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	<title>吹きガラス - NIHONMONO</title>
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	<title>吹きガラス - NIHONMONO</title>
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		<title>日常目線のガラス作家、Bamboo Glass･三浦侑子さん／岡山県苫田郡</title>
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		<pubDate>Mon, 29 Sep 2025 10:05:15 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/IMG_4197.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>吹きガラスの味のある美しさに魅了され、伝統の技法で毎日の食卓にのぼる器を作るガラス作家・三浦侑子さん。使い勝手を考えた器は手にすると安定感があり、食卓で凛とした佇まいを見せる。和食や洋食といった料理のジャンルや場面にかか [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/IMG_4197.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>吹きガラスの味のある美しさに魅了され、伝統の技法で毎日の食卓にのぼる器を作るガラス作家・三浦侑子さん。使い勝手を考えた器は手にすると安定感があり、食卓で凛とした佇まいを見せる。和食や洋食といった料理のジャンルや場面にかかわらず、“日々使える器”をコンセプトに、暮らしに溶け込むガラス作品を作っている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">自然豊かな岡山県北の地に移住</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0825.jpg" alt="" class="wp-image-53309" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0825.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0825-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0825-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>吹きガラスの作家、三浦侑子さんの工房『Bamboo Glass』は、岡山県苫田郡（とまだぐん）鏡野町の静かな山間の地にある。岡山市内からクルマで約1時間半、鳥取県境まで15分ほどの距離。近くには岡山県美作地方を代表する奥津温泉や名勝地の奥津渓があり、四季を通じて豊かな自然に恵まれるエリアだ。三浦さんはこの地で2014年、工房を始動させた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">毎日の食卓にのぼる器を制作</h3>



<p>三浦さんが作る器は、無色クリアや淡いグレーのかかったコップやワイングラス、お皿、ボウルなど。「吹きガラスは2000年以上の歴史がある技法です。私は昔の人が使っていた器のフォルムにとても惹かれるので、その歴史をしっかりと勉強して、現代の人にとっての使いやすさを考えながら自分らしいデザインに挑戦しています」</p>



<h3 class="wp-block-heading">大学在学中、吹きガラスと出合う</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0813.jpg" alt="" class="wp-image-53310" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0813.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0813-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0813-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>三浦さんは大阪府生まれ。京都造形芸術大学在学中に陶芸や木工など様々な工芸にふれ、そのなかでもっとも惹かれたのがガラス工芸だった。さらに追求したくなり、京都市にあった工房「Glass Studio Aaty」の教室で吹きガラスの経験を積み重ねた。数あるガラス成形の技法から「吹きガラス」を選んだのは、じっとしているのが得意ではないから、と笑う。</p>



<p>だからこそ、体を動かしながら作る吹きガラスは性に合ったのだろう。実際にやってみると、そればかりでなく溶けたガラスの動きが面白く「吹きガラスについてもっと知りたい」「やわらかい状態のガラスを扱いたい」と考えるようになっていった。</p>



<p>吹きガラスは、高温溶融したガラスを「吹き竿」となる鉄管に巻き取り、空気を吹き込んで風船のように膨らませて成形する。型にはめ込んで成形するよりも薄いガラスを作ることが可能で、その技法は古代ローマ時代からほとんど変わっていないといわれる。</p>



<p>ガラスを仕事にするために勉強を続けようと、大学卒業後は富山ガラス造形研究所造形科に進んだ。2年間、ガラスの基礎となる理論、技法や必要なデッサンから、作家として独立するノウハウまで学んだのち、静岡県の『磐田市新造形創造館』でガラス工房のスタッフとして5年間勤務。同じスタッフとして働いていた夫の和さんが岡山県苫田郡鏡野町の『妖精の森ガラス美術館』に就職したことを機に、この地に移り住んだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">同じことを繰り返しても、同じものはできない</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1076.jpg" alt="" class="wp-image-53311" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1076.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1076-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1076-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在は住まいの一角に工房を構え、ひとりで制作している。工房には作る器のサイズに合わせて自作した2つの炉が並ぶ。作業用の炉の温度は約1000℃。ガラスを溶かして貯めておく炉の作業中の温度は約1180℃。こちらはガラスの気泡などを除去するため24時間稼働させ、翌朝すぐに作業できる状態にしている。ふたつの炉が発する熱に包まれながら、コップであれば朝から晩まで20〜30個を作り続ける。「同じことをひたすら毎日、繰り返しても飽きない。それが不思議です。同じものを作っているつもりなのに出来上がったものは一つひとつがどこか違う。だからでしょうか」</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1074.jpg" alt="" class="wp-image-53312" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1074.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1074-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1074-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>古いガラスを見て学び、自身の創作では洗いやすい形状や簡単には割れない厚みなどを工夫して現在のスタイルにたどり着いた。色合いは汚れのつきにくい無色クリアが中心で、ほかに古いグラスの持つ雰囲気を出そうと、ガラスに鉄や銅を微量、混ぜ合わせてグレーがかった色味の器も作っている。いずれも食卓で主張せず、馴染みやすい色合いだ。</p>



<p>好きなグラスのひとつに、20世紀のフランスの大衆食堂で使われていた脚付きのグラスがある。いわゆる「ビストログラス」と呼ばれるもので、ある程度大雑把に扱える丈夫なグラスだ。「このグラスのように手に取りやすく、素朴な日常性のあるものを作りたい」と話す。</p>



<p>創作を始めた当初は自分の作品を知ってもらうため、全国のクラフトフェアに出展した。長野県松本市の「クラフトフェアまつもと」や、静岡県静岡市の「ARTS&amp;CRAFT　静岡手創り市」、岡山県倉敷市の「フィールドオブクラフト倉敷」などでお客さんと話をして自分の作る器への反応を知った。陶磁器と並んでも干渉せず、洋食にも和食にも使えるガラス器は意外と少ないことを知り、「食卓に馴染むガラス」というテーマが確固としたものとなった。口コミで取引先は徐々に増えていった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">仕事と暮らしがつながる環境</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0889.jpg" alt="" class="wp-image-53313" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0889.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0889-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0889-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>三浦さんは、古書市などで集めた古いガラス器に関する書物を夜な夜な眺め、制作のモチベーションにしている。「例えば16世紀のベネチアングラスなど、写真であってもずっと見ていると当時の職人が頑張って作ってきたんだなって感動するんです。道具の跡など作業の痕跡を見つけたりしながら、どんなふうに作っていたかを自分なりに考えてみるのが楽しくて」</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1063.jpg" alt="" class="wp-image-53314" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1063.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1063-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1063-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>山のふもとで気兼ねなく、のびのびと仕事ができる現在の環境は、仕事と日常がうまくつながっているという。例えば朝、家の周囲の落ち葉を掃き集めることも仕事に向かうまでの大切なリフレッシュ法のひとつ。自然を感じながらさっぱりとした気分で工房に入ることができる。「これから先も今の生活を続けたいです。機織りをして生活をつないできた女性のように、山の中でコツコツと毎日、作っているイメージなんです。仕事は生活の一部ですから」と笑う。</p>



<p>最近になって7月半ばから8月の気温の高い時期は炉の火を落とし、今までは持てなかった自由な時間を使って博物館でガラス器を見たり、ガラスの資料を集める時間にあてたいと考えている。資料を見ているだけではわからないこともあるはずと考える。</p>



<p>この地に移住して以降は子育てに専念し、アルバイトをしていた時期があった。それでも頭のどこかでいつも「また吹きガラスの制作をやる」と考えていた。自身の創作意欲を疑ったことがない点に三浦さんの強さが現れる。日々の生活からインスピレーションを見つけ出し、創作に向かえることが三浦さんにとって何よりの喜びなのだ。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53301/">日常目線のガラス作家、Bamboo Glass･三浦侑子さん／岡山県苫田郡</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>吹きガラスで美しい「時間」を紡ぐ。ガラス作家・有永浩太さん／石川県七尾市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 29 Mar 2025 08:32:18 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_017.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>溶けたガラスが美しい輝きを放つ瞬間。吹きガラスは、その一瞬を切り取る工芸品だ。有永浩太（ありなが こうた）さんは“瞬間の美”ともいえる吹きガラスに、織物の工程に費やされる長い時間のイメージを封じ込める。七尾湾に浮かぶ能登 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_017.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>溶けたガラスが美しい輝きを放つ瞬間。吹きガラスは、その一瞬を切り取る工芸品だ。有永浩太（ありなが こうた）さんは“瞬間の美”ともいえる吹きガラスに、織物の工程に費やされる長い時間のイメージを封じ込める。七尾湾に浮かぶ能登島（のとじま）に工房を構え、ベネチアングラスの技法をもとに独自の世界観を表現する有永さんの思いに触れる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">緻密な繊維を織り込んだような、美しいガラスの世界</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_011.jpg" alt="" class="wp-image-52629" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_011.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_011-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_011-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>不規則な形をした泡のような模様が、今にも動き出しそうな造形。光と影の揺らぎに、はっと息をのむ。本来、無機質なはずのガラスに生命が宿っているようだ。近くで目を凝（こ）らすと、一つひとつの泡に緻密な繊維が見える。泡というより、目の粗い編み物なのか。</p>



<p>イタリアの伝統的なガラス工芸品・ベネチアングラスの技法「レースグラス」に着想を得て、ガラス作家・有永浩太さんが独自の技術で生み出した「netz」。網を意味するこの作品シリーズは、織物をイメージした「gaze」シリーズとともに、有永さんの代名詞となっている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ガラスと織物。相反する時間の流れを作品に込める</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_055.jpg" alt="" class="wp-image-52630" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_055.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_055-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_055-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「織物をイメージ」と聞くと、少し不思議に思うかもしれない。織物は、糸を紡ぎ、経糸（たていと）と緯糸（よこいと）を交差させながら時間をかけて織り上げる。一方で、冷え固まる前に成形しなければならない吹きガラスは時間との勝負。ガラスと織物の工程は、まるで正反対のように思える。</p>



<p>有永さんは言う。「膨大な工程を経る織物の時間軸を、吹きガラスの『瞬間』に封じ込めてみたいと思ったんです」。この作品シリーズも、糸を撚（よ）るようにガラスを引きのばし、精密かつ手間のかかる工程を経て生み出される。ガラスと織物の時間軸が重なった時、作品に深い奥行きが生まれる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ベネチアングラスの技法を、日本の美的感覚でアレンジする</h3>



<p>ベネチアングラスは洗練された完璧なフォルムや規則的なデザインを特徴とするが、有永さんの作品には動きやゆがみ、独特の表情がある。目指すのはベネチアングラスの再現ではなく、この技法を「日本人の感覚や美意識で再構築」することだという。</p>



<p>不完全なものに自然の美を見出す、日本人特有の美意識。有永さんは、緻密に計算された高度な技術を用いながら、そうした「破調（はちょう）の美」を表現する。</p>



<h2 class="wp-block-heading">四季を感じる能登島の工房で、日々の器を作る</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_001.jpg" alt="" class="wp-image-52631" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_001.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_001-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_001-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>工房がある石川県七尾市能登島は、豊かな四季の移ろいを感じられる場所。光と緑に包まれた工房で、有永さんは毎日何十個もの器を作る。繰り返し器を作り、体に動きをしみ込ませながら自分の形を作り上げるのだという。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_037.jpg" alt="" class="wp-image-52632" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_037.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_037-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_037-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>有永さんにとって、繊細な技法を凝らした1点ものの大作も、日常の器も、同じものづくりのライン上にある。</p>



<p>「技術や技法は、表現のための道具。だから手入れして磨き続けなきゃいけないし、使い続けないとうまくならない」。手を動かし続けて日常の器を作りながら技術を磨き上げ、自分の形を取り出していく。有永さんの制作スタイルは職人的でストイックだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">使い手の心と暮らしを豊かにする器</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_062.jpg" alt="" class="wp-image-52633" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_062.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_062-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_062-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>日々の器作りの中で、有永さんは手を動かしながらさまざまなことを考え、試みる。例えば形が異なる酒器のセット。口が広がった平杯は、グラスの縁と舌が平行に近い角度になり、液体が舌の先端で一旦止まるようになり、甘味と苦味を感じやすい形状。口径が小さいぐい飲みは、すっきりとした味わいを楽しめるという。一方、口の窄（すぼ）まった香杯は、液体が口の中に流れ込みやすい設計となっている。これにより、お酒が横に広がり、味わいを強く感じさせる。口を絞っているため、余韻が長く楽しめるのも特徴だ。</p>



<p>ヒントをくれたのは、ある居酒屋の店主だった。「僕がガラスをやっていると知って教えてくれたんですよ。『盃の形で酒の味がこんなに違うんだ』と」。その店主は、有永さんに向かって終始こんこんと説明するものだから、「その時は全くお酒の味がしなかった」とおかしそうに笑う。器作りに向かっている時にふと居酒屋での記憶が浮かび、それを体感できる酒器を作ってみたのだという。</p>



<p>日常で使う器は使いやすく、心を豊かにするものであってほしい。そう願って生み出した器は、使い手の暮らしに彩りと小さな発見を与えてくれる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">震災後の非日常の中で、器作りの手が止まった</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_060.jpg" alt="" class="wp-image-52634" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_060.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_060-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_060-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2024年1月1日に発生した能登半島地震は、能登島にある工房にも被害をもたらした。800㎏もある窯が大きく動いて床に亀裂が入り、作品のほとんどが割れてしまった。その年に予定していた個展の多くはキャンセルするしかなく、ショックは大きかったという。</p>



<p>「作らなければ収入がないんだから、とにかく作らないと」と工房復旧に取り組んだが、非日常が続く毎日で気持ちばかりが焦ったという。周囲の被害があまりにも大きく、「自分だけが仕事を始めてもいいのだろうか」という迷いもあった。</p>



<p>そんな時に、旧知のギャラリーオーナーから「どんどん作って。私がしっかり売るから」と連絡があった。その声を聞いて「作り始めてもいいんだ」と前を向くことができたという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">割れたガラス破片から、美しいブルーが生まれた</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_008.jpg" alt="" class="wp-image-52635" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_008.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_008-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_008-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>割れてしまった作品は全て一緒にして溶かし、新たな作品に再生した。破片の色合いはばらばらだったが、混ざり合って生まれた色は柔らかなブルー。まるで能登の海を思わせるような色に、地震発生日を冠した「0101（ゼロイチゼロイチ）ブルー」と名付けた。</p>



<p>被災後1年間は創作活動のリズムを取り戻そうと必死だったが、翌年1月1日のあの時間を越えた時に「大変なことがあったんだから、自分のペースや作風が変わっても当然だなと思えたんです」と有永さん。変化を受け入れた時、ふっと肩の力が抜けたという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">コンパクトな次世代型の窯を開発</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_013.jpg" alt="" class="wp-image-52636" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_013.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_013-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_013-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>有永さんには、創作活動と並行して取り組んでいることがある。それはガラス業界の裾野を広げることだ。</p>



<p>ガラス業界で作家として独立するのはハードルが高い。要因の一つが窯の問題。ガラスを溶かす窯は、基本的に一度火を入れたら止めることはない。火を止めるとガラスを溶かすための坩堝（るつぼ）を交換しなければならないし、再び温度を上げる際に時間と燃料費が余計にかかるためだ。火を入れたままの窯を維持するために、長時間不在にすることもできない。</p>



<p>「もっとコンパクトでコントロールしやすく、自由度が高い窯があれば」と考えた有永さんは、窯のメーカーにアイデアを持ち込み、使わない時に火を止められる窯を開発した。</p>



<h3 class="wp-block-heading">吹きガラスの可能性を広げるモデルケールになりたい</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_009.jpg" alt="" class="wp-image-52637" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_009.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_009-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_009-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>作り手が減れば、窯や坩堝、道具を作る人もいなくなる。ガラス業界全体が立ち行かなくなったら「みんなが困るし、僕も困る」と有永さんは言う。作家としてスタートを切る時に使いやすい窯があれば、作り手を増やせるかもしれない。実際に若手作家を中心に「有永式」の窯の導入が広がり、改良も進んでいるという。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_003.jpg" alt="" class="wp-image-52638" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_003.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_003-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/03/arinagakota_003-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>自身が開発に携わった「有永式」の窯でガラスと向き合う日々。「この窯で『こんな表現ができるんだ』と知ってもらうためにも、もっと自分の仕事の幅を広げていきたい」と思いはふくらむ。</p>



<p>ガラスの糸を紡ぎ、織り上げていく。「時間軸」をガラスに封じ込めた有永さんの作品には、未来へとつながる時間も織り込まれているように感じられた。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52628/">吹きガラスで美しい「時間」を紡ぐ。ガラス作家・有永浩太さん／石川県七尾市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>金沢の空の気配を閉じ込めた、ガラス作家･笹川健一さんの器／京都府井手町</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 28 Feb 2024 01:00:56 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[多摩美大]]></category>
		<category><![CDATA[アンティーク]]></category>
		<category><![CDATA[吹きガラス]]></category>
		<category><![CDATA[卯辰山工芸工房]]></category>
		<category><![CDATA[ガラス工芸]]></category>
		<category><![CDATA[京都]]></category>
		<category><![CDATA[工芸品]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/0bbdf8b9e05a29f8be6996b7729bd147.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>アンティークを思わせるグレーがかった色味に、現代の暮らしに合う洗練された佇まい。ガラス作家の笹川健一さんの器は、その作風で国内外から注目を集めるが、彼がもともと手掛けていたのはアート作品だったという。現在の作風にはどのよ [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/40981/">金沢の空の気配を閉じ込めた、ガラス作家･笹川健一さんの器／京都府井手町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/0bbdf8b9e05a29f8be6996b7729bd147.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p class="has-text-align-center"><strong>アンティークを思わせるグレーがかった色味に、現代の暮らしに合う洗練された佇まい。ガラス作家の笹川健一さんの器は、その作風で国内外から注目を集めるが、彼がもともと手掛けていたのはアート作品だったという。現在の作風にはどのようにしてたどり着いたのだろうか。</strong></p>







<h2 class="wp-block-heading">“直感”に導かれ、美大からガラス作家の道へ</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/b592f00ea7feb9f5dfea55be273a6994.jpg" alt="" class="wp-image-40983" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/b592f00ea7feb9f5dfea55be273a6994.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/b592f00ea7feb9f5dfea55be273a6994-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/b592f00ea7feb9f5dfea55be273a6994-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>


<p>神奈川県出身の笹川さんが最初にガラス制作を始めたのは、<strong><a href="https://www.tamabi.ac.jp/kougei/" title="">多摩美術大学工芸学科</a></strong>在学中のこと。笹川さんが受験した当時は、願書提出の際に専攻をガラス･金属の中から選ぶ必要があり、直感でガラスにしたと振り返る。ガラスはきれいだし、道具を介して制作するというある種の“不自由さ”が性に合っているのではないかという予感がしたそうだ。</p>



<p><br>美大で制作していた作品は、現在の作風とは異なるものだったと笹川さんは振り返る。当時は色味のあるガラスではなく無色透明なガラスの作品を作っていて、オブジェ制作やインスタレーションを行っていた。また、制作の際に使っていたのは、透明度の高い鉱物である石英（せきえい）を砂状に砕いた珪砂（けいしゃ）や、ガラスが水に溶けないようにするために加える石灰など、ガラスの原料として一般的に使われる素材だった。</p>



<p>当時在籍していた研究室の先輩や指導教官には、個展を開くなど作家活動を行う人が多かったこともあって、笹川さんは自身も作家を目指して大学院へ。大学院在学中には<strong>「国際ガラス展･金沢2004」</strong>で奨励賞を受賞したほか、2005年にはアメリカのコーニング美術館が主催した<strong>「New Glass Review26」</strong>で入選、<strong>「第2回現代ガラス大賞展･富山2005」</strong>で入選を果たすなど、数々の国内外のコンテストで実績を残した。</p>



<p>そして修士課程修了後、笹川さんはより多くガラスに触れられる環境を求めて、<strong>石川県金沢市</strong>に拠点を移す。同市にある陶芸、漆芸、染色、金工、そしてガラスといった幅広い工芸の担い手を育成する<strong>「卯辰山（うたつやま）工芸工房」</strong>の研修生として2年間学ぶことにしたのだが、ここで笹川さんは大きな転機を迎えることになる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">卯辰山工芸工房の日々が「用の美」を教えてくれた</h3>



<p>美大では「ガラスという材料をどう見せるか」といったことを念頭に置きながら、オブジェを中心とした制作を行っていたが、芸術性の高さを重視する美大と、日常性・実用性を重視する卯辰山とでは作品に求めるものが異なったため、アート性の高いそれまでの作風では、卯辰山で指導を行う専門員や同期の研修生には伝わらないことが多かったと笹川さんは振り返る。この「作品でコミュニケーションが取れない」という状況が、笹川さんを別の表現方法に向かわせた。</p>



<p>多くの人に伝わる表現とは何かを模索する中で、笹川さんが気づいたのは、金沢という街の美しさだった。<strong>伝統工芸や茶の湯文化</strong>の美意識が日常的に存在するこの街で、笹川さんは日本文化の魅力に開眼し、その後は工芸の世界や「<strong>用の美</strong>」への関心を深めた。また、金沢ではさまざまなアートイベントや展示販売の機会が多く、出品依頼を受けて実用的な器を作る機会も何度かあった。このような経験を経て、大学在学中に目指してきた尖った表現よりも、<strong>生活にあふれたさりげない美しさ</strong>へと関心が移り、次第にオブジェの制作から<strong>器の制作</strong>へと力点が移っていったという。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="819" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/7483841e2449c231e8f65830802dfad6.jpg" alt="" class="wp-image-40984" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/7483841e2449c231e8f65830802dfad6.jpg 819w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/7483841e2449c231e8f65830802dfad6-300x201.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/7483841e2449c231e8f65830802dfad6-768x516.jpg 768w" sizes="(max-width: 819px) 100vw, 819px" /></figure>



<p>笹川さんが卯辰山工芸工房にいた頃に制作した作品「<strong>うつわのこと</strong>」（2007年）は、器を見ることとアートを見ることの違いについて考察した作品で、<strong>「第3回現代ガラス大賞展･富山2008</strong>」の<strong>優秀賞</strong>に輝き、現在は作品の一部が、ガラス作家の育成と支援に積極的な富山市にある「<strong>富山市ガラス美術館</strong>」に収蔵されているが、古代文明の土器を思わせる形のオブジェからなるこの作品群は、まさに笹川さんの転換点を象徴する重要な作品といえるだろう。</p>



<p>ちなみに、作品のヒントは、金沢市内の大小さまざまな美術館や博物館に通う中で得たという。神奈川県のニュータウンで生まれ育ち、大学でも現代アートに関心を持ってきた笹川さんだが、当時はどこかしら否定的に捉えていた「歴史や伝統」といったエッセンスを、いつしか作品に取り込むまでになっていた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">京都と奈良の中ほどに位置する小さな町で“自分の窯”を手に入れる</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/e06b6e0208e92c37c06fcc7b2de88461.jpg" alt="" class="wp-image-40985" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/e06b6e0208e92c37c06fcc7b2de88461.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/e06b6e0208e92c37c06fcc7b2de88461-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/e06b6e0208e92c37c06fcc7b2de88461-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>


<p>2008年、卯辰山工芸工房での2年間を終えた笹川さんは、北陸での作家活動を経たのち、母校の多摩美術大学の助手のポストを得たことを機に、再び神奈川県に戻って2010年から4年間を過ごす。<br>その期間も笹川さんは、先輩の工房の窯や、職場である多摩美術大学の窯、そしてレンタル工房の窯を借りながら作品制作に励んでいたというが、次第に「<strong>自分の窯を持ちたい</strong>」という思いを強めていったという。<br>というのも、窯借りをしていると使えるガラスは共用のものに限られ、それらは無色透明なガラスが中心。笹川さんはそうした“きれいな”ガラスに物足りなさを感じていた。卯辰山工芸工房時代の仲間だった陶芸家たちがそうしているように、自分の作風に合った生地を自分で作りたいと考えたのだ。そんなとき、知人のツテで故郷から遠く離れた<strong>京都府井手町</strong>にある物件を紹介され、2016年に移住を果たした。京都･奈良というふたつの古都の中ほどに位置する、京都府南部の人口約7,000人の町。都会育ちの笹川さんにとって、山里の自然に囲まれた静かな環境はとても新鮮で気に入っているという。</p>



<p>そして、この地で念願の「自分の窯」が持てたことで、笹川さんは国内外から支持を得る、<strong>唯一無二の器</strong>を完成させることになる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ワイングラスや酒器。繊細な気泡の入った、再生ガラスを使った器</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/c15efc5bf32bfe7a08ec87700e77c6ba.jpg" alt="" class="wp-image-40986" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/c15efc5bf32bfe7a08ec87700e77c6ba.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/c15efc5bf32bfe7a08ec87700e77c6ba-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/c15efc5bf32bfe7a08ec87700e77c6ba-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>


<p>井手町の工房で笹川さんが完成させたのは「<strong>再生ガラス</strong>」を用いて作る、グラスや酒器などの暮らしの器だ。</p>



<p>ちなみに再生ガラスとは、廃ガラスを回収して砕いたもの（カレット）を高温で溶かして作るガラスのこと。笹川さんは<strong>使用済みの蛍光管</strong>のカレットを材料として作品制作を行っている。ちなみに、再生ガラスに注目したのは、助手の仕事をしていた頃、ガラスのリサイクルをする機会が多かったから。再生ガラスは、作る工程で使用する鉄の棒の先がガラスの原料に付くため、水色がかった色になる。その色を作品に生かしたかったという。また、再生ガラスのアンティークっぽい質感に「今っぽさ」を感じていたことも理由だ。&nbsp;</p>



<p>笹川さんの器の色は、再生ガラスの元の色にコバルトや銅などの酸化金属を独自の配合で加えることで、絶妙なニュアンスの灰青色になっている。また、同時に「<strong>色の薄さ</strong>」にもこだわっている。笹川さん自身がお酒好きということもあって、飲み物がおいしく見える色になるよう調整を重ねた。<br>さらに、再生ガラスを作る工程で<strong>気泡</strong>が入りやすいといった特徴もそのまま生かし、あえてガラスの中に気泡が閉じ込められた状態にしている。「泡一つないガラスも美しいが、物足りなさも少し感じる」との自身の感性に従った。</p>



<h3 class="wp-block-heading">絶妙な色味を引き立たせる生地の薄さ</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/6310a407cacdb5e4fc624a6fd1dfb081.jpg" alt="" class="wp-image-40987" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/6310a407cacdb5e4fc624a6fd1dfb081.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/6310a407cacdb5e4fc624a6fd1dfb081-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/6310a407cacdb5e4fc624a6fd1dfb081-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>


<p>もう一つ、笹川さんの器の魅力となっているのが、<strong>薄手の質感</strong>だ。以前から厚みのあるかたちよりシャープなフォルムを好んでいたこともあり、この薄さに行き着いたそうだが、薄手の生地が再生ガラスから生まれた灰青色と組み合わさると、絶妙な効果を生んでくれるという。</p>



<p>淡い色がついたガラスは、器の縁などに色がたまって器の中をのぞき込んだときに奥行き感を与えてくれるのだが、ガラスの生地が薄手だと、よりシャキッと研ぎ澄まされた印象になるというのだ。また、薄い生地のグラスや杯は、唇に触れたときの違和感が薄いため、飲み物の繊細な風味を引き立ててくれることは言うまでもない。<br>薄く仕上げるには相当の技術と温度のコントロールが必要で、特に大切なのは道具をしっかり熱くすることだという。このような工夫によって、唯一無二と賞される絶妙な質感の器が生まれたのだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">国内外問わず人気。料理や飲み物と織りなす“景色”も魅力</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/3f4cb9af8724727087f0b72b949b1585.jpg" alt="" class="wp-image-40988" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/3f4cb9af8724727087f0b72b949b1585.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/3f4cb9af8724727087f0b72b949b1585-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/03/3f4cb9af8724727087f0b72b949b1585-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>


<p>金沢の卯辰山での日々を経て、井手町の工房で完成された笹川さんの灰青色の器。「<strong>冬の金沢のような弱い光の中でも、美しく光る器を</strong>」と意図して現在のスタイルに至ったそうだが、心なしかその色合いは、雨や雪の粒をたっぷりと含んだ、冬の日本海地方の空の色のようにも見える。<br>透過性のあるガラスは、光によってその表情を変えるのが大きな魅力だ。また、ガラスの器は、盛り付けた料理や飲み物と響き合いながら<strong>器の中の景色</strong>を作り出す。国内外どちらからも支持されている笹川さんの器は、気候風土が異なる土地土地の美味や光と響き合い、さまざまな景色を生み出しながら、使う人たちの日常に幸せをもたらしているに違いない。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/06/73-kao.jpeg" alt="" class="wp-image-45991" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/06/73-kao.jpeg 920w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/06/73-kao-300x200.jpeg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/06/73-kao-768x513.jpeg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /><figcaption class="wp-element-caption">ガラス作家 笹川健一さん</figcaption></figure></div>


<p>器は、使うことでさらにその魅力を増すアイテムです。透過性のあるガラスは光によってその表情を変え、盛り付けた料理や飲み物と響き合いながら器の中の景色を作ります。繊細な気泡と灰青の色味を持つ私のガラス作品だからこそ見られる景色を、美しいと感じていただける瞬間があれば嬉しいです。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/40981/">金沢の空の気配を閉じ込めた、ガラス作家･笹川健一さんの器／京都府井手町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>“弛まず”、心が“ゆれる”グラス作り「COMAKI GLASS」／山梨県甲州市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 19 Jan 2024 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[工芸品]]></category>
		<category><![CDATA[甲州市]]></category>
		<category><![CDATA[吹きガラス]]></category>
		<category><![CDATA[ガラス]]></category>
		<category><![CDATA[山梨県]]></category>
		<category><![CDATA[ガラス工芸品]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/top-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>山梨県の北東部、日本百名山のひとつ「大菩薩嶺（だいぼさつれい）」に代表される豊かな自然と、重要伝統的建造物群保存地区「塩山下小田原上条」の集落や、江戸後期の国宝・重要文化財「旧高野家住宅」などの豊富な歴史的資産に恵まれた [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/39859/">“弛まず”、心が“ゆれる”グラス作り「COMAKI GLASS」／山梨県甲州市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/top-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>山梨県の北東部、日本百名山のひとつ「大菩薩嶺（だいぼさつれい）」に代表される豊かな自然と、重要伝統的建造物群保存地区「塩山下小田原上条」の集落や、江戸後期の国宝・重要文化財「旧高野家住宅」などの豊富な歴史的資産に恵まれた甲州市塩山地域。その山間に佇むガラス工房「<a href="https://www.instagram.com/komakikohei.pecori/" title="">COMAKI GLASS（コマキグラス）</a>」を訪ねると、右へ左へと「<strong>ゆれる」</strong>ようにボウルを傾ける<strong>グラス</strong>が並んでいた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">山間の農村に息づくガラス工房</h2>



<figure class="wp-block-image size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export45-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39866" width="900" height="599" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export45-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export45-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export45-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export45.jpg 1280w" sizes="(max-width: 900px) 100vw, 900px" /></figure>



<p> </p>



<p>甲州市塩山地域の工房の周辺には、古くは畑作や養蚕業が営まれた風情を残す民家と風光明媚な山合の景観を望む農村集落が広がる。「製作に没頭した後にはこの景色と涼やかな空気に癒されています」。額に大粒の汗を浮かべながら窓の外を眺めるガラス作家の小牧広平（こまきこうへい）さん。高温で溶かしたガラスを吹き竿に巻き付け、息を吹き込む「吹きガラス」による作品製作を手がけている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「思いもよらない」吹きガラスの魅力</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export6-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39867" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export6-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export6-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export6-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export6.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p> </p>



<p>一口に<strong>「吹きガラス」</strong>といっても、その技法は2通りに分かれる。ひとつは型にガラスを差し込み息を吹き入れることで、同形状のものを効率的に製造することができる<strong>「型吹き（かたぶき）法」</strong>。もうひとつが、<strong>COMAKI GLASS</strong>で用いられている」<strong>「宙吹き（ちゅうぶき）法」</strong>だ。空中で空気を吹き込み、ガラスに働く重力と吹き竿を回す遠心力だけで成形するため型吹き法に比べて製造効率は落ちるが、その分、職人の技量や加減で仕上がりに個性が表れ、つくり手が意図しない偶然の産物が産まれるのもこの技法の魅力。</p>



<p>「ガラス自らが思いもよらない形を作っていくところが、<strong>宙吹き法</strong>の面白いところ」と話す小牧さん。“独創的”と評されるCOMAKI GLASSのワイングラスやビアグラスには、個体によって硬さがあり比較的熱が冷めやすい<strong>「再生ガラス」</strong>が使用されているものもあり、透明感の中に表れるほのかな色味や、短時間で冷え固まる素材の特性を活かした味わい深い様相の作品も見られる。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export19-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39868" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export19-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export19-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export19-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export19.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p> </p>



<p>「<strong>それぞれのグラスに性格が出るんです。</strong>同じものはひとつとして作れないし、敢えてそのガラス自身が形作ったフォルムや様相を活かした表現を心がけています」</p>



<p>首を傾げるように曲げられた<strong>ステム（脚）</strong>や、違った口当たりをもたらす湾曲した飲み口など、まさにその形状は唯一無二。「並んだグラスを眺めていると、まるでゆれながら愉快に踊っているようにも見える」と、愛おしそうに作品を見つめる。</p>



<p>元々、陶芸や木工、絵画などが好きだったという小牧さん。写実的で精巧なものというよりは、見て感じるもの、特に抽象画や独創的な表現に心が動かされるのだとか。ガラス作りをはじめ、こうした美術品や工芸品に関心を持つようになった背景には、幼き日に見た祖父の存在がある。</p>



<h2 class="wp-block-heading">祖父の言葉と、ガラス作家･舩木倭帆さんとの出会い</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export31-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39869" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export31-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export31-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export31-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export31.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p> </p>



<p>幼い頃から趣味で絵を描く祖父の姿が身近にあったという小牧さん。美術品や工芸品に引き込まれていく中で、「もし若返ることができるならガラス作りをしてみたい」と日頃から口にしていた祖父の言葉を受け、次第に<strong>ガラス職人</strong>になることを夢見るようになっていく。</p>



<p>ようやくガラスに触れるようになったのは大学生の時。一般向けに設備を提供していた工房を見つけ、念願のガラス作りをスタートさせた。その後、本格的にガラス作りの道へ進もうと考え始めた頃、<strong>後の師匠となるガラス作家･舩木倭帆（ふなきしずほ）氏の作品に出会う。</strong></p>



<p><strong>「優しく温かみのあるフォルムの中にもガラス特有の清涼感があり、見ていると心が澄んでいくような感覚があった」</strong>と話す小牧さん。すぐに手紙で舩木氏への師事を願い出たところ偶然アシスタントの欠員があり、卒業と同時に広島県深安郡神辺町へ転居。<strong>舩木氏の工房「グラスヒュッテ舩木」で本格的にガラス作りを学ぶ修業期間が始まった。</strong></p>



<h3 class="wp-block-heading">偶然を予期すること、真面目に生きること</h3>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export15-1-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39870" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export15-1-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export15-1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export15-1-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export15-1.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p> </p>



<p>花瓶･皿･鉢･グラス･茶碗など、素材の特性を生かし、デザインから仕上げまで一貫製作の手仕事によって生み出される舩木氏の作品は、実用性の高い堅牢さを備えつつ、温かみを帯びたアーティスティックさが特徴。他界した今もなお工芸業界内外から高い評価を受けつづけている。「アシスタントとして阿吽の呼吸を合わせられるようになるまでにかなりの苦労があった」と6年間を振り返る小牧さん。円熟した技術を持ちながらも、常に謙虚な姿勢で作品と向き合う舩木氏について小牧さんは「愛情深い優しさがありつつも<strong>作品製作に対しては厳しくストイックな方だった」</strong>と語る。</p>



<p><strong>「『偶然を予期すること』『真面目に生きること』、舩木さんから学んだことは今も作品作りの根幹に生かされていると思います」。</strong>修業を通して技術と作家としての在り方を学んだのちに独立。ガラス製作をするのに適した広々とした場所を求め、父親の故郷である山梨県南アルプス市に自身の工房を構えることとなる。</p>



<p>「ようやく自身の作品のみで生活できるようになったのはここ数年のこと。思えば『売ること』についてはほとんど学ばなかった」と、苦笑いを浮かべる。独立してすぐはアルバイトをしながら製作活動に当たっていたそうだ。各地のギャラリーなどで個展を開き、少しずつ同じ価値観を持つ人たちとの繋がりを広げていく。そうした地道な活動を通して、次第に製作依頼も増えていったのだという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「たまたま」が心を動かす</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export28-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39875" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export28-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export28-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export28-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export28.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p> </p>



<p>2020年にはさらに広い作業スペースを求め、現在の<strong>甲州市塩山へ工房を移設。</strong>技術的･表現的な<strong>「面白さ」</strong>を追求し、今や代名詞となった<strong>独創的な脚付きグラス（ステムグラス）の製作に力を入れていく。</strong></p>



<p><strong>「唇に触れる面積や口当たりの質感でその味わいは変化するんです」</strong>、小牧さんはビールを注いだ自らのグラスを傾ける。工房には数多くのグラスが並べられているが、実はそのほとんどが試作品。例えば厚みの調整や模様付けを行うのにも、洋ばし（ジャック）と呼ばれる金属器具の僅かな力加減によって、仕上がりは大きく変わってくるのだ。いくら技術を磨き続けても、自分がいいと思う作品に出会える瞬間はいつも<strong>「たまたま」</strong>なのだという。</p>



<p>「暮らしの中で、使うシチュエーションや目的によって印象は変わる。自分が作ったグラスは自分で使ってみたいし、人からも積極的に感想を聞くようにしています」。多くの試作品から、実際に自分が使ってみることで改善点やヒントを模索していく。こうしたストイックで柔軟な姿勢が、見る人、使う人の心を動かす作品を生み出しているのだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">流されがちな日々に、ふっと</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export30-1-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39876" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export30-1-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export30-1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export30-1-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export30-1.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p> </p>



<p>積極的に地域のコミュニティなどとも関わりを持つようにしている小牧さん。地元の味噌屋や瓦職人、ワイナリーなど、地域で自身の活動を応援してくれる人と出会えたのは大きかったのだそうだ。そうした関わりの中で得られるヒントや刺激は多く、ランプシェード製作など今までに無かったオーダーも次第に舞い込むように。近年地域の飲食店などからも「脚の曲がったグラスが欲しい」と依頼を受けることも増えてきたのだという。</p>



<p>少しずつ自身の作品が浸透していることを実感しながらも、こうした交流や、各地で行われる個展での出会い、旅先で偶然目にするものなど、様々なインプットを通してアイディアや自身の感性に磨きをかけていきたいと、今後の展望を語る。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export44-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39879" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export44-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export44-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export44-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export44.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p> </p>



<p><strong>「きっと僕の心も曲がっているんですよ。思ってもみなかった形になるって面白いじゃないですか」</strong></p>



<p>と最後に小牧さんは笑う。地に足をつけ、弛まずにつみあげた信念がありながらも、どこか掴みきれない“ゆらぎ”をはらんだ眼差しがとても印象的だった。<strong>COMAKI GLASSの作品には、まさにそういった小牧さん自身のパーソナリティが吹き込まれているのだろう。</strong>企画製品や、大量生産品が目まぐるしく生産･消費される時代だからこそ、暮らしの中にふっとひと息。日々の移ろいや季節の変化に寄り添う、<strong> “ゆれる”一点もの</strong>を愛でるひと時を楽しんでみてはいかがだろうか。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export18-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39880" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export18-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export18-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export18-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export18.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/39859/">“弛まず”、心が“ゆれる”グラス作り「COMAKI GLASS」／山梨県甲州市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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