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	<title>白子筍 - NIHONMONO</title>
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	<description>「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン</description>
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	<title>白子筍 - NIHONMONO</title>
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		<title>梨のように甘いブランド筍“白子筍”の伝承者「京都辻農園」辻典彦さん／京都府八幡市</title>
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		<pubDate>Wed, 11 Jun 2025 02:12:59 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_002.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>地上に頭を出す前に掘り出した純白の孟宗竹(もうそうちく)を「白子筍(しろこたけのこ)」と呼ぶ。えぐみがなく驚くほど甘みがのっていることから日本一の呼び声が高いが、市場には滅多に出回らないため、長きにわたって白子筍は“幻の [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_002.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>地上に頭を出す前に掘り出した純白の孟宗竹(もうそうちく)を「白子筍(しろこたけのこ)」と呼ぶ。えぐみがなく驚くほど甘みがのっていることから日本一の呼び声が高いが、市場には滅多に出回らないため、長きにわたって白子筍は“幻の筍”とされてきた。高級料亭や一流レストランで珍重されているブランド筍を、産地の京都府南部で代々育ててきたのが「京都辻農園」。ここでは、手間のかかる伝統的な農法を今なお頑なに守り続けている。絶品の筍に育て上げる、こだわりの栽培法とは一体どんなものなのか。</p>



<h2 class="wp-block-heading">幻のブランド筍“白子筍”</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_022.jpg" alt="" class="wp-image-52846" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_022.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_022-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_022-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>京都府南部に位置する「西山地区」は白子筍の産地として知られている。淀川を挟んだ反対側に広がるのが、国宝「石清水八幡宮」を有する八幡市。そのお膝下に、京都辻農園の竹やぶはある。</p>



<p>「実は、農園のある石清水八幡宮の近辺は、土の質が良く水源にも恵まれている西山地区と同じ地層にあるんですよ」</p>



<p>筍の栽培に適した粘土質の土壌と豊富な水源のおかげで、向こう岸にも負けない極上の筍が育つ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">地中にあるものは筍、地表に顔を出したら竹の子</h3>



<p>竹の地下茎は“地上に上がっては地中に潜り、また上がっては潜り”を繰り返し、まるでバタフライのように地面を泳ぎ回る。タケノコとはこの地下茎から生える新芽のことで、栄養を蓄えて地中で膨らんだものを「筍」、地表に顔を出したものは一気に竹へと成長するため「竹の子」と区別されている。表記だけではなく、味も食感も違いは歴然。まるで別の食べ物だ。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_008.jpg" alt="" class="wp-image-52838" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_008.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_008-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_008-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「土から頭を出した竹の子は野生の動物たちに食べられないよう、シュウ酸というえぐみ成分を全身に巡らせて防衛するのです。日光に当たって黒くなった部分は、美味しくない成分が集まる場所。味だけでなく、ぐんぐん成長する体を支えようと、地表に頭を出した瞬間から身は硬くなり、筋張っていきます」</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_024.jpg" alt="" class="wp-image-52839" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_024.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_024-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_024-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>一方、地中の筍には、来る成長期に備えて投入された栄養がたっぷり蓄えられている。日光を浴びていないためえぐみ成分もなく、身もまだやわらかい。そのため、“筍”の状態で掘り起こすことが、甘くて美味しい本来の味を楽しむ秘訣となる。</p>



<p>「小さい方が美味しいと思われている方がいるかもしれませんが、それは竹の子の話。白子筍の場合は地表に出るまでの時間が長くなればなるほど多くのエネルギー(糖分)が親竹から投入されていくため、美味しさが増していくのです」</p>



<p>筍の大きさは美味しさを表すバロメーター。辻さんの育てる大きな白子筍はえぐみがないため生でも食べられ、梨と間違われるほど糖度が高い。</p>



<h3 class="wp-block-heading">旬は3月半ばから5月半ばにかけて</h3>



<p>1つの親竹から生えるタケノコは1シーズンで6本前後。1本目は8カ月ほどかけてゆっくり地中の中で育つのに対し、次の筍は10日ほどで地表付近まで伸びてくる。その次の筍が育つのはまた10日後、その次もまた10日後……。こうして白子筍の旬は60日間続いていく。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_058.jpg" alt="" class="wp-image-52847" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_058.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_058-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_058-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「これが、“筍”という字の由来。上旬、中旬、下旬という言葉がありますが、“旬”という字には“10日間”という意味があるんですね。こうして、竹かんむりと旬という字を組み合わせた“筍”という漢字が生まれました」</p>



<p>最初に採れる“長子”は時間をかけて育つことから、身がギュッと詰まっている。食感がよいため木の芽和えなどの料理に向くが、風味も濃いので薄切りにして吸い物にするのもいい。さらに、ぷっくりと身が膨らむ4月半ばから4月末にかけては旬の盛りで、がぶっとかじってもやわらかく、瑞々しい。さっと湯通しをして刺身にすれば春の香りがいっぱいに広がる。</p>



<p>「さっくりとした独特の食感と甘みがある白子筍は、シンプルな調理法で召し上がっていただくのがおすすめです」</p>



<h2 class="wp-block-heading">つくっているのは、筍ではなく筍が育つ“環境”</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_069.jpg" alt="" class="wp-image-52841" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_069.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_069-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_069-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>1本3㎏以上、50㎝を超える筍を量産している同園。ときには1ｍクラスの筍も採れるが、そもそも“特大サイズの筍”は自然界に存在しない。本来、孟宗竹の地下茎は20㎝よりも深く地中に潜ることがないため、すぐに頭を出して竹の子と化してしまうからだ。そのため、市場に出回るものは、それぐらいまでの大きさのものが一般的となっている。では、いかにしてこれほどまでに大きな筍を育てるのか。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_043.jpg" alt="" class="wp-image-52842" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_043.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_043-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_043-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「土の中で大きな筍をつくりたいので、地表付近にある地下茎の上に盛土をして少しずつ地層を積み重ねていくのです。それも、何十年もゆっくり時間をかけて」</p>



<p>これこそが、京都に伝わる伝統的な筍栽培の特殊作業。しかし、一度に多くの土を盛るのはご法度とされている。竹やぶの地面が硬く締まってしまい、地中の筍がうまく育たなくなってしまうからだ。盛土をするのは、落ち葉や伐採した親竹のチップを敷いてから。ふかふかの敷物の上に粘土質の土で薄くコーティングをすることで、ほわっとやわらかな土壌を保つ。こうすることで根から土の栄養を吸い上げやすくなり、太く長い筍に育つ。</p>



<p>硬くなった地面の表面に亀裂が入ったら、いよいよ収穫の合図。その下にはふっくらと育った筍が目覚めの時を待っている。</p>



<p>「筍は勝手に生えてくるものなので、“つくっている”という感覚はないんですよ。でも、生えてきた筍がいい子に育ってくれるかどうかはこの場所の環境次第。私がつくっているのは筍ではなく、筍が育つ“環境”なんです」</p>



<h2 class="wp-block-heading">長年かけて確立されてきた文化には意味がある</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_031.jpg" alt="" class="wp-image-52843" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_031.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_031-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_031-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>多くの筍農家が機械化を推し進めていく中で、辻さんは今なお先人たちの教えを頑なに守り続ける。たとえば運搬車を入れて土を運べば効率は上がるが、重い機械を何度も行き来させれば竹やぶの土が踏み固められてしまう。そのため京都辻農園では、今も隣の山林から一輪車で一杯ずつ土を運び入れている。作業をするときも、決して同じルートで帰らない。土が踏みしめられて硬くならないように。</p>



<p>竹やぶの土を手作業で耕すのは、縦横無尽に這いまわる地下茎を機械で断ち切らないようにするため。地下茎は筍を掘る際に邪魔になることから、現代では多くの農家が意図的に寸断しているが、辻さんはこれもよしとしていない。手間を惜しまずに土地を管理することで、代々大切に育ててきた深い地層の地下茎たちを守っているのだ。40年以上前の地下茎が生きたまま残る京都辻農園では、故に1ｍサイズもの筍も育つ。名産地である京都でも、ここまで大きな筍が採れるのは唯一ここだけ。特大サイズの白子筍は、半世紀近く手入れを続けてきた努力の結晶なのである。</p>



<h3 class="wp-block-heading">白子筍栽培に捧ぐ想い</h3>



<p>「土地の狭い京都では、ひとつの竹やぶを大切に管理することで質の高い筍を育ててきました。その分生産量は少なくなりますが、手をかけてより良い物に仕立てることが職人の仕事だと思っています」</p>



<p>界隈では、筍を掘るとき、竹やぶを耕すときは“ホリ”と呼ばれる刃の長い伝統的な鍬を使うが、その刃先は毎年鍛冶屋に打ち直してもらっている。</p>



<p>&lt;h2&gt;長年かけて確立されてきた文化には意味がある</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_082.jpg" alt="" class="wp-image-52844" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_082.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_082-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/06/24_0509_082-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「特別なことをしているつもりはなくて、昔は当たり前だったことを今もただ続けているだけなんです。伝統的な筍栽培の農法はもちろん、このホリも百年レベルで受け継いでいきたいですよね。道具にも文化がしみついているから――」</p>



<p>効率化の波に抗いながら育てた上げた立派な筍は、熟練の技と職人の気概が生み出す賜物だ。年を追うごとに白子筍の希少性は増しているが「生産現場の風景やその美味しさをこうして発信し続けることもまた自分の使命」と辻さんは熱く話す。</p>



<p>太く、長く、すくすくと育ちますように。そして、この地に受け継がれてきた文化が、未来につながっていきますように 。そう願いながら、辻さんは今日も竹やぶを耕し、土壌をつくる。その姿勢からは「長年かけて確立されてきた文化には必ず意味がある」という強い信念を感じ取ることができた。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52836/">梨のように甘いブランド筍“白子筍”の伝承者「京都辻農園」辻典彦さん／京都府八幡市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>星つきの料理人たちが求める幻の白子筍。その最上級を追求する「たけのこ旬一」／京都府京都市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 18 Aug 2024 00:52:19 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[ブランド野菜]]></category>
		<category><![CDATA[星付き]]></category>
		<category><![CDATA[筍]]></category>
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		<category><![CDATA[たけのこ旬一]]></category>
		<category><![CDATA[京都府]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/459873c2979e268017aa42da922895e4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>春の味覚の王様ともいわれる、たけのこ。奈良時代に書かれた「古事記」にも登場するほど、古くから日本人に親しまれてきた食材だ。中でも京都府でとれる「白子筍（しろこたけのこ）」は、その希少性から“幻のたけのこ”と呼ばれる一級品 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/459873c2979e268017aa42da922895e4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>春の味覚の王様ともいわれる、たけのこ。奈良時代に書かれた「古事記」にも登場するほど、古くから日本人に親しまれてきた食材だ。中でも京都府でとれる「白子筍（しろこたけのこ）」は、その希少性から“幻のたけのこ”と呼ばれる一級品。オリジナルの栽培方法で最上級の白子筍を追い求める「<a href="https://takenokosyunichi.com/" target="_blank" rel="noopener" title="">たけのこ旬一</a>」の職人技に迫った。</p>



<h2 class="wp-block-heading">京都が誇るブランドたけのこ「白子筍」</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3669.jpg" alt="" class="wp-image-49133" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3669.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3669-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3669-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>たけのこの名産地として知られる京都だが、生産量は福岡県、鹿児島県につぐ全国3位。シェアでいうと全体の1割程度と決して多くはないが、それでも京都のたけのこが特別とされる理由が二つある。</p>



<p>まずひとつ目は、土。粒子が細かい粘性質の土は、まるでアスファルトを敷いたかのようにたけのこを地中に長くとどまらせ、じっくりと時間をかけて育てる。たけのこは空気や光にふれると急速に生長して硬くなり、エグ味も増すため、空気や光を通しにくい粘土質の土壌は甘く柔らかいたけのこを育てるのに最適だ。二つ目は、かつて都があったことに由来する、京都独自の栽培法が確立されていること。竹林に藁を敷き詰めたり、その上からまた土を被せたり。どうすればよりおいしく美しいたけのこができるのか、長い歴史の中で先人たちが試行錯誤を重ねながらたけのこづくりに取り組んできた。その結果できたのが、京都が誇るブランドたけのこ、白子筍だ。白<span class="swl-marker mark_yellow">子筍は、土をかぶせて日光に当てずに育てるため純白で柔らかく、それでいてシャキシャキとした食感が魅力。非常にめずらしく、栽培に手間がかかることから“幻のたけのこ”とも呼ばれている。 </span></p>



<p>その中でも、洛西地区の塚原というエリアで生産される「塚原産」のたけのこは、白子筍の最上級。柔らかな肉質とエグ味のない上品な味わいが特徴で、一般にはほとんど流通しないほど、特に高いブランド価値を誇っている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">肥料や除草剤への疑問からオリジナルの道へ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3735.jpg" alt="" class="wp-image-49132" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3735.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3735-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3735-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p><span class="swl-marker mark_yellow">白子筍は一般的なたけのこと比べて非常にやわらかいため、注意して掘らないとすぐに崩れてしまう。そもそも地中に留まって成長する白子筍を探し当てること自体、至難のわざ。</span>収穫だけでも大変な手間のかかるたけのこづくりに、「やるからには、とことんしなければ気が済まない」とさらなる心血を注ぐのが「たけのこ旬一」の田原一樹さんだ。</p>



<p>「農家としてたけのこをつくっていた祖父の手伝いがきっかけで小学5年生の頃から竹薮に入って、今年で42歳です。最初のうちは、初めてのことばかりで何もかもが楽しくて。それが高校生くらいになってくると『何のためこの肥料を使うんだろう？』『なぜ除草剤をやるんだろう？』と疑問を持つようになりました。祖父に聞いても『ずっとこれでやってきたから間違いない』と言われるだけ。疑問は解消されないまま自分で試してみたいことがどんどん増えていって、20歳の時に独立しました」</p>



<p>肥料を買うお金もなく、祖父から譲り受けた軽トラ一台からのスタート。同時に、たけのこだけで食べていくのは難しいと考え、農業の合間でも働ける鍼灸マッサージ師の免許を取ろうと東洋医学を学んだ。その勉強がきっかけで、口に入れるものがどれだけ体に影響を与えているかを知り、肥料や土について一から考え直す日々が始まった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">失敗を重ね、自慢の竹林へ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3767.jpg" alt="" class="wp-image-49134" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3767.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3767-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3767-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>化学肥料に頼らず、身の回りのもので代用できないか。そう考えながら市場にある蕎麦屋で食事をしていた時、「このおいしい出汁を、たけのこにも食べさせられないだろうか」と思い立つ。すぐにどんな材料を使っているのかを尋ね、出汁をとった後の昆布や削り節を分けてもらった。他にも豆腐店からおからをもらって撒いてみたり、市場にあるマグロ専門店から廃棄される部位を譲り受けて肥料をつくったり。「本当においしい」と思えるものに出会った時はいつも、たけのこづくりに活かせないか考えるようになった。</p>



<p>「他のたけのこ農家さんからは、『変わったことやってるな』『そんなもの入れて何になるんだ』と言われ続けてきましたが、勉強するにつれて、このやり方が理にかなっていることもわかってきました。山には海のものが足りないから、ミネラルやアミノ酸を多く含んだ魚、昆布、貝殻などを土に混ぜることで、栄養が豊富な土になる。除草剤を使っていないので、草も普通に生えてきて草刈りが大変です」</p>



<p>時には失敗もしながら、それでも自分の納得できるものをつくりたい一心で挑戦を続けてきた。一流のたけのこは一流の料理人に使ってもらいたいと、ミシュランガイドを開いては電話をかけ続けた。無名の若者からの突然の売り込みは相手にされないことがほとんどだったが、たとえ気まぐれでも一度買ってもらえると手応えは良く、「おいしかった」「次はいつ買える？」と言われることがよくあった。そんなやり取りを繰り返すうちに料理人同士の口コミで引き合いが増え、今では全国のミュシュラン星つき料理店で田原さんのたけのこが提供されている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">収穫後のたけのこは鮮度が命</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3677.jpg" alt="" class="wp-image-49135" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3677.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3677-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch__86A3677-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>たけのこ旬一のもうひとつのこだわりが、“鮮度”だ。たけのこは成長が早い分、劣化も早い。｢朝掘ったらその日のうち食べろ｣と言われるほどで、時間がたつほどえぐみが増し、常温で置いておくとすぐに硬くなってしまう。「できる限り良い状態で、お客さまに届けたい」そう考えた田原さんが導入したのが、朝掘りを新鮮なまま運べる保冷蔵車だ。「たけのこには乾燥と日光が大敵です。掘りたてを店先に並べて売るなんて、新鮮な魚を日光の下に並べて常温で売っているようなもの」と田原さん。採った後の品質管理まで徹底するのが、生産者としての責任だと話す。</p>



<p>現在、生のたけのこは料理店への直販のみ。新鮮なまま発送され、クール便で届けられたたけのこは「エグ味が少なく甘みが強い」「生でかじるとフルーツのよう」と評判だ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">おいしいたけのこを、より多くの人に届けたい</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_recipe-img01.jpg" alt="" class="wp-image-49143" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_recipe-img01.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_recipe-img01-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_recipe-img01-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>一般の人にとってたけのこは、何枚もの皮を剥いて、湯がいてアク抜きまでしないと食べられない面倒な食材。たけのこ旬一の味を少しでも多くの人に届けたいという思いで始めたのが、「たけのこ水煮」の通信販売だ。朝採れのたけのこが新鮮なまま水煮になって届くとあって、在庫ができてはすぐに売り切れる人気商品となった。</p>



<p><span class="swl-marker mark_yellow">たけのこのアク抜きは通常2時間ほどかかると言われているが、田原さんのたけのこは40分。生のままでも柔らかくえぐみが少ないので茹で時間が短縮でき、その分たけのこらしいシャキシャキとした食感が残っているのが、おいしさの秘訣だ。</span></p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_top-slider09.jpg" alt="" class="wp-image-49144" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_top-slider09.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_top-slider09-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_top-slider09-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2024年からは、3種の味が楽しめる「筍アヒージョ」の販売も開始した。何度も試作を重ねてたけのこに合うオイルや食材を厳選し、京丹後で水揚げされた魚介、青森産のニンニク、国産の鷹の爪など、素材にこだわって完成した商品だ。自慢のたけのこは、食感を楽しんでもらえるよう大きめにカットしてふんだんに使用した。和食のイメージが強いたけのこを洋風にアレンジして若い人にも食べてもらえるように、オイル漬けにすることで保存期間を延ばし、より気軽に手に取ってもらいたいという思いが込められている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">努力次第で、農業は夢のある世界に変わる</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_history-img10.jpg" alt="" class="wp-image-49146" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_history-img10.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_history-img10-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/batch_history-img10-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>古くから私たちの身近にあったたけのこだが、夏の高温と雨不足の影響で、収穫量はかつての半分にまで減っているそうだ。でもそこは、努力と手間暇を惜しまずたけのこと向き合ってきた田原さん。「環境の変化を言い訳にしたくない」と、数年前からスプリンクラーでの水やりを始め、不作と言われ続ける中でも一定の収量を確保しているという。広大な竹藪にニガリを混ぜた水をやるなど、たけのこ業界では前代未聞。それでもチャレンジを続けるのは、「夢があるから」だと話す。</p>



<h3 class="wp-block-heading">値段に見合った価値を提供する努力</h3>



<p>「僕は、たけのこと並行して鍼灸マッサージ師の仕事があるので、たけのこが採れる3月下旬から5月上旬以外の時期でも食べていける。でも本当は、たけのこだけで食べていける未来をつくるのが目標です。実際に外に目を向ければ、放置竹林も多いし、重労働ゆえ担い手も減っている。それに伴って収量も年々減少しているし、もしかすると数年後には、たけのこがテーブルに並ばなくなる可能性だってありえる。だからこそ、<span class="swl-marker mark_yellow">相場に任せて値付けされてしまうのではなく、こだわりや努力をちゃんと対価として受け取れるような仕組みづくりを目指していきたいと思ってるんです。そのためにしっかり値段をつけてたけのこの価値を上げているし、その値段に見合う努力もしています。自分の努力次第で、農業は夢のある世界に変わることを次の世代に見せたいと思っています</span>」</p>



<p>そのためにもっと知りたいこと、試してみたいことがまだまだたくさんあるという田原さん。たけのこの世界から、今後はどんなニュースが聞こえてくるだろう。そこに田原さんの名前を見つけるのが、今から楽しみだ。</p>


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