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		<title>牛の命が輝く場所を作るのが使命。「オオヤブデイリーファーム」大薮裕介さん／熊本県合志市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 29 May 2026 05:11:24 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/IMG_9123.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>一口目はもったりと濃厚、二口目はとろりと爽やか。２層仕立ての瓶詰めヨーグルト「ミルコロエイジングヨーグルト」は農林水産大臣賞をはじめとする数々の賞を受賞した人気商品。仕掛け人であり酪農家でもある大薮裕介さんは“選ばれる商 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/IMG_9123.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>一口目はもったりと濃厚、二口目はとろりと爽やか。２層仕立ての瓶詰めヨーグルト「ミルコロエイジングヨーグルト」は農林水産大臣賞をはじめとする数々の賞を受賞した人気商品。仕掛け人であり酪農家でもある大薮裕介さんは“選ばれる商品開発“で牛の命が輝く場所を作っている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">初めて聞く父の弱音に家業と向き合うことを決めた</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/bd378a7db158c49aaf9837a53b3a1123.jpg" alt="" class="wp-image-54596" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/bd378a7db158c49aaf9837a53b3a1123.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/bd378a7db158c49aaf9837a53b3a1123-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/bd378a7db158c49aaf9837a53b3a1123-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>熊本市のベッドタウンとして人口増加が続いている合志市。その一角に「オオヤブデイリーファーム」はある。</p>



<p>創業は1975年、日本での飼育頭数の9割以上を占める乳牛の種類であるホルスタインを飼育し、乳を搾って出荷する形で始まった。現在の代表である大薮裕介さんは実家を継ぐ形で2001年に就農。とはいえ、家業だから強制的に、というわけではなく、アメリカの研修で毎年海外旅行に行っているという酪農家の夫婦と出会い、「酪農業」を活かして自分の人生を彩り、形作っている生き方に感銘を受けたことが就農のきっかけだったという。旧来からある乳業の仕組みにも疑問を感じていたが、業界内で偉くなっていったとしても、個の力では到底変えることができない画一的な産業システムを目の当たりにし、次第にやる気をなくして悶々とした日々を過ごしていたという。</p>



<p>そんな大薮さんの心に追い打ちをかけたのが、全国的に行われていた生乳の生産調整だった。生産調整とは乳製品の在庫が過剰となった場合などに、国が生産者に対して生乳の生産を抑えるように求める施策だ。牛が生まれてから生乳を搾れるようになるまでには2年かかる。一度酪農家や飼育頭数を減らしてしまうと、生産量を短期間で取り戻すことは難しくなる。そのため、頭数の制限ではなく、生産者に生乳を廃棄させる形で在庫量を調整する。</p>



<p>休みなく働き続けて牛を育て、ようやく搾った生乳を大量に廃棄するよう命じられる生産者の心境は他人が軽々しく言葉にできるものではない。しかも、生産調整は在庫状況に応じて何度も繰り返され、その度に生産者は精神的な負担だけでなく、収益の悪化という重い負担も背負うことになる。</p>



<p>実際、2006年には生乳の大量余剰が発生し、北海道だけで牛乳パック90万本分、約900トンもの生乳が廃棄された。</p>



<p>とはいえ、牛は毎日必ず搾乳しないと乳房炎という病気になり、最悪の場合は死んでしまう。生き物への責任と愛情があるからこそ、廃棄すると分かっていても毎日世話をし、搾らざるを得ない。</p>



<p>また、牛が誕生してから初めて牛乳が搾れるようになるまで約3年を要する。もし今、牛乳が余っているからといって殺処分などで頭数制限をすれば、数年後に猛暑で全国的に乳量が落ちるようなことが起きた場合、供給が間に合わなくなる可能性もある。</p>



<p>加えて、酪農は牛舎の建設、搾乳ロボット、トラクター、そして何十頭もの牛そのものなど、数千万円から数億円の初期投資が必要な「装置産業」。その多くは長期の融資で賄われており「苦しいから明日で辞めます」ということは、なかなか叶わないのだ。</p>



<p>絶望に打ちひしがれた大薮さんは、その時初めて正勝さんの弱音を聞いた。父親の背中が小さく見えた瞬間だった。そして、いつの間にか酪農の現実から目をそらしていた自分に気づいた。</p>



<p>大薮さんは、家業と向き合うことを決めた。このまま同じやり方を続けても未来はない。搾った乳を農協に出荷するだけの酪農は価格も出荷量も自分たちでは決められない。努力が報われない構造の中に取り込まれたままでは、家族を支えることも、牧場を次の世代へつなぐことも難しい。牧場の現状に強い危機感を感じた大薮さんは、 出荷するだけの酪農から自分たちで価値をつくる酪農へと大きく舵を切ることにしたのだった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">酪農家だからこそ作れるオリジナルのヨーグルト</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/IMG_0674.jpg" alt="" class="wp-image-54597" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/IMG_0674.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/IMG_0674-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/IMG_0674-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>一体、自分たちに何ができるだろうか。「オオヤブデイリーファーム」に生まれてきてくれた牛たちの命を無駄にせず、輝かせるにはどうしたらいいか。答えを探す中で、大薮さんはオリジナル性の高い自社乳製品を生み出すという考えに行き着いた。その頃、牧場でホルスタインに比べて栄養価が高く、生乳に希少性のあるジャージー牛の飼育も始めていた。酪農家の先輩たちからヨーグルトの製造技術を、熊本県の技術支援機関では菌検査方法をそれぞれ学び、2012年に牧場の敷地内に2.5メートル四方の小さな加工施設を建て、自社牧場の生乳を使ったヨーグルトの製造を開始。こうして誕生したのが「ミルコロエイジングヨーグルト」である。</p>



<p>「ミルコロエイジングヨーグルト」の材料はふたつだけ。自社で育てたジャージー牛の生乳とてんさい糖で作る。一般的に生乳は乳脂肪を均一化し、品質を安定させるためのホモジナイズという加工が施されるが、「オオヤブデイリーファーム」ではホモジナイズ加工を行わず、生乳をそのまま使用する。すると、脂肪分が分離してクリームの層として浮かび上がる。ジャージー牛の乳は脂肪が多いためクリームの層が厚くなり、でき上がりのヨーグルトはクリームとヨーグルトの２層仕立てとなる。そのユニークさも商品価値につながると考え、ホルスタインではなくジャージー牛の生乳を選んだ。2層はそれぞれ味わいが異なり、クリームの層はレアチーズケーキのようにもったりと濃厚、ヨーグルトの層はとろりと爽やかな風味を楽しめる。材料がたった2つだけとは思えないほど複雑な香りと旨味がある。加えて、クリームの層が蓋の役割を持ち、ヨーグルトの層の中では日々発酵が進み、乳酸菌が増えて味わいが変化していく。だから“エイジング”と名乗っている、というわけだ。</p>



<p>「ミルコロエイジングヨーグルト」の特徴はこれだけではない。ジャージー牛は体内のさまざまな機能にとって重要な成分であるオメガ3脂肪酸が豊富なアマニを主とした飼料で育てており、その生乳にも天然のオメガ3脂肪酸が多く含まれている。さらに、牧場内での交配で品種改良を繰り返すことにより、「オオヤブデイリーファーム」のジャージー牛の乳はベータカゼインA2ミルクを生産できるようになっている。ベータカゼインA2ミルクは人間の母乳に構造が近いとされており、吸収がよく、消化管に炎症を起こしにくいため、摂取してもお腹がゴロゴロとなりにくいといわれている。</p>



<p>自社の牛乳の特徴を生かした「オオヤブデイリーファーム」の製品開発力は全国的に評価され、2019年6次産業アワード農林水産大臣賞をはじめとする数々の賞を受賞。JR九州の豪華列車「ななつ星in九州」や日本を代表する高級ホテルの朝食でヨーグルトが採用されるなど、販路を大きく拡大した。</p>



<h2 class="wp-block-heading">誕生を喜ばれない命がある事実に目を背けたくない</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/IMG_9482.jpg" alt="" class="wp-image-54598" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/IMG_9482.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/IMG_9482-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/IMG_9482-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>当たり前のことだが、牛にも性別がある。乳牛のメスは乳が出るが、オスからは出ない。だからオスは、肉用牛となる。だが、ジャージー牛のオスはホルスタインと比べて体格が小さく、成長も遅いことから収益が低いなどの理由で生後すぐに殺処分されることが多い。</p>



<p>雄牛が生まれる確率は約50％。大薮さんは、牧場で生まれた子牛がオスだと分かった時に、心の底から喜べない自分がいることがずっと心にひっかかっていた。人間の都合で誕生を喜ばれない命がある事実から目を背けたくない。せっかく生まれてきてくれたのだから、雄の子牛の命にも輝く場をつくりたい。そんな思いからオスの子牛を採算ラインギリギリの生後1年まで肥育し、食肉に加工する取り組みにも着手。牧場の敷地内に新しく開いたカフェ「MILK’ORO LAB. （みるころラボ）」の食事メニューに使うことで、命のバトンをつなぐ仕組みを作った。</p>



<p>オスの子牛はメスと同様にオメガ3脂肪酸が豊富なアマニを主とした飼料で育てることで、肉からも不飽和脂肪酸の一種で、アンチエイジングの補助になる成分「ALA（アルファリノレン酸）」が検出されることが分かった。しかも、肉質がやわらかく、食味も良い。機能性があるだけでなくおいしければ、消費者から選ばれる理由となる。こうした取り組みは業界外からも話題を呼び、2025年6月に大阪万博会場で開催された地方の優れた「食」を表彰する「にっぽんの宝物レジェンドグランプリ」では2位に輝いた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">“選ばれる商品開発”がこれからの酪農の鍵となる</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="681" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/image-58-1024x681.jpeg" alt="" class="wp-image-54594" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/image-58-1024x681.jpeg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/image-58-300x200.jpeg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/image-58-768x511.jpeg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/05/image-58.jpeg 1381w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>「オオヤブデイリーファーム」では「MILK’ORO LAB.」を拠点に食育活動も積極的に実施。搾乳や乳製品加工など命の温かさや食の循環に触れられる体験の機会を設けており、地元の子どもたちを中心に年間で約2000人を受け入れている。<br>酪農体験で命の温かさに触れ、製造体験では、私たちは皆、誰かに生かされている事を感じて欲しいとは願っているが、そんな複雑なことはまだ伝わらなくとも、牧場に足を踏み入れて牛たちをその目で見ることで、何かを感じてもらえるはずだと大薮さんは信じている。そして、子どもたちが牛や牧場に興味を持ったときに酪農家が希望のある職業であるように、まずは「オオヤブデイリーファーム」が持続可能な事業スタイルを確率させることが重要だとも考えている。そのためには“選ばれる商品開発“がこれからの酪農の鍵となる。今後の展望を熱っぽく語るその目には、命の現場を未来へつなぐ覚悟と力強さが満ちていた。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54590/">牛の命が輝く場所を作るのが使命。「オオヤブデイリーファーム」大薮裕介さん／熊本県合志市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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