきた井出醸造店の清酒作り。これからも地域に根を張り、受け継いできた味は守り続けながらも、時代の変化へ柔軟に対応しながら新たな挑戦に挑んでいく。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53839/">富士の湧水で紡ぐ伝統の清酒と挑戦のウイスキー「井出醸造店」／山梨県南都留郡富士河口湖町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>花酵母と八ヶ岳の伏流水で味わいのぶれない酒造りを「武の井酒造」／山梨県北杜市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 04 Dec 2025 01:52:37 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[日本酒]]></category>
		<category><![CDATA[青煌]]></category>
		<category><![CDATA[つるばら酵母]]></category>
		<category><![CDATA[酒造]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export1-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>160年以上の歴史を持つ武の井酒造は、2007年に新たなブランド「青煌（せいこう）」を生み出した。修業時代に感銘を受けた花酵母と酒米、そして社名の由来にもなった手掘りの井戸から汲み上げる八ヶ岳の伏流水で醸す日本酒。杜氏が [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export1-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>160年以上の歴史を持つ武の井酒造は、2007年に新たなブランド「青煌（せいこう）」を生み出した。修業時代に感銘を受けた花酵母と酒米、そして社名の由来にもなった手掘りの井戸から汲み上げる八ヶ岳の伏流水で醸す日本酒。杜氏が自信を持って後世に引き継ぐぶれない酒造りとは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">160年以上続く老舗酒蔵</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export11.jpg" alt="" class="wp-image-53602" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export11.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export11-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export11-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>今から160年以上前、慶応年間、江戸末期の頃から蔵を構える老舗酒蔵が山梨県北杜市にある。「武の井酒造」、その名前は初代清水武左衛門（しみずぶざえもん）の「武」の字と、八ヶ岳の伏流水が湧く10mの手掘りの井戸の「井」に由来している。社名を冠した「武の井」という銘柄を代々造り続けてきた家族経営の酒蔵に、「青煌（せいこう）」という新たなブランドが誕生したのは2007年のことだった。「すっきり爽やかで、飲み続けやすい味わい。冷やして飲むのがおすすめです」。そう語るのは青煌ブランドの立役者である専務執行役杜氏の清水紘一郎（しみずこういちろう）さんだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">新たなブランド「青煌」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export9.jpg" alt="" class="wp-image-53603" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export9.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export9-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export9-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在ではリブランディングや最新の醸造法へチャレンジするなど、市場のニーズに応えながらも独自の酒造りを行っている武の井酒造。しかし、清水さんが修業を積んで北杜市に戻ってくる18年前までは、現在とは違い低価格の酒を造っていたそうだ。「当時はビールやワインが台頭し、日本酒の需要が時代とともにだんだん少なくなってきていた時でした。そこで逆境における差別化の意味も込めて新たな酒を造り始めたんです」。起死回生を懸けた新たなブランド名には、透き通る綺麗な水をイメージした“青”と、日本酒業界が世界に向けて“煌めいて欲しい”という思いを込め、「青煌」という名前がつけられた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">修業時代に感銘を受けたつるばら酵母と雄町（おまち）</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export13.jpg" alt="" class="wp-image-53604" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export13.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export13-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export13-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>日本酒の醸造に欠かせない存在として酵母がある。肉眼では見えない小さな微生物のことで、原料である酒米の糖分をアルコールと炭酸ガスに換えるアルコール発酵の役割を持っている。酵母は主に酒の醪（もろみ）から分離したものを使用するのが一般的だが、武の井酒造では自然界に咲く花から分離した“花酵母（はなこうぼ）”を使用している。もともと東京農業大学在学中に花酵母の研究をしていたという清水さん。卒業後に修業を積んだ茨城県の来福酒造で様々な種類の花酵母を使った酒造りを経験したことが、今のスタイルの原点になっているそうだ。</p>



<p>「自分が造るお酒に一番向いているなと感じたのはつるばら酵母だったんです」。つるばら酵母とは東京農業大学の醸造学科酒類学研究室がつるばらから分離させることに成功した酵母で、醸造される酒には、リンゴや洋なしを思わせる香りと力強い味わいがあらわれるのが特徴だ。修業時代につるばら酵母と雄町の組み合わせに感銘を受けたという清水さん。「雄町とつるばら酵母を使ってすっきり爽やかに仕上げる酒は、全国で類を見ない。ここでしか造れない味わいになっていると思います」。その言葉に揺るぎない自信があらわれる。杜氏を引き継ぐ際も、清水さんがブランドの核となる商品として注力したのが、岡山県産の酒米「雄町」を使った「純米吟醸 雄町」だったという。現在青煌ブランドではこのつるばら酵母による醸造で差別化をはかりつつ、多品種の酒米を用いた様々なラインナップが展開されている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">浸透していく青煌の魅力</h3>



<p>青煌ブランドがリリースされると、その斬新な味わいに購入者からは大変好評を得た。その反面、まだまだ花酵母が一般的に認知されていないということを実感する。「そもそも酵母が何かわからない方も多いと思う」と、敢えて特徴的な花酵母をメインで宣伝することに重きを置いていないのだそうだ。</p>



<p>「飲んでもらって味を体感してもらう事を大事にしているんです。飲んだ後に『これが花酵母か』と感じてもらえれば、その良さが徐々に浸透していくんじゃないかと思っています」<br><br></p>



<h2 class="wp-block-heading">八ヶ岳の意外な贈り物</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export37.jpg" alt="" class="wp-image-53605" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export37.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export37-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export37-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「すっきり爽やかな味わいを造り出すのには水の良さが非常に重要なんです」。水を重要視し、全ての酒を八ヶ岳の伏流水で仕込んでいると話す清水さん。酒蔵のある北杜市は八ヶ岳の伏流水が豊富で、社名の由来にもなった10ｍの手掘りの井戸からそれを汲み上げて使用しているのだそうだ。伏流水に含まれるカルシウムとマグネシウムの濃度によって軟水、中軟水、中硬水、硬水と分けられる。土地が狭く傾斜が急ですぐに海へ流れ出してしまう日本の水は地中でカルシウムとマグネシウムを吸収する時間が短いため、濃度が低い軟水となる場合が多い。しかしここ八ヶ岳の伏流水は複雑な地層の影響を受けているため、軟水ではなく中硬水が汲み上げられる。「つるばら酵母は発酵力が比較的弱い酵母ですが、硬度のある水がそれを助ける『元気の素』みたいになってるんです」と清水さん。使いたい原料と地域の特性が偶然合致し、目指す味わいを造り出すことができたのがとても嬉しかったと、この地で酒造りを始めた当時の思いを振り返る。美味しい酒を造ろうと研究を重ねる職人に、八ヶ岳の大地は思いもよらない形で応えてくれたのだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">変えない、ぶれない酒造り</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export25.jpg" alt="" class="wp-image-53606" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export25.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export25-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export25-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>清水さんのこだわりは、ブランドとしての味わいを変えない。「ぶれない」ということ。長年酒造りをしていると、その年の酒米の質や環境の要因などで、少しずつ酒の味が理想からぶれてしまうことがある。それをいかに「武の井」「青煌」という枠の中に収めるかが難しいポイントなのだそう。味わいを一定にするためには香りなど、原料の“長所”と言える部分を抑えることまであると言う。なぜそこまで“ブランドの味わいを変えない”ことにこだわるのか。その理由は自分の造った酒を楽しみに飲んでくれる「お客様」にあった。</p>



<p>「同じ名前が付いていてもまったく違う味わいになっていたりと、世間を見ていると味が変わっていくお酒も結構多い。もちろん酒蔵によっていろいろな考え方があるのですが、僕は飲んだ人の印象に一番残るのはその時の最初の味だと思っています。だからその時の印象を裏切りたくないんです」</p>



<h2 class="wp-block-heading">味わいを後世へと残すために</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export42.jpg" alt="" class="wp-image-53607" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export42.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export42-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/12/export42-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2017年には長年愛され続ける「武の井」ブランドにも新たな変化があった。従来の製品展開に加えて、酒米の精米歩合や使用される原料などの厳しい条件を満たした酒だけが名乗ることができる「純米吟醸」や「特別本醸造」といった「特定名称酒」が新たに仲間入りしたのだ。しかしそんな変化の中にあっても、「ひとごこち」という山梨県北杜市で栽培されている酒米を使用するなど、地域密着の酒造りは続けられている。「青煌」だけでなく「武の井」のブランドにおいても清水さんの今まで受け継いできた味わいを変えない、ぶれない酒造りは生きている。</p>



<p>これからの展望についても、今あるものをもっとブラッシュアップしていく方向で世間の認知を上げつつ、ブランドの味わいを変えることなどは一切考えていないそうだ。「すっきりと爽やかで飲みやすい青煌の味わいは、必ずこれからも受け入れられ続ける。長く愛され、残っていくお酒だと思っています」。そう語る清水さんの言葉には、自分の造っている酒への確かな自信と、それを楽しみに待ってくれているユーザーへの責任感が滲んでいた。積み上げてきた実績と信頼を糧に、青煌の変わらぬ味わいは後世へと引き継がれていくだろう。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53596/">花酵母と八ヶ岳の伏流水で味わいのぶれない酒造りを「武の井酒造」／山梨県北杜市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>オリジナルの銘柄を造りたい。「流輝」にかける松屋酒造の想い／群馬県藤岡市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 14 Oct 2025 11:41:25 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[酒造]]></category>
		<category><![CDATA[日本酒]]></category>
		<category><![CDATA[松屋酒造株式会社]]></category>
		<category><![CDATA[流輝]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_197.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>群馬県の南西部に位置し、埼玉県と接する藤岡市にある「松屋酒造株式会社」。酒造りに適した御荷鉾山系（みかぼさんけい）から湧き出す神流川（かんながわ）や鮎川（あゆかわ）の伏流水を使った日本酒「流輝（るか）」は、杜氏である6代 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_197.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>群馬県の南西部に位置し、埼玉県と接する藤岡市にある「松屋酒造株式会社」。酒造りに適した御荷鉾山系（みかぼさんけい）から湧き出す神流川（かんながわ）や鮎川（あゆかわ）の伏流水を使った日本酒「流輝（るか）」は、杜氏である6代目蔵元 松原広幸（まつばら ひろゆき）社長の熱意が造り上げたオリジナルの日本酒として注目されている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">6代目が思い描く、新しい群馬の酒</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_6.jpg" alt="" class="wp-image-53366" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_6.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_6-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_6-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>西部は山岳地帯、東部は関東平野が広がる温暖な気候の群馬県藤岡市。ここで1951年から日本酒を製造している「松屋酒造」は、元々、江戸時代に富山県で米問屋として創業し、明治時代の後期から酒造りを始めた歴史がある。その後、大きな市場である東京に近く、自然環境にも恵まれた群馬県藤岡市に蔵を移し、群馬という土地に合った酒造りを行ってきた。先代の杜氏が高齢のために引退してからは、6代目蔵元 松原広幸社長が自ら杜氏となり製造に携わっている。製造量250石ほどの小さな酒蔵が造り出す、すべて小仕込みで昔ながらの手造りにこだわった日本酒は、時代に合わせた現代的なアプローチで新しい群馬の酒を提案している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">長男の役割を果たすため、地元に戻り6代目に</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_10.jpg" alt="" class="wp-image-53367" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_10.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_10-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_10-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>酒蔵で生まれ育った松原さんだが、子供の頃は酒造りにあまり興味が持てず、大学卒業後はファッションの道を志してストリートブランドで働き始める。2008年、アパレルの仕事を一通り覚え、自分の中でファッションに対する気持ちが一段落した28歳のとき、長男である自覚とともに実家に戻り、家業の酒蔵を継ぐ決断をする。</p>



<p>「一度は家業とは違うことがやりたいと家を飛び出しましたが、自分が長男であることもあり、家業を継ぐことにしました。外の世界で自分の好きなことをやりきったという充実感もあったので、実家に戻って頑張ってみようと素直に思えました」</p>



<p>しかし当時は焼酎ブームの真只中。酒蔵では選挙や結婚式など、祝い事のときに使われる清酒をメインに造っていたが、それだけではいずれ経営が難しくなると感じた松原さん。自分が酒蔵を継ぐからには、飲食店でも扱ってもらえるような酒を造りたいと思い、蔵でオリジナルの酒を造ろうと考えを巡らせるようになる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">時代に合った群馬の酒を造りたい</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_23.jpg" alt="" class="wp-image-53368" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_23.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_23-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_23-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>松屋酒造に入社し、蔵で一から酒造りを学び始めた松原さん。同時にオリジナルの日本酒を造るために、通称「赤煉瓦酒造工場」と呼ばれる、日本の酒造りの発展に貢献してきた東京・王子にある醸造試験所（現在の独立行政法人 酒類総合研究所）に勉強に行ったり、群馬県の技術者交流会で先輩杜氏から学んだりしながら情報を集めていった。</p>



<p>「当時、自分より上の世代では辛口のお酒が好まれており、周りの酒蔵でも多く造られていました。しかし技術者交流会でお世話になった先輩方や、自分と同じ若い世代の造り手が増えるにつれ、市場で好まれるお酒の傾向にも変化が出てきました。私の好きな、フルーティーで香りのあるお酒が注目されるようになってきたのです」</p>



<p>時代に合った酒を模索するなか、尊敬する杜氏にすすめられた飲食店に行き、本を読み、積極的にアドバイスを聞いて回った。そのなかで「マーケティングも大事だが、最後は自分の気持ちが大切」というアドバイスをもらい、人気になりつつあったフルーティーでフレッシュ感のある酒で、自分が飲みたいと思う味わいの酒を造ろうと決意する。</p>



<h3 class="wp-block-heading">子供の名前候補から銘柄名を決める</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_109.jpg" alt="" class="wp-image-53369" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_109.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_109-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_109-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>オリジナルで酒を造るなら、香りがあってフルーティーな、自分が憧れている酒に近づけようと決めた松原さん。自分が飲んで衝撃を受けた「十四代」や「鳳凰美田（ほうおうびでん）」のような味わいをイメージし、試行錯誤しながら理想に近づけていった。そうして造った酒を販売店に持って行ったところ、松屋酒造から新しく出す銘柄ならばブランディングからしっかりと考えた方がいいとアドバイスされたという。</p>



<p>「その頃、ちょうど子供が生まれた時期で、子供につけるつもりで考えていた名前の中から、“流れ輝く”という、造りたいお酒のイメージにぴったりな名前があり、新しいお酒の銘柄名を“流輝”と名づけました」</p>



<p>今まで造ってきた「當選」や「平井城」という銘柄に加え、新たに「流輝」と命名し、蔵としてブランドを立ち上げた。「流輝」のラベルの文字は松原さん自身が思いを込めて、何千回も書いて作ったものだという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">水の良さを活かした酒造り</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_117.jpg" alt="" class="wp-image-53370" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_117.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_117-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_117-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「流輝」を造る際、松原さんが最初にイメージした特徴は、香りを楽しんでもらう酒だった。しかし藤岡で造る酒は、思っていたほど香りが出ない。それでいて少し柑橘のような、酸のある酒に仕上がるという。</p>



<p>「このあたりは西毛地区という地域で、うちでは神流川、鮎川の地下水に井戸を掘り、仕込み水に使っています。ドイツ硬度で6くらいの、非常に柔らかい水になります。お米は山田錦を中心に新潟の五百万石など、蔵に適した酒米を使用しています」</p>



<p>最初はなかなか自分のイメージする酒を造ることができず苦労した。さまざまなデータから米や酵母を変え、水との相性などを繰り返し実験するうちに、少しずつ酒の味に変化が見られるようになる。自分が造りたい、香りがあってフルーティーな酒とは違ったが、藤岡という土地が生み出す、香りが控えめで少し柑橘のような酸のある酒という特徴が見えてきた。今ではその個性を最大限に生かす方向で「流輝」を造ろうと考えている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">同じルーティンで作る酒</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_130.jpg" alt="" class="wp-image-53371" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_130.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_130-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_130-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>松屋酒造はパートを含め、5人の従業員で酒造りを行なう小さな酒蔵である。人数が少ない分、製造期間を長く取り、いつ何をするか、毎年同じルーティンでやっていくことを意識し、酒造りにおけるリズムを大切にしている。</p>



<p>「従業員は少ないですが、より高品質な酒造りを目指し、伝統的な手造り製法にこだわって小仕込みで生産しています。特に搾りは、引き継いできた昔ながらの機械でゆっくりと圧をかけながら搾ることで、きれいでやさしい酒質を生み出しています」</p>



<p>酒の味わいに影響が出やすい麹造りは、昔ながらの技法を採用している。蒸した酒米を屋外でさらし、風を当てて水分を蒸発させながら、狙った温度にコントロールしていく。醪（もろみ）の発酵を低温でゆっくりと進めるために、50時間以上かけて米の中心部まで菌糸が達する状態の突き破精（つきはぜ）にして、酒質に合ったきれいな麹を造っている。</p>



<p>流行に左右されない昔ながらの麹造りと、組み合わせによる味わいの変化で洗練された日本酒を追求していこうと考えるようになる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">飲食店で扱ってもらえる酒を造る</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_178.jpg" alt="" class="wp-image-53372" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_178.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_178-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/231211_NIHONMONO_178-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「流輝」をブランディングするにあたり、「飲食店で扱われたい」という思いが強かったという松原さん。造った酒の販売についても、今までの蔵のやり方とは違ったアプローチで販売を試みる。</p>



<p>「“流輝”の販売は、特約店のみの限定流通にしようと考えました。しっかりと売っていただける販売店さんだけを選んで、今も取引しています」</p>



<p>限定流通にはブランドの価値を上げ、差別化できるというメリットがある。しかし、販売店に認めてもらえなければ市場に出すことができないというデメリットもある。</p>



<p>「流輝」を立ち上げたばかりの頃は認めてくれる販売店も少なく、「もっと勉強してこい」と追い返されることもあったという。なかには「3年通ってようやく置いてもらえた販売店もありました」と松原さん。</p>



<h3 class="wp-block-heading">自分で工夫し造りあげた銘柄「流輝」</h3>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="681" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/image-23-1024x681.jpeg" alt="" class="wp-image-53364" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/image-23-1024x681.jpeg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/image-23-300x200.jpeg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/image-23-768x511.jpeg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/image-23.jpeg 1380w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>フレッシュ感を残したフルーティーな味わいで、口の中で流れるように輝くことをイメージして造った「流輝」は、名前が意味する味わいに仕上がりつつあるという。</p>



<p>「まだまだ足りないところはありますが、“流輝”を造り始めて17年が経ち、自分が目指す酒に50パーセントくらいは近づけたのではないかと思っています。だんだん良くなっていると思うのですが、ここからさらに50パーセント上げるには、今の自分の実力以上の経験やアイデア、さらなる努力が必要になってくると思っています」</p>



<p>松屋酒造を継いだ2年後に立ち上げた銘柄「流輝」は、松原さんの狙い通り飲食店を中心に人気となり、今では一般の方にもファンが拡大しつつある。松原さんが杜氏になってから、ずっと向き合ってきたオリジナル銘柄を一から生み出した経験は、松屋酒造が長年造り続けているほかの酒にも良い影響を及ぼし、小さな蔵の未来を明るく照らし始めた。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53355/">オリジナルの銘柄を造りたい。「流輝」にかける松屋酒造の想い／群馬県藤岡市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>この先もまっすぐに、真面目な酒造りを。「飯沼銘醸」が生み出す無濾過生原酒「姿」／栃木県栃木市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 16 Aug 2025 01:00:32 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[酒造]]></category>
		<category><![CDATA[日本酒]]></category>
		<category><![CDATA[無濾過生原酒]]></category>
		<category><![CDATA[杉並木]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2639.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>栃木県の南に位置する栃木市。市の北部、西方町（にしかたまち）の田畑に囲まれたのどかな地域にある飯沼銘醸。ここは地元で愛される「杉並木」、無濾過生原酒にこだわる「姿」の2銘柄を主に、まっすぐな酒造りを行う酒蔵である。 代々 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2639.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>栃木県の南に位置する栃木市。市の北部、西方町（にしかたまち）の田畑に囲まれたのどかな地域にある飯沼銘醸。ここは地元で愛される「杉並木」、無濾過生原酒にこだわる「姿」の2銘柄を主に、まっすぐな酒造りを行う酒蔵である。</p>



<h2 class="wp-block-heading">代々の当主が、新たな酒の名を付ける</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2617.jpg" alt="" class="wp-image-53121" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2617.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2617-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2617-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>飯沼銘醸株式会社代表取締役の飯沼徹典さんは蔵元の9代目。自らも杜氏として酒造りを行っている。</p>



<p>飯沼銘醸の創業は今から200年以上昔の1811（文化8）年のこと。創業者の岩次郎氏は生まれた新潟を離れ、宇都宮の酒蔵で修行したのち、この地で独立した。</p>



<p>代々酒造りを続ける中で様々な銘柄が生まれ、現在は祖父の代で生まれた普通酒の「冨貴（ふうき）」、父の代の「杉並木」、そして9代目となった飯沼さんが生み出した「姿」の3銘柄が残り、中でも「杉並木」と「姿」の2つを主に製造している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">日光杉並木に感動して、その名を酒につけた「杉並木」</h3>



<p>飯沼さんの父、邦利さんが蔵元だった時代。邦利さんは、酒屋への営業などで日光へ足を運ぶ機会も多かったという。</p>



<p>飯沼銘醸のある西方町の東側には「日光例幣使街道（れいへいしかいどう）」が通り、ここは江戸時代に日光東照宮へ向かうための勅使（日光例幣使）が通った道。今でも日光へ行く際には多くの人がこの道を通っており、父邦利さんもそうだった。</p>



<p>この街道は、日光に向かって北上すると、道の両側に約1万2000本もの杉が立ち並ぶ「日光杉並木街道」を通過する。道を通るたびに杉並木の雄大さに感心していた邦利さん。ふと栃木県にはこの素晴らしい名所の名前が付いた酒がないことに気が付き、「杉並木」と名付けた酒を販売することにした。</p>



<p>新潟の越後杜氏が手掛けた「杉並木」の味わいは淡麗辛口。地元の契約農家で作る「山田錦」や「夢さらら」などの地元産の米と県産の酵母で作ることもこだわりだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">蔵の存続のため、自らも酒造りの道へ </h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2621.jpg" alt="" class="wp-image-53122" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2621.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2621-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2621-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現社長の飯沼徹典さんは、県外で働いたのち1994年に飯沼銘醸へ入社。当初は瓶詰めや配達など、直接酒造りには携わらなかった。しかし、新潟から来てもらっていた杜氏も高齢になり、「地元で酒造りをしてくれる人がいないと、このままでは先細りだ」と感じた飯沼さん。地元で採用をするも、１年足らずで辞職を切り出されてしまった。</p>



<p>飯沼さんは言った。</p>



<p>「どうか辞めないでほしい。私も蔵に入るから、一緒に釜屋（※酒造りにおいて、米を洗ったり蒸したりする人の呼称）からはじめよう」。</p>



<p>蔵元自らが、酒造りを行うことを決意した瞬間だった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「搾りたての酒が一番おいしい」。無濾過生原酒へのこだわり</h3>



<p>飯沼銘醸に戻った飯沼さんのもう１つの気がかりは、「杉並木」が日光の酒だと思われてしまうこと。せっかくなら、地元に由来がある銘柄も造りたいと考えたのが「姿」だった。</p>



<p>名前は、西方町（にしかたまち）真名子（まなご）に伝わる「八百比丘尼（おびくに）伝説」ゆかりの地にある「姿見の池」から付けた。当初の「姿」は、それまでの越後杜氏が作る純米吟醸であり、酒を搾った後にろ過、火入れ、加水などを行っていた。それも当然おいしいのだが、飯沼さんは「酒は搾ったままがおいしい！」という思いのほうが強かった。</p>



<p>「無濾過生原酒のおいしさを伝えたい」と思い立った飯沼さんは、「姿」に関しては、酒を搾った後にろ過・火入れ・加水などをしない「無濾過生原酒」をメインで造ることにした。今から20年ほど前のことだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">県内だけでなく、北海道米も使った酒造り</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2760.jpg" alt="" class="wp-image-53123" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2760.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2760-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2760-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在「杉並木」は、地元産の「山田錦」「五百万石」「夢さらら」など地元農家で作ってもらった米で造ることにしているが、「姿」は地元産のほか兵庫県産の「愛山（あいやま）」、岡山県産の「雄町（おまち）」、そして北海道米の「吟風（ぎんぷう）」「彗星」「きたしずく」も使っている。</p>



<p>北海道米を積極的に使うのは、「姿」が好きで懇意にしてくれている北海道の居酒屋のオーナーから「北海道のお米で作った“姿”も飲んでみたいよなぁ」とポツリと言われたことがきっかけ。</p>



<p>「北海道の米は硬いかなと思いましたが、しっかり作れば味もちゃんと出るし、おいしいですよ」と飯沼さん。米の汲水にはコツや経験が必要となるそうだが、「キレイな味が出る」と話す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">日光から流れる川の恵みを酒に活かす</h2>



<p>飯沼銘醸の水は、日光を流れる大谷川（だいやがわ）の伏流水と言われている。日光の雄大な山々を源とする大谷川は、日本三大名瀑の1つである「華厳の滝」を経て日光市内を流れたのち、鬼怒川へと合流する一級河川。</p>



<p>地下14ｍから汲み上げた伏流水は軟水で、その水で造る酒は豊かな香りや風味が感じられ、口当たりもまろやか。地元企業による水質調査に協力した際には「ここの水は、富士山の湧き水の成分と似ている」と報告されたほどだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">この味を求めて、飲み続けてくれる人のために</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2782.jpg" alt="" class="wp-image-53124" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2782.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2782-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/SOL2782-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「姿」の銘柄で造る酒のほとんどは「無濾過生原酒」。無濾過生原酒は、できたてそのままのフレッシュで旨味の強い、濃厚な味わいも魅力だが、その濃厚さやアルコール度数の高さから、消費者の好みが分かれる場合もある。</p>



<p>重さを感じさせないように、度数を下げたり、味わいを軽くしたりする手法を取る酒蔵もいる中「うちは“まっすぐ”作らないとダメですね」と飯沼さん。</p>



<p>「最近は、スッキリした呑み口で甘い酒も多く出ていますが、もっと“くどい”酒が欲しいという人も必ずいます。その人たちのために、うちみたいな酒蔵があるんだと思っています」と笑う。</p>



<h3 class="wp-block-heading">流行に流されず、いつまでも「まっすぐに」醸す酒 </h3>



<p>現在の製造量は約550石（一升瓶で約5万5,000本）で、地元産の米と酵母で造る淡麗辛口の「杉並木」は約300石、北海道産米など厳選した米の個性を活かし、しっかりとした香りと味わいの無濾過生原酒の「姿」は約250石だそう。</p>



<p>飯沼さんに今後の展望を聞くと、大きく製造量を増やす予定はなく「作ったものを売り切って、いかに蔵を長く続けられるかですね」と謙虚な答え。</p>



<p>毎年、各酒販店にはサンプルを送り「本当においしかったら注文してください」と添えるという飯沼さん。営業手法にも、酒造り同様の真面目さが感じられる。</p>



<p>これからも大事にしたいのは「自分たちの味をブラさない」ことだと言い、「飲んだときに“これは飯沼んとこの酒だな”って分かってもらえる酒を作り続けたいです」と話す飯沼さんの表情は、終始にこやか。</p>



<p>決して気取らず柔和な雰囲気でありながら、ふと感じられる芯の強さ。飯沼さん自身が、自ら造る酒の姿を体現しているようにも見える。</p>



<p>豊かな自然と空気、水に恵まれた土地でまっすぐに造られる酒。この真面目さこそが、飯沼銘醸の酒が愛され続ける理由でもあるのだろう。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53120/">この先もまっすぐに、真面目な酒造りを。「飯沼銘醸」が生み出す無濾過生原酒「姿」／栃木県栃木市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>「白岳仙」ブランドを研ぎ澄まし、今世界を目指す。「安本酒造」安本岳史さん／福井県福井市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 15 Aug 2025 04:38:37 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[白岳仙]]></category>
		<category><![CDATA[FUKUI RICE ONLY]]></category>
		<category><![CDATA[酒造]]></category>
		<category><![CDATA[日本酒]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/1C1A8642.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「安本酒蔵」のブランド「白岳仙」は、現当主で杜氏の安本岳史さんが2001年に若干27歳で立ち上げた。安本さんは、1853年創業という蔵の伝統に頼らず、データを重視しトライアンドエラーを繰り返しながら「白岳仙」のブラッシュ [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53089/">「白岳仙」ブランドを研ぎ澄まし、今世界を目指す。「安本酒造」安本岳史さん／福井県福井市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/1C1A8642.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「安本酒蔵」のブランド「白岳仙」は、現当主で杜氏の安本岳史さんが2001年に若干27歳で立ち上げた。安本さんは、1853年創業という蔵の伝統に頼らず、データを重視しトライアンドエラーを繰り返しながら「白岳仙」のブラッシュアップを重ねてきた。その歩みは20年を超え、いまだ進化を続けている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">新しいブランドを作り上げるために</h2>



<p>安本酒蔵がある東郷地区は福井市南東部に位置し、自然と歴史に恵まれた地域だ。北側には足羽川（あすわがわ）が流れ、豊かな田園が広がり、産出される東郷米はその美味しさに定評がある。戦国大名の史跡・朝倉氏遺跡にほど近く、東郷街道と並行して流れる堂田川の沿道には朝倉氏ゆかりの寺院や造り酒屋が立ち、安本酒蔵もその一つとして長い歴史を刻んできた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">創業170年。47代続く安本家の革命児</h3>



<p>平安時代から続くと伝わる安本家はかつて両替商や林業を営んでいた名家で、造り酒屋に転身したのは黒船が来航した嘉永6（1853）年にさかのぼる。安本家の47代目にあたる安本さんは大学の醸造学科を経て、広島県にある「独立法人 酒類総合研究所」に入り、醸造だけでなくマーケティングを学んだ。そこで、全国の名だたる蔵元から集まった同世代の後継者たちと交流し、これからの夢を語り合う中で、自分自身の新しいブランドを立ち上げたいとの思いが強まっていった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">白岳仙ブランドの誕生</h3>



<p>安本さんが福井に戻る前、安本酒造は鑑評会出品用の酒を除き、純米酒や吟醸酒といった特定名称酒ではない普通酒だけを製造していた。当時、特定名称酒制度が導入されてからほぼ10年が経ち、高品質な日本酒を選ぶ基準として認知が広まっており、「このまま今の普通酒を造り続けていては蔵がなくなる」と危機感を抱いた安本さんは、2000年に蔵に入り、翌年には新しいブランド「白岳仙」を立ち上げた。コンセプトは「孤高の食中酒」。料理を引き立てながら飲むたびに口とのどをリフレッシュし、無意識のうちに杯が進んでいく、そんな唯一無二の味を“孤高”という言葉で表現した。また、ブランド名には、「白山水脈伏流水で仕込み、山岳に面した東郷の地で造る酒に、山のように人が集まりますように」との願いが込められている。新ブランドの立ち上げは、安本酒造170年の伝統を守り続けるための新しい挑戦であり、安本さんはこれまでの酒造りや売り方を根底から見直し、データや時流を重視しながら改良を繰り返してきた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">話題性を強める商品ラインアップ</h3>



<p>「白岳仙」は現在、純米酒、純米吟醸、純米大吟醸のレギュラー商品5種に加え、年間を通して季節商品を販売しており、そのラインアップは約15～20種類とかなり豊富だ。日本酒の季節商品は冬から春にかけての新酒や、一度火入れして貯蔵した日本酒を秋に出荷する「ひやおろし」などが一般的だが、「白岳仙」では桜の開花時期や、越前がにが解禁になるシーズンに合わせて季節商品を発売。福井のキラーコンテンツである桜や越前がにを活かす売り方で話題を集めた。</p>



<p>「白岳仙」はこれまで国内線ファーストクラスの機内酒に2度も選ばれ、フランスの日本酒品評会でhは、通算8回連続プラチナ、金賞を受賞するなど国内外で高い評価を得ている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">オール福井の酒造りをブランドに</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="615" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/1C1A8648.jpg" alt="" class="wp-image-53090" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/1C1A8648.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/1C1A8648-300x224.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/1C1A8648-768x573.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>その「白岳仙」の酒瓶には、2022年から福井県産の酒米だけを使っている証である「FUKUI RICE ONLY」のマークが添えられている。安本さんが全量福井県産の酒米での酒造りにこだわったのは、今の時代にプラスアルファの差別化を図るためだった。「現代は美味しい酒が当たり前になりました。それにプラスして安本酒蔵は何を表現するか、長い間考えてきました。そして、福井の水と米、そして風土で醸すオール福井の酒造りにたどり着いたのです」</p>



<h3 class="wp-block-heading">極限にクリアでライトな味わいを目指して</h3>



<p>安本酒造が使用する福井県産の酒米は「五百万石」と「吟のさと」。五百万石は福井県が主要産地の一つとして知られるが、「吟のさと」は九州で開発された酒米で、ここにたどりつくまでには山田錦や雄町（おまち）などさまざまな酒米で試験醸造を行った。「吟醸酒用に米を磨き上げる高精白に耐えられる米で、この地に適した栽培のしやすさやコスト面で最も適していたのが『吟のさと』でした」。吟のさとは九州から苗を福井に移植し、地元の農家に特別栽培を依頼して10年が経つ。近年では、夏場の高温にも耐えうる品種としても注目を集めている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">麹作りの工程をクリーンに</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="546" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/1C1A8956.jpg" alt="" class="wp-image-53091" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/1C1A8956.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/1C1A8956-300x199.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/1C1A8956-768x508.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>安本さんが酒米を2種類に限定しているのは、「まずは使う米を絞り込み、その米に適した酒造りをマスターする」ためだという。その論理的でクリアな思考は、「これからの日本酒に必須なのはライトな味わい。それを安定して出荷するため、試行錯誤を続けています」と安本さんは語る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">よりクリアな味わいを目指して</h3>



<p>「うちの蔵で使っている地下水はミネラルが豊富な中硬水で、酵母の働きが活発になりアルコールが促進されやすい。それをいかにほどよくコントロールするかに細心の注意を払っています」</p>



<h2 class="wp-block-heading">「白岳仙」ブランドで新市場を目指す</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="588" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/1C1A9063.jpg" alt="" class="wp-image-53092" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/1C1A9063.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/1C1A9063-300x214.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/1C1A9063-768x547.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>安本さんが「白岳仙」を立ち上げて純米酒や吟醸酒の酒造りを始めたころ、それまで出荷の実績がなかったことから、販売面でもまさにゼロからのスタートだった。品質管理にこだわる酒販店の情報を雑誌などから集めたり、ほかの蔵元に紹介してもらい、県外にも出て1件ずつ取引先を開拓していった。そして、そのフロンティア精神は今海外に向かおうとしている。現在、安本酒造は出荷量の約1割をアジア向けが占めるようになっており、今後はヨーロッパやアメリカへの進出も見据えている。</p>



<p>最近では、「アッサンブラージュ」に着想を得た純米大吟醸酒や、味が引き立つ「白岳仙」専用のオリジナルグラスも開発した。こうした日本酒をグローバルにする新提案はさらに「白岳仙」のブランド価値を高め、その名を世界に轟かせるに違いない。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53089/">「白岳仙」ブランドを研ぎ澄まし、今世界を目指す。「安本酒造」安本岳史さん／福井県福井市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>酒づくりと場づくりでファンの裾野を広げる「飯沼本家」飯沼一喜さん／千葉県酒々井町</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 06 Jul 2025 08:12:03 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[日本酒]]></category>
		<category><![CDATA[甲子]]></category>
		<category><![CDATA[きのえねomoya]]></category>
		<category><![CDATA[酒造]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7748.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>約300年の歴史を持つ造り酒屋でありつつも、16代目当主の飯沼一喜（いいぬまかずよし）さんは代表銘柄だった「甲子正宗（きのえねまさむね）」をリブランディングしてイメージを刷新。軽やかな飲み口の酒造りと、文化財建築や緑豊か [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52970/">酒づくりと場づくりでファンの裾野を広げる「飯沼本家」飯沼一喜さん／千葉県酒々井町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7748.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>約300年の歴史を持つ造り酒屋でありつつも、16代目当主の飯沼一喜（いいぬまかずよし）さんは代表銘柄だった「甲子正宗（きのえねまさむね）」をリブランディングしてイメージを刷新。軽やかな飲み口の酒造りと、文化財建築や緑豊かな敷地を活用した場造りを並行して行うことで、これまで日本酒に馴染みの薄かった若年層やファミリー層にファンの裾野を広げることに成功している。そんな飯沼本家の魅力に迫る。</p>



<h2 class="wp-block-heading">飯沼本家の酒造り</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7737.jpg" alt="" class="wp-image-52971" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7737.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7737-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7737-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>国際空港のある成田市の南に位置する酒々井（しすい）町は文字通り、酒が湧き出づる井戸の伝説がその町名の起源といわれる日本酒に縁ある土地。さすがに伝説の通りに酒が湧いてくることはないものの、飯沼本家の敷地内にも井戸があり、この中軟水の地下水を仕込み水として使い、口当たりのやわらかな酒を数多く醸している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">機械と技の融合を意識した酒造り</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7769.jpg" alt="" class="wp-image-52972" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7769.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7769-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7769-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「酒造りにおいてまず重要視しているのは原料処理」と話す、飯沼本家16代目の飯沼一喜さん。飯沼本家は原料となる米の精米工場を自前で持つ県内でも数少ない酒蔵であり、雑味の元となるタンパク質を効率的に削り取る「扁平（へんぺい）精米」を行ってる。通常の精米と比べて時間のかかる精米方法だが、よりクリアーな風味の酒質を生み出すことができる。</p>



<p>醸造工程においては積極的に機械化を導入。櫂（かい）入れ作業をコンピューターで制御して自動でもろみを攪拌できるようにし、仕込みタンク内の温度も0.1℃単位での管理可能に。「機械と技の融合」を実現することで、高品質の酒を安定して出荷できるようにしている。また、商品を保管をする氷温冷蔵庫は、温暖な千葉県においては今や欠かせない設備となっている。</p>



<p>こうして最新の設備を取り入れつつも「その年のお米に合わせて造っていかなければなりませんので、製造は毎年が1年生。毎回酒造りの難しさを感じます」と、真摯に酒造りと向き合う姿勢は今も変わらない。</p>



<h2 class="wp-block-heading">飯沼本家の定番酒</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/14b449afb2be9089f7ece824db6bb615.jpg" alt="" class="wp-image-52973" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/14b449afb2be9089f7ece824db6bb615.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/14b449afb2be9089f7ece824db6bb615-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/14b449afb2be9089f7ece824db6bb615-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>そんな飯沼本家のスタンダードとなっているのが、フランスで行われた「Kura Master2025」でプラチナ賞を受賞した「甲子 純米吟醸 はなやか 匠の香」。フルーティーな香りで、爽やかな酸味とアフターテイストに漂うほのかな甘みが特徴的だ。</p>



<p>一方、酒々井周辺地域で契約栽培している酒造好適米、五百万石で仕込んだ「甲子 純米 やわらか 地の恵」はメイドイン千葉の定番酒。米のうま味を生かしたまろやかな口あたりが評価され、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード 2023」で最高金賞を受賞した。</p>



<p>ほかにも精米歩合を80パーセントに抑えた「甲子 純米 うまから 磨き八割」は、地元でファンが多い日常的に嗜みたい酒で、低温でゆっくり発酵させてしっかりとしたうま味を表現した。酸が効いた飲み口は、和食はもちろん肉料理とも好相性。燗酒にしても絶品である。</p>



<h3 class="wp-block-heading">風味の持ち味を生かしつつ「軽さ」を出す</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC8063.jpg" alt="" class="wp-image-52974" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC8063.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC8063-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC8063-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>多彩な酒を造り続けてきた中で、飯沼さんが目下のテーマとして掲げているのが、「軽い酒をいかに造るか」ということ。「今、軽い口当たりのお酒が求められているとすごく感じます。ただ、その軽さというのは加水したりアルコール度数を下げるような、薄く伸ばすようなイメージではなく、お酒の持ち味を生かしながら軽さを出すことが重要」と、飯沼さんは強調する。</p>



<p>例えば、瓶詰め後に加熱処理ができるパストライザーと呼ばれる機械を導入することで、火入れをした酒でありつつも生酒のようなフレッシュな味わいや、発酵によるガス感を残すことができるようにした。先の「はなやか」はこの手法で造られた酒である。</p>



<p>また、軽さを強調した革新的な夏期限定酒も開発。その代表酒が「純米吟醸生酒きのえねアップル」である。白ワインに多く含まれるリンゴ酸を多く生み出す酵母を活用し、日本酒業界では敬遠されがちだった「酸味」をあえて強調。冷やして味わうことで、いっそう爽やかな余韻、軽快な後味を楽しめる夏酒として、今では日本酒ビギナーの若い年代層にも親しまれる商品となっている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">日本酒ファンの裾野を広げる</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7762.jpg" alt="" class="wp-image-52975" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7762.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7762-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7762-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>近年、飯沼本家の代表銘柄であった「甲子正宗」を「甲子 -Kinoene-」と改めたうえで、ボトルデザインを刷新してリブランディング。軽快な飲み口の酒も増やしたことで、女性や若い世代に商品を手にしてもらう機会が増えたという。こうした「新たな日本酒ファン、酒蔵ファン」の裾野を広げる取り組みは、「場づくり」にも及んでいる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">歴史ある土地を活用した場づくり</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7863.jpg" alt="" class="wp-image-52976" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7863.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7863-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7863-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>飯沼本家では観光蔵として多彩な楽しみ方を提案している。敷地内には醸造蔵のほか、ショップとギャラリーを備える古民家「酒々井まがり家」、たき火を囲みながら日本酒を味わえるキャンプ場、家族で摘み取りを楽しめるブルーベリー園、そしてレストラン「きのえねomoya」を併設する。</p>



<p>omoyaは代々飯沼本家の当主が住み継いできた築約300年の母屋で、国の登録有形文化財の指定を受けた建物。この歴史ある空間を4年かけてリノベーションし、2022年にレストランとしてオープンさせた。このomoyaでは飯沼本家の日本酒と二十四節気をテーマにした料理のマリアージュを堪能することができる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">より開かれた日本酒、酒蔵を目指して</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7759.jpg" alt="" class="wp-image-52977" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7759.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7759-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/DSC7759-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>今後は「海外の方にも受け入れられるような日本酒造りにもっと挑戦したい」と話す飯沼さん。そして、酒蔵を取り巻くフィールド全体を「きのえねかもしの森」と名付け、「おいしい酒づくり、たのしい場づくり」という飯沼本家の理念を体現する拠点として「地域に開かれた酒蔵を目指していきたい」と意気込む。</p>



<p>「甲子」という言葉は暦において60年サイクルの一番最初にあたる「始まり」の象徴である。飯沼本家はこれからも、さまざまな人にとっての新たな日本酒体験の「始まり」になり続けてゆくに違いない。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52970/">酒づくりと場づくりでファンの裾野を広げる「飯沼本家」飯沼一喜さん／千葉県酒々井町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>発酵の技術を駆使した多彩な商品展開。「千代むすび酒造」の未来を拓く酒造り／鳥取県境港市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 16 Apr 2025 10:29:26 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[酒造]]></category>
		<category><![CDATA[スパークリング日本酒]]></category>
		<category><![CDATA[岡正宗]]></category>
		<category><![CDATA[やまと魂]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1000.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>鳥取県随一の港を有する境港市（さかいみなとし）で、代々続く酒蔵を守り続ける「千代むすび酒造」。地域から愛される日本酒はもちろん、焼酎、甘酒、ジンなど豊富な品揃えを誇る。近年はスパークリング日本酒やウイスキーの開発など、自 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52695/">発酵の技術を駆使した多彩な商品展開。「千代むすび酒造」の未来を拓く酒造り／鳥取県境港市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1000.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>鳥取県随一の港を有する境港市（さかいみなとし）で、代々続く酒蔵を守り続ける「千代むすび酒造」。地域から愛される日本酒はもちろん、焼酎、甘酒、ジンなど豊富な品揃えを誇る。近年はスパークリング日本酒やウイスキーの開発など、自社商品の開拓にも余念がない。200年企業を目指す酒造会社の新しい挑戦の裏側を紐解いていく。</p>



<h2 class="wp-block-heading">境港での酒造りとその歴史</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="619" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1009.jpg" alt="" class="wp-image-52696" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1009.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1009-300x225.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1009-768x576.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>鳥取県の北西端に位置する境港市。ズワイガニやマグロなどの水揚げ量は日本トップクラスを誇り、山陰地方を代表する良港「境港」が有名だ。また「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる水木しげるの出身地でもあり、港や駅前を通る「水木しげるロード」では、鬼太郎に登場するキャラクターの銅像達が出迎えてくれる。</p>



<p>そんな境港に蔵を構える千代むすび酒造の酒造りが始まったのは慶応元（1865）年。もともとは市内の田んぼに囲まれた場所で創業したが、日本海を行き来する北前船の発展に伴い、港の中心地に移転。さらに、境港駅から大山町北部の御来屋（みくりや）駅まで山陰鉄道が開通したことをきっかけに、流通の便を考え、現社長の岡空さんの祖父、林太郎さんが境港駅前に1912年に移転した。</p>



<p>当時は「やまと魂」「岡正宗」という銘柄だったが、その後に林太郎さんが見た舞踊からヒントを得て「千代むすび」へと変更。「千代に八千代に幸せを結ぶ」という意味が込められた銘柄を今もなお引き継いでいる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">堅実な商売で自社ブランドの味わいが早くから確立</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1021.jpg" alt="" class="wp-image-52697" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1021.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1021-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1021-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>千代むすびが守り続けてきた味わいは、骨太でしっかりとしたコクがある、濃醇旨口。丁寧に時間をかけて米を蒸し、中国山地の麓に湧き出る天然水で仕込むことで、米本来の旨味を活かしたまま、華やかな香りが立つのが特徴だ。</p>



<p>濃醇旨口の味わいは岡空さんが継ぐ頃には確立されていたというが、それには大きな歴史が関係している。昭和20（1945）年、境港に停まっていた船「玉榮丸」が爆発し、市街地の3分の1が焼失。千代むすび酒造の建物もほぼ全壊した。</p>



<p>そこから岡空さんの父が蔵を再建。戦後で資源が限られていた中、なんとか経営を続けていくため、堅実な商売にこだわった。自社で造った原酒を他の蔵に売る「桶売り」をせず、小さなタンクでコツコツ製造。また、一切の値引きをせず、周りに左右されることなく自分たちの酒造りを大切に守り続けてきた。その影響もあり、千代むすび酒造ならではの味わいが確立したのだ。</p>



<p>父の背中を見て育った岡空さんは「これからは鳥取で千代むすびの味を守るだけではなく、外にも発信していこう」と首都圏にも営業。その当時は端麗辛口の飲み口が主流だったが、その流行には乗らず、自分たちの味を変えずに貫いた。その結果、現在は千代むすびの味わいが高く評価され、人気を博しているという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">強力のがつんとした旨味を引き出す</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="619" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1044.jpg" alt="" class="wp-image-52698" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1044.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1044-300x225.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1044-768x576.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>使用している酒米は、鳥取県の酒造好適米の「強力（ごうりき）」、昔から酒造りに適しているとされる「山田錦」と「五百万石」がメインだ。なかでも鳥取県の固有米の強力は、日本酒にすると酸が出て、骨太な味わいになるため、千代むすび酒造が一押ししている品種だ。</p>



<p>強力の米は固いため、他の品種よりも長く浸漬し、蒸しに力を入れている。一般的に、蒸しの方法は直接米に蒸気をあてて蒸す「直接蒸気」と、蒸気を米にあてず、釜やこしきを通じて蒸す「間接蒸気」に分けられる。千代むすび酒造では、ボイラー機械を取り入れた間接蒸気を採用。全体に均一に蒸気があたり、ゆっくりと時間をかけて蒸すことで米の旨味がしっかりと残るため、味の強い酒になるのだ。</p>



<p>がつんとした旨味が特徴の強力だが、その育てにくさから昭和30年代に生産が途絶えてしまった過去がある。以降、鳥取大学と地元の蔵元が協力し、鳥取県の誇る酒米として強力を復活させた。現在も農家さんと協力し生産を続けているが、背が高く倒れやすいため新規の生産が安定しづらく、さらには農家の高齢化の影響もある。また、総量を増やす場合も、原種から増産しなければならないため時間がかかる。なるべく米の買い取り額を高く保ち、今後の生産が途絶えないよう支援していく予定だ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">新しい挑戦をいとわない</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1028.jpg" alt="" class="wp-image-52699" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1028.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1028-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1028-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>こだわりの日本酒を造り続けてきた千代むすび酒造だが、2000年以降はいも焼酎や果実リキュール、ジンなどの製造も開始。日本酒造りに専念する蔵も多い中、様々な商品づくりに取り組むのには大きくふたつの理由がある。</p>



<p>ひとつは、雇用の安定化。日本酒造りは主に秋から春先にかけて行われ、それ以外の期間には仕事がなくなってしまうため、年間を通じての雇用が難しい。しかし、千代むすび酒造では、すべての杜氏や蔵人が社員。日本酒造りをしていない時期も、他の種類の酒造りができるため、安定した雇用形態が生み出せるのだ。</p>



<p>もうひとつは、発酵を極めたいという岡空さんの熱意だ。岡空さんはもともと広島大学で発酵を専門に学んでいた。妻の京子さんの実家が醤油蔵だったこともあり、「発酵に関するものは何でも挑戦していきたい」と醤油や甘酒、漬物づくりなど、様々な商品開発に精力的に挑戦してきた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">海外にも積極的に進出</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1145.jpg" alt="" class="wp-image-52702" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1145.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1145-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1145-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>自分たちの自慢の酒を広めるため、岡空さんは国内だけではなく、海外への販路拡大にも積極的に取り組んでいる。1995年から輸出を開始。はじめはアメリカで輸出入に特化している商社に依頼し、現地の問屋とのつながりを作っていた。</p>



<p>だが、近年は千代むすび酒造の噂を聞きつけ、各都市の問屋さんから問い合わせが来たり、そのつながりから他国の問屋さんを紹介してもらったり、取引先の幅も広がっているという。千代むすび酒造との取引だけで、日本酒から洋酒、焼酎まで、アルコールに関する商品が揃うので、現地からの評価も高い。</p>



<p>さらに2009年には、境港からの定期コンテナ就航にともない、自社100%出資の現地法人「JIZAKE CY KOREA」を韓国に設立。当初は千代むすび酒造の日本酒のみを取り扱っていたが、2013年からは日本国内のさまざまな酒蔵の日本酒を紹介。日本酒の正しい管理方法や料理とのペアリングを伝えるなど、単なる販売店としてではなく、日本酒の文化と健康づくりを広める活動を続けている。</p>



<p>今では海外への販売割合は40%ほど。残り60%は全国・地元でそれぞれ同量というのだから、販路拡大の努力とそこから多くのファンを獲得してきたことが伺える。</p>



<h3 class="wp-block-heading">スパークリング日本酒とジャパニーズウイスキーで更なる開拓を</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1153.jpg" alt="" class="wp-image-52700" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1153.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1153-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1153-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>多くのファンを獲得してきた日本酒や焼酎のほかに、近年注目を浴びているのがスパークリング日本酒とウイスキーだ。</p>



<p>シャンパーニュと同じく瓶内二次発酵の製法で作られる、炭酸ガス入りのスパークリング日本酒「SORAH（ソラ）」。通常の日本酒造りの過程でもろみを荒く絞り、火入れをする前に瓶詰め。瓶の中で二次発酵を行い、ガスを発生させる。最後に澱を抜いてコルクを締めれば、スパークリング日本酒の完成だ。</p>



<p>2023年にはフランスのソムリエなどが審査するコンクール「Kura Master」で最高峰のプラチナ賞を受賞するなど、海外での評価も高い。</p>



<p>「海外はもちろん、日本でももっと飲んでもらいたいですね。また、シャンパーニュのようなキレのある酸味とガスが出せるよう品質を向上させていきたい」と杜氏の坪井さんは語る。</p>



<p>また、様々な商品を手掛ける中で「ウイスキーもやってみたい」と、2021年から生産をスタート。焼酎造りに使用している蒸留機を活用するほか、2023年には銅製の蒸留装置も導入した。日本酒の酵母も使用し、マイルドな味わいを目指している。ミズナラや桜など日本の樹種を生かした樽で熟成させ、2025年春以降に販売予定だ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">千代むすびを200年企業に</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="619" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1128.jpg" alt="" class="wp-image-52701" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1128.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1128-300x225.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/03nkt_1128-768x576.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>すでに目覚ましい活躍を遂げている千代むすび酒造。岡空さんが今後目指すのは、千代むすび酒造を200年企業にすることだ。</p>



<p>そのためにも、まずは創業当初から造り続けている日本酒と、これから長い時間をかけて育てていくウイスキー、2本の柱を確立させ、引き継いでいかなければと意気込んでいる。次の世代を担うのは、長女の婿の聡さんと、三女の婿の拓己さん。聡さんには日本酒、そして拓己さんにはウイスキーを中心に、より千代むすび酒造を飛躍させてほしいと期待が募る。</p>



<p>ブレずに守ってきた強力の力強い味わいと、岡空さんのチャレンジ精神が引き継がれ、千代むすび酒造の酒がさらに広まっていく日は近いだろう。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52695/">発酵の技術を駆使した多彩な商品展開。「千代むすび酒造」の未来を拓く酒造り／鳥取県境港市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>日本酒の未来を拓く生酛を越えた生酛造り。「日々醸造株式会社」松本日出彦さんの新たな挑戦／京都府京都市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 03 Apr 2025 07:46:43 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[酒造]]></category>
		<category><![CDATA[日本酒]]></category>
		<category><![CDATA[生酛造り]]></category>
		<category><![CDATA[日日]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_090.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>日本酒業界に新風を吹き込む新たな挑戦が、京都の地で静かに始まった。その中心にいるのは、「日々（にちにち）醸造株式会社」の代表･松本日出彦さんだ。松本さんは、2020年まで実家である「松本酒造」の杜氏を務めていたが、より理 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_090.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>日本酒業界に新風を吹き込む新たな挑戦が、京都の地で静かに始まった。その中心にいるのは、「日々（にちにち）醸造株式会社」の代表･松本日出彦さんだ。松本さんは、2020年まで実家である「松本酒造」の杜氏を務めていたが、より理想とする酒を造るべく、同社蔵元だった父･保博さんとともにその職を退き、新たに酒造会社を設立した。</p>



<h2 class="wp-block-heading">退任、武者修業、そして新天地へ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_096.jpg" alt="" class="wp-image-52642" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_096.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_096-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_096-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2021年に誕生した日々醸造は、京都市伏見にある。石炭を貯蔵していた蔵をリノベーションした社屋と、そこに隣接する新設の醸造場からなる小規模の酒蔵だ。小規模とはいえ、前職を退任してから1年足らずでこれを完成させたのだから、新拠点立ち上げまでの段取りの良さに感心するとともに、松本さんの酒造りに対する強い想いと欲求を感じずにはいられない。</p>



<p>この想いを象徴するのが、松本さんが“武者修業”と呼ぶ酒造り行脚。松本さんが前職を退いてから間もなく、同年代の仲間として、ともに日本酒業界の発展に向け邁進する5軒の酒蔵からの呼びかけで立て続けに各蔵の酒造りに参加しながら場所を借りて酒を仕込んだ。滋賀県の「冨田酒造」を皮切りに、福岡県の「白糸酒造」、熊本県の「花の香酒造」、栃木県の「せんきん」、秋田県の「新政酒造」と各蔵を巡り、そこで仕込みを行うことで、風土や環境に適したそれぞれの工夫、水･米などその土地に息づく個性の生かし方など、外部から客観的に見ていた当時はわからなかった蔵ごとのディテールが鮮明になり、新たな気づきも生まれた。この5蔵、それぞれ酒造りに対するオリジナリティを確立しており、醸す酒は全国的にも高い評価を受けている。だからこそ、武者修業を通して学ぶことも多かっただろう。</p>



<h3 class="wp-block-heading">伝統と革新の融合</h3>



<p>武者修業を終え、京都へ戻ると、以前から頭の中に思い描いていた理想の醸造場のラフを急ピッチで具現化。わずか3カ月で醸造場を完成させた。<br>この新天地で松本さんが挑むのは、伝統的な日本酒の醸造方法である「生酛（きもと）造り」を突き詰め、そこに自身がこれまで培ってきた学びや知見、ノウハウをエッセンスとして加えて日本酒の新たな可能性を切り開くこと。<br><br>これは、酒造りをはじめた頃から掲げている“守破離”の精神とリンクしている。</p>



<p>「結局、酒造りも目的というか着地点がはっきりしてないと良いものにならない。だからこそ、ちゃんと意味があると思ったものを組み合わせることからはじめた。」と松本さん。その言葉には、彼自身の酒造りに対する真摯な姿勢が表れている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">生酛造りじゃないと無理</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_085.jpg" alt="" class="wp-image-52643" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_085.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_085-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_085-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>松本氏が取り組む「生酛造り」とは、明治時代以降に発展した大量生産型の酒造りとは一線を画す伝統的な製法だ。この方法では、天然の乳酸菌を使って低温でゆっくりと発酵させることで、独特の味わいを生み出す。その手間ゆえ、大量生産が可能な速醸酛と比較して、生酛造りで仕込む酒蔵は非常に少ない。<br><br>しかし、「自分の理想とする酒は、生酛じゃないと無理。さらに言えば、生酛を越えた生酛じゃないとダメだと思ったんです」と松本さんは断言する。その言葉どおり、一般的な生酛造りでは、5〜9℃で仕込みが行われているが、日々醸造では0.2℃という驚異的な低温で発酵を行う。<br>この究極とも言える低温発酵により、原酒の状態でアルコール度数を11％程度に抑えつつも、豊かな味わいが感じられる日本酒を生み出すことに成功した。<br><br>一般的な原酒で17〜20％、割水をした状態で13〜16％というから、通常の日本酒と比べてもずいぶん低い。</p>



<h2 class="wp-block-heading">1合じゃなく1本。うすくて、うまい味づくり</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_116.jpg" alt="" class="wp-image-52644" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_116.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_116-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_116-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>松本さんの酒造りの根底にあるのは、「飲みつづけられる、うまい酒の味とは？」という探求心だ。これに対し、現時点でのベストアンサーは“うすうま”。アルコール度数を下げることで、まるで水のようにすっきりとした口当たりを表現しつつも、乳酸菌発酵による旨味が深部に感じられる、そんな、飲みやすさとおいしさを両立させた味に行き着いた。「2、3人で1本を気持ちよく飲みきる。飲食店で日本酒を飲むシーンを想像したら、まだ、そういうイメージがなかった。きれいな酒器でちびちびと1合、2合っていうのが今の日本酒のスタンダード。ワインを迎合しているわけじゃないけど、結局1本開けても重くて飲めないのってしんどいでしょう？1合じゃなくて1本でオーダーしたくなる日本酒、そういうロールモデルにしていきたい」と話す。そのためにも、アルコールや香り、甘さに頼らず、しっかりと旨味を出し、飲む人によっては薄味に感じるかもしれないギリギリのラインで、“うすくて、うまい味”を追求することにこだわっている。日本酒の個性である香りや甘さを抑えるというのは一見ニッチに思われるかもしれないが、その方針には一切の迷いもないという。銘醸地のワインのように飲んだ人が「これぞ松本日出彦の味だ」と連想できる、そんな確固たる味づくりを目指している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">米の個性を活かす</h3>



<p>日本酒の味を担う重要なファクターである酒米。松本さんは、理想の味を追求するためには、原料のアプローチを深堀りしていくことも大切だと考える。日々醸造では主に山田錦を使用しているが、特に産地には重きを置き、兵庫県は米田村産と秋津地区産の山田錦を使い分け、それぞれの土地の個性ごと、味に反映させようとしている。<br><br>さらに、武者修業でお世話になった蔵元が使う、その地域の酒米を少量譲ってもらい、日本酒を仕込む取り組みも行っている。これは、武者修業をきっかけに出合った全国各地にある酒米の個性や素晴らしさを、自分なりの観点で酒に仕上げたいと思ってはじめたことなのだそう。<br>その姿勢からは、米、そして人の縁に対する深い敬意と探究心が感じられる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">酒造りの技術革新は、人の手から</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_138.jpg" alt="" class="wp-image-52645" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_138.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_138-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_138-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>そんな松本さんの酒造りに於いて、特筆すべきは機械化を極力避け、手作業にこだわっている点だろう。</p>



<p>「この蔵を作った時点で、機械に頼って酒を造るという考えは完全に捨てましたね。現在では、ほぼすべての工程を人の手で行っています」。この方針は、生産性や作業時間と引き換えに、より繊細で丁寧な酒造りを可能にした。</p>



<p>洗米の工程ですら、機械を使わず、手洗いにこだわっているのだそう。</p>



<p>「洗米機を使うのも悪くないんだけど、ずっと同じパワーで洗米するでしょ。それこそ米のコンディションだって毎年変わるし、地域によっても、作る人によってもちがう。それらの個性はやっぱり、手でこそ感じ取れるわけですよ」と豪語する。</p>



<p>この手作業へのこだわりは、単に伝統を守るためだけではなく、より高品質な日本酒を生み出すための戦略的な選択なのだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">業界の課題に向き合う</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_109.jpg" alt="" class="wp-image-52646" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_109.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_109-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_109-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>こうして、松本さんの理想を詰め込んだ日本酒が完成。その酒に「日日（にちにち）」という名を付けた。屋号を冠していることからも松本さんの自信がうかがえるが、価格帯は2,000円台と、手間暇の割には比較的入手しやすい価格設定。この理由として、松本さんは「1本2000円台のものを、300石（約55,000リットル※四合瓶で約76,000本）くらい作れれば、十分スタッフに飯を食わせていけるし、うちの借金も返せる」と、具体的な数字を挙げている。</p>



<p>ただ、日本酒業界全体に目を向けてみると、まだまだ旧来の流通や価格設定に倣ってしまっているケースが多く、この状況を打開するためには、まずマーケット全体の意識改革が必要だという。例えば、四合瓶で1本3000円台の日本酒が、ギフトや嗜好品ではなく、日常酒としてどんどん消費してもらえるようになれば、酒蔵だけでなく、酒米農家も守っていくこともできるはず。そのためにも、目指すべきニーズに合わせた酒造りは必須、と考えているそう。</p>



<p>それもあってか、“飲みつづけられる、うまい酒”を探求する松本さんの視点には、単に自社の利益だけでなく、日本酒業界全体のサステナビリティに対する深い考察や、業界全体の健全な発展を視野に入れた経営哲学も垣間見える。</p>



<h2 class="wp-block-heading">日本酒の新たな地平を切り開く</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_095.jpg" alt="" class="wp-image-52647" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_095.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_095-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_095-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>日本酒の新たなスタンダードとなりうる消費のインフラの変化までも視野に入れた松本さんの酒造り。伝統的な生酛造りを踏襲しつつ、現代の消費者のニーズに合わせた味わいを追求する姿勢は、日本酒の未来を切り開くひとつの道筋となるだろう。</p>



<p>また、手作業にこだわることで、大量生産では実現できない品質と個性を追求し、クラフトビールやナチュラルワインの台頭といった、ほかの酒類業界の動向とも呼応している。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_158.jpg" alt="" class="wp-image-52648" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_158.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_158-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/04/24_0509_158-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>これらは松本さんの持ち前のセンスがなし得るもの。日々醸造の社屋ひとつとっても、吹き抜けの2階部分に設置されたターンテーブルやサウンドシステム、さながらコーヒースタンドのようなテイスティングカウンターなど、いたるところで旧来の酒蔵の固執したイメージが払拭される。</p>



<p>そんな松本さんの挑戦だからこそ、日本酒が単なる伝統的な酒としてではなく、現代の食文化や生活様式に合わせて進化し得る可能性を大いに感じられるのだろう。松本さんの一挙手一投足が、日本酒業界全体にどのような影響を与えていくのか、今後の展開が注目される。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52641/">日本酒の未来を拓く生酛を越えた生酛造り。「日々醸造株式会社」松本日出彦さんの新たな挑戦／京都府京都市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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