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	<title>岩手木炭 - NIHONMONO</title>
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	<description>「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン</description>
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	<title>岩手木炭 - NIHONMONO</title>
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		<title>硬さと精煉度と見た目の３拍子が揃う、「火持ちが良い」木炭を目指して。「北部産業」一條幸子さん／岩手県洋野町</title>
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		<pubDate>Tue, 14 Oct 2025 11:51:49 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[岩手木炭]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-27.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>木炭生産量日本一を誇る岩手県。その岩手県内で生産量の約4分の1を占めるのが、県北の洋野町産だ。その洋野町で長年製炭業を営む北部産業には、岩手県木炭品評会で受賞経験を持つ炭焼き職人・一條幸子さんがいる。 製鉄との関わりで発 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-27.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>木炭生産量日本一を誇る岩手県。その岩手県内で生産量の約4分の1を占めるのが、県北の洋野町産だ。その洋野町で長年製炭業を営む北部産業には、岩手県木炭品評会で受賞経験を持つ炭焼き職人・一條幸子さんがいる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">製鉄との関わりで発展した洋野町の製炭</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-4.jpg" alt="" class="wp-image-53383" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-4.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-4-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-4-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>洋野町で木炭生産が盛んな理由のひとつが、木炭の材料である広葉樹が多く自生していること。しかも、広葉樹の生えている山がなだらかなので、切って運び出しやすいのだという。</p>



<p>もうひとつの理由が、製鉄との関わりだ。洋野町大野地区は藩政時代、「たたら製鉄」による製鉄業で栄えていた。「たたら製鉄」とは、砂鉄と木炭を粘土製の炉に入れ、空気を送り込みながら燃焼させて「鉄」を作り出す、日本の伝統的な製鉄法のこと。砂鉄が燃焼によって酸化鉄になり、さらに木炭の成分である炭素と結びついて還元されて「鉄」に変わるため、製鉄に木炭は不可欠だったのだ。</p>



<p>明治時代になると西洋式高炉による製鉄が始まり、たたら製鉄は衰退するが、代わりに一般家庭用の燃料として木炭の需要が高まったことから、大野地区では木炭生産が継続された。また、岩手県の他の地域でも農閑期などに木炭を作る農家が多かったこと、東北線が開通して東京の市場へ出荷しやすくなったこと、県が生産を推奨したことなどにより、県全体の生産量は次第に増加。こうして1912年には「木炭生産量日本一」になった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">原料は樹齢20～30年のナラ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-76.jpg" alt="" class="wp-image-53384" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-76.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-76-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-76-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>木炭とは、木材を酸素が無い状態で加熱し、酸素や水素、不純物などを取り除き炭素だけを残して炭化させたもので、800℃以上で炭化させる白炭と、400～700℃前後で炭化させる黒炭の2種類に分けられる。白炭の代表は、主にウバメガシから作られる「備長炭」。一方、岩手で作られているものは黒炭で、原料の木材は県内に多く自生しているナラだ。樹齢20〜30年のものを使うが、それは、「完成する木炭の太さから逆算すると直径20㎝のものが適している」ことが理由のひとつらしい。</p>



<p>「うちのお客様は炉端焼き店や焼き鳥店など飲食店の方が多いため、火持ちの良さが求められる。硬くて密度の高いナラは木炭にすると火持ちが良いので、その点も原料としてナラを使う理由です」と説明するのは、洋野町にある北部産業の代表取締役・佐々木彬さん。同社は1952年創業の「ささき木材店」が前身で、その数年後から製炭業を始めた。現在は16基の窯で、地理的表示（GI）保護制度の登録商品である「岩手木炭」、なら炭、粉炭、木酢液などを生産している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「良い木炭」とは「火持ちが良い」こと</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-1.jpg" alt="" class="wp-image-53385" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-1.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-1-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>一條幸子さんが同社で木炭作りを始めたのは3年前。それまでは完成した木炭を切り揃えたり袋や箱に詰める作業を担当していたが、木炭作りの工程に興味を持ち、「見聞きするだけではなく、自分でやってみたい」と思い、始めたという。</p>



<p>木炭作りは、先輩職人から教わった。まず、ナラの原木を規格の長さ・太さにし、窯の中に立てて入口に火を着け、4日間乾燥させる。その後、窯の入口をふさぎ、通風口と開煙口を動かしながら窯の中の酸素の量を調節して炭化させていく。完全に炭化させたら、すべての口をふさいで酸素を遮断し、消化。1週間ほど冷ましたら完成だ。着火してから消化するまでの期間は、原木の乾燥状態や気候などによって変わるものの、約2〜3週間。つまり完成まで3〜4週間もかかる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">目指すは「硬い」「重い」「製煉度が低い」木炭</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-32.jpg" alt="" class="wp-image-53386" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-32.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-32-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-32-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「窯の中を酸欠状態にするために、原木をまっすぐに隙間なく並べるのが大変。でも一番気を遣うのは、窯の入口をふさいだあと、通風口や開煙口を動かしながら炭化させる作業ですね」と一條さん。というのも、ここで木炭の良し悪しが決まるからだ。一條さんにとって良い木炭とは「硬くて重い」、つまり「密度の高い」もので、それが「火持ちが良い木炭」の条件でもあるという。燃焼（炭化）スピードが早いと密度の低い、スカスカの木炭になってしまうので、開煙口の温度を測りながら炭化スピードを調整するそうだ。</p>



<p>特に、岩手県木炭品評会では「精煉度」が評価基準のひとつになるため、「消化前に開煙口を大きく開け、窯の中の温度を高くして炭化を高める『精煉』の作業は重要」と話す。「精煉度」とは炭の電気抵抗の数値で、低いほど不純物が少なく炭素の純度（炭化）が高い、つまり「上質の炭」とされる。地理的表示（GI）保護制度の登録が認められた「岩手木炭」は、この精煉度が8％以下と決められているので、品評会でもこの数値が基準となるというわけだ。ちなみに、完成した木炭の下部は精煉度が高いため、「岩手木炭」の場合は切り落とされて出荷されるが、北部産業では下部を切り落とさずに自社の基準で検査し、「なら炭」として出荷するという。</p>



<p>「炭焼き職人の先輩方は、『炭化の状態や精煉をかけるタイミングは煙やにおいでわかる』と言いますが、私はまだその域には達していないのでわかりません。ですからいまは、開煙口の温度が320℃になったら精煉をかけています。でもいつかはわかるようになりたい。そのためにも毎日が勉強で、だからこそ日々面白いんです」と一條さんは笑顔を見せる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「見た目」も、品評会での評価の対象に</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-72.jpg" alt="" class="wp-image-53387" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-72.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-72-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-72-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>こうした木炭作りの作業を毎回繰り返すなかで、一條さんは「うまくできた」と思う木炭を見つけ、品評会への出品用として取っておくという。前述の「硬くて重い」「精煉度」に加え、「見た目」も「良い炭」の条件と考えることから、樹皮がきれいに残っているものを選ぶ。その結果、岩手県木炭品評会令和4年度大会では、黒炭切炭の部で農林水産大臣賞を、黒炭長炭の部で林野庁長官賞を受賞。切炭は長さが約6.5㎝、長炭は約30㎝のもので、どちらの賞も最高賞である。</p>



<h2 class="wp-block-heading">木炭作りの技や文化を絶やしたくない</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-37.jpg" alt="" class="wp-image-53388" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-37.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-37-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-37-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>佐々木さんによると、いま国内では木炭の需要が多く、同社の生産が追い付かない状況だという。コロナ禍ではキャンプ用として、その後は焼き鳥店など飲食店用として注文が増えている一方、生産者の高齢化が進んでいるため、製炭会社として全国的にも規模が大きい同社に注文が集中しているからだ。</p>



<p>「そのような状況でも、常に安定した品質の木炭を作るよう心がけています。それと、どんな注文にも応えたい。例えばお客様の中には、うちの商品の『岩手木炭』や『なら炭』とは品質が異なる、『やわらかくて砕けやすい木炭』がほしいという人もあるので、窯の中を探して納品することもあります」と佐々木さんは胸を張る。<br>一方、一條さんは「木炭を作ると、香炉や火鉢用の灰、煙を冷やしてできる『木酢液』も得られ、無駄がない。そんな木炭作りの技や文化を絶やしたくないので、10年、いや20年は続けたい」と意欲を燃やす。「良い木炭」を作ることだけを心がけ、日々、一つひとつの作業に集中する──。そんな一條さんの姿は、木炭作りを目指す次世代の若者の登場に、きっとつながることだろう。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53375/">硬さと精煉度と見た目の３拍子が揃う、「火持ちが良い」木炭を目指して。「北部産業」一條幸子さん／岩手県洋野町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>高品質の木炭作りと後進育成に励む「谷地林業」谷地司さん／岩手県久慈市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 17 May 2025 06:13:04 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[木炭]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-34.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>岩手県の木炭の生産量は日本一で、国産の約3割を占める。その生産者として、また品評会の審査員や、25人しかいない県認定の製炭技士（チャコールマイスター）として岩手の製炭業を支えているのが、谷地林業の窯長･谷地司さんだ。後進 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52779/">高品質の木炭作りと後進育成に励む「谷地林業」谷地司さん／岩手県久慈市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-34.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>岩手県の木炭の生産量は日本一で、国産の約3割を占める。その生産者として、また品評会の審査員や、25人しかいない県認定の製炭技士（チャコールマイスター）として岩手の製炭業を支えているのが、谷地林業の窯長･谷地司さんだ。後進を指導しながら、「着火しやすく火持ちする」木炭作りに励んでいる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">質も量も一級品の「岩手木炭」</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-31.jpg" alt="" class="wp-image-52780" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-31.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-31-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-31-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>木炭とは、酸素が無い、または、少ない状態で木材を加熱し、酸素や水素、不純物などを取り除いて炭素だけを残したもの。燃やしても煙やにおいがほとんどでないという特長があり、昔から燃料として使われてきた。岩手の木炭の歴史は、平泉遺跡群発掘調査などにより1100年前後までさかのぼるといわれている。それ以降も豊富な山林資源を利用して作られ、1891年には東北線の開通を機に東京市場に向けて生産量･出荷量が増加。1905年には大凶作の救済対策として県が木炭生産を奨励し技術を導入したことから、1912年には「木炭生産量日本一」の地位が確立された。さらにその後、高品質のものを安定して供給するため、岩手県木炭協会の主導で窯や技術の研究が行われ、現在の「岩手大量窯」が出来上がった。これらの取り組みから2018年には「地理的表示（GI）保護制度」の登録が認められた。これにより「岩手木炭」の名称が保護され、県内の窯と木材を使い、精煉度8％以下のものだけが「岩手木炭」として出荷されている。ちなみに精煉度とは炭の電気抵抗の数値で、低いほど炭素の純度が高い、つまり良質の炭とされる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">飲食店やキャンプで人気</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-16.jpg" alt="" class="wp-image-52781" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-16.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-16-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-16-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>木材を使った木炭は主に、800℃以上で炭化させる白炭と、400〜700℃前後で炭化させる黒炭に分けられる。前者は着火しにくいものの火持ちが良く火力調整しやすい点が特徴で、飲食店で使われる「備長炭」はその代表格だ。一方の後者は着火しやすく火力が強く、岩手木炭はこちらに含まれる。本州一の面積を誇り、その約77％が森林という岩手では、主に樹齢20〜25年のナラを使って作られる。ナラが豊富に生育していること、他の木材と比較して硬いので、火持ちが良い木炭になる点が理由のようだ。</p>



<p>黒炭のなかでも岩手木炭は、着火しやすい、火持ちが良い、煙やにおいが出にくく弾けにくいなど、利点が多い。着火しやすいのは、樹皮が付いているから。これは岩手木炭の大きな特徴で、備長炭を使う飲食店が着火剤代わりに使うこともあるという。また、手作業で原木を切ることで樹皮がはがれるのを防ぐ点もポイント。はがれると空気が入り、弾けやすい木炭になるからだ。さらに、仕上げとして高温で燃焼する「精煉」の作業をしっかり行うことで、煙やにおい、「はぜ（弾け）」の原因となる不純物を燃やす。このとき重要なのが、最高で約800度にまで燃焼して「炭化度」を上げること。これにより、煙やにおいが出にくく弾けにくい木炭ができあがる。</p>



<p>そんな岩手木炭はキャンプ用、バーベキュー用としても人気が高く、特にキャンプでは、火持ちが良いことから持参する量が少なくて済むので重宝されているという。一方で、生産量の多さは前述のとおりで、その背景にあるのが、岩手県木炭協会が開発した「岩手大量窯」だ。火を回しやすくして一度に良質の木炭を大量に作ることができるよう、高さや形が工夫されている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">内閣総理大臣賞受賞の製炭の技とは</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-60.jpg" alt="" class="wp-image-52782" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-60.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-60-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-60-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手木炭の生産は県北部が中心で、その代表が久慈市山形町だ。同町は面積の約80％が山林。冬は寒く雪が多いことから農閑期が長く、その間に製炭で稼ぐ農家が多いこと、また、炭窯に適した土が豊富なことが、製炭が盛んな理由と考えられている。</p>



<p>この地で1916年に創業した谷地林業も、創業当時から地元の木材を使って木炭を作っている。三代目窯長の谷地司さんは岩手県木炭品評会で何度も受賞経験があるほか、2018年度農林水産祭天皇杯で木炭では史上初の内閣総理大臣賞を受賞した腕前だ。</p>



<p>「木炭づくりは20年やっていますが、いつも『備長炭に近い黒炭を作りたい』と思ってきました」と谷地さん。前述のとおり、白炭の備長炭は黒炭に比べて火持ちが良い。そこで、黒炭の「着火の良さ」「火力の強さ」はそのままに、備長炭により近い火力と火持ちの良さを特徴とする炭を目指しているという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「前焚き」でゆっくり乾燥させるのがポイント</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-28.jpg" alt="" class="wp-image-52783" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-28.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-28-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-28-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>谷地林業では県内の他の製炭業者同様、規格の長さ･太さに切り割りしたナラの原木を窯に入れ、前焚きして乾燥させたあと着火し、窯内の酸素の量を調節しながら炭化させて炭を作る。各工程の日数は、だいたいの目処はあるものの、原木の乾燥具合や製造時の気温･湿度･燃焼状態などによって調整が必要だ。そのタイミングの見極めが大事で、生産者の経験や勘に頼る部分が大きい。そしてそれが完成する木炭の質を左右する。</p>



<p>工程のなかで谷地さんがもっとも重要視しているのが、「前焚き」だ。これは、窯の入り口付近で薪を燃やして窯の温度を上げ、ナラを乾燥させる作業。このときナラの水分が一気に外に逃げないようゆっくり薪を燃やすことがポイントで、これによって密度が高く、硬く縮みの少ない木炭に仕上がり、火持ちが良く崩れにくいものになるという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">それぞれのクセを理解して複数の窯を使いこなす</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-12.jpg" alt="" class="wp-image-52784" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-12.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-12-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-12-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>谷地さんはほかに、窯でのナラの立て方や積み方、消火のタイミングなども独自に工夫。その結果が、品評会等での受賞につながっている。岩手県木炭品評会に関しては受賞回数が多いことから、やがて出品する側から審査する側にまわり、2018年には岩手県製炭技士（チャコールマイスター）に認定された。</p>



<p>チャコールマイスターには、製炭だけでなく窯造りの技術も求められる。「窯って同じように作っても、それぞれにクセがあるんですよ。我が社には12基の窯があるので、炭を作るたびにメモをとって作業のしかたや窯選びの参考にしています」と谷地さんは説明する。なかには「品評会用の木炭をつくるときに必ず使う」という窯もあるそうだ。</p>



<p>完成した木炭は規格の長さにカットし、できるだけ隙間ができないよう専用の枠に並べて梱包する。すべて専任のスタッフによる手作業。躊躇無く手早く並べる手際の良さは、熟練の技そのものだ。なお同社では、1袋3kg入りと6kg入りの「岩手切炭」と合わせて、自社独自ブランドである「黒炭（KUROSUMI）」でも木炭を出荷している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">地域の伝統産業である製炭業の未来のために</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-41.jpg" alt="" class="wp-image-52785" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-41.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-41-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-41-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>谷地さんは今、自分の技術や知識を若い人たちに伝えたいと後進の指導に力を入れている。値段の安さから国内で流通している木炭の約8割が輸入品というなかで、岩手木炭の需要は多いのだが、県内の生産者が高齢化などで減少して供給が追いついていないという。そこで若い生産者を育て、生産量アップにつなげたいと考えているのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「燃料用以外の木炭」作りにも取り組む</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-2.jpg" alt="" class="wp-image-52786" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-2.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-2-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-2-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>また会社としては今後、燃料以外で使う木炭の生産を計画している。木炭には無数の小さな穴があり、それが不純物や有害物質を吸着したり、その中に微生物が棲みつくことから、水や空気の浄化、土壌改良に役立つとされる。また吸着性とともに放出性もあるので、湿度を調節する働きもある。谷地林業ではこうした木炭の効能を利用し、調湿用や脱臭用、農業と連携した土壌改良用の木炭を作り、以前から森林に放置され課題とされてきた枝葉などの「未利用材」の有効活用にもつなげるつもりだ。地域の伝統産業であり、会社として長年携わってきた製炭事業を持続可能なものにするために、谷地さんは今日も「木炭作り」に真摯に向き合う。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52779/">高品質の木炭作りと後進育成に励む「谷地林業」谷地司さん／岩手県久慈市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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