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	<title>醤油 - NIHONMONO</title>
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	<title>醤油 - NIHONMONO</title>
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		<title>ゼロからの挑戦で自社醸造を復活「ミツル醤油醸造元」城慶典さん／福岡県糸島市</title>
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		<pubDate>Sun, 22 Jun 2025 10:13:56 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI009-6620.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>醤油は日本人にとって欠かせない発酵調味料である。しかし昨今、その製造を行う醤油蔵は減少傾向にあり、1955年に約6,000社以上あったメーカーも現在では約1,100社までに減少。伝統産業の衰退が懸念されている。そんな中、 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI009-6620.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>醤油は日本人にとって欠かせない発酵調味料である。しかし昨今、その製造を行う醤油蔵は減少傾向にあり、1955年に約6,000社以上あったメーカーも現在では約1,100社までに減少。伝統産業の衰退が懸念されている。そんな中、伝統ある蔵を復活させ、自分の手で醤油を造る挑戦を続けているのが福岡県糸島市の「ミツル醤油醸造元」の城（じょう）慶典さんだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">自社醸造を行っていないことを知り、醤油づくりを決意</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI025-6705.jpg" alt="" class="wp-image-52878" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI025-6705.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI025-6705-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI025-6705-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>日本に醤油メーカーは数あれど、自社で原料処理から搾りまでの一貫した醤油製造を行っている会社は少なく、ほとんどのメーカーがもろみを搾ったまま、加熱処理やろ過をしていない「生揚げ（きあげ）醤油」と呼ばれる醤油を、醤油協業組合やメーカーから原料として仕入れ、火入れや味付けのみを自社で行い、製品化している。これは1963年に制定された「中小企業近代化促進法」によるところが大きい。当時、日常に欠かせないものを効率的に生産するために国が地域の組合やメーカーなどを助成。設備投資により大規模生産が加速した一方、小さな蔵の多くは自社醸造をやめ、仕入れに転じた。ミツル醤油もそんな一軒だった。</p>



<p>幼い頃から醤油の香りの中で育ってきた城さんは、自然と自分が家業を継ぐと思っていた。しかし、農業高校時代の職業体験で醤油組合の大きな工場を訪れた際、はじめて醤油の具体的な製造方法を知る。「蒸した大豆の匂いを嗅ぎ、麹やもろみについても学んで“醤油ってすごいな”と思ったんです。その反面、自分の家で醸造をやっていないことを寂しく感じ、いずれ自分で醤油をつくりたい！と強く思うようになりました」。高校卒業後は東京農業大学の醸造科に進学。改めて醤油作りを学ぶ日々が始まった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「学生のうちに！」と全国の醤油蔵を武者修行</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI036-6894.jpg" alt="" class="wp-image-52879" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI036-6894.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI036-6894-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI036-6894-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>醤油づくりへの道を歩き始めた城さんだったが、ミツル醤油は醸造をやめてから30数年が経っていたため、家族からノウハウを教えてもらうことも叶わず、工場に醸造設備もなかった。そんな状況の中、学生だった城さんが考えたのは全国の蔵を巡り、醤油づくりを学ぶこと。</p>



<p>「大学に進学した時からやりたいことが明確だったので座学に励む一方、醤油の仕込み期間と重なる春休みなどを利用して、大学の先生に紹介してもらったり、百貨店の催事などで出会った醤油蔵に『1週間だけここで学ばせてください！』と頼み込み、研修を受け入れてもらいました。家業に入ったら、他のメーカーさんに研修をお願いするというのはハードルが高いので、こういう動きは学生の今しかできないと思い、行けるだけ行こうと思ったんです」。</p>



<p>こうして卒業までに7軒の蔵を巡り、各蔵の醤油づくりを学んだ。卒業後は広島の「岡本醤油」で1年間修業し、糸島に帰る前に醤油づくり周辺について学ぶため、東京のフードコーディネーター養成スクールに入学。福岡に戻ってからは事業復活に向けて着々と準備を始めた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">眠っていた桶を直し、麹室を建てることからスタート</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI029-2139.jpg" alt="" class="wp-image-52880" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI029-2139.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI029-2139-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI029-2139-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>こうして満を持して実家に戻った城さんだったが、培った知識や経験を生かそうにも工場には醸造環境が整っていなかったため、その挑戦はまず設備を整えることから始まった。</p>



<p>職人の手を借りて倉庫に眠っていた木桶を修理し、麹づくりのための室も新たに建てた。「大豆を蒸す釜ひとつなかったので、本当にいろんなプロの手を借りました。木桶は大阪にあり、日本で唯一、伝統的な製法で大型の木桶を製造できる桶メーカー「藤井製桶所」の職人さんに来ていただきました。使えるものは修理してもらいましたが、残っていた5個のうち使えたのは２個だけ。まずはその２個を使い、徐々に増やしていきました」。こうしてしばらく眠っていた桶が生き返り、約40年ぶりに仕込みが始まった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">過去から現在へ。酵母がつなぐ先人からの醤油づくり</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI004-6611.jpg" alt="" class="wp-image-52881" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI004-6611.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI004-6611-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI004-6611-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>城さんは大学時代、ミツル醤油が昔、自社醸造を行なっていた際に桶から飛び散ったもろみが付着していた蔵の柱から酵母を取り出し、培養して冷凍保存していた。初めての仕込みの際にはこの酵母も使い、ミツル醤油の歴史をつないだ。そんな効果もあったのだろうか、2013年2月に醸造復活後初となる濃口醤油「生成り、」を発売すると「素晴らしい醤油が誕生した！」と日本各地から賞賛の声が上がった。</p>



<p>「修業先の蔵のみなさんや、東京時代に知り合った料理雑誌の編集長やライターのみなさんなど、食に精通したたくさんの方々がうちのことを紹介してくださいました」。その評判は口コミで広がり、有名寿司店やフレンチレストランなどでも使われるようになった。</p>



<p>ちなみに「生成り、」という銘柄にしたのは「こだわり醤油って“国産大豆”とか“木桶仕込み”とかパッケージに伝えたい情報がたくさん載っていますが、自分はシンプルな感じにしたかったんです。地元糸島の原料で手造りの麹、木桶仕込みという昔ながらの製法ですし、ピュアな印象を表現する言葉として「生成り、」を採用しました」という理由からだそう。</p>



<h3 class="wp-block-heading">原料はメイドイン糸島の原料と沖縄の塩。無農薬醤油や新感覚醤油にもチャレンジ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI033-6789.jpg" alt="" class="wp-image-52882" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI033-6789.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI033-6789-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/MI033-6789-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>初出荷から11年。現在、城さんのつくる醤油は地元福岡や東京を中心に多くの人や飲食店で愛され続けている。原料は地元糸島産の大豆（フクユタカ）と小麦（ミナミノカオリ）、塩は沖縄産のシママースを使用。販売しているのは濃口、うすくち、再仕込みのほか、無農薬の濃口、そしてオレンジと呼ぶ色のうすい醤油だ。「無農薬は仕込みを始めた当初から地元農家の協力でチャレンジしていたのですが、土壌の問題などで生産をストップしていたんですが、料理研究家の辰巳芳子先生とお会いした時に“なんで作らないの！”と喝を入れられました。そんなきっかけをもらい、九州産の無農薬大豆で再びつくり始めたんです。オレンジは2023年から発売を開始した新しい醤油で、もろみが乳酸菌・酵母の発酵を始める前に搾ったものです。醤油の新しい風味を楽しんでいただけると思います」。実際にオレンジを舐めてみると、味はしっかりとしているのに醤油の香りが強くなく、麹独特の甘さが広がる。醤油であって醤油ではない、新しい調味料のような印象だ。</p>



<p>「醤油づくりを始めて、なぜ多くの人が醤油づくりから離れていくのかがよくわかりました。昔ながらの方法で仕込んでもビジネス的に厳しかったり、手間暇もかかる。決して楽な仕事ではありません。でも、自分はやっぱり手造りの自社醸造にこだわりたい。もろみを販売したり、搾りかすをふりかけに加工するなど、醤油づくりの段階でできるものも無駄にせず全部活用したいし、オレンジのような新しい醤油の可能性も追求していきたいと思っています」。今後も大規模化することなく、今の規模感で醤油づくりに励んでいきたいという城さん。今後、ミツル醤油がどんな醤油を発表するのか、醤油業界、料理業界、リピーターたちなど多くの人が注目し続けるのは間違いなさそうだ。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52877/">ゼロからの挑戦で自社醸造を復活「ミツル醤油醸造元」城慶典さん／福岡県糸島市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>全国の小さな醤油蔵と消費者を繋ぐ伝道師　「職人醤油」高橋万太郎さん／群馬県前橋市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 17 Aug 2024 02:21:04 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_358.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>醤油は、長い年月にわたって受け継がれてきた伝統産業である。日本の食文化に欠かせない醤油の魅力を発信することを自らの使命と捉え、これまでに400を超える全国各地の醤油蔵を訪ね歩いている人物がいる。「職人醤油」ブランドを展開 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_358.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>醤油は、長い年月にわたって受け継がれてきた伝統産業である。日本の食文化に欠かせない醤油の魅力を発信することを自らの使命と捉え、これまでに400を超える全国各地の醤油蔵を訪ね歩いている人物がいる。「職人醤油」ブランドを展開する（株）伝統デザイン工房代表の高橋万太郎さんだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">選りすぐりの醤油を扱うセレクトショップ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_390.jpg" alt="" class="wp-image-49061" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_390.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_390-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_390-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>職人醤油は高橋さんの生まれ育った群馬県前橋市に本店を構える。県庁所在地としても知られる前橋市は、関東平野の最北端に位置し、赤城山の雄大な自然と利根川の豊かな水に育まれ、街と自然が調和する中核都市である。閑静な住宅街に建つマンションの1階に、ひときわ異彩を放つ店舗が所在する。醤油蔵を模した重厚感のある板張りの外壁に覆われ、そこに掲げたグラフィカルなロゴマークが目印だ。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_285.jpg" alt="" class="wp-image-49055" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_285.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_285-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_285-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>店内に足を踏み入れれば、壁面を埋め尽くすように色とりどりのラベルをまとった種類豊富な醤油の小瓶がずらりと並んでいる。高橋さんが全国各地の醤油蔵を訪問してセレクトした、約100種類に及ぶ銘柄を取りそろえているという。ここでは数ある醤油の中から料理との組み合わせを提案したり、テイスティングも行っている。まさに醤油に特化した専門店、他では類を見ない醤油のセレクトショップである。</p>







<h2 class="wp-block-heading">伝統産業や地域産業に光を当てたい</h2>



<p>「漠然と何か事業を起こしたいと考えていました」。高橋さんは大学卒業後、精密光学機器メーカーに就職し、3年間の営業経験を積んだのちに会社を辞めた。とはいえ具体的なプランは特になく、あるのは胸に抱き続けた起業への熱い思い。高橋さんはやりたいことを見つけるために日本全国を回る旅に出た。</p>



<p>メーカーで培った営業力を頼りに自分に何ができるのかを探るうち、ものづくりに自信と誇りを持ちながらも発信力に乏しい伝統産業や地域産業の実態を垣間見ることに。「自分のやるべきことはここにあるんじゃないか」と、気づきを得た高橋さん。数ある伝統産業の中からより身近な存在で、なおかつ「選んで買う」ということがなされていないものにターゲットを絞っていくうち、最終的にたどりついたのが奥深い醤油の世界だった。</p>



<p>こうして日本全国の醤油蔵を訪ね、蔵元と触れ合い、学びを深めていく日々が始まった。蔵元に共通しているのは「いいものを造っている。でも売れない」ということ。厳選した材料で丁寧に造っていても「毎日使うものだから高くはできない」と、量産品と変わらない価格で販売している。小さな蔵では生産量の少なさから大手の流通に乗せられないという事情もあった。消費者に知ってもらうところまでには到底手が回っていない醤油業界の問題点が見えてきた。</p>







<h3 class="wp-block-heading">ミニボトルに特化するという発想</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_255.jpg" alt="" class="wp-image-49056" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_255.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_255-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_255-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>醤油はすべて100ミリリットルの小瓶に統一し、蔵元独自のラベルを貼って販売している。これが職人醤油のオリジナルサイズ。このアイデアは高橋さん自身が店に並んだ醤油を買う時に実感した“選びづらさ”がヒントになったという。一般的な1リットル瓶では、試しに買ってみるのにはかなり勇気のいるサイズ感。結局いつもと同じものを選んでしまう。小瓶ならば気軽に手に取りやすく、同時に数本購入して味比べができる。「気に入った醤油が見つかったら、蔵元から直接購入するようにお伝えしています」と高橋さん。</p>



<p>始まりは「おもしろい」と、小瓶の販売に快く賛同してくれた少数の醤油蔵から。その数を徐々に増やしていきながら、今では全国の蔵から100銘柄を取り扱うまでになった。インターネット販売からスタートした職人醤油は、こうして新しい販売スタイルを確立していき、前橋市の本店に続いて東京の銀座松屋での店舗販売、百貨店やスーパー、雑貨店への卸販売など着実に販路を広げている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">毎日使うのに意外と知らない醤油</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_448.jpg" alt="" class="wp-image-49057" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_448.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_448-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_448-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ところで、日本人であればどこの家庭にでも醤油は必ずあるだろう。誰もが当たり前のように調理や食事に使用しているおなじみの調味料だ。スーパーに買い物に行けば簡単に手に入り、そろそろ1本が終わりそうになると、迷うことなく今までと同じものをまた1本買い足す。そんな家庭が多いのではないだろうか。</p>



<p>改めて「醤油とはいったいどのようなものか」と問いかけられると、毎日使うわりには醤油のことを意外にも知らないことに気づかされる。日本の食文化を支える調味料でありながら、一般ユーザーの醤油に対する知識は残念ながら乏しい。「醤油は醤油でしかなく、あまり意識せずに使っているのでしょうね。ましてや食材によって使い分けるなんて考えたこともないかもしれません」と高橋さん。</p>



<h3 class="wp-block-heading">日本一の醤油の産地は千葉県</h3>



<p>まずは醤油の産地をご存じだろうか。全国には約1,100社近くの醤油メーカーがあるという。出荷量を都道府県別で比較すると、キッコーマン、ヤマサ醤油、ヒゲタ醤油といった大手メーカー3社の集まる千葉県が断トツのトップ。そして第2位には兵庫県が名を連ねる。この2県だけで50％以上のシェアを占めている。それ以降は僅差で3位に職人醤油が本拠地を置く群馬県、4位は愛知県、5位に香川県と続く。</p>



<h3 class="wp-block-heading">おもな醤油の原材料とは</h3>



<p>醤油の基本となる原料は、おもに大豆・小麦・塩の3種類。そして麹菌や乳酸菌、酵母菌といった微生物が、目には見えないが重要な役割を果たしている。醤油特有の芳醇な香りやうまみは微生物による発酵が決め手となり、半年から長いものではじっくり2年、3年かけてつくられる発酵調味料だ。たとえ同じ原材料で仕込んでも、醤油メーカーによって微生物の生態系はそれぞれ異なる。そのため同じ味にはならないところに醤油づくりのおもしろさがあるようだ。</p>







<h2 class="wp-block-heading">醤油は5種類に分けられ、地域性が深く関わる</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_264.jpg" alt="" class="wp-image-49058" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_264.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_264-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_264-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>JAS規格（日本農林規格）によれば、醤油は濃口、淡口、再仕込、溜（たまり）、白の5種類に分類される。その中でごく一般的なのが濃口醤油。全体の流通量の約８割がこのタイプだという。</p>



<p>また醤油には地域性が存在する。それには日本の食文化に欠かせないだしの存在が、その土地の醤油造りに少なからず影響を与えているようだ。昆布だしがベースの西日本では調理には淡口醤油を使い、かつおだしがベースの東日本では万能タイプの濃口醤油が主流というように。</p>



<p>醤油の塩加減にも地域の特徴が現れる。九州や日本海側など海沿いの地域では、うま味成分のアミノ酸液と甘味料を加えた甘口醤油が好まれ、新鮮な魚に甘くとろみのある醤油をつける。いっぽう内陸では塩味の強い醤油が好まれる傾向があるという。</p>



<p>さらに中部地方は日本酒やみりん、酢、味噌など多様な発酵食品が集まる地域。熟成期間が長くうま味が凝縮された濃厚な溜醤油のみならず、短い熟成で色が淡くあっさりした白醤油という両極端な醤油が共存している。</p>







<h2 class="wp-block-heading">醤油を使い分けると食の世界が広がる</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_432.jpg" alt="" class="wp-image-49059" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_432.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_432-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_432-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>高橋さんいわく、「同じ醤油ばかり使っていてはちょっともったいない。料理や食材によって醤油を使い分ければ、もっとおいしく、もっと楽しくなります」。職人醤油では、JAS規格の5種類のほかに甘口醤油を加え、独自に6種類に分類して使い分けを紹介。熟成期間の短いものから白、淡口、甘口、濃口、再仕込、溜の順に並ぶ。これらを３つのタイプに大別すると特徴を理解しやすいという。</p>



<p>まず、半年から一年と熟成期間の短い白と淡口は、色が淡く塩分が高めで素材の風味が生きる。次に甘口と濃口は素材に合わせやすく調理によし、かけてもよしと万能（ただし甘口は好みが分かれる）。</p>



<p>残る再仕込と溜は熟成期間が2年から3年と長く個性的だ。一度搾った醤油をそのまま仕込み水代わりに用い、“醤油で醤油を仕込む”再仕込と、大豆の割合が多く仕込み水の少ない溜は、色も味わいも濃厚でうま味が豊富。ソースのように使えて素材との一体感が楽しめる。</p>







<h2 class="wp-block-heading">醤油はワインによく似ている</h2>



<p>「よくお客さまから『お刺身に合う醤油はどれ？』という質問をいただきますが、お刺身でも赤身の魚と白身の魚では、相性のいい醤油が違うんです」と高橋さんは語る。「白醤油と淡口醤油が白ワイン系、再仕込醬油と溜醤油は赤ワイン系をイメージしていただくと分かりやすいでしょう」。白身魚にはすっきりとした白ワイン、赤身の肉には濃厚な赤ワインなど、ワインにペアリングがあるように、醤油にも食材との相性があるというわけだ。料理や素材によって醤油を使い分けることで、楽しみの幅はさらに広がっていく。</p>



<h3 class="wp-block-heading">料理を引き立てる一本が見つかる</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_440.jpg" alt="" class="wp-image-49060" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_440.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_440-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_440-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>醤油をもっと直感的に選べるように、こんな工夫もしている。それは「大好物醤油」と名付けられ、高橋さんがセレクトした全国の醤油と相性のいい食べ物を組み合わせて提案するというもの。料理のイラストが描かれたパッケージを瓶のラベルの上にかぶせてあるから一目瞭然だ。刺身、卵かけご飯、とんかつ、目玉焼き、トーストなどラインナップは24種類。親しみやすいイラストと好きな食べ物への関心から気軽さ、手軽さが優先され、醤油選びのハードルを下げることに成功している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">職人醤油の目指す醤油の未来像とは</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_358.jpg" alt="" class="wp-image-49066" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_358.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_358-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_231207_NIHONMONO_358-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>高橋さんが醤油の世界に飛び込んだころ約1,600社あったという醤油メーカーは、現在1,100社を下回り、醤油の生産量も下降線をたどっている。木桶で造る醤油は全生産量のわずか1％ほど。そんな中でも職人醤油で扱う醤油の約6割は木桶仕込みだという。</p>



<p>高橋さんが木桶にこだわるのは、桶にすみついた微生物が発酵の過程で独自の味わいを醤油にもたらすから。その蔵の持つ特徴を反映した個性的な醤油ができあがる。それは裏を返せば、醤油造りに対する蔵の姿勢がそのまま現れるということ。仕上がりにブレが出やすい木桶仕込みは、きちんと管理をしないと醤油の品質を落としてしまうことにもなりかねない。</p>



<p>「大手メーカーが工場で大量生産する商品も、小さな醤油蔵が手づくりしている醤油もそれぞれ一長一短あると思っています。大手さんの素晴らしいところは常に品質が安定していること。逆に小さな蔵では品質の振り幅が大きい。でも、そこがおもしろいと感じていて」。試行錯誤を繰り返す造り手の苦労話にも高橋さんは価値を見いだしている。</p>



<p>味も香りも蔵の個性が出る木桶仕込みの醤油を、近ごろはポジティブに捉える若い造り手が徐々に増え始めているという。「クラフトビールの動きとよく似ていますね」と高橋さん。縮小傾向にある醤油蔵の未来に希望の光が差し始めた。</p>



<p>「個性的でこだわりのある“クラフト醤油”を使いたがる海外需要もきっとあるはず」と、高橋さんは海外輸出も視野に入れ、日本の奥深い醤油文化を世界へと広げようとしている。造り手と使い手をつなぐ高橋さんの挑戦はまだ始まったばかりだ。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/49053/">全国の小さな醤油蔵と消費者を繋ぐ伝道師　「職人醤油」高橋万太郎さん／群馬県前橋市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>伝統の天然醸造にこだわる醤油づくり　創業200有余年「岡直三郎商店」／群馬県みどり市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/42977/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 23 May 2024 03:37:17 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[有機丸大豆]]></category>
		<category><![CDATA[国産]]></category>
		<category><![CDATA[調味料]]></category>
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		<category><![CDATA[醤油]]></category>
		<category><![CDATA[生揚げ醤油]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/de51d65663f03a0de1e7025b7ed4be5b.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>群馬県みどり市に蔵を構える「岡直三郎商店」は、江戸時代の天明7年（1787年）創業という、230年をゆうに超える歴史ある老舗醤油蔵。醸造工場と店舗兼主屋からなる大間々工場では、代々受け継がれた木製大桶にて仕込む、伝統の醤 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/de51d65663f03a0de1e7025b7ed4be5b.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>群馬県みどり市に蔵を構える「岡直三郎商店」は、江戸時代の天明7年（1787年）創業という、230年をゆうに超える歴史ある老舗醤油蔵。醸造工場と店舗兼主屋からなる大間々工場では、代々受け継がれた木製大桶にて仕込む、伝統の醤油づくりを今もなお続けている。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>風光明媚な大間々の地に創業</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/24cbf33b8ac1b7a137af1b2d24864757.jpg" alt="" class="wp-image-42979" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/24cbf33b8ac1b7a137af1b2d24864757.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/24cbf33b8ac1b7a137af1b2d24864757-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/24cbf33b8ac1b7a137af1b2d24864757-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>群馬県の東部に位置するみどり市は、赤城山東南麓の豊かな自然に恵まれ、南北に長い地形の約8割を山林が占めている。山間部と平野部の中間にあたる大間々地区に「<strong>岡直三郎商店 大間々工場</strong>」がある。すぐ近くには渡良瀬川が流れ、この川に沿ってわたらせ渓谷鐵道が走る。「関東の耶馬溪（やばけい）」とも讃えられる美しい渓谷「高津戸峡（たかつどきょう）」は新緑と紅葉の名所。河川と渓谷が織りなす雄大な景色を楽しめるとあって、みどり市屈指の観光スポットとして人気のエリアだ。</p>



<p>かつての大間々は、江戸時代に足尾銅山から産出した銅を江戸へ運ぶ「あかがね街道」の要衝として、また絹や生糸の集散地として、人々が行き交い栄えた宿場町。<strong>近江商人であった初代･岡 忠兵衛</strong>は、水が豊かで風光明媚な上州･大間々のこの地に、「<strong>河内屋</strong>」の屋号を掲げ、醤油醸造業を営んだのが始まりとされている。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>国の有形文化財に登録された岡直三郎商店</strong></h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/4ec76cfc5ebd8a8ba1ec17b63457258d.jpg" alt="" class="wp-image-42980" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/4ec76cfc5ebd8a8ba1ec17b63457258d.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/4ec76cfc5ebd8a8ba1ec17b63457258d-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/4ec76cfc5ebd8a8ba1ec17b63457258d-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在も桐生から日光へ向かう国道122号（あかがね街道）沿いには趣のある蔵や商家、洋館などが点在。レトロな風情が漂う町並みは往時の面影を色濃く残す。「今も創業の地に当時の姿を残せているのは大変ありがたいことです」そう話すのは<strong>八代目当主の岡 資治さん</strong>。街道沿いに建つ岡直三郎商店は、2013年、大間々工場の店舗兼主屋ならびに文庫蔵が、<strong>国の登録有形文化財（建造物</strong>）に登録された。店舗前には巨大な火入れ釜が堂々と鎮座し、訪れる者を出迎えている。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>昔と変わらない木桶仕込みの天然醸造</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/a9ba3d606d83dbf54e63b4cae2c8856c.jpg" alt="" class="wp-image-42981" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/a9ba3d606d83dbf54e63b4cae2c8856c.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/a9ba3d606d83dbf54e63b4cae2c8856c-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/a9ba3d606d83dbf54e63b4cae2c8856c-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「<strong>発酵･熟成は自然の気候の中でゆっくりと。これだけはずっと続けていきたい</strong>、そう思っています」。岡さんが明言するように、岡直三郎商店では代々受け継がれた大きな木桶を使い、手間暇を惜しまず昔ながらの醤油づくりの製法を守り続けている。</p>



<p>自然の気候と四季の気温の変化に委ねる<strong>天然醸造</strong>は、発酵･熟成におおよそ<strong>1年から1年半</strong>という長い時間がかかる。職人が木桶に仕込んだもろみの状態を確認しながら、発酵を促すために撹拌する作業「<strong>櫂（かい）入れ</strong>｣を重ねていき、搾りの時期を見極める。職人による長年の経験と勘が欠かせない。<br>木桶にこだわる理由は、使い続けることで仕込蔵や木桶に微生物が生育し、醤油にとって心地よい環境が保たれ、<strong>その蔵独自の風味を醸し出す</strong>からだ。「今は木桶を作れる職人がいないので」残されたものを大切に使っているという。ちなみに木桶は竹で編んだ「箍（たが）」で周囲をしっかりと固定されており、1本たりともクギは使われていないそうだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>100年ぶりの大改修を経て工場をリニューアル</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/59888b1df1bd2b473bd6dbcb0b87e778.jpg" alt="" class="wp-image-42982" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/59888b1df1bd2b473bd6dbcb0b87e778.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/59888b1df1bd2b473bd6dbcb0b87e778-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/59888b1df1bd2b473bd6dbcb0b87e778-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>大間々工場は蔵の老朽化に伴い、2017年に大規模な改修を行った。「醤油屋や味噌屋はどことなく『歴史が古いから許される』という風潮がありますが、清潔さを欠き、安心安全がおろそかになってしまったら本末転倒。古い建物のままではいけない。<strong>安心安全を徹底しなければ生き残れない</strong>」と危機感を持って、未来に引き継いでいくための大改修に踏み切ったのだ。明治期に建てられた蔵2棟を取り壊し、その跡地に鉄骨の工場を新設。最新設備の導入により、徹底した衛生管理のもとで原料の処理や圧搾、充填作業を一新し、安心安全を強化した。仕込蔵も一部修繕が加えられたが、古き良き醸造現場の特徴はしっかりと残っている。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>新しくすべきは新しく、残すべきところは残す</strong></h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/69d8dae64c9686bdcc34cd0f64b38e67.jpg" alt="" class="wp-image-42983" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/69d8dae64c9686bdcc34cd0f64b38e67.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/69d8dae64c9686bdcc34cd0f64b38e67-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/69d8dae64c9686bdcc34cd0f64b38e67-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>仕込蔵の中に入ると大豆の発酵･熟成による独特の香りが漂う。床は土間からコンクリートに替えられたが、大きな木桶はそのままに迫力のある姿を見せている。木桶を床面に置かず、浮かせて配置してあるのは、修繕が必要になった場合に下から潜り込めるからだという。蔵の中の階段を上ると、今度は木桶の中に仕込まれた、もろみの様子を上から見ることができる。床板は張り替えられているが趣深い天井の梁は昔のまま。そこに<strong>住み着いた酵母菌こそが天然醸造の醤油づくりの生命線</strong>だ。<strong>蔵付きの生きた酵母</strong>はまさに、岡直三郎商店の財産なのである。「残すべき伝統は守りつつ、徹底した安心安全との両立を目指していきます」と岡さん。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>「日本一」の名にふさわしい厳選材料</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/cae70d491d7c826d66ade654ea32ed72.jpg" alt="" class="wp-image-42984" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/cae70d491d7c826d66ade654ea32ed72.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/cae70d491d7c826d66ade654ea32ed72-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/cae70d491d7c826d66ade654ea32ed72-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>こうして岡直三郎商店が丹精込めてつくる伝統の天然醸造醤油は、じっくり発酵･熟成させた<strong>濃口醤油</strong>が基本。原料となる大豆は国産の丸大豆、小麦は群馬県産にこだわる。特に「<strong>日本一しょうゆ</strong>」（登録商標）と銘打ち、親しまれている「<strong>一番しぼり</strong>」、「<strong>二段仕込み</strong>」（一度仕上がった生醬油に再び麹を入れて二度仕込む醸造法）においては、国産大豆の中でも生産量が極めて少なく、<strong>希少な国産の有機丸大豆と有機小麦を100％使用</strong>している。この「日本一しょうゆ」の商標には、初代･近江商人の強い志が込められているのだ。<br>このほか小麦を使わず大豆と塩だけ発酵熟成させ、濃厚なうま味と塩味、独特の香りを持つ「<strong>たまり醤油</strong>」や、火入れ（加熱処理）をしていない天然酵母の生きた、搾りたての麹の香りと風味が楽しめる「<strong>生揚げ醤油</strong>」（きあげしょうゆ）も人気が高い。近年、ラーメン店から「生揚げ醤油を使いたい」という声が寄せられ、徐々に取引先を増やしているとのこと。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>お客様にもっと醤油の素晴らしさを伝えたい</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/02f76a4bd44d6fa99aa009d60d877708.jpg" alt="" class="wp-image-42985" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/02f76a4bd44d6fa99aa009d60d877708.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/02f76a4bd44d6fa99aa009d60d877708-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/02f76a4bd44d6fa99aa009d60d877708-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>古民家を改装した店内では、岡直三郎商店自慢の天然醸造醤油をはじめ醤油加工品も数多く並び、ショッピングが楽しめる。醤油のテイスティングもできるから好みの醤油を見つけることができる。ここで紹介したいのは二段仕込み醤油を使用した、この店舗でしか味わうことのできないソフトクリームの存在。コクのある濃厚な醤油と、甘くミルキーなソフトクリームとの思いも寄らない相性の良さにきっと誰もが驚くだろう。例えるならば「キャラメルのような深い味わい」だ。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/b1cea3e7b8de542b14484f4ef3cd4e3b.jpg" alt="" class="wp-image-42986" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/b1cea3e7b8de542b14484f4ef3cd4e3b.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/b1cea3e7b8de542b14484f4ef3cd4e3b-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/b1cea3e7b8de542b14484f4ef3cd4e3b-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>仕込蔵の見学も随時受け付けており、多くの観光客が蔵を訪れるようになった。奥座敷では観光客が買い物がてらくつろぐこともできる。このように町おこしによる地域貢献にも尽力している岡直三郎商店は、今では<strong>みどり市の観光名所</strong>のひとつとして地元から期待が寄せられている。</p>



<p>岡さんは「<strong>日本国内のみならず、世界中の方々においしい醤油文化を楽しんでいただくことが最大の目標です</strong>」と語る。江戸時代から二百有余年、代々受け継がれた仕込み桶を用い、職人が日々丹精込めて造る伝統製法の木桶仕込み天然醸造醤油。折しも2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本の食文化は海外からもおおいに関心が高まる昨今において、「日本一しょうゆ」の名が世界へと羽ばたく日はそう遠くはないはずだ。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/42977/">伝統の天然醸造にこだわる醤油づくり　創業200有余年「岡直三郎商店」／群馬県みどり市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>原点回帰とアップデート。現代のニーズに合わせた新たな醤油を追求する「野村醤油」</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 16 Jun 2023 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[醤油]]></category>
		<category><![CDATA[伝統]]></category>
		<category><![CDATA[福井県]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43410-1-1024x819.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>“天空の城”として知られる「越前大野城」の城下町・大野市は、名水百選の「御清水」など湧き水の宝庫。その名水で醸す「野村醤油」は、全国でも数少ない麹から自社製造にこだわる醤油蔵です。この産地ならではの甘い味わいの醤油、地元 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43410-1-1024x819.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p class="has-text-align-center"><strong>“天空の城”として知られる「越前大野城」の城下町・大野市は、名水百選の「御清水」など湧き水の宝庫。<br>その名水で醸す「野村醤油」は、全国でも数少ない麹から自社製造にこだわる醤油蔵です。<br>この産地ならではの甘い味わいの醤油、地元産の大豆のみで作る醤油など、<br>大野の風土が生きた醤油をお楽しみください。</strong></p>







<p>「野村醤油」は明治初期に創業した老舗の醤油蔵。6代目蔵元を務める野村明志さんは、先達が築いてきた蔵の伝統をしっかりと受け継ぎつつ、時代の変化をとらえた柔軟な発想で次々に新商品を開発し、醤油業界に新風を吹き込んでいる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">“名水のまち”で醸す伝統の醤油</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43436-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-37380" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43436-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43436-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43436-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43436.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>大野市は福井県の北東部に位置し、天空の城”として雲海による絶景で全国的な知名度を誇る「越前大野城」の城下町としても知られている。また<strong>湧き水の宝庫</strong>としても有名で、市街地には環境省が指定する名水百選に選ばれている「御清水」をはじめ、湧水地がいくつもある<strong>清らかな水の郷</strong>。その中心部に野村醤油の蔵があり、昔から地元のおいしい水で醤油を醸し続けている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">甘くてさらっとした福井の醤油</h3>



<p>現在、福井県内には野村醤油をはじめ、20社ほどの醤油メーカーが存在する。福井でつくられる醤油について野村さんは「福井を含む北陸の醤油には特徴があります。それは<strong>&nbsp;“甘い”醤油が多い</strong>こと。想像にはなりますが昔は甘いものが貴重で、甘い醤油は“おもてなし”のひとつだったのかもしれません」と話す。</p>



<p>ちなみに九州の醤油も甘いが、それがとろみを感じるテクスチャーなのに対し、福井の醤油はさらっとしている。基本的に色の薄いほうが塩分濃度が高いと言われる醤油。福井の醤油の色は濃口醤油と薄口醤油のちょうど中間くらいだ。甘くて程よくしょっぱい“良い塩梅（あんばい）”の醤油として、長く地元の人たちに親しまれてきた。野村醤油の定番商品「大野のおしょうゆ」も、甘くてさらっとした北陸ならではの醤油だ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">麹から作る稀有な蔵</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43106-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-37381" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43106-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43106-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43106-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43106.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>醤油ができるまでの工程は、まず蒸した大豆と炒った小麦を混ぜ、種麹を加えて「麹」を作る。これを塩水と一緒にタンクで仕込んで「もろみ」を作り、攪拌を重ねて発酵・熟成させてから搾ったままのものが「生揚醤油（きあげしょうゆ）」と呼ばれる。この生揚醤油に火入れして瓶詰したものが製品として流通する。生揚醤油に火入れをする際、砂糖や水あめといった糖類やアミノ酸などの調味料を加えると甘い醤油に仕上がる。</p>



<p>かつてはそれぞれの醤油蔵が生揚醤油から製造していたが、高度経済成長期に入ると大量生産･大量消費に対応するため、中小の蔵が組合を作り共同で生揚醤油を製造するケースが増えた。共同で作った生揚醤油を各蔵が仕入れ、火入れや味の調整を行って独自の商品に仕上げる方が設備投資のリスクを抑えることができ、コストも下がるので大手との価格競争を乗り切る上でもメリットがあった。</p>



<p>「全国には1000社近くの醤油メーカーがありますが、うちのように麹から作っている醤油蔵は各都道府県で１、2社しかない」と野村さんが言うように、現在においても野村醤油は<strong>麹から自家製</strong>にこだわり続けている。</p>



<p>「麹から作る蔵が少なくなったからこそ、自家製の麹が味の個性になる」と話す野村さんは、年間で気温変化の少ない冬場に麹を仕込む。それでも、最も気温が低い1月と春を迎える3月では条件が大きく変わるから、その変化に応じても種麹の量を調整し、醤油に最適と考える麹を作るのだそう。そして、発酵・熟成を進めるための温度調整は一切行わず、大野の四季の温度変化を生かして生揚醤油を作っている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">日本の大豆で醤油づくりを</h3>



<p>2013年に和食がユネスコ世界無形文化遺産に登録されて以降、和の料理に欠かせない醤油は、海外からの注目も高い。しかし、醤油の原材料である「大豆」の収穫はその年や地域によってばらつきが大きく、栽培する農家の数も減少しており、飼料用を含む全体の自給率はわずか6%。食用だけでも20%程度にとどまるのが現状だ。</p>



<p>「大豆の自給率の低さは、醤油業界が抱える大きな課題です。うちの蔵でも定番商品に使っているのはインド産の大豆がメインですが、国産の大豆を使った高単価の醤油づくりにもチャレンジしています」と野村さんは話す。</p>



<h3 class="wp-block-heading">伝統製法を「個性」に</h3>



<p>野村醤油の伝統を受け継いだ先代のもとで専務を務めていた野村さんは2007年、地元で青大豆を育てる農家からうちの大豆を醤油に使ってもらえないかと相談を受け、<strong>「青豆しょうゆ」というオリジナル商品</strong>を開発した。安価な醤油は粉砕した大豆で仕込むので早く作れるが、大豆を丸のまま仕込む「青豆しょうゆ」は発酵に時間がかかる。また、仕込みの際、温度を上げることで発酵は早く進むが、温度調整をしない野村醤油の蔵では、夏の暑い時期に発酵・熟成がゆっくりと進み、仕込みは2年がかりになる。希少な青大豆は仕入れ値も高く、製造に時間がかかるため販売価格は定番商品の約7〜8倍にもなるが、現在まで続くロングラン商品となっている。同商品は、火入れの際に糖類もアミノ酸も加えないので、青豆本来の特徴である自然な甘みが活きる。昨今の醤油業界で高く評価されているアミノ酸が多い醤油とはちがうが、今は、昔ながらの製法が個性になる時代。幸運なことに、野村醤油は昔からの製法を絶やさずに受け継いできた。それこそが、かけがえのない財産だと、野村さんは言う。</p>



<p>製造技術の進歩により、手頃な価格で手に入る大手メーカーの醤油は食卓にあって当たり前の調味料となった。逆に考えれば、地域ごとに存在する小規模な醤油蔵の商品を目にする機会は減っているということ。</p>



<p>それゆえ、蔵ごとに異なった醤油の個性を比較するということが、あまり現在ではなくなってしまった。青豆しょうゆは、その<strong>&nbsp;“昔の当たり前”&nbsp;</strong>に戻ることを付加価値にした商品だ。しかし原点回帰だけでは時代の変化に対応できないという危機感も持ち合わせていた野村さんは、新しい取り組みも進めていた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">新商品で醤油の未来をひらく</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43325-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-37384" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43325-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43325-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43325-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43325.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p> </p>



<p>「ちょうど私が生まれた1973年をピークに、醤油の出荷量は減少を続けています」と野村さんが言うように、ひとり当たりの年間消費量も1973年から2021年の約50年でおおよそ半分まで減少した。「極端な言い方にはなりますが、うちの定番商品のような糖類やアミノ酸を加える醤油はこれ以上伸びることはない」と野村さんは断言する。食の多様化、単身世帯の増加、外食や中食の台頭といった時代変化の中で、家庭で下ごしらえが必要な調理をする機会は大きく減少。醤油は卓上に置いてかけるだけ、という使い方が圧倒的に増えた。そんな中で野村さんが活路を見出したのは、何にでも合う醤油ではなく、<strong>「この料理にはこの醤油」</strong>というニッチな新商品の開発だった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">福井名物専用の醤油ダレを開発</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43541-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-37385" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43541-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43541-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43541-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43541.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>新商品は認知されるまでに時間がかかる。しかも野村醤油のように小さな蔵は、新商品を大々的にPRしたり、発売のタイミングに合わせてスーパーなど小売店の棚を確保するのは難しい。そこで野村醤油は、地域で知られている名物料理の味わいをさらにアップするような専用の醤油ダレを作ることに取り組み、蔵としての認知度を向上させる施策に打って出る。</p>



<p>その先駆けとなったのが、2003年に先代が福井県内のほかの醤油蔵と共同で開発し商品化した、<strong>福井名物「おろしそば」の専用つゆ</strong>。醤油をベースに甘味を抑え、そばの香りやおろしの辛味が活きるような味わいに仕上げた。</p>



<p>その後、2009年に先代から蔵を継いだ野村さんが福井名物であるソースカツ丼から着想を得た「醤油カツ丼」を考案し、福井県内50以上の飲食店でメニュー化させることに成功。自ら普及させた醤油カツ丼専用の<strong>「アッサリたれ 醤油カツ丼」</strong>の商品化を皮切りに、新商品開発を加速させていく。</p>



<p>醤油蔵がこのようなつゆやたれを開発できたのは、父である先代が野村さんがまだ幼い頃から研究を重ねてきたから。付き合いのあった製麺所からそばつゆを作れないかと相談を受けた先代は手鍋での試作から始め、大手食品メーカー出身の専門家にコンサルを依頼。レシピ開発や必要な設備、衛生管理などの助言を受けながら開発に取り組んだ。そして何より、つゆやたれの主たる原料である「醤油」がすぐ手元にあるのが大きかったと野村さんは言う。「これが食品メーカーさんだと醤油を仕入れなくてはなりませんが、うちにはそれこそ醤油だけなら売るほどあります。それに醤油は瓶詰めしてからも賞味期限が１年以上あるので、出荷が減って増えた在庫をつゆやたれに活用して新しい価値を生み出せるのも強みです」</p>



<h3 class="wp-block-heading">大野名物を生かした醤油ダレも</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43463-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-37386" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43463-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43463-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43463-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43463.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>2014年には、地元である大野市に根付いた名産に目を向けた「焼魚にあうおしょうゆ」を発売。大野には夏至から数えて11日目の「半夏生（はんげしょう）」に丸焼きのサバを食べる風習があり、そのサバに合うようにと旨味を強くした商品だ。また、2017年には<strong>「里芋ころ煮だし」</strong>と<strong>「舞茸ポン酢」</strong>を開発。里芋のころ煮だしは、500ｇの里芋に加えて煮るだけで、水を使わず簡単に大野の郷土料理「里芋のころ煮」を作れる簡単調味料。一方、舞茸ポン酢は、大野名産の「九頭竜（くずりゅう）まいたけ」を加工するメーカーから大量に出る煮汁を活用し、舞茸の旨味たっぷりで酸味がまろやかなポン酢に仕上げたアイデア商品だ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">消費者との関わりを活発に</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43117-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-37389" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43117-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43117-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43117-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/7M43117.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>福井名物に特化した新しい醤油商品の開発に手応えを得た野村さんは、福井の醤油を身近に感じてもらうための取り組みも開始。2016年には野村醤油の敷地内に<strong>「体験蔵 重右ェ門（じゅうえもん）」を</strong>オープンした。熟成中のもろみを櫂（かい）棒を使ってかき混ぜる「櫂入れ」を体験したり、熟成した「諸味」を搾る様子を目の前で見られる施設で、子どもから大人まで幅広い層に伝統的な醤油づくりを伝えることができる。</p>



<p>2019年には、インターネット通販を手掛ける地元の会社と共同で<strong>「名前のない生醤油」</strong>を発売した。スーパーなどに並ぶ一般的な醤油は火入れして発酵をとめたもので、味に丸みがあり香ばしさを感じる。また、「生醤油」と書かれていても火入れはしていないが発酵を進める菌を取り除いている場合が多い。一方、「名前のない生醤油」は搾ってから火入れも菌も取り除いていない「生揚醤油」を瓶詰めする。生醤油は味が濃厚で、フレッシュな酸味があるのが特徴だ。「名前のない生醤油」の材料には、大野在来品種の「大だるま」という大豆、福井県産の小麦「ふくこむぎ」、そして大野の水を使用。これも大豆を丸のまま仕込み、温度調整をせずに発酵・熟成させるので、完成までに2年を要する。そこで、発売の2年前から福井市のそば店の協力を得て「生醤油倶楽部（きじょうゆくらぶ）」というコミュニティをつくり、料理への生醤油の使い方や、醤油の伝統的な製法、原材料へのこだわりをイベントやSNSを通して発信を続けた。併せてクラウドファンディングにも挑戦し、目標金額を大きく上回った。まさに、“モノ”だけでなく“ヒト”や“コト”も動かすプロジェクトとなった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">醤油の魅力を未来に</h3>



<p>小さな蔵の挑戦の数々は知名度を着実に高め、次第に県外の有名シェフや高級ブランドからコラボの話が舞い込むようになった。2020年、北陸･東北･北海道新幹線のグランクラスの軽食メニューに使う醤油として野村醤油の商品が採用された。監修したのは、ミシュランで2つ星を獲得した「日本料理 一凛」の橋本幹造シェフ。シェフから野村さんに「日本食再発見」をテーマにした献立に合う醤油が欲しいとのオファーがあり、「名前のない生醤油」を特別に火入れして提供した。</p>



<p>2021年には、チョコレートの高級ブランド「ゴディバ」が展開する「GODIVA café Tokyo」にて、福井県とのコラボで提供した「ビーガンサラダヌードル」の食材として舞茸ぽん酢が採用された。こうして次々とフィールドを広げていく野村醤油。</p>



<p>蔵元の野村さんは「これからも醤油作りの原点を大切にしながら、“いま求められる”醤油を追求していきます」と語る。</p>



<p>醤油は蔵ごとに個性があり、料理によって使い分けることでより味わいが引き立つ。この“古くて新しい”醤油の魅力を、野村醤油はこれからも伝えていく。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="683" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/91d84d13d94aa0ce9e3dcbda5718098b-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-48469" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/91d84d13d94aa0ce9e3dcbda5718098b-1024x683.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/91d84d13d94aa0ce9e3dcbda5718098b-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/91d84d13d94aa0ce9e3dcbda5718098b-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/91d84d13d94aa0ce9e3dcbda5718098b.jpg 1200w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">野村醤油6代目　野村明志さん</figcaption></figure></div>


<p>「野村醤油」が創業した明治初期と現代では、醤油造りを取り巻く状況は大きく異なります。大豆は輸入に頼るようになり、麹造りから醤油を作るメーカーはわずかになりました。伝統を守る蔵の一つとして、「野村醤油」が作り出す味はどうあるべきかを日々模索しています。また、美味しいが当たり前になった今、プラスアルファの魅力も創造してまいります。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/37376/">原点回帰とアップデート。現代のニーズに合わせた新たな醤油を追求する「野村醤油」</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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			</item>
		<item>
		<title>宮崎県の文化や風土が生んだ南国の味を世界に広める「⻑友味噌醤油醸造元」</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/36945/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 15 May 2023 01:00:48 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[味噌]]></category>
		<category><![CDATA[醤油]]></category>
		<category><![CDATA[自家製]]></category>
		<category><![CDATA[麹]]></category>
		<category><![CDATA[宮崎]]></category>
		<category><![CDATA[宮崎県]]></category>
		<category><![CDATA[麦味噌]]></category>
		<category><![CDATA[調味料]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1596-1-1024x819.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>明治時代に創業して以来、140年余りにわたって続く老舗の味噌・醤油の醸造元です。職人の丁寧な手仕事による自家製の味を大切にしていて、素材の味がしっかり生きた麦味噌や「甘み」を生かした醤油など、南九州特有の食文化を守り続け [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1596-1-1024x819.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p class="has-text-align-center"><strong>明治時代に創業して以来、140年余りにわたって続く老舗の味噌・醤油の醸造元です。<br>職人の丁寧な手仕事による自家製の味を大切にしていて、素材の味がしっかり生きた麦味噌や「甘み」を生かした醤油など、<br>南九州特有の食文化を守り続けています。</strong></p>







<p>宮崎県宮崎市に1877年に創業した「⻑友味噌醤油醸造元（ながともみそしょうゆじょうぞうもと）」は、現在、国内はもとよりアジア各国でも多くのファンを獲得してる小さな醸造元だ。ここで日々仕込まれているのは、南国の食文化に合わせた甘い味噌と醤油。そんな南国ならではの味を作り、守り続ける南国の醸造蔵を訪ねた。</p>







<h2 class="wp-block-heading">九州南東部。宮崎県宮崎市にある「⻑友味噌醤油醸造元」へ</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1603-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-36955" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1603-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1603-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1603-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1603.jpg 1280w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>日照時間、快晴日数ともに全国トップクラスを誇る明るくて温暖な気候から、奈良時代に編纂された古事記などの歴史的文献に「ここは朝日の直射す国、夕日の日照る国なり」「この国は直に日の出づる方に向きけり」などと記され、古くは「日向国（ひゅうがのくに）」と呼ばれていた宮崎県。</p>



<p>その中央に位置する宮崎市の沿岸·青島地区は、亜熱帯植物がきらめく「青島海岸」や「宮交ボタニカルガーデン」、地元では“鬼の洗濯板”と呼ばれる、波状岩に囲まれたパワースポット「青島」といった観光名所が点在し、特に南国風情が色濃く漂うエリアだ。このようにリゾート地としてのイメージが強い青島地区だが、古くから漁業が盛んに行われる港町としての顔も併せ持つ。そんな海辺の集落の一角に、およそ150年にわたり地域に密着して醸造を行う「長友味噌醤油醸造元」がある。</p>







<h2 class="wp-block-heading">港町で育まれた⻑友味噌醤油醸造元の味</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1545-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-36958" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1545-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1545-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1545-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1545.jpg 1280w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>太平洋に面した港町·青島。潮の香り漂う集落の一角にある、1877年創業の「⻑友味噌醤油醸造元」では、<strong>ほぼ全ての工程を熟練職人たちが手作業で行い、自家製の麹を用いた昔ながらの製法で麦味噌、甘口醤油を熟成させ作っている。</strong>丁寧な仕事に<strong>地元の人の嗜好を加えた味噌と醤油は、甘く濃く香り高い。 </strong>これこそ宮崎の食文化を引き立てる、地域に根ざした味わいだ。</p>







<h3 class="wp-block-heading">異色の経歴を持つ4代目・塩見裕一郎さん、陽子さん</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A3221-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-36961" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A3221-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A3221-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A3221-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A3221.jpg 1280w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>醸造蔵の前でにこやかに迎えてくれたのは、塩見裕一郎さん･陽子さん夫妻。ふたりは、およそ15年前に4代目として⻑友味噌醤油醸造元を継ぐまで、醸造業とはまったく異なる仕事に就いていた。</p>



<p>都内の大学を卒業後、実家の醸造蔵を継がずにスイスの金融関係の企業へ就職した陽子さん。そこで出会った裕一郎さんと結婚し、シンガポールに生活の拠点を移した。 もともと跡を継ぐ気はなく、海外での生活を望んでいた陽子さんだったが、日本を離れたことがきっかけで、改めて日本固有の食文化である味噌･醤油の素晴らしさを感じていた。そんな最中、陽子さんの父である3代目･長友昭彦さんが病に倒れたという知らせが入る。 不意に訪れた家業存続の危機―。</p>



<p>創業から現在まで約150年間、変わらず地元に愛されてきた味を守り継ぐべきか、あるいは今の生活を続けるか。</p>



<p>生活すら一変してしまう究極の選択に思い悩む日々を送っていた陽子さんだったが「世界的に見ても100年以上続いている会社は少ない。やめてしまって後悔する前にまずはチャレンジしてみてはどうか？」という裕一郎さんのアドバイスに背中を押され、すぐさま帰郷。実家に戻り、いよいよ本格的に味噌･醤油職人としての道を歩み始める。</p>







<h3 class="wp-block-heading">南九州・宮崎市青島の風土・食文化が育む「甘さ」</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1576-2-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-36966" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1576-2-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1576-2-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1576-2-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1576-2.jpg 1280w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p><strong>⻑友味噌醤油醸造元のある南九州の醤油･味噌は、全国的に普及しているものと比較すると甘みが</strong>強いのをご存知だろうか。その理由には諸説あるが、主に土地の風土や食文化が関わっているといわれる。漁師が船上で釣れたばかりの魚を捌いて刺身にして食べる際、脂ののった新鮮な身に、甘くとろみのある醤油をしっかりとまとわせるのを好んだからだとか、九州地方でよく作られている焼酎が、糖分を含まない蒸留酒であるため甘みのある肴に非常に合うからだとか。</p>



<p>また歴史的な経緯も考えられるのだそう。日本が鎖国をしていた江戸時代、唯一の貿易港として開かれていたのが長崎の出島だったため、そこから砂糖が国内に入ってきて、やがて長崎街道を中心とした通称･シュガーロードを辿って九州全域に広がっていった。 このような背景から、高級品であった砂糖が比較的入手しやすい環境であったため、“甘さこそ客人へのもてなし”という食文化が根付いていった。これが和食のベースとなる醤油･味噌にも少なからず影響を与えたと考えるのは自然。甘い料理は、南国の暑さをしのぐ“滋養”としての意味もあったとも言われている。</p>







<h3 class="wp-block-heading">⻑友味噌醤油醸造元の味噌・醤油の味を世界へ</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A3239-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-36971" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A3239-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A3239-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A3239-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A3239.jpg 1280w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>⻑友味噌醤油醸造元では全ての工程において職人の手仕事を大切にしているため、もちろん体力的な作業の大変さは想像に難くない。しかし、それ以上に苦労したのが、国内での販路の確保だったと塩見さん夫妻は話す。その理由は、先に述べた南九州特有の味噌･醤油の甘さにあった。<strong>「味噌や醤油への嗜好は、土地に根付いた味、各家庭の慣れ親しんだ味に強く影響されます</strong>。私たちが作る甘い醤油や麦味噌は九州以外ではあまり馴染みがなく、営業活動が難航しました。そこで海外に目を向けることにしたんです」。</p>



<p>そう、長友味噌醤油醸造元が成功へ転じたきっかけは、海外での生活や経験、知識を生かした戦略。味噌や醤油がニッチと思われていたアジア圏への輸出がその鍵となったのだ。</p>



<p>「海外での生活を通して、アジア圏の地の利、国民性、食文化等を肌身で感じていましたので、外国で求められる要素はある程度把握できていました」と陽子さん。<strong>10年ほど前からシンガポールや香港など、アジア圏への営業を開始すると、瞬く間に高評価を得ていく。&nbsp;</strong>その人気ぶりは、店舗に商品が並んで3日で売り切れてしまうほどだった。</p>



<p>「シンガポールでは薬膳料理で大麦を食べる文化があるので、麦味噌で勝負すべきだと考えました。結果、見事に的中。シンガポールの経済は移住中国人の子孫である華僑が回していると言っても過言ではないので、彼らが好む“ゴールデンカラー”の味噌は非常によく売れるんです」と、陽子さん。</p>



<p>実直な商品づくりはもちろん、的確なマーケティング戦略、⻑友味噌醤油醸造元の強みである“甘さ”と温暖な地域の食文化との親和性も成功の要因だろう。</p>







<h3 class="wp-block-heading">現地で体感する日本食の需要</h3>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1607-1-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-36974" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1607-1-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1607-1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1607-1-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1607-1.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>







<p>海外での実演販売の際は必ず店頭に立つというふたり。その理由は、接客することで自分たちが今何を求められているのかを肌で感じ、勉強するためなのだそう。 外国にいると、日本人である自分が自分たちの住む国について知らないことが多いという事実に気付く場面がしばしばあり、そんな時に海外から見た日本の価値を勉強しなければと強く感じたという。</p>



<p><strong>「特に味噌･醤油づくりを生業にして以来、日本の食文化に敬意を持ち、価値を守って欲しいと心から応援してくれる多くの外国人に出会います。 </strong>その声は私たちを励ますと同時に、さらに味噌･醤油づくりへの情熱を高めてくれます」と微笑む。</p>







<h2 class="wp-block-heading">青島の台所で愛される味を世界へ。⻑友味噌醤油醸造元の挑戦</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1605-1-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-36985" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1605-1-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1605-1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1605-1-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/05/290A1605-1.jpg 1280w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>船での運搬が主流だった時代、長友味噌醤油醸造元でつくられる味噌や醤油は、醸造所傍を流れる突浪川に設置された船着場から直接出荷されていたという。突浪川はほどなく大海原につながり、その河口付近の港では多くの魚が水揚げされてきた。</p>



<p>そのため、この地域の台所にならぶ甘い味噌や醤油は、昔から魚介をはじめとする青島の豊かな食材のおいしさを引き立たせ、現在に至っても食卓を賑やかに彩り続けている。こんなにも良い食材に恵まれた地域なのだから、時代の流れと共にインフラは整備され次第に運搬の手段は変わったものの、青島に暮らす人たちの食文化は約150年前からあまり変わっていないのではないだろうか。</p>



<p>「<strong>これから先も変わらず、地元のお客様に愛され続ける味をつくっていくのが目標</strong>」と塩見さん夫妻。「さらに<strong>青島の伝統、日本の食文化の魅力を、世界に向けて発信できればうれしい</strong>です」と朗らかに、そして力強く話す。海外での様々な経験を経て、改めて感じた伝統の味の素晴らしさ。それを世界に広めるため、海を超え、時代を超えて長友味噌醤油醸造元のストーリーは編まれていく。</p>






<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/89-kao.jpeg" alt="" class="wp-image-49030" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/89-kao.jpeg 920w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/89-kao-300x200.jpeg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/89-kao-768x512.jpeg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /><figcaption class="wp-element-caption">長友味噌醤油醸造元・カネナ　味噌ソムリエ 長友陽子さん</figcaption></figure></div>


<p>代々受け継いできた歴史と伝統を尊重しながら、時代に沿ったものづくりを目標にしています。家族が守り残してくれたものを誇りに思う気持ちを忘れず、これからも丁寧な醸造を心がけ、皆様に愛される味わいを作り出していきます。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/36945/">宮崎県の文化や風土が生んだ南国の味を世界に広める「⻑友味噌醤油醸造元」</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>蕎麦の名店や人気料亭から絶大な支持を受ける醤油蔵「大久保醸造」/長野県松本市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 02 Nov 2022 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[醤油]]></category>
		<category><![CDATA[長野県]]></category>
		<category><![CDATA[松本市]]></category>
		<category><![CDATA[醤油蔵]]></category>
		<category><![CDATA[大久保醸造]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/11/main-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>長野県松本市にある「大久保醸造」は、地元信州ばかりではなく、北は北海道、南は九州まで全国各地、名だたるそばの名店から絶大な支持を受ける醤油蔵。その人気の高さゆえ、同蔵の醤油をかえしとして使用していることを、わざわざ店頭へ [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/33596/">蕎麦の名店や人気料亭から絶大な支持を受ける醤油蔵「大久保醸造」/長野県松本市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/11/main-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>長野県松本市にある「大久保醸造」は、地元信州ばかりではなく、北は北海道、南は九州まで全国各地、名だたるそばの名店から絶大な支持を受ける醤油蔵。その人気の高さゆえ、同蔵の醤油をかえしとして使用していることを、わざわざ店頭へ貼り出して強調するそば屋も少なくない。</p>



<p>そんな大久保醸造が2021年、日本の優れた“おもてなし心”あふれる商品･サービスを発掘し、世界に広めることを目的に創設されたアワード「OMOTENASHI Selection（おもてなしセレクション）」にて、並み居る全国の優良商品を抑えて金賞を受賞した。これにより、飲食店への流通ばかりでなく、世界のメジャーなグロサリーを相手に十分に戦っていけるということが証明され、さらなる注目を集めている大久保醸造。長野県を牽引する蔵として、どのような醤油造りを目指しているのだろうか。</p>



<h2 class="wp-block-heading">明治からつづく技術のトレースが生む“個”</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/11/kiji1-1.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<p>明治38年（1905年）創業の「大久保醸造」。四代に渡って培ってきた技術や知見、製法にこだわって造る醤油は、前述したとおり有名料理店や料理研究家からも絶大な信頼を得ている。この蔵の四代目であり、専務取締役を務める大久保勝美さんは、自身が醸造の中心を担うようになった現在でも、先代のやり方を忠実にトレースしている。その最たるが、木桶で仕込む天然醸造の醤油だ。</p>



<p>仕込みの部屋にところ狭しと並んだ木桶は代々使用されている年代物。現在多く普及しているステンレスタンクのほうが味も安定するし、管理や清掃も簡単。だが大久保さんは木桶を使い続けることにこだわっている。その理由は木材の特性である呼吸と、そこに棲み着く蔵付きの菌。これが味に個性と奥行きを生み出すファクターとなるのだ。もちろんステンレスタンクとちがい、天然の素材だから手をかけることも大切。</p>



<p>蔵で使われる木桶は、勝美さんの父であり、社長の文靖さんが、自ら漆を塗ってケアをしている。自分の身長の倍以上ある木桶が10基。ひとつ塗るだけでも大変な重労働だと思うが、それでも天然醸造を貫くうえで欠かせない仕事だという。こうした仕事に対する姿勢や所作は、木桶のケアに限らず蔵のいたるところで感じることができる。趣のある蔵に相反した清潔感や整備された導線など、醸造技術以外の部分で商品の質を高める日々の気配りもそのひとつだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">限られた敷地を最大限有効活用する工夫</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/11/kiji2-1.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<p>蔵元四代目にあたる勝美さんは自蔵を案内しながらも「うちの蔵には、あまり見映えのいいところがないんですよ。増築を繰り返して現在の姿になっているので。」と謙遜する。たしかに、蔵の中には趣のある場所もあれば、工業的な大型機械が並ぶインダストリアルな内観もある。これは先代の文靖さんが限られた敷地で、代々築いてきた良い伝統を守りながら、いかに効率よく醸造を行っていくかを考え、自蔵をアップデートしていった結果そのもの。</p>



<p>原料庫から運び上げた大豆や小麦を3階で処理し、それを麹室のある2階に下ろして、さらに1階で待ち構える木桶に下ろして仕込むという一連の流れは移動するというよりは落としていくといった感じ。まさに限られた敷地を有効活用する醤油づくりの模範のようだ。その中でも、ひときわ目を引いたのが3階の天井に吊られた炒った小麦を製麹するタンクへ流し込む2台の装置。そもそもなぜ同じ小麦を流し込むのに別々の機械が必要なのかという疑問も生じるが、その理由は混ざりやすさなのだとか。</p>



<p>醤油をつくるうえで重要な工程である製麹作業の原料となる小麦。炒ってから挽き割っているのだが、この大きさが均一な状態よりも大小の差があるほうがよく混ざるのだと言う。この挽き割った小麦を製麹するタンクの真上へ、レール伝いに移動するように設計されているのだが、その際レール上で2台の装置がお互いの進路を妨げないよう、導線が切り替わる構造になっている。これは、線路の切り替えの構造を参考に、文靖さんが独自に考えたもの。このように蔵中に工夫を張り巡らせ、効率の良い作業の導線を作ることでなるべく工程の無駄を省き、余ったリソースをより良い醤油造りに向けているのだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">素材へのこだわり</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/11/kiji3-1.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<p>木桶を使って長期間熟成させる天然醸造や、味にふくらみを持たせる追い麹、袋に入れる独自の絞り工程など、醸造技法へのこだわりについてはもちろんだが、大久保醸造では素材にも相当こだわっている。</p>



<p>小麦は県内産のものを使用。塩はミネラル分が多く、塩角がないシママースを使う。なかでも、大豆へのこだわりは非常に強い。大豆は青森県の福士武造さんという農家から直接購入。青森県産というとあまりピンと来ないが、東北の肥沃な大地に水を張らずに直蒔きで種を蒔き、無農薬有機栽培で作られたその大豆の素晴らしさは豆を洗った瞬間からわかるのだという。</p>



<p>そのクオリティは、これまで数多くの大豆を見て味わってきた大久保さんの経験を以てしても「惚れ惚れするような豆」と言わしめるほど。この大豆と出合って以降、醤油の評判は一段と上がったように感じている。この大豆にしろ、前述した小麦や塩にしろ、一貫して作り手の顔が見える原材料を使うことを信条としている勝美さん。そのこだわりは醤油の品質の高さにも現れている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">良い醤油造りは環境への配慮から</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/11/kiji4-1.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<p>醸造技法や素材と並び、もうひとつ大久保醸造がこだわっているものがある。それが環境への配慮だ。そもそも醤油は微生物などをはじめ、自然の力で造られているものだから、その根源でもある“自然”を美しく保つことこそ大事だと考えている大久保さん親子。</p>



<p>文靖さんは昭和40年代からすでに、初取引のお客様から預り金をもらって瓶をリユースするデポジットを採用していた。これは、近隣に限らず全国どこでも。こうして瓶を出荷先で廃棄せずに回収することで環境保全に一役買っている。もちろん自分たちでできることは些細なことかもしれない。しかし、やらないよりはマシ。</p>



<p>何事も小さな一歩が大切だと思い、今日までずっと続けてきた。そして現在、文靖さんのフィロソフィは勝美さんに引き継がれ、大久保醸造の新たな伝統を紡ぎはじめている。  </p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/33596/">蕎麦の名店や人気料亭から絶大な支持を受ける醤油蔵「大久保醸造」/長野県松本市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>未来を模索し7代目当主が選んだ発酵の進化「ヤマモ味噌醤油醸造元」／秋田県湯沢市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 30 May 2022 06:18:36 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[醤油]]></category>
		<category><![CDATA[酵母]]></category>
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		<category><![CDATA[発酵]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/05/main-8.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「ヤマモ味噌醤油醸造元」、変革のはじまり 秋田県南部を流れる皆瀬川は、小安峡を下り、稲庭うどんの里を潤し、成瀬川と合流して湯沢の町に出る。さらに下れば県南一の大河である雄物川とも合流するこの一級河川は、地域に滋養をもたら [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/31940/">未来を模索し7代目当主が選んだ発酵の進化「ヤマモ味噌醤油醸造元」／秋田県湯沢市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/05/main-8.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><h2 class="wp-block-heading">「ヤマモ味噌醤油醸造元」、変革のはじまり</h2>



<p>秋田県南部を流れる皆瀬川は、小安峡を下り、稲庭うどんの里を潤し、成瀬川と合流して湯沢の町に出る。さらに下れば県南一の大河である雄物川とも合流するこの一級河川は、地域に滋養をもたらす豊かな川だ。1867年、皆瀬川の近くで味噌醤油造りを始めたのが「<a href="https://yamamo1867.com/" target="_blank" rel="noopener" title="ヤマモ味噌醤油醸造元">ヤマモ味噌醤油醸造元</a>」の創業者・高橋茂助である。美しい水は味噌醤油造りに欠かせない、そして川が近くにあれば、船での運搬もできる。こうして、蔵は少しずつ販路を広げ大きくなってきた。150年の時が過ぎ、ヤマモ味噌醤油醸造元は7代目当主・高橋泰さんが継いでいる。名に「安泰」の泰が刻まれているが、泰さんが最初に選んだのは変革の道だ。</p>



<p>それまでは建築の世界を目指していたが、27歳の時、秋田に戻り家業を継いだ。誰かが継ぐなら自分が継ごう、誰かが潰すことになるのならそれは自分の代にであってほしい、と知らずと自身の心の中にしっかりと住み着いていた蔵への愛が継ぐ決断をさせたのだ。とはいいながらも北国・秋田の小さな蔵の閉塞感。泰さんは「これではダメだ」と感じた。なにしろ自分自身が味噌醤油の仕事に魅力を感じない。それなら自分で変えるしかないと、たった1人で会社のリブランディングを手がけ始めた。</p>



<figure class="wp-block-image"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/05/kiji2-7.jpg" alt="" class="wp-image-27662"/></figure>



<h2 class="wp-block-heading">海外への挑戦と蔵の刷新</h2>



<p><span class="swl-marker mark_yellow">最初から目を向けたのは海外だった。</span>誇り高い日本の伝統文化を海外に発信していく使命を自分が担うのだという決意もあった。醤油のラベルを日英表記にし、外国語対応の公式HPを制作、伝統産業の良さを残しながらも、その過程から生まれたデザインは、従来とは180度違うもののように見えた。いや、傍目には「違うもの」としか映らない。古参の社員とぶつかり、ついには両親とも衝突する。疲弊し迷う日々、それでも仕事の成果が泰さんを後押しする。<span class="swl-marker mark_yellow">海外貿易に取り組んだ2年目で台湾での取引が始まり、翌年には海外での展示会に積極的に出品し本格的な海外進出を果たした。</span>また、<span class="swl-marker mark_yellow">2013年にはグッドデザイン賞を受賞</span>するなど、業界でも注目を集める存在へとなっていく。そして代々大切に受け継がれてきた高橋家邸宅の庭を見学の一部とした<span class="swl-marker mark_yellow">ファクトリーツアーを企画</span>するなど、蔵内を以前とはまったく異なる体験型蔵元へと刷新した。さらに、<span class="swl-marker mark_yellow">庭の景色を楽しみながら特殊酵母を使った料理だけでコースをつなぐ「<a href="https://yamamo1867.com/cafe/" target="_blank" rel="noopener" title="YAMAMO GARDEN CAFE">YAMAMO GARDEN CAFE</a>」をオープンした。</span></p>



<figure class="wp-block-image"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/05/kiji3-7.jpg" alt="" class="wp-image-27663"/></figure>



<h3 class="wp-block-heading">変革の裏で、酵母「Viamver®」の発見と新たな可能性</h3>



<p>カフェの料理提供の裏には、伝統産業の革新の陰で、泰さんが行い続けた「試験醸造」がある。会社を継いでから泰さんは味噌醤油以外の業界で使われる菌を積極的に使用したり、他業種の技術応用を取り入れてみたりと様々な実験を重ねてきた。その前例にない実験が自社の特殊な蔵付き酵母菌が旨味を多量に醸成するという事実の発見に至った。さらに、味噌の醸造に活用される酵母菌は好塩性といい、塩のある環境下で活発に活躍するものが多いとされる。しかしこの酵母菌は、好塩性であるだけでなく、塩がなくても生きて活躍でき、またアルコールを６％近く生成する能力を持つ特殊な菌だということが分かった。<span class="swl-marker mark_yellow">「魚介由来の旨味にフルーツや吟醸香にも似た華やかな香り、そして肉質改善やマスキング効果などの効能も併せ持った酵母でした」</span>と泰さん。10年に及ぶ試験醸造を繰り返し発見されたこの酵母は<span class="swl-marker mark_yellow">「Viamver®（ヴィアンヴァー）」</span>と名付けられ2020年度には「日本醸造学会」で発表し、2022年には存在としての微生物特許とそれを用いた発酵物の製法特許が認められた。 この新たな酵母を使い、新しい発酵調味料への転用や、Viamver®酵母使用のナチュラルワインの醸造に成功。現在ではパンやバター、チーズの製造も可能としている。さらに、同酵母を用いたナチュラルビールやどぶろく醸造とViamver®酵母の可能性に挑戦している。</p>



<figure class="wp-block-image"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/05/kiji4-6.jpg" alt="" class="wp-image-27662"/></figure>



<p class="has-text-align-center"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/05/kiji5-1.jpg" alt="" style="width: 640px;"></p>



<h2 class="wp-block-heading">伝統と変革の先に</h2>



<p><span class="swl-marker mark_yellow">「YAMAMO GARDEN CAFE」では肉料理や魚料理だけでなく、デザートやドリンクにもViamver®酵母を使ったフルコースを提供している。</span>単一酵母によるペアリングやコース料理の提供を発酵の新たな可能性と捉え、国内外から人を招き入れるオーベルジュを視野に取り組みを進めている。趣ある蔵内を見学しながら蔵が歩んできた歴史に触れてもらう。そして美しい庭を愛でながら料理を通じて発酵調味料の進化を知ってもらう。泰さんはこうした体験が人々の記憶に永くとどまり、愛され続ける蔵になるきっかけだと考えている。人々の記憶に残る事こそが長く紡いできた先代たちの想いを受け継ぎ、次に繋いで行くことの本質だと考えているからだろう。 伝統の蔵元に次々と新たなシーンを加えていく泰さん。「変らないこと」を求められる伝統と、「新しいものを生み出す」変革とを融合させることで地域の再生を目指し、生まれ育ったこの地に新たな伝統を紡ぎたいと話す。これからもどんな革新をヤマモ味噌醤油醸造元にもたらすのか、そのプロダクトが伝統産業の枠をどれほど超えていくのか、楽しみでならない。<br></p>


<div class="swell-block-postLink">			<div class="p-blogCard -internal" data-type="type1" data-onclick="clickLink">
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						<a class="p-blogCard__title" href="https://nihonmono.jp/article/21129/">日本三大魚醤「しょっつる」株式会社諸井醸造／秋田県男鹿市</a>
						<span class="p-blogCard__excerpt">日本に伝わる魚醤（ぎょしょう） 魚を原料にした調味料は東南アジア一帯で多く見られる。例えばタイのナンプラーもそう。ほかにベトナムのヌクマムなど、魚醤は多くの国&#8230;</span>					</div>
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						<a class="p-blogCard__title" href="https://nihonmono.jp/article/20919/">160年続く老舗の「秋田味噌」石孫本店／秋田県湯沢市</a>
						<span class="p-blogCard__excerpt">文化財指定の蔵「石孫本店」 まずその蔵の美しさに目が止まる。文化庁指定登録有形文化財に登録されている6つの蔵はいずれも1883年から1916年までのあいだに建てられた&#8230;</span>					</div>
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		</div><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/31940/">未来を模索し7代目当主が選んだ発酵の進化「ヤマモ味噌醤油醸造元」／秋田県湯沢市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>2年間熟成の天然醸造にこだわる老舗醤油蔵「丸秀醤油」／佐賀県佐賀市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/27647/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 02 Nov 2020 09:14:16 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[醤油]]></category>
		<category><![CDATA[発酵食品]]></category>
		<category><![CDATA[佐賀県]]></category>
		<category><![CDATA[佐賀市]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/11/kiji3.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>丸秀醤油こだわりの天然醸造 大豆と小麦と塩、そして水だけ。創業1901年、佐賀県佐賀市の老舗醤油蔵、丸秀醤油では、最近では珍しくなった天然醸造、2年間熟成させることにこだわっている。「一般的に販売されている醤油は、乳酸菌 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/11/kiji3.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><h2 class="wp-block-heading">丸秀醤油こだわりの天然醸造</h2>



<p>大豆と小麦と塩、そして水だけ。創業1901年、佐賀県佐賀市の老舗醤油蔵、<span class="swl-marker mark_yellow">丸秀醤油では、最近では珍しくなった天然醸造、2年間熟成させることにこだわっている。</span><br>「一般的に販売されている醤油は、乳酸菌や酵母を人為的に加えたり、もろみの温度を管理して強制的に発酵させています。そうすると３〜５ヶ月程度で醤油ができあがるんですが、うちでは蔵に住みついた自然の菌だけを使いますから発酵に２年かかります。昔ながらの造り方ですが、こうして造った天然醸造の醤油はまるでフルーツのような香りになるんです」</p>



<h3 class="wp-block-heading">まろやかでさわやかな丸秀醤油</h3>



<p>ワイングラスに醤油をいれて、その香りを楽しむ。確かにここの醤油の香りは普通の醤油と違い、まろやかでさわやか。その奥にあるコクや旨味も伝わってくる。ちなみに発酵が長ければいいというものではなく、「３年だと香りはさらによくなるんですが、そのぶん旨味がなくなってしまいます」とのこと。<span class="swl-marker mark_yellow">素材にもこだわり、大豆は丸大豆のみ。小麦は地元佐賀産のものを使っているそう。</span></p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/11/kiji1.jpg" alt="" class="wp-image-27661" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/11/kiji1.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/11/kiji1-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">健康的な発酵食品</h2>



<p>「確かに甘い醤油はおいしいですが、たんぱくな魚の刺身など素材そのものの味を楽しみたいときは、天然発酵の醤油がおすすめです。うちでも地元用に甘い醤油を造っていますが、醤油そのものの風味をこわさないように甘酒を加えるようにしています」<br>「発酵食品」を摂取することは健康にとてもよいと、テレビ番組や雑誌の特集で紹介される機会が増えている。食べ物を発酵させると保存性が高くなるので、冷蔵庫がない時代から保存食として利用されてきたが、発酵することでアミノ酸や糖類が発生し、食べ物本来の旨味を引き出し料理が美味しくなると、数年前には“塩麴レシピ”が流行っていた。さらに、<span class="swl-marker mark_yellow">腸が消化する働きを助け、免疫力アップにも効果があることから、健康志向の高い人を中心に発酵をテーマとするレストランの人気なども増えている。</span></p>



<h3 class="wp-block-heading">日常的に身近な発酵食品</h3>



<p>発酵食品というと、醤油や味噌、納豆などを思い浮かべるだろう。チーズや漬物、鰹節も発酵食品だし、日本酒や紅茶、ウーロン茶なども発酵食品、実は、日本人は日常的に沢山の発酵食品を口にしている。身近な食品からこそ、いいものを選びたいと思う人もきっと多いはず。<br>丸秀では大豆・大麦・赤米・黒米・緑米・はと麦・あわ・ひえといった十種類の国産穀物を使い、それぞれの雑穀自体に麹菌をつけた深みのある味わいの「十穀味噌」や、アレルギーの人向けの商品として「キヌア」を使った醤油や味噌なども製造している。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/11/kiji2.jpg" alt="" class="wp-image-27662" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/11/kiji2.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/11/kiji2-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">昔ながらにこだわる極上の醤油</h2>



<p>「5階建ての建物の1階で薪を炊いて、乾燥具合を見ながら1階ずつ上げていき、１ヶ月ほどかけて鰹を燻していきます」（竹内専務）<br>大きな木樽が並ぶ蔵を見学すると、もろみがふつふつと発酵しながらふくよかな香りを漂わせていた。年季の入ったこの蔵に住む菌と、ひとつひとつの素材にこだわり、その過程や作業を丁寧に行いながら、昔ながらにこだわる職人の技術が極上の醤油を造っているのだ。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/11/kiji3.jpg" alt="" class="wp-image-27663" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/11/kiji3.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/11/kiji3-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/27647/">2年間熟成の天然醸造にこだわる老舗醤油蔵「丸秀醤油」／佐賀県佐賀市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>天然熟成で作るこだわりの醤油ーーはつかり醤油　松本醤油商店・樋口喜久さん／埼玉県川越市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 15 Sep 2020 01:01:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[醤油]]></category>
		<category><![CDATA[埼玉県]]></category>
		<category><![CDATA[川越市]]></category>
		<category><![CDATA[はつかり醤油]]></category>
		<category><![CDATA[松本醤油商店]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/09/seisansha_pic_05_2.jpeg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>醤油は、脇役だ。だが醤油によって素材も料理も味が大きく変わるだろう。この店の醤油を味わって、あらためて醤油という調味料の奥深さを感じた。 長い歴史を持つ「松本醤油商店」 多くの観光客でにぎわう“小江戸”川越のメインストリ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/09/seisansha_pic_05_2.jpeg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>醤油は、脇役だ。だが醤油によって素材も料理も味が大きく変わるだろう。この店の醤油を味わって、あらためて醤油という調味料の奥深さを感じた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">長い歴史を持つ「松本醤油商店」</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="800" height="600" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/09/seisansha_pic_05_1.jpeg" alt="" class="wp-image-47820" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/09/seisansha_pic_05_1.jpeg 800w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/09/seisansha_pic_05_1-300x225.jpeg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/09/seisansha_pic_05_1-768x576.jpeg 768w" sizes="(max-width: 800px) 100vw, 800px" /></figure>



<p>多くの観光客でにぎわう“小江戸”川越のメインストリートから１本入ったところに、約250年の歴史を持つ<a href="https://www.hatsukari.co.jp/" target="_blank" rel="noopener" title="松本醤油商店">松本醤油商店</a>がある。道に面しているショップには、醤油はもちろん、醤油をベースに開発したドレッシング、せんべいや漬物、ジェラートといった醤油のアイスなど、醤油関連の商品がずらりと並ぶ。この松本醤油商店のおすすめ商品は、「<span class="swl-marker mark_yellow">はつかり醤油</span>」。手間ひまかけてつくられるこの醤油は、全国のこだわりの飲食店が指名買いすることでも知られている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">松本醤油商店こだわりの醤油づくりと「はつかり醤油」</h2>



<p>「<span class="swl-marker mark_yellow">うちは地元産の原料にこだわり、秩父から流れてくる地下水をつかい、昔ながら醤油づくりをしています。生産量は多くありませんが、添加物も使わず、安心・安全な醤油をお届けすることを最優先に考えています</span>」（松本醤油商店・樋口喜久さん）</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="900" height="600" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/09/seisansha_pic_05_2.jpeg" alt="" class="wp-image-47821" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/09/seisansha_pic_05_2.jpeg 900w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/09/seisansha_pic_05_2-300x200.jpeg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/09/seisansha_pic_05_2-768x512.jpeg 768w" sizes="(max-width: 900px) 100vw, 900px" /></figure>



<p>1764年に豪商・横田五郎兵衛が醤油製造を開始。1889年に初代・松本新次郎がこれを引き継ぎ、松本醤油商店が誕生した。天保元年に建てられたという蔵に入ると、やさしくまろやかな醤油の香りに包まれる。ずらりと並んだ30本の杉桶も蔵と同じ180年モノ。機械生産の醤油は、半年ほどで出荷されるが、ここではじっくり１年かけて熟成。こだわりの「はつかり醤油」はさらに１年再仕込みしてまろやかな風味をつくりあげる。</p>



<p>「<span class="swl-marker mark_yellow">うちの醤油はこの蔵と杉桶が命。ここに住みついている酵母菌、乳酸菌がまろやかな味をつくってくれるんです</span>」</p>



<p>おいしい酒を醸す酒蔵がそうであるように、この醤油蔵も古いながら決して“古くさく”はない。もろみを口に含むと、しょっぱさよりも旨味を先に感じる。たとえば同じ魚の刺身でも、この醤油なら格段においしく感じるのは間違いない。この蔵の木桶が元気なうちはこの味を楽しむことができる。そしてなによりこの醤油づくりに思いと技術を全力で注ぐ伝統的な作り方を後世まで伝えていってほしいと思った。そんな松本醤油商店では伝統の醤油蔵の見学も可能となっている。</p>



<h3 class="wp-block-heading snsttl">こちらでもご紹介しています。</h3>



<p><a rel="noopener noreferrer" href="https://www.instagram.com/p/B9ltSw0JK2R/" target="_blank"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/04/insta-1.jpg" alt="Instagram"></a></p>



<p><a rel="noopener noreferrer" href="https://www.youtube.com/watch?v=iUJlXch89-E&amp;list=PLfAIi0YzQmtav-GQjlaSYwHp24J2udoI1&amp;index=2&amp;t=9s" target="_blank"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/04/youtube-1.jpg" alt=""></a></p>






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			</item>
		<item>
		<title>約150年続く醬油・みそ蔵「山形屋商店」／福島県相馬市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/25769/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 28 Oct 2019 06:32:02 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[発酵食品]]></category>
		<category><![CDATA[福島県]]></category>
		<category><![CDATA[麹]]></category>
		<category><![CDATA[みそ]]></category>
		<category><![CDATA[伝統食]]></category>
		<category><![CDATA[保存食]]></category>
		<category><![CDATA[相馬市]]></category>
		<category><![CDATA[山形屋商店]]></category>
		<category><![CDATA[味噌]]></category>
		<category><![CDATA[醤油]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2019/10/fukushima3main.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>城下町として栄えた福島県相馬市に、約150年続く小さな醬油・みそ蔵、山形屋商店はある。文久3（1863）年創業。ヤマブンの屋号で愛されてきた老舗を支えるのは、5代目主人の渡辺和夫さんだ。「店主自ら造るべし」という家訓を守 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/25769/">約150年続く醬油・みそ蔵「山形屋商店」／福島県相馬市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2019/10/fukushima3main.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>城下町として栄えた福島県相馬市に、約150年続く小さな醬油・みそ蔵、山形屋商店はある。文久3（1863）年創業。ヤマブンの屋号で愛されてきた老舗を支えるのは、5代目主人の渡辺和夫さんだ。「店主自ら造るべし」という家訓を守り続け、店主になって６年の間に、昭和48年から開催されている全国醤油品評会の最高賞「農林水産大臣賞」を４度受賞。その名は全国へと広まりつつある。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/image.png" alt="" class="wp-image-40242" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/image.png 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/image-300x200.png 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">福島方式から生まれた、全国が認める醬油</h2>



<p>歳月が刻まれた風情漂う木造家屋。店頭には醬油、みそ、麹（こうじ）、甘酒、麹の漬けもの三五八（さごはち）など、自慢の商品がずらりと並ぶ。みその香りをたどるように中田英寿さんは山形屋商店の奥へと視線を向けた。<br>「みそは量り売りもされているんですね」と中田さん。<br>店主の渡辺和夫さんがにこやかにうなずきながら、試食を勧めてくれる。まずは看板商品「ヤマブン本醸造特選醬油」を味見。口の中に深くまろやかなうまみと食欲をそそる香ばしい風味が広がる。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/image-1.png" alt="" class="wp-image-40243" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/image-1.png 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/image-1-300x200.png 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div>


<p>醬油づくりは大豆と小麦で麹を造ることから始まる。その麹でもろみを仕込み、半年熟成させて搾ったものが生揚げ（きあげ）という醬油の原液になるのだが、手間もコストもかかる難しい工程でもある。<br>そこで福島県では、蔵元の負担を軽減しようと、生揚げ工場による一貫生産に踏み切った。全国に先駆け行った生揚げ造りの一本化は「福島方式」として、全国各地に波及。現在は市場に出る醬油の半数が、この製造方法を採用している。<br>丸大豆や濃い口など、生揚げにもさまざまな種類があり、福島県ではタイプ別に数種類を用意。それらを組み合わせれば、蔵元独自の味を造り出すことが可能というわけだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">磨き上げた秘伝の技が味を引き上げる</h2>


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<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/image-2.png" alt="" class="wp-image-40244" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/image-2.png 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/image-2-300x200.png 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div>


<p>その後、各蔵で行う火入れが、醬油の魅力を引き出す重要な工程らしい。蔵それぞれの工夫があると説明しながら、渡辺さんが工場の中を案内してくれる。<br>山形屋では代々「かえし」を加える、秘伝の技が受け継がれてきた。みりんを煮切り、砂糖と醬油を加えて一煮立ち。10日寝かせたかえしを、生揚げの温度が80度に達する直前に加える。「知り合いの蔵元さんも皆、聞いたことがないとおっしゃる独特の手法なのですが、味に奥行きが出て、香り良く仕上がるんです」<br>その後、時間をかけて加熱し温度を上げることで、火香（ひが）と言われる香ばしい風味が際立ち、香りが持続するのだ。<br>「こちらの醬油はどのような料理に合うんですか？」<br>中田さんの質問に渡辺さんは少し考え、海の町の醬油なので、やはり魚によく合いますねと答える。一押しはカレイなどの煮魚だそうだ。<br>「色ツヤ、味良く仕上がり、煮崩れしにくいので、旅館や和食店など、プロの方々から、他の醬油は使えないというお声も頂いています」<br>品評会での好成績を受け、近年は全国各地からの注文も増えている。何より、地元の皆さんに喜んでもらえてうれしいと、渡辺さんの表情に笑みがこぼれる。<br>「その昔、城下町には必ず醸造蔵がありました。相馬にも多くの蔵が軒を連ねていましたが、今ではこの一軒のみです。醬油やみそという故郷の味、食文化を通じて、城下町・相馬の面影を次の世代へ語り継いでいきたいと思っています」</p>


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<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/image-3.png" alt="" class="wp-image-40245" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/image-3.png 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/image-3-300x200.png 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/25769/">約150年続く醬油・みそ蔵「山形屋商店」／福島県相馬市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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