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	<title>畜産 - NIHONMONO</title>
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	<description>「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン</description>
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	<title>畜産 - NIHONMONO</title>
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		<title>「宮城野ポークみのり」で食卓を豊かに。将来は6次産業化に挑む「ピッグ夢ファーム」／宮城県登米市</title>
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		<pubDate>Mon, 02 Feb 2026 10:50:06 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[畜産]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2359.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>宮城県のブランド豚「宮城野豚」の肉質を専門家が評価する「宮城野豚枝肉共進会」にて、チャンピオン賞を連続で受賞している「有限会社ピッグ夢ファーム」。宮城県の北東部に位置する農業が盛んな静かな町で、約5,000坪という広大な [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2359.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>宮城県のブランド豚「宮城野豚」の肉質を専門家が評価する「宮城野豚枝肉共進会」にて、チャンピオン賞を連続で受賞している「有限会社ピッグ夢ファーム」。宮城県の北東部に位置する農業が盛んな静かな町で、約5,000坪という広大な敷地面積の中、養豚を営んでいる。同社が生産する「宮城野ポークみのり」は、柔らかくてジューシー、そして甘い脂身が好評を得ている。そのおいしさの秘密はどこにあるのだろうか。</p>



<h2 class="wp-block-heading">宮城県オリジナルブランドの最上級豚肉「宮城野ポークみのり」</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2383.jpg" alt="" class="wp-image-53944" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2383.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2383-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2383-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「宮城野ポーク」は宮城県で開発された銘柄豚で、止め雄に「しもふりレッド」を交配、きめ細やかな肉質と柔らかくコクのある風味、脂の甘み、さっぱりした食味が特徴だ。その中でも、出荷前の仕上げ段階に米を与え育てた豚は「宮城野ポークみのり」と呼ばれる。脂身にくどさがないため、しゃぶしゃぶで食べるとアクが出ず、さっぱりとした後味で人気を集めている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">国産米を与えて、日本の食文化に合う豚肉を生産</h3>



<p>代表取締役の佐々木さんによると、飼料米の割合はその養豚場によってまちまちだそうで、「ピッグ夢ファーム」では、全農グループの配合飼料に国産米を一定割合まぜて与えている。これにより、風味や食感の良さをもたらすオレイン酸が増加し、脂身の質が向上。口どけがよく、なめらかな食感に仕上がる。食べさせ過ぎると脂肪が多く太り過ぎの仕上がりになってしまうため、その配合が味の決め手となるそうだ。そして、国産米を使うのは、日本独自の食文化に合った豚肉を作りたいからだ、と教えてくれた。</p>



<p>また、配合飼料にもこだわっている。佐々木さん曰く「品種はもちろんだが、餌も同じくらい大切」と話す。以前、配合割合を変えたときに消費者から「味が落ちた」と指摘されたことがあったのだという。そして、試行錯誤の結果、現在の飼料に落ち着いた。タンパク質量などのデータを鑑みて、トウモロコシ、大豆粕などを主成分としたオリジナルの飼料を農場のために作ってもらっている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ストレスのない環境で豚を健やかに育てる</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_B_1198.jpg" alt="" class="wp-image-53945" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_B_1198.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_B_1198-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_B_1198-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>養豚に関わって15年だという農場長の石川和（やまと）さんは「まだまだ豚の飼育は難しいですね」と話しながらも、最も気を付けていることに、豚が病気にかからないようにすることを挙げた。豚熱ウイルスによる伝染病にかかれば、全頭処分を免れない。そのため、衛生管理を十分徹底している。特に豚にストレスのかからないように管理する。豚は人間と関わることがストレスになるので、分娩や介護など以外は豚舎に入ることを避けているそうだ。さらには、豚1頭当たりのスペースにも気を配る。狭すぎればストレスがかかり、広すぎても発育にばらつきが出やすく、事故率が高まってしまう。そのため、豚の成長段階に応じた見極めが重要なのだという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">子豚をしっかり育てなければ、いい肉豚にはならない</h3>



<p>多くの養豚場では、病気の治療や予防のために抗生物質、合成抗菌剤、駆虫剤などの動物用医薬品が使用されている。しかし、「ピッグ夢ファーム」では、そうした薬品を基本的に使わずに育てるため、豚舎の衛生管理を徹底している。薬品に依存せずに病気をしない豚を育てるには、子豚のころから免疫力を上げる必要があるという。子豚の段階で母豚の初乳を十分に飲ませ、病気に対しては薬品の使用を控え、ワクチン接種のみの対応だ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">創業以来の一貫経営により県内トップレベルの養豚</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2139.jpg" alt="" class="wp-image-53946" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2139.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2139-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2139-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>牛肉にA5ランクなどの格付けがあるように、豚にも格付けがあるのをご存じだろうか。公益社団法人日本食肉格付協会によるもので、脂肪の厚さや肉のしまり、きめの細かさなどを数値化した上で、「極上、上、中、並、等外」の5等級に格付けされる。牛肉の等級が「歩留等級（A・B・C）」と「肉質等級（5〜1）」を組み合わせた15段階評価であるのに対し、豚の格付けはシンプルだ。</p>



<p>極上肉が出ることは非常にまれだそうだが、「一部の人が手に取るような高級な豚ではなく、一般の人が手に取りやすく、おいしい豚を目指している」と佐々木さんは話す。「ピッグ夢ファーム」では、上（極上含む）と中が9割以上を占めている。この格付けは、消費者の目に直接触れる指標ではないが、流通上は、品質を測る重要な物差しとして機能している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">おいしくて安全な食料を届けるための徹底管理</h3>



<p>この優れた格付を維持するためには、出荷の見極めが重要となる。一般的な飼育期間の平均180日で出荷するが、早いものでは160日、体重や体形をしっかり観察した上で出荷する。出荷時には目勘（目視での体重推定）の養豚場が多い中、「ピッグ夢ファーム」では出荷する豚を毎日一頭一頭測定し、歩留まりを考慮し出荷しているのだという。</p>



<p>こうした管理により、格付成績並びに出荷頭数は県内でもトップレベルを誇る。毎年11月に開催される農林水産祭（宮城県総合畜産共進会：一般社団法人宮城県畜産協会主催）では、約20年にわたり数多く「農林水産大臣賞」を受賞している（コロナ禍による未開催時期を除く）。農林水産祭とは、国民の農林水産業や食への理解を深めるとともに、生産者の意欲向上を図るための祭典のこと。日本の伝統的な収穫祭「新嘗祭（にいなめさい）」に由来しており、秋には明治神宮の宮司様よりお招きいただき参加している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">高品質な養豚で利益を生み出す</h3>



<p>現在、年間目標出荷数を8,500頭から9,000頭に設定。飼料に使われるトウモロコシや大豆、小麦の多くは輸入に頼っており、円安の影響により飼料価格は高騰しているものの、価格転嫁が難しい状況だ。</p>



<p>夏場は豚の食欲不振により出荷数が減少し、冬場は繁殖サイクルの影響を受けて出荷数が増加する。夏場の出荷数を増やせると、売上増加が期待できるという。そのため、「ピッグ夢ファーム」では、夏場の暑さ対策として、気化熱を利用して空気を冷却するクーリングパットや屋根の表面温度を下げる石灰散布などの対策を行っている。</p>



<p>また、全国農業協同組合連合会を通して宮城県内のスーパーへ流通を行っているが、東京での販売も検討しているという。東京食肉市場で行われたイベントが大好評だったことをきっかけに、「うちでも扱わせてほしい」との卸売業者から要望を受けたそうだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">生産課題はアニマルウェルフェアと老朽化する設備</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2069.jpg" alt="" class="wp-image-53947" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2069.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2069-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2069-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>今後の課題について聞いた。佐々木さんは、「ヨーロッパを中心にアニマルウェルフェアの基準が厳しくなっており、日本でもフリーストール飼いなどの飼育方法が求められるようになっている。しかし、母豚を個別に柵で囲って飼う『ストール飼育』にもメリットがあり、豚同士の喧嘩や子豚の圧死などを防ぐことができる」と述べる。引き続き政府の飼養管理指針にも注視していく。</p>



<p>アニマルウェルフェアとは、家畜が肉体的・精神的に健康でストレスや苦痛を最小限に抑えるよう配慮する概念のことで、「家畜の快適性に配慮した飼養管理」とも訳される。</p>



<p>そして、「病気対策と施設についても課題」だと話す。会社設立から20年以上が経ち、豚舎だけでなく糞尿処理の施設・機械など、修理をしながら使ってはいるものの、どうしても老朽化による欠陥は免れないため、これも経営上の継続課題となっている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">将来は「6次産業化」で生産価値の最大化へ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2345.jpg" alt="" class="wp-image-53948" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2345.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2345-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/02/pig-yume-farm_A_2345-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>今後について尋ねると、「将来的に農場を建て直し、加工や販売まで一体で行える体制をつくりたい」と返ってきた。単なる生産の強化ではなく「6次産業化」を目指していくという。生産から加工・販売を自社で完結させることで、付加価値を高められ、ブランド力を維持しやすい。市場価格の変動に左右されにくく、ファンづくりや地域経済への貢献にもつながるといったメリットが期待される。</p>



<p>一口食べればその旨味が口いっぱいに広がり、あっさりしながらも甘味のある脂身に感動すら覚える「宮城野ポークみのり」。全国のグルメファンにぜひ一度食べてみてほしい。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53937/">「宮城野ポークみのり」で食卓を豊かに。将来は6次産業化に挑む「ピッグ夢ファーム」／宮城県登米市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>若手農家が育てる極上の仙台牛「川村ファーム」3代目・川村大樹さん／宮城県石巻市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 14 Oct 2025 11:10:04 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[全国肉用牛枝肉共励会名誉賞]]></category>
		<category><![CDATA[畜産]]></category>
		<category><![CDATA[黒毛和牛]]></category>
		<category><![CDATA[仙台牛]]></category>
		<category><![CDATA[A5ランク]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5162.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>宮城県石巻市は、県の中でも比較的温暖で雪はあまり降らない。だが、取材に訪れたその日は、一面の銀世界だった。牛舎の中、黒毛和牛が白い息を吐きながらゆっくりと稲わらを食む。その姿は、穏やかでありながらどこか風格を感じさせる。 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53317/">若手農家が育てる極上の仙台牛「川村ファーム」3代目・川村大樹さん／宮城県石巻市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5162.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>宮城県石巻市は、県の中でも比較的温暖で雪はあまり降らない。だが、取材に訪れたその日は、一面の銀世界だった。牛舎の中、黒毛和牛が白い息を吐きながらゆっくりと稲わらを食む。その姿は、穏やかでありながらどこか風格を感じさせる。彼らは単なる家畜ではなく、長年にわたる職人の技と情熱によって育まれた存在だ。<br></p>



<h2 class="wp-block-heading">雪の牛舎で出会った黒毛和牛の風格</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_B_5707.jpg" alt="" class="wp-image-53326" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_B_5707.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_B_5707-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_B_5707-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2016年と2017年の「全国肉用牛枝肉共励会」で2年連続の名誉賞を受賞した生産者・川村大樹さんの牛は、この牛舎の中で育てられている。広大な牧草地を自由に歩き回る放牧型の飼育ではなく、徹底した管理のもと、最適な環境が整えられた牛舎で飼育されるのだ。牛たちがストレスなく過ごせる空間作りから、長年の試行錯誤の上でたどり着いたという飼料、徹底した健康管理まで、一切の妥協を許さない。</p>



<h3 class="wp-block-heading">牛づくりの原点と血統へのこだわり</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_B_5675.jpg" alt="" class="wp-image-53327" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_B_5675.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_B_5675-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_B_5675-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>川村ファームは、川村さんの祖父が始めた肥育農家。肥育農家とは、子牛を買ってきて育てる農家のことだ。一方、母牛を飼育して生ませた子牛を育てるのを繁殖農家と呼ぶ。</p>



<p>肥育農家、繫殖農家はそれぞれ、牛の育成に必要なノウハウが異なるため分かれていることが多い。中には肥育農家と繫殖農家の両方を兼務する農家も中にはあるが、特に宮城県の場合は肥育、繁殖が分かれていると、川村さんは話す。</p>



<p>川村ファームは、牛農家を始めた当初はホルスタインを飼育していたが、そこから徐々に黒毛和牛に移行。当時は近隣の農家各１軒には牛がいたそうで、いわゆる「家畜商」という家畜の売買や仲介の仕事を通して、川村ファームでの頭数を増やしていった。</p>



<p>ところで、「仙台牛」「松阪牛」「神戸牛」などのブランド牛肉の品質は、血統に大きく左右されるといわれている。川村さんは、「品評会でチャンピオンを取るような、馬でいうとディープインパクトのようなすごい牛を見ていると、やっぱり血統だと思う。僕自身も、血統で7割決まると思っています」と話す。優れた血統を持ち、その精子を提供する種雄牛から生まれた子牛を全国から購入することもあるという。では、残りの3割は何なのかを問うと、「腕といいたいところですが…」と笑いながらも、事故なく、その能力を引き出すことで、食べて寝て食べての繰り返しの牛を大きく育てることが重要なのだと話した。</p>



<h2 class="wp-block-heading">牛舎飼育で実現する理想の肉質</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5300.jpg" alt="" class="wp-image-53328" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5300.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5300-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5300-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>川村さんの牛は牛舎で育てられているが、それには明確な理由がある。</p>



<p>牛舎飼育の最大のメリットは、環境を細かくコントロールできることだ。牛は気温や湿度の変化に敏感で、風邪を引くと肉質に影響を及ぼすこともある。牛舎であれば、夏の暑さや冬の寒さを適切に管理し、常に牛にとって快適な環境を維持することができる。</p>



<p>さらに、飼料の管理もしやすい。放牧の場合、牛が何を食べるかは自然環境に左右されるが、牛舎飼育では、栄養バランスの取れた飼料を計画的に与えることが可能だ。その結果、理想的な霜降りが形成され、肉質が安定する。</p>



<p>また、牛舎の広さをきちんと設計することで「動き回りすぎて筋肉がついてしまう」のを避けることができる。そのほか、牛舎の衛生管理と牛の観察を徹底することで病気の予防にもつながり、健康的に育てることが可能となる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">飼料への探究と音楽で整える環境</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5312.jpg" alt="" class="wp-image-53329" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5312.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5312-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5312-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>川村ファームは、全部で4つの牛舎を有しているが、それぞれの牛舎で牛の飼育方法は変わる。</p>



<p>環境に大きな影響を受ける、繊細な牛たちに配慮した飼育がそれぞれの牛舎でなされているのだ。その中でも肝となるのが、和牛の味を決定づける最大の要因の一つである飼料だ。</p>



<p>就農してから20年、いろいろな飼料や自己配合を試した川村さんは、「いろいろ試した結果、シンプルに行きついた。その代わり、4つある牛舎のうちの1つは、いろいろ試してみて実験している」のだという。“シンプル”とは、メーカーから組合で調達した飼料で、かつては農家で“企業秘密”だったものが、今は情報共有しながら牛を飼育するようになったのだという。さらに川村ファームでは、牛の成長段階に応じて3種類の飼料を使い分け、音楽を流して牛たちがリラックスしてたくさん食べられるようにしている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">名誉賞が証明する川村ファームの実力</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5339.jpg" alt="" class="wp-image-53330" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5339.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5339-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5339-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>川村さんの牛が育てられる牛舎は、単なる飼育施設ではない。そこで生まれる肉質の高さは、先述した通り、日本全国の和牛生産者が集う全国肉用牛枝肉共励会において、全国選りすぐりの約500頭の中から最高賞の「名誉賞」を受賞するという快挙によって証明された。</p>



<p>この全国肉用牛枝肉共励会とは、日本全国の優れた和牛生産者が、自ら育てた牛の肉質を競う場だ。ここでは、単に霜降りの多さだけでなく、肉の締まり、色合い、脂肪の質、風味など、総合的な評価が行われる。</p>



<p>川村さんの牛は、霜降りの美しさ、肉の柔らかさ、脂の甘みにおいて圧倒的な評価を受けた。実際に試食させてもらったが、脂肪の質は、ただサシが多いだけでなく、口の中でほどけるような食感と、豊かな風味が際立っていた。</p>



<p>この名誉ある賞は、一朝一夕で獲得できるものではない。長年の試行錯誤の積み重ね、牛舎での細やかな管理、最適な飼料の選定、牛一頭一頭への細やかな気配りがあってこそ成し遂げられた成果なのだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">持続可能な仙台牛の未来へ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5387.jpg" alt="" class="wp-image-53331" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5387.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5387-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5387-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>川村さんが育てている仙台牛とは、A5ランクのものだけが名乗ることを許された宮城が誇るブランド牛だ。そのA5の中でも、肉質等級を判断する「霜降り度合い（脂肪交雑）」8、9、10、11、12というランク付けがあるという。数字が大きくなればなるほど霜降りになり、12が最も霜降り加減が良いものとされる。川村さんが目指すのは、常に10以上の仙台牛。育てていくうちに、10以上でないと満足できなくなったのだそうだ。価格もこのランクによって変わるが、12の牛肉を食べた客から「赤身がいい」と言われ、食の好みの変化を感じたという。さらりとしたきれいなサシの入った12番を、川村さんは一層追求していく。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5198.jpg" alt="" class="wp-image-53332" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5198.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5198-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/kawamura-farm_A_5198-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>和牛生産を取り巻く環境は年々厳しさを増している。飼料価格の高騰、気候変動による影響、後継者不足、さらには肉の需要の低下など、課題は多い。それに、血統を重視すると競で子牛の価格も上がり、飼育期間を考えると「割に合わない」となる。しかし、川村さんはこの困難を乗り越えるために、国内消費が厳しくなっていく牛肉の海外輸出を行っているのだという。</p>



<p>さらに、後継者不足で辞めてしまった農家の牛舎を川村ファームで買い取ったり、借りたりして、仙台牛の生産を絶やさないようにと奮闘中している。</p>



<p>若手農家として業界をけん引する川村さんの挑戦は、まだまだ続く。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53317/">若手農家が育てる極上の仙台牛「川村ファーム」3代目・川村大樹さん／宮城県石巻市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>日本のフェルミエチーズの先駆け『吉田牧場』／岡山県加賀郡</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 20 Sep 2025 12:47:11 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[ラ・ベットラ・ダ・オチアイ]]></category>
		<category><![CDATA[畜産]]></category>
		<category><![CDATA[ブラウンスイス]]></category>
		<category><![CDATA[イタリア大使館]]></category>
		<category><![CDATA[グラナータ]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1097.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>東京で会社勤めをしていた吉田全作さんは1984年、チーズを作るため岡山県の吉備高原で酪農を始めた。健康な牛を育て、その乳から作るカマンベールやリコッタ、カチョカバロなどのチーズは有名レストランのシェフから評価を受け、全国 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53183/">日本のフェルミエチーズの先駆け『吉田牧場』／岡山県加賀郡</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1097.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>東京で会社勤めをしていた吉田全作さんは1984年、チーズを作るため岡山県の吉備高原で酪農を始めた。健康な牛を育て、その乳から作るカマンベールやリコッタ、カチョカバロなどのチーズは有名レストランのシェフから評価を受け、全国へ広まっていった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「牛飼い」としてチーズ作りを始める</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1105.jpg" alt="" class="wp-image-53184" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1105.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1105-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1105-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>吉田牧場は岡山空港に近い岡山県中央部の吉備高原にあり、岡山市内からはクルマで約1時間の距離だ。標高約370メートルの起伏に富んだ土地にある牧場には約60頭のブラウンスイス牛が放牧され敷地内にチーズ工房を設けている。自分たちの家畜の乳だけを使ってチーズを作る「フェルミエチーズ」の日本での先駆的存在だ。</p>



<p>1984年、この地で『吉田牧場』をスタートさせた吉田全作さんは1955年、岡山市で生まれた。北海道大学農学部を卒業し東京で約５年間会社勤めをした後、ものづくりがしたいという思いから好きだったチーズ作りに取りかかった。チーズ作りは牛を飼うことだと心得ていた吉田さんは最初の半年は酪農の研修をし、現在の場所で牧場を開いて3年経った頃にチーズ作りを始めた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ブラウンスイス牛の乳からチーズを製造</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1102.jpg" alt="" class="wp-image-53185" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1102.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1102-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1102-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「牛飼いについてまったくの素人だった両親がふたりだけで365日休みなく牛の世話をして、安定してきたと思えたのが5年経った頃だそうです。考えようによってはたった5年で酪農のノウハウを掴んで、そこからチーズ作りを始められたことはすごいと思います」。こう語るのは吉田全作さんの息子、吉田原野さんだ。現在の吉田牧場の担い手である。</p>



<p>ヨーロッパの農家はそれぞれの地域の気候風土にあった家畜を飼い、その乳から作るチーズが地域ごとの名産となっている。例えばゴーダチーズは、オランダの平地にぴったりの体が大きくずんぐりとしたホルスタイン牛の乳から作られ、ゴーダという町を代表する加工品となった。世界三大ブルーチーズのひとつ「ロックフォール」は南フランスの石灰岩地帯にあるロックフォール・スール・スールゾン村の冷涼な山地で飼育されるヒツジの乳を村内の巨大な洞窟で熟成して作られている。また北イタリアの山岳部では、崖を登り下りできるヤギを飼育し、その乳から作られる「カプリーノ」が有名。<br><br>吉備高原に合うとして吉田さんが選んだのはスイス原産のブラウンスイス牛だ。山地を上り下りするのに適した牛で、チーズ作りに必要な固形分であるカゼインなどタンパク質が製造過程を経ても残る「歩留まり（ぶどまり）」がいい乳質を持つ。吉田牧場で毎日搾乳するのは現在約30頭で、1日に550〜600リットルを機械で搾乳する。ホルスタイン牛に比べると乳量としてはかなり少ないが、家族で無理をせずに世話ができる頭数におさめている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">乳質がチーズに与える影響は9割</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1085.jpg" alt="" class="wp-image-53186" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1085.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1085-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1085-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>チーズの出来を左右するのは約9割が生乳の質で、人間が補うことができるのは1割程度だという。「平均値には持っていけるかもしれませんが、生乳がよくなければ決して満足できるものには持っていけないんです」と原野さん。</p>



<p>干し草など牛が食べるものと飼育環境に最大限の注意を払って健康管理を行う。放牧中の牛は外の草を食べるが、ほかに「チモシー」という競走馬に与えるような最上級の干し草をじゅうぶんに与えられる。これはパリッと乾燥した干し草で香りもよいうえに含有タンパク量や繊維の質がよく、体内で分解しやすいため牛のお腹にストレスをかけない。水は１頭につき1日100リットル以上与えている。こうした環境で外を歩き回る牛は足腰が鍛えられるので、お産のときも人の手を借りることなく自然分娩で生んでくれるという。チーズ作りで何より重要なことは牛を健康に飼育することだと考える原野さんは自分たちのことを「牛飼い」と呼ぶ。</p>



<p>原野さんは牛の世話から１日も離れない両親を見て育った。それでも吉田牧場の仕事を継ごうと思ったのは「両親が毎日楽しそうだったんです。良いお客さんに恵まれていつも賑やかだったし、まったくつらそうじゃなかった。実際に仕事を一緒にやるようになってから牛飼いの大変さがわかりました」。</p>



<h2 class="wp-block-heading">イタリア大使館のピンナ氏からチーズ作りを教わる</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1096.jpg" alt="" class="wp-image-53187" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1096.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1096-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1096-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>父の吉田全作さんがチーズ作りを始めた当初、吉田牧場のように酪農とチーズ製造を一緒に行う小規模農場は北海道に1軒、長野に1軒程度だった。一般的にチーズといえば大手乳業メーカーのプロセスチーズで、そんな時代に全作さんはカマンベール、ラクレット、フレッシュの3種類のチーズを作り始めた。</p>



<p>あるとき吉田牧場のカマンベールチーズが、イタリア大使館の参事官だったサルバトーレ・ピンナ氏によって見出される。東京のパン店で購入したチーズに感動し「こんなチーズを作る日本人がいるのか。彼にもっとチーズを作ってもらいたい」と熱い思いを抱く。ピンナ氏は過去にイタリア外務・国際協力省に勤務し、農業の開発協力など対外援助に携わっていた。チーズ好きで世界中どの赴任先でもおいしいチーズを作れる人物を探すほどチーズへのこだわりは強い。そこでさっそく吉田牧場に連絡を取った。</p>



<p>1990年、ピンナ氏は吉田牧場を訪れ、全作さんに数日間つきっきりでカチョカバロ、モッツァレラ、リコッタチーズの作り方を教えた。全作さんは教わったとおりに励み、出来上がったチーズを大使館に送るとピンナ氏から「合格」という返事が返ってきた。その後、東京・赤坂のイタリア料理店『グラナータ』の初代料理長で現在は『ラ・ベットラ・ダ・オチアイ』のオーナーシェフを務める落合務氏が吉田牧場のモッツァレラチーズに惚れ込み、取り扱いを始めたことで、ほかのレストランにも広まっていった。チーズ作りを始めた初期段階でレストランのシェフから支持されたことは大きかった。その後レストランで吉田牧場のチーズを知った人が直接注文してくれるようになった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">この土地だからできる味わいを表現する</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1101.jpg" alt="" class="wp-image-53188" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1101.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1101-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1101-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在、吉田牧場が製造するチーズはカチョカバロ、ラクレット、パルミジャーノタイプの「コダカ」、コンテタイプの「マジヤクリ」、カマンベール、モッツァレラ、イタリアンリコッタなど約10種類。チーズはナチュラルチーズとプロセスチーズに分けられる。ナチュラルチーズを加熱して色々と添加して作るプロセスチーズは乳酸菌が死滅し保存中に熟成が進むことはないため、最初に味を決めて作り上げる。吉田牧場のチーズは全てナチュラルチーズで、乳酸菌などの微生物の働きで生乳を固めて発酵・熟成させるため時間の経過とともに味が変わっていく。「食べる方にとってもその変化は楽しいんじゃないかと思います」と原野さん。</p>



<p>家畜がいて鍋と火と塩があればチーズを作ることができる。そのなかでチーズの味を決める大きな要素が乳酸菌だ。吉田牧場では自前で乳酸菌を起こして受け継ぎながらずっと使っている。乳酸菌は自然界に存在しているため、牛乳を20度程度の気温の外に置いておくと菌がやって来て繁殖してヨーグルト状になる。こうして作り受け継いできた乳酸菌にうまく働いてもらうためチーズを仕込む際のホエイが抜けていく速度や温度、水分量を調整する。これは歯ごたえにもつながる。</p>



<p>乳質は毎日変わり、チーズは保存中の気温や湿度、環境によって発酵、熟成が変わる。「自分のコントロールが効かない部分、効かせたくても効かせられない部分に新しい発見があって面白いです」と原野さんは語る。</p>



<p>吉田牧場のチーズ熟成庫は斜面を切り取った半地下のような構造物だ。パルミジャーノタイプと「マジャクリ」というハード系の2種類をここで熟成させる。若いチーズは白く、塩水につけたタオルを絞って自然に生えるカビを拭き取り、裏返す作業を毎日繰り返すうちに表面に硬い皮ができる。こうなればカビは内部に入ることはなく、内部で熟成が進む。チロシンというアミノ酸が増加する過程で、グルタミン酸などのうまみ成分も増える。このようにして2〜3年間熟成庫に寝かせたのちに出荷する。</p>



<h2 class="wp-block-heading">楽しみながらチャレンジを積み重ねる</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/GR001299-1_batch.jpg" alt="" class="wp-image-53237" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/GR001299-1_batch.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/GR001299-1_batch-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/GR001299-1_batch-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>吉田牧場の設立から40周年を迎えた年、チーズの熟成を抑えながら保存する貯蔵室と販売所と多目的スペースを兼ねた建物が完成した。自然素材を多用し、経年美を尊重する建築家・中村好文氏の設計で、印象的なのは吉田牧場のブラウンスイス牛のフンを使用し、作られた外壁だ。藁のブロックを積み重ね、土などで固めるストローベイルハウスのような造りだ。多目的スペースの楽しさの「ファン」と「フン」と掛けて「FUN」と名付けている。</p>



<p>牧場を運営するうえで避けて通れない、搾乳できない牛の命にも向き合っている。オスの仔牛のほとんどは山口県美祢市の『梶岡牧場』に託す。牛の飼料の製造から繁殖、肥育、育てた牛を食として提供するレストラン経営までを一気通貫のスタイルで行う牧場だ。また仔牛を産めなくなった母牛は滋賀県草津市の精肉店『サカエヤ』に任せる。全国10箇所の牧場の生産者とつながり、どのような飼料でどのように飼育されたか把握したうえで最適な方法で処理することができ、全国の名だたるレストランの料理人が研修に訪れる。吉田さんが絶大な信頼を置く2社だ。牛の皮は『サカエヤ』から神戸に拠点を置くオーダーメイドのレザーバッグのブランド『cornelian taurus by daisuke iwanaga』に納品されている。「命の最後を信頼できる人に任せられるから、心置きなく育てることができる」。</p>



<p>吉田原野さんはこう語る。「これ以上たくさん作って売ることは考えていないんです。重心を置いているのは、自分たち家族が楽しみながら続けられるかどうか。酪農とチーズ作りは毎日やることが一緒だから、それをちゃんと続けられるかどうかが今後をもっと良くできるか、ダメになるかの分かれ道だと思うんです。続けていくなかで見つかったチャレンジは小さなことでも積み重ねて、それでようやく行くべき道筋が見えてくるということだと思います」</p>



<p>チーズ作りを息子に引き継いだ父・吉田全作さんは現在、畑で麦を栽培して趣味としてパン作りに挑戦している。家族が毎日の積み重ねを楽しみ、発見を繰り返しながら理想を追うのが吉田牧場のスタイルだ。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53183/">日本のフェルミエチーズの先駆け『吉田牧場』／岡山県加賀郡</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>純血にこだわり抜いた高品質のアグー豚を届ける「又吉農園」／沖縄県名護市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 20 Sep 2025 12:24:46 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[アグー豚]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[畜産]]></category>
		<category><![CDATA[養豚]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-032.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>沖縄が誇るブランド豚「アグー」は、柔らかく良質な脂と甘味たっぷりの味わいが特徴だ。純血100%のアグー豚の生育を積極的に行う「又吉（またよし）農園」。特別なおいしさの秘訣は、豚がストレスなく育つ環境と上質な飼料、そして若 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53171/">純血にこだわり抜いた高品質のアグー豚を届ける「又吉農園」／沖縄県名護市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-032.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>沖縄が誇るブランド豚「アグー」は、柔らかく良質な脂と甘味たっぷりの味わいが特徴だ。純血100%のアグー豚の生育を積極的に行う「又吉（またよし）農園」。特別なおいしさの秘訣は、豚がストレスなく育つ環境と上質な飼料、そして若き後継者たちがアグーにかけるこだわりにあった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">沖縄の食文化を担うブランド豚・アグー</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-010.jpg" alt="" class="wp-image-53173" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-010.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-010-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-010-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>沖縄が誇るブランド島豚「アグー」。肉質が柔らかく、旨味たっぷりの脂身、甘みとコクがある上品な味わいが特徴だ。高級しゃぶしゃぶ店での提供をはじめとし、嗜好肉として沖縄県内外を問わず知名度を上げている。</p>



<p>アグー豚は、一般豚に比べて小柄で一頭当たりの肉量が少なく、生まれる子豚の数も少数なことから、生産が難しい品種である。ゆえに希少価値が高いブランド豚としての地位をもたらしている。</p>



<p>アグー豚の起源は、約600年前の14世紀、明（現在の中国）から琉球王国に伝えられたのが始まりだと言われている。</p>



<p>第二次世界大戦後、アグーは激減し30頭ほどまで減ってしまったが、名護市（なごし）の北部農林高校の研究機関を筆頭に、戻し交配を行い1993年に原種を復活させることに成功した。これを受けて名護市は、琉球在来豚・アグーを復活させた地として2013年に「アグーの里」を宣言した。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-033.jpg" alt="" class="wp-image-53174" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-033.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-033-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-033-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ところで、アグー豚には2つの種類があることはご存知だろうか？</p>



<p>カタカナ表記の「アグー」は、純血のアグー豚の掛け合わせで生まれた豚を指す。</p>



<p>対してひらがな表記の「あぐー」は、JAおきなわの基準をクリアした農場産の豚肉を指し、雄のアグー豚と雌の西洋豚を交配してできた、要は“アグー豚のハーフ”である。</p>



<p>小型なアグーは一腹の出産が西洋種の半分以下。ランドレース、ヨークシャーといった大型で発育が早い西洋品種と交配することにより、「アグー」の優れた肉質を活かしつつ肉量の多い「あぐー豚」を生産している。</p>



<p>県内には「アグー豚」「あぐー豚」を飼育するアグーブランド豚指定生産農場が13戸あり、各農家によって掛け合わせのパターンが異なり、豚の大きさや肉質も変化する。</p>



<p>沖縄本島北部の名護市で畜産や農業を営む「又吉農園」は、純血×純血の“100%アグー豚を妥協せずに追求し、原種に近い交配に注力してきた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ストレスフリーな環境とこだわりの飼料で育つ「又吉アグー」</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-028.jpg" alt="" class="wp-image-53175" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-028.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-028-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-028-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>名護市・安和岳（あわだけ）の麓にある又吉農園の養豚場。400頭ものアグー豚が飼育されている。採石地帯であるこの地は、もともと又吉家が所有する土地で、昔はミカン畑だったそう。年間を通して蒸し暑い沖縄だが、森に囲まれ日陰で涼しく、豚にとっても快適な環境だ。</p>



<p>ブランド豚「又吉アグー」の特徴は、生まれて1ヶ月後からのびのび走り回れる環境で育てられる点にある。広々とした環境でストレスフリーで育てることで肉質が良く、柔らかくなる要因に繋がるという。</p>



<p>またホルモン剤や抗生物質は一切使わず、無添加生育にもこだわっている。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-011.jpg" alt="" class="wp-image-53176" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-011.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-011-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-011-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2004年に創業した又吉農園は、2013年に法人化。2021年からは営業リーダーの又吉 朝太郎（あさたろう）さんを筆頭に、主力メンバーを20代の若手メンバーに総替わりした。</p>



<p>「食を通じて、地域にあんしんを届け続ける」を経営理念に掲げて、“純血のアグー豚”という希少価値とブランドバリューの向上に注力している。</p>



<p>「アグー豚は、通常の豚の大きさと比較して半分くらい小さく、出産数も半分ほど少ないのでビジネスモデル的には難しい品種ですが、その分おいしさの優位性は抜群です。これからも原種を大切に保有してチャレンジを続けていきたい」と話す又吉さん。</p>



<p>西洋種は半年ほどで肥育が完了するのに対し、アグー豚の肥育日数は約10か月かかる。その分エサ代もかかるので、ブランド化することで単価を保っている。</p>



<p>「生産量が限られるのが課題。急いで太らせて量を増やすこともできますが、肉質が落ちてしまうのが一番怖いこと。出荷の度に現物を見て脂の付き具合などをチェックします」。純血にこだわり、アグーの原種を守っていきたいという想いがひしひしと伝わってくる。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-036.jpg" alt="" class="wp-image-53177" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-036.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-036-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-036-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>飼料にもこだわりが。2種類の飼料を、生育段階に応じてバランスや量を調整しながら与えている。</p>



<p>白い方は主食のエサとなる、JAのあぐー豚の規定に則った配合飼料。</p>



<p>茶色の方は、ビール粕、米ぬか、パイン粕を含んだ又吉農園オリジナルの発酵飼料。粕の栄養分には乳酸菌を含み、腸内環境の改善が見込まれる。</p>



<p>最初は穀物系やタンパク質を多めに与えて、子豚を肥育する際は発酵飼料の含有量を増やすなど、成長段階に合わせて内容や質を変え、旨味アップに繋げている。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="551" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2b5b9d785f875cb8912e110e3bfc6ec2.jpg" alt="" class="wp-image-53178" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2b5b9d785f875cb8912e110e3bfc6ec2.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2b5b9d785f875cb8912e110e3bfc6ec2-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2b5b9d785f875cb8912e110e3bfc6ec2-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>昨今は飼料代も高騰し、苦戦を強いられる中、「又吉アグー」としてのブランドを掲げ、通常の豚の倍以上の高単価で卸しできるように交渉している。</p>



<p>那覇市のしゃぶしゃぶ店など取引先には養豚場を見学して飼育のこだわりを見てもらった上で、アグー豚ならではの価値を伝えている。</p>



<p>「飼料代の高騰と、アグー豚の生産性の低さは率直に伝えつつ、実際に食べてもらって味で勝負し、お取引きしたいかどうかを判断いただいています」と話す、若きメンバーの真っ直ぐな眼差しが印象的だ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">甘くてとろけるアグー豚をしゃぶしゃぶで</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-025.jpg" alt="" class="wp-image-53179" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-025.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-025-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-025-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>脂がきれいにのって美しい「又吉アグー」。</p>



<p>肉質が柔らかく、脂身の旨味がたっぷりで、脂肪融点が低いため口の中ですっと溶けていくような食感が特徴のアグー豚。オレイン酸が豊富に含まれ、香りがよく風味も豊かだ。</p>



<p>アグーは獣臭に近い酸味・臭みを持つリノール酸も高いが、野性味があり旨味にも通ずるところだという。</p>



<p>その上で、アグーは脂身の融点が低いという優位性があるため“脂がしつこくない”のも良さ。火を通してもアクが出にくいのが証明だ。</p>



<p>アグー豚の部位で人気なのはバラや肩ロースで、素材の味を堪能できるしゃぶしゃぶが一番合うという。</p>



<p>甘くて食べやすいロースは、ポン酢、ゴマダレでいただくのがおすすめ。</p>



<p>脂の旨味が強いバラ肉は、火を入れても固くなりづらく柔らかいのが特徴だ。獲れたてのシークヮーサーをキュっと絞っても相性が良い◎</p>



<p>アグー特有の霜降りには旨味成分が多く含まれ、赤身部分も、脂肪部分に関しても味わいが濃厚。西洋種が淡泊に感じるほど旨味が強い点が、何よりの差別化ポイントだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">目指すは地域に根付いた畜産＆農業</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-042.jpg" alt="" class="wp-image-53180" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-042.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-042-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/matayoshinouen-042-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>営業リーダーの又吉さん（中央）と加工部担当の外間さん（左）、広報担当の宮城さん（右）の若手トリオに今後の抱負を聞いた。</p>



<p>「農業は高齢化が進み衰退が課題となる中、逆行して農業の職業地位を上げていきたい。希少価値の高いアグーの生産を積極的に発信して認知度を高め、若い人が“農業やってみたい”と思える会社にして、地域の文化や暮らし、景色を守っていきたい」。</p>



<p>「“純血へのこだわり”を軸に、今持っているアグーの種を守りながら増やしていくビジネスモデルを強化していきたい」。</p>



<p>「若い人の農業定着は低くなっているが、自分たちで作ったものをいくらで世に出せるかの責任感と面白さを伝えていき、感じてほしい」。</p>



<p>それぞれの想いを持った若き後継者たちが手塩にかけて育てあげるアグー豚。</p>



<p>これからも本質を見失わずに真摯に向き合い、アグーの魅力を、ここ沖縄から日本、世界へと発信し続けていくことだろう。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53171/">純血にこだわり抜いた高品質のアグー豚を届ける「又吉農園」／沖縄県名護市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>ジャージー牛を放牧し、「低温殺菌･ノンホモ」の牛乳を全国にお届け。なかほら牧場／岩手県岩泉町</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/53128/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 16 Aug 2025 03:19:10 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[乳牛]]></category>
		<category><![CDATA[山地酪農]]></category>
		<category><![CDATA[ノンホモ]]></category>
		<category><![CDATA[低温殺菌牛乳]]></category>
		<category><![CDATA[畜産]]></category>
		<category><![CDATA[ジャージー牛]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9033.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>北上山系の広大な山地で、ジャージー牛主体の放牧酪農をしている「なかほら牧場」。野草を食べながらのびのびと過ごす健康な牛の生乳を、自社のミルクプラントで「低温殺菌･ノンホモ」に仕上げた牛乳は、「コクはあるのに後味がすっきり [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53128/">ジャージー牛を放牧し、「低温殺菌･ノンホモ」の牛乳を全国にお届け。なかほら牧場／岩手県岩泉町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9033.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>北上山系の広大な山地で、ジャージー牛主体の放牧酪農をしている「なかほら牧場」。野草を食べながらのびのびと過ごす健康な牛の生乳を、自社のミルクプラントで「低温殺菌･ノンホモ」に仕上げた牛乳は、「コクはあるのに後味がすっきりしている」と県内外で評価されている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">故郷で山地酪農を目指す</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031.jpg" alt="" class="wp-image-53129" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手県の県土の約6割を占め、中央部から周辺部に向けてなだらかな勾配の山地が広がる北上山系。その標高700〜850メートルの窪地に、なかほら牧場はある。面積は、東京ドーム約25個分の、およそ120ヘクタール。ここで子牛も含め110頭の乳牛を放牧している。</p>



<p>なかほら牧場は、1984年に岩手県出身の中洞正（なかほらただし）さんが岩泉町有芸地区に入植して始めた牧場だ。中洞さんは東京農業大学在学中に、植物生態学者の猶原恭爾（なおばらきょうじ）博士が提唱した酪農スタイル「山地（やまち）酪農」を知り、衝撃を受ける。現在日本の多くの酪農家は、牛乳を大量に安価に提供するために、牛を放牧せず、牛舎につないで栄養価の高い外国産穀物飼料を食べさせている。それに対して「山地酪農」は、山に野シバを植え、草食動物である牛を放牧して草を食べさせることで、日本の国土の約7割を占める山を酪農に有効利用し緑の草地に変える、というものだった。しかも、「放牧」と聞くと平らで広い草地が必要と思いがちだが、牛は好物の草さえあれば傾斜地でも難なく歩くという。「これなら急傾斜地が多い岩手の山林でも酪農ができる」と考えた中洞さんは、卒業後に帰郷し、「北上山系総合開発事業」により売り出されていた現在の牧場を購入。この事業は県内8地区17市町村に酪農を誘致する事業で、牧場は、50ヘクタールの土地のほかにさまざまな設備や牛舎、住居なども付いた「建て売り牧場」だった。設備のなかには糞尿処理機など、牛の糞尿が放牧地の肥やしとなる山地酪農では不要なものも含まれており、多額の借金を抱えるものだったが、「故郷で放牧酪農を実践する」という夢のために決断したという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ジャージー牛を選んだ理由</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035.jpg" alt="" class="wp-image-53130" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>入植した中洞さんは、まず木を伐採して、牛たちが逃げないように牧場の周囲に柵を打ち、11頭の乳牛を放牧した。牛たちは歩き回って下草や木の葉などを食べるので、食べ尽くされて土壌がむき出しになる。そこに日が当たり牛たちの糞尿が肥料となって、やがて野シバなど在来の野草が生えるように。この作業を少しずつ繰り返すことで野草が生えた放牧地を拡大し、乳牛の頭数を増やしていった。ちなみに猶原博士は、牛が十分に食べられる量且つ、過食により野草が消滅しないちょうどいいバランスとして、「放牧地1ヘクタールあたりの牛の頭数を成牛に換算して1.5頭まで」としており、なかほら牧場でも、それに準じた規模で放牧を行っている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">生乳本来の風味を生かしたい</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051.jpg" alt="" class="wp-image-53131" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>なかほら牧場の牛たちは、通年昼夜問わず放牧されている。牛舎に入るのは、一日2回の搾乳時のみ。搾乳時には、国産のビートかすと大豆かす、小麦を混ぜた「おやつ」が与えられるが、それ以外は、春から秋までは放牧地内のノシバや野草を、放牧地が雪で覆われる冬は、自社採草地の無農薬牧草を発酵させた「サイレージ」や国産の干し草を食べながら、広大な放牧地でのびのびと過ごす。交配も出産も自然のまま。出産後も2か月までは母乳哺育なので、母牛･子牛ともにストレスがかからない。心身ともに健康そのものだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「63℃で30分間」の低温殺菌</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057.jpg" alt="" class="wp-image-53132" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>なかほら牧場ではそんな健康な牛たちの生乳を、自社のミルクプラントで牛乳に加工し、販売している。中洞さんは入植してから7年間は生乳を農協に出荷していたのだが、1987年に生乳の取引基準が「脂肪分（生乳に含まれる脂肪分の割合）3.5％以上」に変更になり、基準に満たない生乳の買取価格が半額程度となった。なかほら牧場の生乳は放牧で運動量が多いため、乳脂肪分が高くなかったが、水分量の多い青草を食べる春から秋にかけては乳脂肪分がさらに低くなる。そのため中洞さんは「この基準では経営が成り立たない」と危機感を感じ、自分のブランドを立ち上げることを決意。銀行から融資を受けてミルクプラントを建設し、牛乳の製造を始めた。ちなみに同牧場ではその後、ジャージー牛の比率を増やして生乳の脂肪分を高め、現在は夏が3.6〜3.8％、冬は4.3〜4.5％である。</p>



<p>同牧場の牛乳は、コクがあるのに後味がすっきりしている点が特徴だ。それをつくりだしているのが、「63度Cで30分間」の低温殺菌をしていること。「殺菌温度や時間によって、タンパク質が変化して生乳本来の味ではなくなる。そこで試行錯誤してたどり着いたのが、法律上ギリギリの『63度Cで30分間』だったんです」と説明するのは、中洞さんに代わり2021年から牧場長を務める牧原亨さんだ。牧原さんによると、日にちが経つと牛乳に「熟成した風味」が加わるそうで、顧客の中には購入した当日と1週間後の味の変化を楽しむ人もいるという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">瓶の上部の「生クリーム」も楽しんで</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061.jpg" alt="" class="wp-image-53133" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>もうひとつ、なかほら牧場の牛乳の特徴が、ノンホモジナイズ牛乳（ノンホモ牛乳）であることだ。「ホモジナイズ」とは牛乳に含まれている脂肪球を小さくつぶす工程のこと。大手乳業の大量流通品は120℃2秒などの高温殺菌工程における焦げつきを避けるため、殺菌の前にその脂肪球をつぶしておく必要があるのだ。しかし一方で、脂肪球を砕くため生乳本来の風味が失われるというデメリットがあることから、なかほら牧場では「生乳に近い味を楽しんでもらいたい」と「ノンホモ」を選択しているという。「うちの牛乳の味が濃厚といわれるのはそれもあるのです。また、日にちが経つと脂肪分が瓶の上部に浮いてきますが、これは生クリームですのでそのまま食べてもおいしいですし、パンにのせて食べるというお客様もいらっしゃいます」と牧原さんは胸を張る。</p>



<h2 class="wp-block-heading">次世代に引き継げる「安定経営」を目標に</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059.jpg" alt="" class="wp-image-53134" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在なかほら牧場のミルクプラントでは、牛乳のほかにアイスクリームやヨーグルト、バター、プリンなどの加工品も製造している。販売先は岩手県を越え、関東や関西、四国、九州まで拡大してきたが、それでも経営は厳しい。</p>



<h3 class="wp-block-heading">商品の価値を理解してもらうことが重要</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060.jpg" alt="" class="wp-image-53135" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>牧原さんの実家は、隣りの田野畑村で600頭の牛を牛舎で飼育する酪農家だったが、その後廃業となり、牧原さんは13年前になかほら牧場にやってきた。そして「こういうやり方で牛を飼いたい」と感じるようになったという。「でも、現在のように年一億円以上の赤字経営ではダメ。家族で食べていくことができて、次世代の若者に引き継げるような経営体にしないと」と明言する。</p>



<p>経営を安定させるために牧原さんは、消費者に商品の価値を理解してもらい売り上げを増やすことが必要だと考えている。「例えば、うちの牛乳の瓶の上部に浮いてくるのが脂肪分だと知らないお客様もいます。うちの牛乳の値段は一般的なものの5倍以上ですから、その理由、つまり放牧酪農でエサは草主体で、低温殺菌でノンホモである、ということを理解してもらわないと買ってもらえない。逆に理解してもらえば、購入につながるはずです」と牧原さん。若いスタッフや研修生とともに知恵を出し合い、「牛のため、山のため、乳製品を飼ってくれる生活者の健康のため」をモットーに、牧場の発展を目指す。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53128/">ジャージー牛を放牧し、「低温殺菌･ノンホモ」の牛乳を全国にお届け。なかほら牧場／岩手県岩泉町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>職人のための職人であれ「北川鶏園」3代目、北川貴基さんの卵づくり／千葉県袖ケ浦市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 15 Aug 2025 04:55:42 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[ぷりんセス・エッグ]]></category>
		<category><![CDATA[あおぞら鶏舎]]></category>
		<category><![CDATA[畜産]]></category>
		<category><![CDATA[養鶏]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC4961.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>千葉県鶏卵品質改善共進会最高位である農林水産大臣賞受賞の常連である北川鶏園の「ぷりんセス・エッグ」はすき焼きの名店、浅草「今半本店」でも採用されるなど、食のプロもお墨付きを与える卵として知られる。「職人のための職人であれ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC4961.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>千葉県鶏卵品質改善共進会最高位である農林水産大臣賞受賞の常連である北川鶏園の「ぷりんセス・エッグ」はすき焼きの名店、浅草「今半本店」でも採用されるなど、食のプロもお墨付きを与える卵として知られる。「職人のための職人であれ」という信念を貫き通した3代目、北川貴基（たかき）さんの手がける養鶏の秘訣とは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">職人のための職人であれ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5130.jpg" alt="" class="wp-image-53097" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5130.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5130-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5130-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>都心から東京湾アクアラインを渡り1時間足らず。木更津市に隣接した袖ケ浦市の丘の上に、東京の三ツ星レストランや各地の洋菓子店からの引き合いが絶えない卵を生産する養鶏場「北川鶏園」がある。</p>



<p>北川鶏園は北川貴基さんの祖父が1955年に横浜で500羽からスタート。1967年に現在の場所に移転し、現在は約3万5000羽の鶏を育てている。この飼養数は養鶏業者としては決して大きな数ではなく、その小回りのきく規模感を活かした飼育環境で卵質を向上させ、プロの飲食店へ向けた販路拡大にも積極的に動けるのが北川鶏園の強みである。</p>



<h3 class="wp-block-heading">卵白の強さに重きを置いた「ぷりんセス・エッグ」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5354.jpg" alt="" class="wp-image-53098" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5354.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5354-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5354-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>北川鶏園の主力となっている鶏種はソニアと呼ばれる鶏である。「一部の販売店さんからは、この赤みがかった卵の殻では売り場で目立たないから、白い卵の鶏種に変えてほしいと言われることがあります」というが、北川さんはまったく変えるつもりはない。なぜならば、ソニアの卵が持つ卵白の弾力の強さが魅力的だからだ。</p>



<p>加えて北川鶏園では若い鶏が産む、より卵白のコシが強く張りがしっかりとした卵を「ぷりんセス・エッグ」と名付けてブランド化。「鶏は若い時ほどぷりんぷりんの卵を産みますが、老いてくると卵が水っぽくなります。ですので若鶏の卵を選抜するんです」。ぷりんセス・エッグは割って皿に落としても崩れることなく、張りのある形を維持したまま皿の上を滑っていくほどである。</p>



<p>卵というと黄身の色などに注目がいきがちだが、なぜここまで卵白の強さにこだわるのか。それは取引先であるプロの飲食店、洋菓子店の要望に応えていった結果である。例えばケーキ作りにおいて、コシの強い卵白はメレンゲをたてると空気を多く抱き、スポンジの膨らみに明確な違いが現れる。寿司店からはぷりっとしたカステラ卵を作りたいと、ぷりんセス・エッグの導入が決まった。</p>



<p>もちろん北川鶏園では、飼料設計士による独自配合の飼料で卵黄のうま味向上に努めているものの、北川さんは食のプロが求める卵白の質においても一切妥協しない。そうした姿勢の背景には、かつて経営危機に陥った時の体験がある。</p>



<h3 class="wp-block-heading">経営危機からの気付き</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5200.jpg" alt="" class="wp-image-53099" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5200.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5200-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5200-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>北川さんが家業を継いだ2000年頃、北川鶏園は価格競争に破れて大口の取引先を失ってしまう。一気に経営が傾いてしまったため、必死に飛び込み営業に奔走した北川さん。卵を食材として扱っていそうな店を巡っては門前払いになるということを繰り返しながらも、「安売りだけはしたくなかった」と、当時の心境を振り返る。「卵の価格は市場の相場ですべて決められているんです。でも我々としては、農場で日々一生懸命にやっているだけの適正な価格で販売させていただきたいっていう想いがあるんです」。</p>



<p>諦めずに営業していく中で、ようやくある洋菓子店で北川さんの卵を使ってくれることになった。「この卵は卵白のコシが強くてふわっとしたおいしいスポンジができるんだよと、その店のパティシエさんが褒めてくれたんです。その時、卵白の大切さに気が付いたんです」。以後、北川さんは「職人のための職人であれ」を農業理念として、深く胸に刻んだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">あおぞら鶏舎でより健康な鶏に</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5105.jpg" alt="" class="wp-image-53100" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5105.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5105-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5105-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>トウモロコシや大豆、そして米を軸とした飼料にミネラル豊富な地下水を与えながら育てられた北川鶏園の鶏たち。より強く健康な鶏であるために、初代から続けてきた育成方法がある。それが「あおぞら鶏舎」での飼育である。</p>



<p>一般的な養鶏場では、外的ストレスがかかりにくく与える飼料も比較的少なくて済むことから、光や風を通さない環境で鶏は飼育されると解説する北川さん。一方で、「このあおぞら鶏舎は野外にありますので、鶏にとってはストレスのかかる環境。それが逆に強く健康な鶏を育てることになると考えています」と話す。</p>



<h3 class="wp-block-heading">生育日数に応じて鶏舎を分ける</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5374.jpg" alt="" class="wp-image-53101" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5374.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5374-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5374-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>そして飼育方法で最も特徴的なのが、鶏の生育日数に応じて鶏舎を分けていることである。一般的に、北川鶏園の規模であれば1棟の鶏舎で飼うことが可能であるが、北川さんはあえて12棟の鶏舎を設けた。</p>



<p>鮮度によって卵質が左右されることは消費者にも比較的知られているが、実は鶏の成長度合いも卵質に大きな影響を与える。老いた鶏の水っぽい卵よりも、若い鶏の張りと弾力のある卵を、どうやって常に出荷できる状態にしていくか。その答えが多棟鶏舎という飼育方法だった。</p>



<p>「こうした複数の鶏舎で育てるやり方はコストも手間もかかります。ですが、例えばケーキ屋さんですと一番若い鶏が産む卵質が好まれたりするんですが、そうした取引先さんの求めに応じた卵をすぐに、安定的にお出しできるようになるんですね」。まさに「職人のための職人」たる信念が貫かれており、だからこそ高い信頼を得ているのである。</p>



<h2 class="wp-block-heading">次世代が夢を描ける産業にしたい</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5343.jpg" alt="" class="wp-image-53102" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5343.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5343-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/Kitagawa-Keien_DSC5343-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>今後はプリンなどの加工もやっていきたいと意気込む北川さん。「これからは今以上に、ただ市場に出荷していくだけでは経営が厳しいと思うんですね。価格の決定権をしっかりと自分たちで持って、次の世代もやりたいと思えるような、そんな産業にしていきたいですね」。四半世紀前の危機から見事に立ち上がった北川鶏園の未来へ向けた挑戦が続く。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53096/">職人のための職人であれ「北川鶏園」3代目、北川貴基さんの卵づくり／千葉県袖ケ浦市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>温泉湧き出る自然環境が育む「食鳥の女王」。「石黒農場」のほろほろ鳥／岩手県花巻市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 03 Jul 2025 10:48:17 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[テロワール賞]]></category>
		<category><![CDATA[ほろほろ鳥]]></category>
		<category><![CDATA[ゴ・エ・ミヨ]]></category>
		<category><![CDATA[畜産]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_121_8795.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>フランス料理では「パンダード」と呼ばれ、その上品で繊細な味わいから「食鳥（食用として飼育される鳥類）の女王」と称される「ほろほろ鳥（ちょう）」。温泉地としても有名な岩手県花巻市の「石黒農場」では、豊かな自然環境を生かし、 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52948/">温泉湧き出る自然環境が育む「食鳥の女王」。「石黒農場」のほろほろ鳥／岩手県花巻市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_121_8795.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>フランス料理では「パンダード」と呼ばれ、その上品で繊細な味わいから「食鳥（食用として飼育される鳥類）の女王」と称される「ほろほろ鳥（ちょう）」。温泉地としても有名な岩手県花巻市の「石黒農場」では、豊かな自然環境を生かし、およそ50年前からほろほろ鳥を飼育。その肉は、国内の名だたるレストランで提供されている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">山あいの温泉地にある、国内唯一のほろほろ鳥専門農場</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="538" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_115_8698.jpg" alt="" class="wp-image-52949" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_115_8698.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_115_8698-300x196.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_115_8698-768x501.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手県花巻市の中心部から北西へおよそ10km。奥羽山脈の渓谷沿いに開けた「花巻温泉郷」を抜け、さらに奥に進んだ山間に、ほろほろ鳥の専門農場「石黒農場」はある。現・代表取締役である石黒幸一郎さんの祖父・鋭一郎さんが、戦後この地に入植し農地を開拓したのがはじまりで、やがて東京で親族が営む飲食店を卸先に、鶏を飼育するようになった。<br><br>ほろほろ鳥を扱い始めたのは、およそ50年前。親族の飲食店が岩手県盛岡市に支店を出すことになり「岩手らしい名物をつくろう」となったことがきっかけだった。最初に候補に上がったのは、岩手の県鳥・キジを使った料理。二代目となる鋭一郎さんの息子・晋治郎さんが早速キジの飼育を試みるも、繁殖させるのが難しく、また「県の鳥」を食べることへの反対の声も大きかったことから断念。そんなとき、人づてに「フランスでは、同じキジ科の『ほろほろ鳥』が食用とされている」と聞き、埼玉県の動物園から雄と雌を譲り受け、飼育を始めた。1973年のことだった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">アフリカ原産のほろほろ鳥を、雪国岩手で育てる</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_116_8706.jpg" alt="" class="wp-image-52950" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_116_8706.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_116_8706-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_116_8706-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ほろほろ鳥は、アフリカを原産とするキジ科の鳥。ほぼ改良されておらず原種に近いが、クセや臭みがなく、柔らかくジューシーで上品な味わいが特徴だ。ヨーロッパ、特にフランスでは高級レストランから一般家庭まで幅広く親しまれている食材で「食鳥の女王」とも称されている。日本には、江戸時代にオランダ船によって持ち込まれ、そのときの名称「ポルポラート」がほろほろ鳥の語源、という説が有力だ。<br><br>石黒農場がほろほろ鳥の飼育を始めた頃、日本で食用として飼育されている例はなく、手探り状態でのスタートだった。とりあえずと農場にある既存の鶏舎で飼い始めたが、神経質なほろほろ鳥は、金網越しのキツネの姿やちょっとした物音でもパニック状態になり、1カ所に集まって圧迫され死んでしまうものもいた。また、アフリカ原産のため寒さに弱く、暖を取るために重なり合って圧死することあった。「この雪深い山の中で、ほろほろ鳥を育てることはできるのだろうか」。迷いと不安を抱えながら、晋治郎さんの試行錯誤は数年にわたり続いた。<br><br></p>



<h3 class="wp-block-heading">温泉地の自然環境を活かした「床暖房鶏舎」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_110_8654.jpg" alt="" class="wp-image-52951" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_110_8654.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_110_8654-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_110_8654-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p><br>「ほろほろ鳥を寒さから守るには」。この難題を解決するヒントは、ごく身近にあった。敷地内に湧き出ている温泉だ。<br><br>晋治郎さんはある日、自宅に引いた「源泉かけ流し風呂」に浸かりながら「この温泉を鶏舎の暖房に使うのはどうか」と思いついた。試行錯誤の末、温泉水を鶏舎の床下に巡らせたパイプに通すことで「燃料費のかからない床暖房」を実現。また、広々とした屋内鶏舎に建て替え、自由に動き回れる「平飼い」にすることで、ストレスなく過ごせるようにした。<br><br>こうして晋治郎さんは安定生産できる飼育技術を確立。その後のバブル景気も追い風となり、ほろほろ鳥は目新しい高級食材として注目され、親族の飲食店をはじめ首都圏のホテルなどから次々注文が入るようになった。<br><br></p>



<h2 class="wp-block-heading">「国産」ならではの美味しさを。三代目の挑戦</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_114_8665.jpg" alt="" class="wp-image-52952" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_114_8665.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_114_8665-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_114_8665-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>石黒農場の三代目として生まれ育った幸一郎さんは、高校卒業後、すぐに家業は継がずスキーインストラクターになった。その後世界的スキーヤー・三浦雄一郎さんのチームに加わり世界中を遠征。岩手に戻り家業を継いだのは、30歳を目前にした1990年代半ば。その頃石黒農場は、バブル崩壊の煽りを受け、主要取引先だった親戚の店やホテルからの発注が激減していた。<br><br>「新しい売り先を見つけなければ」と、幸一郎さんは月に数度上京し、ほろほろ鳥の肉の入ったクーラーボックスを持ってフレンチやイタリアンの店を訪ね回った。門前払いをされることも少なくなかったが、本場志向の店やフランス帰りのシェフが「ほろほろ鳥にも国産があるのか」と興味を持ってくれた。<br></p>



<p>「閉店後にもう一度来い、と言われて夜遅くに再訪すると、シェフ仲間にも声をかけて集めてくれていたこともありました」と懐かしむ幸一郎さん。当時修業の身だった若手も今やトップクラスのシェフとなり、ほろほろ鳥を使ってくれている。「あのときから続いているご縁が今も大きな支えになっています」と微笑む。</p>



<h3 class="wp-block-heading">畜産業が自給率を下げている</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_126_8821.jpg" alt="" class="wp-image-52953" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_126_8821.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_126_8821-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_126_8821-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>石黒農場のほろほろ鳥は、抗生物質不使用の配合飼料とコメを食べて育つ。そのためか臭みや雑味がなく、脂身がさっぱりしているのが特徴だ。「皮をパリッと焼くとせんべいの香りがする、と言う人もいます」と幸一郎さんは笑う。</p>



<p>飼育を始めた当初は、一般的な養鶏用配合飼料のみで育てていたが、2003年頃から現在のスタイルに。きっかけは「畜産が国内の食料自給率を下げている」という言葉だった。</p>



<p>「東京農業大学の先生に言われたんです。畜産業は輸入飼料に依存している。だから飼育すればするほど自給率が下がるんだ、って。自分としては畜産をやることで自給率アップに貢献していると思っていたから、ショックでした」</p>



<p>ちょうどその頃、岩手県では主食用米の生産を制限する「減反政策」が行われていた。石黒農場の田んぼもその対象になっていたが、「少しでも自給率を上げたい」と考えた幸一郎さんは飼料用米に転作。エサとして与えるだけでなく、籾殻や稲わらを糞に混ぜ肥料にするなど、循環型農業にも取り組み始めた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「国産」ならではの安心と美味しさを</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_147_8923.jpg" alt="" class="wp-image-52954" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_147_8923.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_147_8923-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_147_8923-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>石黒農場がほろほろ鳥を飼育し始めてから半世紀以上が経った。今は国内のほかでもほろほろ鳥を扱うところが出てきたが、「専門農場」を謳っているのはここだけだ。</p>



<p><br>現在は年間約4万羽を出荷。鶏肉ではもも肉の人気が高く、むね肉は需要が少ないとされるが、石黒農場のほろほろ鳥にはどの部位も満遍なく注文が寄せられるという。特にむね肉は評判が高く、ジューシーで柔らかく淡白なその味わいを「白身魚のよう」と評するシェフもいる。</p>



<p>「たくさんのプロの方々に『美味しい』と使っていただけるのは、生産者として本当に励みになります。特に、フランス人シェフに認めてもらったときは感慨深かった」と幸一郎さん。その言葉通り、ほろほろ鳥の本場・フランスに本店を持つレストランからの引き合いも多い。50年以上三つ星を保持し続けるフレンチの名店「トロワグロ」が日本から撤退するときには「最後のディナーメニューに石黒農場のほろほろ鳥を使いたい」と声がかかり、店にも招待されたという。</p>



<p>さらに2025年、フランスで発行されている世界的グルメガイドブック「ゴ・エ・ミヨ」日本版で、地域に根差した食材づくりを讃える「テロワール賞」を受賞。温泉熱を利用して飼育し、鶏糞で飼料米を栽培するなどの循環型農業を実践し、高品質の食肉を提供していることが評価された。</p>



<h3 class="wp-block-heading">持続可能な「オール国産飼料」を目指して</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_149_8917.jpg" alt="" class="wp-image-52955" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_149_8917.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_149_8917-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_149_8917-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>日本では前例のなかった「食用としてのほろほろ鳥飼育」を確立し、その希少性と質の良さで名だたるシェフの信頼を集める石黒農場。だが決して順風満帆なわけではない。2023年には委託先の孵化場で鳥インフルエンザが発生し、雛が全羽殺処分に。生産体制を再構築し、出荷できるようになるまで１年かかった。</p>



<p>しかしそのピンチを救うかのように、長男の鋭太郎さんが東京の大学を卒業し、家業を継ぐために戻ってきた。今は長女も手伝ってくれている。幸一郎さんは「それまでは家族バラバラだったけど」と冗談めかしつつ、頼もしい子どもたちの姿に目を細める。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_133_8866.jpg" alt="" class="wp-image-52956" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_133_8866.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_133_8866-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_133_8866-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>そんな幸一郎さんには「オール国産飼料でほろほろ鳥を育てたい」という目標がある。つまり「自給率100%」の実現だ。令和5年度の統計によると、国内の飼料自給率は約27%。その大半は牛が食べる牧草や稲わらといった「粗飼料」で、穀類やトウモロコシなどの「濃厚飼料」だけ見るとわずか13%に過ぎない。石黒農場でも多くを輸入飼料に頼っているのが現状だ。<br><br>それでも「農地はたくさんあるし、この周辺で飼料用トウモロコシを作り始めた人もいる。決して不可能ではない」と、幸一郎さんは前を向く。すぐに実現するのは難しくても、試行錯誤しながら一歩ずつ。石黒農場の歴史はそうして紡がれてきた。「よりよいものをつくるために、できることはまだまだある。やるだけやって、あとは息子たちに託そう」と笑う父の言葉を、鋭太郎さんが頷きながら聞いている。石黒農場とほろほろ鳥の物語は、これからも続く。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52948/">温泉湧き出る自然環境が育む「食鳥の女王」。「石黒農場」のほろほろ鳥／岩手県花巻市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>傾斜地の自然を活かした放牧酪農で、牛も人も幸せになる牛乳づくり。田野畑山地酪農牛乳／岩手県田野畑村</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 17 Mar 2025 11:05:17 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[畜産]]></category>
		<category><![CDATA[山地酪農]]></category>
		<category><![CDATA[ARTISAN CHEESE AWARDS]]></category>
		<category><![CDATA[milk port NAO]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9024.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「山地酪農」とは、乳牛を一年中牧山（まきやま）に放牧し、ニホンシバなどの野草主体で育てる酪農スタイルのこと。植物生態学者の猶原恭爾（なおばらきょうじ）博士が提唱したこの酪農法に取り組んできたのが、田野畑山地酪農牛乳の会長 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52549/">傾斜地の自然を活かした放牧酪農で、牛も人も幸せになる牛乳づくり。田野畑山地酪農牛乳／岩手県田野畑村</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9024.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「山地酪農」とは、乳牛を一年中牧山（まきやま）に放牧し、ニホンシバなどの野草主体で育てる酪農スタイルのこと。植物生態学者の猶原恭爾（なおばらきょうじ）博士が提唱したこの酪農法に取り組んできたのが、田野畑山地酪農牛乳の会長・吉塚公雄さんだ。その牛乳は「季節の味が楽しめる」とファンに愛され続けている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">牛にも人にも自然にも良い、持続可能な酪農法</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9021.jpg" alt="" class="wp-image-52550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9021.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9021-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9021-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>日本の国土の約7割を占める山地。そこを開拓して牛の好物であるニホンシバを植え、乳量の多いホルスタイン種を放牧すれば、外国産の飼料に依存せずに、その生命力を活かした「牛乳」を安定的に生産することができる。これが、「草の神様」と呼ばれた植物生態学者・猶原恭爾博士が提唱した「山地酪農」だ。草食動物である牛は、草を求めて傾斜地の牧山を歩き回り、ニホンシバなどの野草を食べ、ミネラル豊富な沢の水を飲み、健康的に育つ。交配も出産も自然のまま。また、その糞尿は肥料となって、ニホンシバや他の在来の野草を永続的に育てる。そのため酪農家は、飼料代や肥料代をかけずに栄養価の高い牛乳の生産が可能に。たい肥化も含め糞尿処理代もかからない。さらにニホンシバは密生度が高いので、豪雨のときでも表土の流出を防ぎ、山を守るという。つまり山地酪農は、牛も人も幸せになり自然も豊かになる、持続可能な酪農法なのである。</p>



<h2 class="wp-block-heading">山地酪農の素晴らしさを伝えたい</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9014.jpg" alt="" class="wp-image-52551" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9014.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9014-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9014-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手県の北東部に位置し、総面積の80％以上を森林が占める田野畑村。吉塚公雄さんはここで50年近く前から山地酪農を実践している。起伏に富んだ18ヘクタールの吉塚農場では、18頭の搾乳牛と10頭の育成牛（子牛など搾乳できない牛）を一年中放牧。牛たちは春から秋にかけて農場の無農薬・無化学肥料の野草を食べ、青草のない冬は、自家採草地の、やはり無農薬・無化学肥料の乾牧草を与えられる。穀物飼料は一切食べない。</p>



<p>「野草は在来のもの、牧草は家畜用に改良されたもので、異なる草です。うちの農場の野草の5割はニホンシバで、残り5割が春のシロツメクサや夏のヤハズソウなど49種類。また牛たちは、暑い夏には水をたっぷり飲むし、冬はその逆。ですからうちの牛乳を買ってくださっているお客様は、『旨みが清らかで雑味がなく、季節ごとの味の違いが楽しめる』とおっしゃいます」と吉塚さんは胸を張る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">10年間の「ランプ生活」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9015.jpg" alt="" class="wp-image-52552" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9015.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9015-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9015-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>吉塚さんは千葉県市川市のサラリーマンの家庭で育ったが、小学生の頃、毎年夏に宿泊していた農家でホルスタインの飼育の様子を見て酪農に憧れ、東京農業大学に進学。そこで猶原博士が提唱する「山地酪農」と出合い、感銘を受ける。そしてこれを実践し日本中に広めようと、卒業後、田野畑村ですでに山地酪農を実践していた大学の先輩・熊谷隆幸さんのもとで1年間実習。1977年に村内で10ヘクタールの山地を手に入れ、入植した。</p>



<p>ところがその地域は電気が通っておらず、最初の10年間はランプ生活。そんななかで、木を伐採し、ニホンシバを植え、牧柵と有刺鉄線で囲ってホルスタインを放牧して草地化を進める、という作業を、栄養失調になって奥さんの登志子さんを迎え入れるまで5年間続けた。電気が通ったのは1987年。吉塚さんは、この10年間が一番つらかった、と振り返る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">プライベートブランドの立ち上げを実現</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9026.jpg" alt="" class="wp-image-52553" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9026.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9026-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9026-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>経済的な苦しさも長く味わった。というのも、ニホンシバが大地に定着して安定するまで10年以上かかる。また山地酪農では、「放牧地１ヘクタールあたりの牛の頭数は成牛に換算して1.5頭まで」と決まっているので、頭数を増やして多くの牛乳を生産・販売するためには放牧地をつくり続けないといけない。つまりその間の収入はないのだ。さらに、少しずつホルスタインの頭数を増やし、ようやく乳量を確保しても、穀物飼料を与えていない吉塚さんの牛の生乳は農協が設定した乳脂肪分の基準値に合わず、出荷できないこともあった。たとえ出荷できても、それまでの借り入れなどで相殺されると手元に現金はほとんど残らなかった。</p>



<p>そこで、同じく農協に出荷していた熊谷さんと相談し、プライベートブランドを立ち上げて直販することを決意する。製造は村の産業開発公社に委託。吉塚さんと熊谷さんの牛は、穀物飼料を与えられた牛に比べて乳量が少ないため、一般的な牛乳よりも高い値付けになってしまったのだが、地元のテレビ局が農場の様子などを放送してくれたおかげで、1996年の発売直後からその価値を理解してくれるお客がついたという。その当時のお客が現在まで買い続けてくれているそうで、そこに口コミで新規のお客が加わるので、ファンは増える一方だ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「山地酪農家を増やすこと」を親子で夢見て</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9020.jpg" alt="" class="wp-image-52554" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9020.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9020-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9020-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>プライベートブランドを立ち上げて以来、吉塚さんは農場主として、販売会社である田野畑山地酪農牛乳株式会社の社長として二束のわらじを履いてきたが、2022年、農場の代表を長男の公太郎さんに、会社の社長を四男の雄志さんに譲った。それぞれの専任者ができたことにより、農場の運営も会社の経営も改善されている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">牛乳の味を活かした乳製品づくり</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9028.jpg" alt="" class="wp-image-52555" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9028.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9028-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9028-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>しかも雄志さんは2017年から、自社の乳製品工房「milk port NAO」でヨーグルトと2種のチーズ、バターを作っている。ヨーグルトは乳酸菌だけを使って低温で長時間発酵させたもので、酸味が少なく、後味にほんのりコクが感じられる点が特徴だ。また、自社製生クリームも使ったチーズ「白仙」は、作りたてと熟成状態のそれぞれのおいしさを楽しめるもの。昨年「ARTISAN CHEESE AWARDS」のソフト部門で1位相当の「SUPER GOLD賞」を受賞するなど、国内外のさまざまな大会で評価されている。「牛乳よりも日持ちが良い乳製品は流通にのせやすいので、これらの売り上げを伸ばして会社の経営を少しでも安定させたい」と雄志さんは決意をにじませる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">50年間、あきらめずに続けてきた理由</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9018.jpg" alt="" class="wp-image-52556" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9018.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9018-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/hy9018-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>このように役割は異なる3人だが、目指すところは同じだ。それは、日本中に山地酪農家を増やすことである。国土の狭い日本では、乳牛を牛舎につなぎとめて飼育し、防カビ剤などのリスクはあるものの国産よりも安い輸入飼料を与える酪農が一般的。限られた土地で効率的に作業ができ、乳脂肪分が高い生乳がとれるからだ。「でも、日本には放置されたままの山地がたくさんあります。そこで山地酪農をやれば、最初の開拓はつらくても、やがて牛も人も幸せになって千年続けて支障のない農家『千年家』になり、地域の経済が成り立つ。ちなみに日本のホルスタインの平均寿命は5〜6才ですが、うちでは今までも最高齢が16才、熊谷さんの牧場では18才なんですよ。そしてなんといっても山地が美しい緑の放牧地に生まれ変わる。山地酪農は、日本の自然の究極の活用法。これを日本中に広めたいから、これまで開拓がつらくても経済的に苦しくてもあきらめずに続けてきたんです」と吉塚さん。そして、この夢をかなえるために、農場を30ヘクタールまで拡大して牛の頭数を増やし、経済的に安定した「モデル農家」になりたいと話す。公太郎さんも同様に農場の規模拡大を目標にしているが、それは「息子に『跡を継ぎたい』と思ってもらえるように」という後継者育成のためでもある。一方の雄志さんは、研修生の受け入れに意欲を燃やす。円安による飼料代や燃料代の高騰、子牛の販売価格の下落などにより、経営に苦しむ酪農家が増えているいま、3人の夢は、日本の酪農の夢でもあるかもしれない。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52549/">傾斜地の自然を活かした放牧酪農で、牛も人も幸せになる牛乳づくり。田野畑山地酪農牛乳／岩手県田野畑村</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>「いわて短角牛」のおいしさを追求し魅力を発信する「柿木畜産」／岩手県久慈市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 11 Mar 2025 03:29:54 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[畜産]]></category>
		<category><![CDATA[いわて短角牛]]></category>
		<category><![CDATA[岩手県久慈市]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-3.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>日本では肉専用牛（和牛）として黒毛和種が多く飼育されているが、岩手の県北では日本短角種である「いわて短角牛」の飼育が盛んだ。放牧や自然交配・分娩の飼育スタイル、赤身主体の肉などが特徴で、久慈市山形町で飼育・生産している柿 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52480/">「いわて短角牛」のおいしさを追求し魅力を発信する「柿木畜産」／岩手県久慈市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-3.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>日本では肉専用牛（和牛）として黒毛和種が多く飼育されているが、岩手の県北では日本短角種である「いわて短角牛」の飼育が盛んだ。放牧や自然交配・分娩の飼育スタイル、赤身主体の肉などが特徴で、久慈市山形町で飼育・生産している柿木畜産では、味の追求と魅力発信に情熱を傾けている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">いわて短角牛の歴史と特徴</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-42.jpg" alt="" class="wp-image-52481" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-42.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-42-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-42-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>かつて岩手を含む旧南部藩領では、農耕用や運搬用、有機肥料の確保のために、在来種の南部牛が飼育されていた。足腰が強く粗食に耐えられる南部牛は山地での放牧が可能で、飼育に手間がかからなかった点も重宝されたようだ。特に、平らな土地が少なく夏も涼しい岩手県北地域では農作物の収穫量が不安定だったため、いざというときの「販売用」として育てる農家も少なくなかったという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">春から秋までは放牧し、交配も分娩も自然のまま</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-47.jpg" alt="" class="wp-image-52482" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-47.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-47-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-47-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>しかし、時代とともに南部牛の役割は縮小していく。そこで南部牛を肉用品種に改良しようと、アメリカ産ショートホーン種などを掛け合わせ、誕生したのが「いわて短角牛」である。肉牛として少しでも価値を高めるためには大型化が必要で、南部牛同様に飼育に手間のかからない放牧で育てたかったことから、大型で放牧に適していたショートホーン種が選ばれたのだった。</p>



<p>短角牛の特徴のひとつが、春から秋にかけては山に放牧し、冬は牛舎で育てる「夏山冬里方式」という飼育スタイルだ。この地域でもともと、南部牛を飼育していた農家は畑作なども行なっており、春から秋にかけてはその作業に集中したいので、自宅や畑のそばに放牧していた。短角牛を数多く飼育することになってもやはり他の農作業がありそれに集中したいため、夏は、より草の多い山に放牧し、草が枯れる冬は山から下ろすのである。もちろん、この飼育スタイルは牛にとっても良い。3月頃に生まれた子牛は、春から秋にかけて母牛と一緒に高原に放牧されて無農薬の牧草と母乳でのびのび育つことができる。また、放牧地では母牛が種牛との自然交配により妊娠し、3月頃に牛舎で出産。この自然交配・自然分娩も短角牛の特徴だ。</p>



<p>一方、放牧地から牛舎に移った子牛は、出荷に向けた「体づくり」のため飼料などで育てられる。飼料の内容は農家や産地によってさまざま。それによって味などの肉質が変わるので、生産者の腕の見せどころといえる。</p>



<p>短角牛は出産が年1回なので、一年を通して出荷できるよう、農家では出荷時期を「月齢22〜30ヶ月」と幅広く設定している。月齢の違いによる肉質の違いはあるものの、総じて肉は、脂肪分が少なくアミノ酸が多い赤身。そのため食べ飽きず、噛むほどに旨みが楽しめると、レストランのシェフや牛肉を食べ慣れた人からの評価が高い。</p>



<h2 class="wp-block-heading">国産飼料と放牧で、「ここでしかなり得ない味」に</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-24.jpg" alt="" class="wp-image-52483" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-24.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-24-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-24-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>柿木敏由貴さんは、岩手県北の久慈市山形町で短角牛を生産している柿木畜産の二代目だ。小さい頃から親の仕事を見て育った柿木さんは、高校卒業後、家業を継ぐことを前提に岩手県立農業大学校へ進学。そこで初めて、短角牛以外の牛の飼育法を知り、放牧や自然交配・分娩で健康的に育つ短角牛の魅力を再認識した。</p>



<h3 class="wp-block-heading">国産飼料は安全、味、環境にプラス</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-38.jpg" alt="" class="wp-image-52484" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-38.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-38-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-38-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>以来30年以上、柿木さんは「短角牛一筋」で飼育・生産に励んでいる。牛舎のそばに子牛が自由に運動できるスペースを設置したり、晩秋に一部の母牛を標高の低い山に放牧するなど、より健康的に育てる工夫も欠かさない。</p>



<p>そんな柿木さんの飼育・生産方法の「肝」というべき点が、国産100％の飼料だ。当初は輸送中や貯蔵中の病害虫予防として輸入農産物などに使われている「ポストハーベスト農薬」を避けることが目的で、輸入飼料を国産に変えたのだが、安全性が高まっただけでなく肉の味も良くなった。しかも輸入飼料よりも為替変動の影響はずっと少なく、輸送のエネルギーが不要なので二酸化炭素の削減にもつながる。柿木さんは「国産飼料をもっと突き詰めよう」と研究を開始。その結果、現在はフスマ（小麦の皮）、小麦、大豆などを使った自家配合飼料を使っており、それ以外にも国産の丸大豆や干し草、地元産飼料米、自家栽培の飼料用トウモロコシなどを与えている。</p>



<p>「うちの肉は、赤身の旨みの余韻が長く、臭みがなく、すっきりした脂が特徴」と柿木さん。そうした特徴は飼料の種類や量、与えるタイミングがつくりだすもので、例えば自家栽培の飼料用トウモロコシは実だけでなく葉や茎も一緒に与えることで、「すっきりした脂」を生み出しているのだという。</p>



<p>もちろん、飼料を与える前の「放牧」も肉質にとっては重要なポイントのひとつで、最初に草を食べさせることで牛の胃や内臓が丈夫になり赤身肉のベースができる、とのこと。ちなみに柿木畜産の主な放牧地は標高700ｍの高原で、その牧草は、海からの北東風「やませ」によりミネラルを豊富に含む。柿木さんの短角牛は、山形町の土地や風土、牧草や飼料による、「ここでしかなり得ない味」なのだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">繁殖から販売まで「本気の取り組み」を伝える</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-62.jpg" alt="" class="wp-image-52485" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-62.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-62-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-62-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>柿木さんは現在、110頭の繁殖用牛と年間70頭の肥育用牛を育てている。牛の畜産農家は繁殖農家と肥育農家に分かれているケースが多いなか、両方に携わる理由として「子牛が手に入りにくくなっているので、確実に手に入れるため」と説明する。さらにハンバーグや生ハムなど無添加の加工品づくり、飲食店への卸売り、ECサイトでの直販も展開。「短角牛のすべてに関わっている」ことを自負する。</p>



<h3 class="wp-block-heading">生産方法を理解してくれる契約先のみに販売</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-46.jpg" alt="" class="wp-image-52486" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-46.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-46-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-46-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>それでも、短角牛農家として抱える課題は少なくない。最大の課題は、短角牛の肉の単価が低いことである。日本の肉用牛の0.5％以下という希少な牛の肉であるにもかかわらず知名度が低いため、黒毛和牛の半額ほど。さらに、出産が年1回である点も生産農家の経営を難しくしており、黒毛和牛を一緒に飼育したり、黒毛和牛の飼育に切り替える農家が多いそうだ。</p>



<p>そんななかで柿木さんが短角牛だけを育てているのは、「本気で取り組んでいること」を販売先や消費者に伝えたいからだという。実際、柿木畜産のECサイト以外の販売先は、柿木さんの生産方法や想いを理解・共感したうえで契約している飲食店や安全性重視の食材の大手宅配サービス会社である。</p>



<h3 class="wp-block-heading">柿木畜産の、そして岩手の短角牛のファンづくりへ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-44.jpg" alt="" class="wp-image-52487" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-44.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-44-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/kakiki-chikusan-44-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>さらに柿木さんは、独自に「CSA（Community Support Agriculture）」にも取り組む。これは消費者が、生産物への先払いや農作業の参加などで生産者を継続的に支える仕組みのこと。柿木さんは会費制の「短角牛大好き倶楽部」というコミュニティをつくり、会員の消費者へ商品を発送するほか、牧場ツアーや都内でのバーベキューミーティングなどで短角牛の魅力発信や消費者との交流を図っている。</p>



<p>この活動は、柿木畜産だけでなく岩手の短角牛自体のファンづくりにつながると柿木さんは考えている。何より牧場を見てもらうことで、岩手のテロワールの素晴らしさを感じてもらえるはずだ。本州一広い県土を持ち、内陸部の大部分が山岳丘陵地帯である岩手は、自然が豊かで放牧に適している。また、暑さに弱く寒さに強い牛にとって、夏も涼しい岩手の山は快適な場所であり、そうした自然環境を最大限生かした飼育スタイルで育てる短角牛は、岩手の文化ともいえる。一方、柿木さんにとって短角牛は子どもの頃から身近な動物であり、家族の生活を支える特別な存在だった。だからこそ牛たちが広い牧野でのびのびと過ごしている光景は、昔も今も宝物なのだ。そんな大好きな短角牛とその放牧風景の存続を願い、柿木さんの取り組みは続く。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52480/">「いわて短角牛」のおいしさを追求し魅力を発信する「柿木畜産」／岩手県久慈市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>加工販売の強化と循環型酪農で強い酪農を目指す「髙秀牧場」／千葉県いすみ市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 28 Dec 2024 07:09:09 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[畜産]]></category>
		<category><![CDATA[乳製品]]></category>
		<category><![CDATA[牛乳]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3256.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>牛の排泄物から堆肥や液肥を作り、その肥料を使って地域の農家が牛の餌となる飼料米を栽培する「循環型酪農」のなかで酪農を営む髙秀（たかひで）牧場。チーズやジェラートなどを作る加工所も開設し、直売という販売スタイルを通じて地域 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3256.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>牛の排泄物から堆肥や液肥を作り、その肥料を使って地域の農家が牛の餌となる飼料米を栽培する「循環型酪農」のなかで酪農を営む髙秀（たかひで）牧場。チーズやジェラートなどを作る加工所も開設し、直売という販売スタイルを通じて地域観光の一翼を担うスポットに成長した。攻めの経営に邁進するその想いを追いかける。</p>



<h2 class="wp-block-heading">いすみ市で牛を飼い続けて40年</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3270.jpg" alt="" class="wp-image-51152" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3270.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3270-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3270-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>牧場の牛乳を使ってつくられたジェラートやピザ、そしてチーズが観光客に人気の髙秀牧場。約180頭のホルスタインが飼育され、直売所兼カフェ「ミルク工房」のテラスからは屋外に放たれた牛たちがのんびりくつろぐ光景が広がる。千葉県南東部、外房エリアの定番観光スポットであると同時に、酪農体験会を実施するなど、酪農の魅力を伝える活動にも積極的である。</p>



<h3 class="wp-block-heading">牛乳の組合出荷にとどまらない経営戦略へ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3082.jpg" alt="" class="wp-image-51153" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3082.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3082-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3082-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>そんな髙秀牧場は1983年、代表の髙橋憲二（けんじ）さんがいすみ市で始めた。それ以前は千葉県北部に位置する八千代（やちよ）市で、髙橋さんの父親が牛を飼っていた。「私が生まれた頃に家で酪農を始めたんですけど、それからずっと牛が大好きで」と、少年のような笑顔を見せる髙橋さん。幼い頃から将来の夢は酪農家になることであり、その夢が実現したのがこの髙秀牧場だった。</p>



<p>髙秀牧場の牛乳は父親の頃からの縁で、生産者組合である「千葉北部酪農協同組合」に出荷している。千葉北部酪農のブランドである「八千代牛乳」は、千葉県北部住民にとっては給食で提供されるお馴染みのご当地牛乳。現在、一般流通している牛乳の主流が120～150℃で1～3秒殺菌する超高温殺菌牛乳であるのに対し、八千代牛乳はHTST法と呼ばれる、比較的低温で殺菌（75℃15秒）する手法がとられており、熱による風味の変質を抑えた味わいが特徴である。</p>



<p>一般的に牛乳は、酪農家から流通事業者に買い取られ、乳業メーカー、小売店、消費者へと流通していくが、髙橋さんは「買い取られる乳価が安すぎることが、辞めていく酪農家が増える大きな要因」と指摘。「牛乳の値段を酪農家自身が決められないことが問題」と強調する。その課題に組合として取り組むべく、千葉北部酪農では先に挙げた殺菌方法と千葉県産牛乳の地産地消という付加価値を付ける戦略を実践し、学校給食や県内生協への販路を拡大するなど成果を上げている。しかしなお、組合の構成員である酪農家は減少の一途をたどり、厳しい状況であるという。</p>



<p>そんな現状を見据えて動き続けている髙橋さんが一貫して力を入れてきたのが「六次産業化」と「循環型酪農」である。</p>



<h2 class="wp-block-heading">適正価格の販売を目指した六次産業化</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3049.jpg" alt="" class="wp-image-51154" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3049.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3049-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3049-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>髙秀牧場でチーズ製造の責任者を担う大倉典之（のりゆき）さん。大手乳業メーカーでチーズ製造に携わったのち、「食べてくれる方の顔が見える距離感でチーズづくりをしたい」と、2017年に髙秀牧場へ。チーズ工房の二代目の製造責任者として日々、研鑽を積んでいる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">牧場内で乳製品加工と販売を開始</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3092.jpg" alt="" class="wp-image-51155" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3092.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3092-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3092-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>髙秀牧場では牛乳の加工品製造（二次産業）と、その販売と観光（三次産業）を掛け合わせる「六次産業化拠点」として、2011年にチーズ工房を、2016年にはジェラートやピザを提供するミルク工房をオープン。ミルク工房は髙橋さんの長女、温香（はるか）さんが礎を築き、2021年には千葉市の中心市街地に髙秀牧場のアンテナショップ「牛かうばっか～高秀牧場のじぇらーと屋さん～」も開店した。</p>



<p>一方のチーズ工房では前任の職人が技術を磨き、牧場産牛乳によるチーズ造りを確立させた。一ヶ月以上熟成して作るセミハードタイプの「まきばの太陽」は2014年「JAPAN CHEESE AWARD」で金賞を受賞。牛乳の甘みと青カビ独特の風味を融合させたブルーチーズ「草原の青空」は2015年に国際的なコンクール「Mondial du Fromage」でSuper Goldを受賞するなど実績を残している。</p>



<p>その先代から技術を受け継ぎ、二代目として工房を取り仕切るのが大倉さんだ。多様な種類のチーズ造りに挑みつつジェラート部門にも改良を加え、草原の青空を原料にしたジェラートをヒットさせるなど手腕を発揮。工房に着任以来、ジェラート、チーズともに販売量は約三倍の伸びをみせている。「加工部門はうまくやればもっと伸びると思ってます。なにより自分たちで価格を決められるのが大きい。かかった経費を考慮した適正価格であってこそ、酪農は継続できるものと考えています」。大倉さんは、酪農業のこれからに危機感を抱く若手酪農家が髙秀牧場へ視察にやって来ることも多いと話す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">酪農家と米農家双方の課題に循環型で対応</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3209.jpg" alt="" class="wp-image-51156" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3209.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3209-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3209-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>髙秀牧場では牛に与える餌の国産化や地域内自給を推進している。その目的のひとつは、価格が高騰ししている輸入飼料にできるだけ頼らないようにするためだ。現在、酪農における飼料の多くは輸入に依存しており、価格高騰による影響を抑える必要に迫られている現状がある。なかでも牛乳にコクを与えるために給餌されるコーン類は輸入飼料の代表格。だが、「コーンなどの輸入飼料を国産に切り替えるとタンパク源が不足しがちになる」と話す髙橋さん。その対策として醤油醸造の盛んな千葉県の土地柄を活かし、醤油を絞った後の大豆かすをエコフィード（食品残渣を活用した飼料）として使うほか、牧場内でもトウモロコシの栽培を始めている。</p>



<p>そして、もうひとつの大きな目的は「酪農家と米農家、それぞれの課題にともに向き合うこと」である。飼料米における地域内自給のスタイルが「循環型」になっているのはそのためだ。牧場で出た牛の糞は牧場内で発酵させ堆肥に、尿は専用のラグーンと呼ばれる施設で液肥にする。その堆肥や液肥を地元の農家が飼料米栽培に活用。そこで収穫された米を牛が餌にするというサイクルだ。</p>



<p>いすみにおいても担い手の高齢化により田んぼの耕作放棄地が増加。その状況を踏まえて、食糧米よりも栽培しやすい飼料米をサイクルに組み込み、米の栽培需要を生み出すことで農業経営の下支えになることを目指す。一方で、牧場側にとっては牛の排泄物の活用と飼料の安定供給につながる。「そうやって地域とともに課題に向き合うことで里山の風景も守れますし、強い酪農経営ができてくるのかなと思っています」と大倉さんは話す。</p>



<h3 class="wp-block-heading">地域の米を餌にした牛の乳でチーズをつくる</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3064.jpg" alt="" class="wp-image-51157" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3064.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3064-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3064-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「うちの牛乳は少し甘みがあって爽やかな感じなんですが、その甘みはお米からきてると思っているんです」。例えば、「草原の青空」はその甘みを生かしてブルーチーズをマイルドに仕上げた象徴的な商品といえる。</p>



<p>大倉さんはチーズ造りのためにジャージー牛やブラウンスイスといった違う品種の牛を選択するということを、あえては行わない。地域ぐるみの取り組みとなっている「循環型酪農」があってこそ、髙秀牧場も地域も支えられているとの想いがあるからこそ、あくまでも「工房に持ってきてもらった牛乳に対してベストを尽くす」という考え方なのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">さらに次の一歩へ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3212.jpg" alt="" class="wp-image-51158" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3212.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3212-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/12/DSC3212-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>そんな髙秀牧場のあり方をチーズ造りに込める大倉さんは、使う乳酸菌を変えてみたりと試行錯誤を続けながら「米主体の飼料で育った牛の牛乳に対して、自分の持てる最大限の技術を持って個性あるチーズを目指したい」と意気込む。髙橋さんも、さらに次の一歩へ動き出している。近隣地域の十数軒の酪農家たちと共同で「TMRセンター」を作る計画を進めているのだ。</p>



<p>TMRセンターとは「牛のための給食センター」のこと。一軒の酪農家が自給作物を生産しようとすると、酪農経営にプラスする形で飼料生産という労働コストが多大にかかってしまう。稼働させるトラクターも一台数千万という膨大な金額がかかり、個人で購入するのはハードルが高い。そこで飼料生産を共同化し、拠点となるセンターを設けることで効率化を図り、地域全体で飼料自給率を向上させようというのである。「特に、酪農部分と飼料生産部分を分業化するような仕組みが必要。一日14時間とか15時間も働くなんていったら、やっぱり若い人は続かないと思うんだよね」と髙橋さんは次世代の酪農経営を見据える。地域とともに歩む牧場の挑戦は様々な人たちを巻き込みながら、これからも続いていくだろう。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/51151/">加工販売の強化と循環型酪農で強い酪農を目指す「髙秀牧場」／千葉県いすみ市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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