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	<title>乳牛 - NIHONMONO</title>
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	<description>「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン</description>
	<lastBuildDate>Mon, 17 Aug 2026 07:27:59 +0000</lastBuildDate>
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	<title>乳牛 - NIHONMONO</title>
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		<title>全国から注文が入るフルーツトマト「うしの恵み」を育てる家族「眞嶋農園」／高知県香南市</title>
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		<pubDate>Mon, 17 Aug 2026 07:25:02 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[フルーツトマト]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-182718.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>高知県は、「フルーツトマト」と呼ばれる、高糖度トマトの発祥の地と言われており、県内各地で付加価値の高い高糖度トマトが生産・販売されている。県で3番目の生産量を誇る香南市で、「うしの恵」と名付けた「フルーツトマト」のブラン [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-182718.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>高知県は、「フルーツトマト」と呼ばれる、高糖度トマトの発祥の地と言われており、県内各地で付加価値の高い高糖度トマトが生産・販売されている。県で3番目の生産量を誇る香南市で、「うしの恵」と名付けた「フルーツトマト」のブランド化に成功しているのが、眞嶋農園だ。眞嶋農園は、高知龍馬空港から約10分、高知県の東部エリアへ伸びる国道55号近くにある。住宅と畑の間に厩舎とビニールハウスが建つ、家族経営の酪農家兼農家だ。牛乳を生産し、牛糞を「濃縮堆肥」にして販売、さらに堆肥を使って旨味のある「フルーツトマト」を育てることに取り組んできた。また、同じ堆肥で、耕作放棄地を活用した青パパイヤ栽培や、飼料にする牧草を育てて、持続可能な循環型の耕畜連携を実践している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">酪農と農業の循環を築き、継承に力を注ぐ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172203.jpg" alt="" class="wp-image-55069" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172203.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172203-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172203-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>代表の眞嶋順一さんは、「うちは元々、父の代から約60年続く酪農家なんです」と語る。26年前、母の入院をきっかけに、眞嶋さんが妻と息子を連れて県外からUターンして、家業を継いだのだそうだ。</p>



<p>飼育しているのはホルスタイン種という搾乳に特化した牛で、現在は35頭を世話する。しかし、飼料の高騰や、少子化による学校給食での牛乳消費量の減少など、酪農を取り巻く環境は厳しい。「酪農は、家族経営ではだんだん厳しくなっていて、メガファームやギガファームといった大規模化、IT化が進む流れもあります」と眞嶋さんは言う。</p>



<p>そんな環境下で、眞嶋家は、自給飼料への切り替えを図るなどしてコストを下げながら、酪農と農業を循環させる工夫を続けている。今では、主に眞嶋さんが酪農を、野菜ソムリエの資格を取った妻の美加さんがトマト栽培を担い、息子の将さんが夫婦の後継として共に働いている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">超濃縮タイプの“乾燥牛糞堆肥”づくり</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175214.jpg" alt="" class="wp-image-55070" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175214.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175214-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175214-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>眞嶋さんは父から酪農を引き継いで以降、酪農の副産物である糞尿をどう活かすか試行錯誤を重ねたという。</p>



<p>父が取り組み始めていた堆肥づくりを、販売できるまでにするにはどうすればよいか。本を読むなどしていろいろ調べ、糞尿を乾燥装置で水分10％以下まで落とし、その乾燥堆肥を水分調整材として再利用する独自の手法を編み出した。</p>



<p>「一度出来上がった乾燥堆肥を混ぜることで水分を調整して、また良い堆肥ができる。これを繰り返すことで、オガクズなどを入れることなく、高品質な堆肥を安定的に製造できています。</p>



<p>並行して、父は販売を見据え2000年頃から堆肥の効き目を検証するために『フルーツトマト』栽培を始めていました。トマト農家を営む親戚から栽培について教わり、その2年後に私たち夫婦がノウハウを受け継いだんです。堆肥の投入量の適正化を含め家族で試験を重ねてきました。</p>



<p>トマトが美味しいと言われて売れるようになり、堆肥の品質の良さが証明されたことで、堆肥も売れるようになりましたが、軌道に乗るまで、5～6年かかりましたね」</p>



<p>酪農家が堆肥をつくることは珍しくない。一般的には、糞尿に籾殻やオガクズを混ぜて発酵させることで水分量が60％以上の発酵堆肥が作られている。ただ、眞嶋農園のように糞尿を乾燥させた堆肥を水分調整に用いる例は非常に珍しい。</p>



<p>眞嶋農園の牛糞99.9％という超濃縮タイプの“乾燥牛糞堆肥”は、軽くて扱い易く、肥料としての質が高い。評判が広がるにつれ農家からの注文が増えて、現在は製造が追いつかないほどだそう。</p>



<p>「農作物の肥料として少量でも十分な効果を発揮する点が自慢です」と眞嶋さんは言う。</p>



<h3 class="wp-block-heading">始めは大玉、徐々に高糖度の「フルーツトマト」に仕上げる </h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175636.jpg" alt="" class="wp-image-55071" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175636.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175636-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-175636-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>そもそも「フルーツトマト」とは特定の品種名ではない。品種やサイズに関わらず、糖度が8以上あるものを「フルーツトマト」と呼ぶ。小ぶりな「ミニトマト」はフルーツトマトと混同されがちだが、ミニトマトはあくまでも形で分類された小さいトマトの総称。規定の糖度を越えなければフルーツトマトとして出荷することはできない。そのため、糖度を上げるための栽培方法が重要になってくる。一般的には、小ぶりな品種のトマトを選び、水分制限して育てると糖度を上げやすいと言われるが、眞嶋農園のトマトは、独自の栽培方法を確立している。</p>



<p>眞嶋農園では、品種は大玉トマトの「桃太郎ファイト」を使う。食味、柔らかさ、皮の硬さなどの観点でいろいろな品種を試した結果、最終的に選んだ。年配の人にも美味しく食べてもらえる皮の食感だという。</p>



<p>「現在も試し続けていますが、ここ数年は今の品種が一番うちの栽培方法にピタッと合っていると思います」と、美加さん。</p>



<h2 class="wp-block-heading">眞嶋流は、どこよりも時間をかける</h2>



<p>何より特徴的なのは、急がず、健康的な株を育ててから“ゆっくりと高糖度に仕上げる”という考え方だ。他所よりも時間をかけて育てるため、「他のフルーツトマトはもう店頭に並んでいるけど、おたくのトマトの出荷はまだなの？」と、お客さんから問い合わせを受けることもあるのだとか。</p>



<p>多くの農家は、根の広がりを制限して水の管理を徹底する「隔離栽培」を行うことで早く糖度を上げて「フルーツトマト」に仕上げようとするのに対し、眞嶋農園では根の広がりを制限しない。むしろ、しっかり根を張った健康的な株を育てることに時間をかける。水を制限するのも段階的だ。敢えて、最初から「フルーツトマト」にしないというのが、こだわりだ。</p>



<p>「そもそもフルーツトマト専用の種はなく、大玉トマトの品種を栽培方法でフルーツトマトに仕上げていきます。うちの場合は接ぎ木をせず、茎を太くして根がいっぱい張るように育てています。さらに堆肥の効果が後まで続くようにと考えて、最初に堆肥を少し多めに入れるため、その効き目が出て、初めは大玉がつきます。そこから、糖度を上げるために徐々に水分を制限することで、結果的に小ぶりになってはいきますが、他より大きめのトマトでも糖度が乗ったものができます。</p>



<p>単に甘いだけでは魅力を感じません。甘み・酸味のバランスを整えた上でのトマトらしい甘みであってほしいし、自家製の牛ふん堆肥による独自の旨みを大事にしています」と、眞嶋さんは言う。</p>



<h3 class="wp-block-heading">トマトの目利きは、妻と息子</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-181810.jpg" alt="" class="wp-image-55072" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-181810.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-181810-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-181810-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>糖度は、実が色づき始めた頃にはほぼ決まっており、そこから追熟が進むと酸味が旨味に変わっていき、甘みも強く感じられるようになり微妙な味わいの変化があるという。</p>



<p>「糖度が上がってくると、トマトの中の果肉が透けて見えるようになります。また、糖度が高くなるひとつの目安に、青いトマトのヘタ部分に入る『ベースグリーン』と呼ばれる濃い緑色のラインがあります。スターマークは知られるようになりましたが、そんなことも目安に日々食味しながらトマトの状態を確認しています。目利きはもう、妻と息子には敵わないです」と、眞嶋さん。続けて、妻の美加さんが言う。</p>



<p>「トマトの見極めは、家族で手分けして行っています。人を育てないと、とは思いますし、画一性を求めるなら人に任せず糖度センサーを入れればいいんでしょうけど、お客さんによって異なる好みに対して、直にお応えしたい。やはり相手の顔が見えている中で販売・やり取りしていますので、大切にしたい部分なんです」</p>



<p>「フルーツトマト」の産地として知られる高知県だけあって、競合も多い。そんな中で、眞嶋農園はきめ細かさで、顧客の要望に応えている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">独自の“斜め誘引”と、5,500本を支える手仕事</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180144.jpg" alt="" class="wp-image-55073" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180144.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180144-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180144-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>トマトの圃場に入ると、まず目を引くのが“斜め誘引”という珍しい栽培方法だ。株を斜めに伸ばし、根を自由に張らせているという。「吊るし式も試しましたが、収穫姿勢が厳しく断念しました」と、眞嶋さん。</p>



<p>斜め誘引は、株が成長するにつれ収穫位置が上がり、作業がしやすい。ただし手間は膨大だ。5,500本すべてを紐でくくり、脇芽を取り、毎日手入れをする。繁忙期は家族だけでは手が足りないので、手伝ってもらう。これが最初に教わった方法だったという。以来、20年以上、眞嶋さんはずっと手間を惜しまず、斜め誘引を継承している。</p>



<p>また、ハウスの温度や湿度の管理は、コンピュータ制御ではなく、経験と経験に培われた勘で乗り越えてきた。南国・高知と言われるだけあって、冬でも日中の気温が12〜16℃あって温かい。そのうえ、気候変動でハウス内が30℃になる日も出てきたが、「自分たちの目と感覚で管理しています」と美加さん。手を抜かず、積み上げてきた経験がものを言う。</p>



<h3 class="wp-block-heading">害虫対策は、農薬の使用量を減らして天敵昆虫を使う「環境保全型農業」 </h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180240.jpg" alt="" class="wp-image-55074" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180240.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180240-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180240-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>さらに、トマト栽培に害をなすコナジラミの対策には、トマト苗生育中に並行して、ごまを育て、天敵昆虫のタバコカスミカメを自家採種。タバコカスミカメの餌植物であるクレオメを植えて自然繁殖させ、害虫の発生を抑制させる。農薬の使用を減らす「環境保全型農業」も実践していた。高知県は全国的に見てもこの「環境保全型農業」への意識と実践が非常に高い。JAが中心となって農薬に頼らない栽培を推進している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">野菜ソムリエ仲間の口コミから広がった、「うしの恵み」の輪</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180527.jpg" alt="" class="wp-image-55075" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180527.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180527-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180527-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>販路拡大のきっかけは、妻の美加さんの野菜ソムリエ資格の取得だった。夫に付き添ってIターンして数年後、美加さんは友人5人と毎週末、高知から香川まで通って野菜ソムリエの資格を取得する。その後に知り合った県内外の野菜ソムリエ仲間がレストランや百貨店と繋いでくれたり、SNSで発信してくれるなど気にかけてくれた。こうして口コミが広がって、県外からの注文が増えていったという。</p>



<p>「お客さんがお客さんを呼んでくれるんです」。<br>営業に出る時間がない家族経営にとって、これは大きな力になった。<br>ハウスの広さは25アール。「もっと広げたら？」と言われるが、品質を守るためにあえて増やさない。</p>



<p>「二人でしっかり見られる限界が25アールなんです」と、夫妻は言う。</p>



<p>規模よりも味。今のお客さまに喜んでもらえることが一番。その姿勢が、ファンを増やし続けている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">牛を可愛がることが、美味しい牛乳につながる </h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172839.jpg" alt="" class="wp-image-55076" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172839.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172839-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-172839-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>一方、厩舎を覗くと、乳牛たちが穏やかに牧草を食んでいた。子牛が興味深そうにこちらを見てくる。「さくらちゃん、さくらちゃーん」と、美加さんが声をかける。厩舎の牛たち全頭に名前がついており、赤ちゃんの頃から「かわいいね」と声をかけ続けるのだそうだ。ストレスを与えないことが、美味しい牛乳の第一条件だからとはいえ、美加さんの声は、母親がわが子に呼びかけるように優しい。</p>



<p>牛舎にはミストと大型扇風機が設置され、暑さに弱い牛を守る。角は幼少期に焼いて除角し、怪我を防ぐ。1日4回、1頭25kgの餌を食べ、約30Lの牛乳を出す。繁殖も丁寧だ。生後14ヶ月で初めての種付け、妊娠期間は10か月。出産2か月前からは搾乳を止め、赤ちゃん牛に栄養を回す。</p>



<p>さらに、県の事業として「土佐あかうし」の受精卵移植にも協力。ホルスタインが代理母となり、地域の畜産を支えている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">“去年の美味しさ”を超えるために。続いていく家族の挑戦  </h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180853.jpg" alt="" class="wp-image-55077" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180853.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180853-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/08/24ushi-180853-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>酪農から出た堆肥が、農作物を育て、乳牛たちの飼料になり、美味しい牛乳となる一連の循環が、眞嶋農園を支えている。</p>



<p>眞嶋農園では、トマトの収穫は12月から6月末まで。そこで一旦区切りを設けて、次の植え付けに着手するというが、美加さんは、植え付けからの手入れ期間は「一番楽しい」と笑う。逆に収穫が始まると緊張の日々なのだとか。</p>



<p>「これまでは、良くする努力を重ねてきましたが、おかげさまで、お客さんに付いていただけるようになったので、今度は、できるだけ味を変えない努力をしています。息子が苦労している最中ですが、先の状態を想像しながら管理していくことは、気候変動の中では非常に難しいと、ここ近年感じています」</p>



<p>美加さんは、「お客さんの記憶の中の“美味しい”は年々美化されていきます。だから、それを超えるぐらいの気持ちでトマトを作って、次の年も「美味しい」と言っていただけるようにと想いを込めて作っています」と言う。</p>



<p>水の管理と玉の大きさの調整、機械に頼らずに生育状態を日々自身の目で細かく見極めるなど、味を狂わせないための数々の努力と、家族だけが可能な“目利き”が、今年もトマトを仕上げていく。</p>



<p>牛と堆肥とトマトがつくる“恵みの循環”は、家族の力でこれからも続いていく。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/55058/">全国から注文が入るフルーツトマト「うしの恵み」を育てる家族「眞嶋農園」／高知県香南市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>山地放牧が照らす酪農の未来。「玉名牧場」矢野希実さん／熊本県玉名市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 10 Apr 2026 10:25:36 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[乳牛]]></category>
		<category><![CDATA[山地酪農]]></category>
		<category><![CDATA[ジャージー]]></category>
		<category><![CDATA[ルミエール]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2315.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>茶褐色の土がむき出しになった小高い山を、牛たちが悠然と歩いている。野生を感じさせるその締まった体つきは、山地での完全放牧によるものだ。牧場主の矢野希実さんは元エンジニア。脱サラして10年かけて開拓した東京ドーム約3個分の [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2315.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>茶褐色の土がむき出しになった小高い山を、牛たちが悠然と歩いている。野生を感じさせるその締まった体つきは、山地での完全放牧によるものだ。牧場主の矢野希実さんは元エンジニア。脱サラして10年かけて開拓した東京ドーム約3個分の土地で、30頭のジャージー牛を飼っている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">無一文状態で山に入り、土地を拓き、酪農を始めた</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2715.jpg" alt="" class="wp-image-54320" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2715.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2715-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2715-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>熊本県北部にある玉名市は、有明海、小岱山、菊池川と豊かな自然に恵まれ、気候も温暖。米や野菜、果物の栽培が盛んな農業のまちだ。この土地で矢野さんが新たな一歩を踏み出したのは2000年頃。</p>



<p>福岡県北九州市出身の矢野さんは、地元の製鉄所の設備などを設計するプラントエンジニアとして働いていたが、会社員として働き続ける人生にふと違和感を感じたという。幼い頃からアレルギー体質に悩まされていたこともあり、生活と食を根本から見直すようになった。その過程で農薬も肥料も使わない自然農法を実践する農家と出会い、食と農への関心は深まっていく。そして20代後半で脱サラし、自給自足と循環型農業を目指して現在の牧場がある山に入植することを決めた。</p>



<p>入植とは、未開の地に入り生活を始めることを指す。矢野さんは標高約200mにある雑木林と化した牧場跡地と出合い、ここでなら日本ならではの山地酪農の形を追究できると確信。2000年に牛と豚、犬を一頭ずつ連れて無一文状態で移住することを決めた。土地の片隅に小さな小屋を建て、木々を切り倒して間引き、荒れ果てた土地を耕し、玉名牧場を作った。</p>



<p>矢野さんが酪農を本格的に始めることができたのは、そこから7年後の2007年。牛乳の販売と並行してチーズの加工販売も始めて採算を取りながら、少しずつ理想とする牧場の形を作っていった。牧場の名は地名から取った玉名牧場。自然農法で育てた米や野菜、鶏の卵を売って生計を立てながら、現在の広さまで開拓するのに10年もの月日を要した。</p>



<h2 class="wp-block-heading">自然の摂理に沿った、力強い営みが息づく牧場</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2341.jpg" alt="" class="wp-image-54321" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2341.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2341-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2341-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>約15ヘクタールの広大な土地で暮らす乳牛は30頭。飼育する牛はジャージー種で、国内飼育の9割以上を占めるホルスタイン種に比べると、体重にして約200kgほど小さく搾乳量も少ないが、そのぶん自分の重さで膝や蹄（ヒヅメ）を痛めにくく、丘陵地での飼育に適している。</p>



<p>こうした環境適正はもちろん、ジャージー種から搾乳する牛乳は脂肪分やタンパク質が非常に高く、濃厚であるため、肝心の味でも差別化ができると考え、ジャージー牛を選んだ。</p>



<p>ちなみに、玉名牧場では一般的な酪農で用いられる穀物飼料や配合飼料は与えない。牛たちはお腹がすいたら山に自然に生える牧草を食べ、満腹になったら散歩をしたり、ウトウトとまどろんだり。</p>



<p>牧場には牛舎と呼ばれる牛を管理する小屋があるのが普通だが、玉名牧場には牛舎がなく、牛たちは年間を通して山の牧草地で自由に過ごす。当然糞尿も山でするわけだが、牧草しか食べていない牛の糞はまるで土のかたまりのようだ。水っぽさがなく、ツーンと鼻をつく悪臭もない。矢野さんがひょいと持ち上げたそれは見るからにふかふかとしていて、指の間からぽろぽろと崩れ落ちては山の土と一体となる。その様子からは、人の手を介さずとも自然に還り、この土地で循環していくことが容易に想像できる。玉名牧場のように放牧で酪農をしている牧場は全国でわずか20件ほどだという。</p>



<p>玉名牧場の牛は背骨が出て肋骨もうっすらと見えている。牛舎で管理されているホルスタインをイメージすると痩せているように感じるが、これが野生に近い姿だと矢野さんは言う。早く成長させて多くの乳を出せるように高たんぱく･高カロリーの飼料を与えることはしないので、スリムだし、一般的なジャージー牛と比べても半分以下の乳量しか採れない。だが、だからこそ健康なのだ。身体に負担がかからない食事をして、適度に運動し、よく眠り、ストレスなく暮らしているから、肥満にならないし病気にもかかりにくい。牛たちは山で自然に繁殖し、出産も人の介助を必要とせず、牛が自力で産み落とす。</p>



<p>玉名牧場には自然の摂理に沿った力強い営みが息づき、矢野さんはその循環こそ目指すべき酪農の姿であり、山地酪農こそ理想の牛乳をつくるためのベストな選択だと考えている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">季節と風土を映す玉名牧場の乳製品</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2758.jpg" alt="" class="wp-image-54322" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2758.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2758-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2758-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>こうした環境で育った牛たちの乳は、ほのかに黄色味を帯びたクリーム色が特徴だ。市場に出回っている牛乳の乳脂肪分の平均はホルスタインが3%台、ジャージーが4％台とされるが、玉名牧場のものは5％に達する。この高い乳脂肪分が濃厚でコクのある味わいを生み出しているが、後味は驚くほどさっぱりとしている。また、気温や牧草の状態の影響を受けて季節ごとに味が微妙に変化するのも玉名牧場の牛乳の特色の一つ。日本では120〜130度で3秒間の熱処理を行う高温殺菌が主流だが、玉名牧場では65度で30分という低温で殺菌しているため、タンパク質の変性が少ない。だから生乳本来のクリアな風味や季節ごとの味の特徴がそのまま保たれ、飲み口はさらり。タンパク質や脂肪分が舌にまとわりつくような重さもなく、すっと消えるような余韻がある。</p>



<p>そんな牛乳で作る玉名牧場の看板商品であるシェーブルタイプのオリジナルチーズ「ルミエール」は、まず香りに驚かされる。牧草を想起させる爽やかでほのかに甘い香りがふわりと立っているのだ。口に含むと、濃厚なコクと旨味が舌にじんわりと広がるが、山の空気のような清々しさも感じる。熟成とともに味に奥行きが増し、とろりと溶けていくのも、ルミエールのポイントだ。矢野さんが自ら生産する牛乳の乳質に合う製法を模索して完成させたこのチーズには、牛たちが暮らす自然環境や季節の移ろいが閉じ込められている。2011年にはくまもと食品科学研究会大賞で最優秀賞を受賞した逸品だ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">生計を立てられる持続可能な酪農を次の世代へ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2791.jpg" alt="" class="wp-image-54323" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2791.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2791-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2791-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>牛乳やチーズ、バターなど、玉名牧場の乳製品は一般に向けて直販されているほか、県内外の料理人やパティシエ、自然食品店からも根強い支持を得ている。だが、矢野さんは生産量を今以上に増加させるのではなく、質を保ち続けることを目標にしている。</p>



<p>山頂を開拓した牧場は斜面が多く、日陰の部分は牧草が生えにくい。加えて、近年頻発している豪雨により土が流されることもあり、牧場内だけでは牧草を確保するのが難しくなってきているのが現実だ。そこで別の圃場で牧草を栽培して不足分を賄っているものの、牧場として使える十分な土地の確保が当面の課題である。</p>



<p>また、矢野さんは次の世代の酪農家にも責任を感じている。玉名牧場のような営農方法を目指して見学や研修に来る人は後を絶たないが、資金や土地の面でつまずくケースが少なくない。農業は生産するだけでなく、生計を立ててこそ初めて持続可能となる。そのためには若手にノウハウを伝えるだけでなく、彼らが安心して挑戦できる環境を整えることが重要だと矢野さんは考えている。これらの解決のためには、消費者が食べ物を選ぶ際の基準や意識を変えることが必要だ、とも。</p>



<p>そのために玉名牧場では、消費者と生産者双方に向けて、食や、その生産環境について考えてもらうための牧場案内やイベントを積極的に実施。その成果もあってか、矢野さんの思いに共鳴する消費者や生産者、料理人、そして自治体までもが、玉名牧場の製品の魅力、取り組みの素晴らしさを自主的に発信してくれるようになってきた。こうして、矢野さんの撒いた種は少しずつ実を結び、国土面積の約7割が山地･広陵地である日本に於ける山地酪農の可能性や価値への理解が深まるなど、活動の輪は広がりつつある。</p>



<p>矢野さんの渾身のチーズの名は「ルミエール」。フランス語で光を意味するそのチーズのように、山の営みから生まれた小さな光は今、熟成の時を迎えて次の世代を照らし始めている。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54314/">山地放牧が照らす酪農の未来。「玉名牧場」矢野希実さん／熊本県玉名市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>ジャージー牛を放牧し、「低温殺菌･ノンホモ」の牛乳を全国にお届け。なかほら牧場／岩手県岩泉町</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/53128/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 16 Aug 2025 03:19:10 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[畜産]]></category>
		<category><![CDATA[ジャージー牛]]></category>
		<category><![CDATA[乳牛]]></category>
		<category><![CDATA[山地酪農]]></category>
		<category><![CDATA[ノンホモ]]></category>
		<category><![CDATA[低温殺菌牛乳]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9033.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>北上山系の広大な山地で、ジャージー牛主体の放牧酪農をしている「なかほら牧場」。野草を食べながらのびのびと過ごす健康な牛の生乳を、自社のミルクプラントで「低温殺菌･ノンホモ」に仕上げた牛乳は、「コクはあるのに後味がすっきり [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53128/">ジャージー牛を放牧し、「低温殺菌･ノンホモ」の牛乳を全国にお届け。なかほら牧場／岩手県岩泉町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9033.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>北上山系の広大な山地で、ジャージー牛主体の放牧酪農をしている「なかほら牧場」。野草を食べながらのびのびと過ごす健康な牛の生乳を、自社のミルクプラントで「低温殺菌･ノンホモ」に仕上げた牛乳は、「コクはあるのに後味がすっきりしている」と県内外で評価されている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">故郷で山地酪農を目指す</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031.jpg" alt="" class="wp-image-53129" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手県の県土の約6割を占め、中央部から周辺部に向けてなだらかな勾配の山地が広がる北上山系。その標高700〜850メートルの窪地に、なかほら牧場はある。面積は、東京ドーム約25個分の、およそ120ヘクタール。ここで子牛も含め110頭の乳牛を放牧している。</p>



<p>なかほら牧場は、1984年に岩手県出身の中洞正（なかほらただし）さんが岩泉町有芸地区に入植して始めた牧場だ。中洞さんは東京農業大学在学中に、植物生態学者の猶原恭爾（なおばらきょうじ）博士が提唱した酪農スタイル「山地（やまち）酪農」を知り、衝撃を受ける。現在日本の多くの酪農家は、牛乳を大量に安価に提供するために、牛を放牧せず、牛舎につないで栄養価の高い外国産穀物飼料を食べさせている。それに対して「山地酪農」は、山に野シバを植え、草食動物である牛を放牧して草を食べさせることで、日本の国土の約7割を占める山を酪農に有効利用し緑の草地に変える、というものだった。しかも、「放牧」と聞くと平らで広い草地が必要と思いがちだが、牛は好物の草さえあれば傾斜地でも難なく歩くという。「これなら急傾斜地が多い岩手の山林でも酪農ができる」と考えた中洞さんは、卒業後に帰郷し、「北上山系総合開発事業」により売り出されていた現在の牧場を購入。この事業は県内8地区17市町村に酪農を誘致する事業で、牧場は、50ヘクタールの土地のほかにさまざまな設備や牛舎、住居なども付いた「建て売り牧場」だった。設備のなかには糞尿処理機など、牛の糞尿が放牧地の肥やしとなる山地酪農では不要なものも含まれており、多額の借金を抱えるものだったが、「故郷で放牧酪農を実践する」という夢のために決断したという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ジャージー牛を選んだ理由</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035.jpg" alt="" class="wp-image-53130" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>入植した中洞さんは、まず木を伐採して、牛たちが逃げないように牧場の周囲に柵を打ち、11頭の乳牛を放牧した。牛たちは歩き回って下草や木の葉などを食べるので、食べ尽くされて土壌がむき出しになる。そこに日が当たり牛たちの糞尿が肥料となって、やがて野シバなど在来の野草が生えるように。この作業を少しずつ繰り返すことで野草が生えた放牧地を拡大し、乳牛の頭数を増やしていった。ちなみに猶原博士は、牛が十分に食べられる量且つ、過食により野草が消滅しないちょうどいいバランスとして、「放牧地1ヘクタールあたりの牛の頭数を成牛に換算して1.5頭まで」としており、なかほら牧場でも、それに準じた規模で放牧を行っている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">生乳本来の風味を生かしたい</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051.jpg" alt="" class="wp-image-53131" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>なかほら牧場の牛たちは、通年昼夜問わず放牧されている。牛舎に入るのは、一日2回の搾乳時のみ。搾乳時には、国産のビートかすと大豆かす、小麦を混ぜた「おやつ」が与えられるが、それ以外は、春から秋までは放牧地内のノシバや野草を、放牧地が雪で覆われる冬は、自社採草地の無農薬牧草を発酵させた「サイレージ」や国産の干し草を食べながら、広大な放牧地でのびのびと過ごす。交配も出産も自然のまま。出産後も2か月までは母乳哺育なので、母牛･子牛ともにストレスがかからない。心身ともに健康そのものだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「63℃で30分間」の低温殺菌</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057.jpg" alt="" class="wp-image-53132" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>なかほら牧場ではそんな健康な牛たちの生乳を、自社のミルクプラントで牛乳に加工し、販売している。中洞さんは入植してから7年間は生乳を農協に出荷していたのだが、1987年に生乳の取引基準が「脂肪分（生乳に含まれる脂肪分の割合）3.5％以上」に変更になり、基準に満たない生乳の買取価格が半額程度となった。なかほら牧場の生乳は放牧で運動量が多いため、乳脂肪分が高くなかったが、水分量の多い青草を食べる春から秋にかけては乳脂肪分がさらに低くなる。そのため中洞さんは「この基準では経営が成り立たない」と危機感を感じ、自分のブランドを立ち上げることを決意。銀行から融資を受けてミルクプラントを建設し、牛乳の製造を始めた。ちなみに同牧場ではその後、ジャージー牛の比率を増やして生乳の脂肪分を高め、現在は夏が3.6〜3.8％、冬は4.3〜4.5％である。</p>



<p>同牧場の牛乳は、コクがあるのに後味がすっきりしている点が特徴だ。それをつくりだしているのが、「63度Cで30分間」の低温殺菌をしていること。「殺菌温度や時間によって、タンパク質が変化して生乳本来の味ではなくなる。そこで試行錯誤してたどり着いたのが、法律上ギリギリの『63度Cで30分間』だったんです」と説明するのは、中洞さんに代わり2021年から牧場長を務める牧原亨さんだ。牧原さんによると、日にちが経つと牛乳に「熟成した風味」が加わるそうで、顧客の中には購入した当日と1週間後の味の変化を楽しむ人もいるという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">瓶の上部の「生クリーム」も楽しんで</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061.jpg" alt="" class="wp-image-53133" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>もうひとつ、なかほら牧場の牛乳の特徴が、ノンホモジナイズ牛乳（ノンホモ牛乳）であることだ。「ホモジナイズ」とは牛乳に含まれている脂肪球を小さくつぶす工程のこと。大手乳業の大量流通品は120℃2秒などの高温殺菌工程における焦げつきを避けるため、殺菌の前にその脂肪球をつぶしておく必要があるのだ。しかし一方で、脂肪球を砕くため生乳本来の風味が失われるというデメリットがあることから、なかほら牧場では「生乳に近い味を楽しんでもらいたい」と「ノンホモ」を選択しているという。「うちの牛乳の味が濃厚といわれるのはそれもあるのです。また、日にちが経つと脂肪分が瓶の上部に浮いてきますが、これは生クリームですのでそのまま食べてもおいしいですし、パンにのせて食べるというお客様もいらっしゃいます」と牧原さんは胸を張る。</p>



<h2 class="wp-block-heading">次世代に引き継げる「安定経営」を目標に</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059.jpg" alt="" class="wp-image-53134" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在なかほら牧場のミルクプラントでは、牛乳のほかにアイスクリームやヨーグルト、バター、プリンなどの加工品も製造している。販売先は岩手県を越え、関東や関西、四国、九州まで拡大してきたが、それでも経営は厳しい。</p>



<h3 class="wp-block-heading">商品の価値を理解してもらうことが重要</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060.jpg" alt="" class="wp-image-53135" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>牧原さんの実家は、隣りの田野畑村で600頭の牛を牛舎で飼育する酪農家だったが、その後廃業となり、牧原さんは13年前になかほら牧場にやってきた。そして「こういうやり方で牛を飼いたい」と感じるようになったという。「でも、現在のように年一億円以上の赤字経営ではダメ。家族で食べていくことができて、次世代の若者に引き継げるような経営体にしないと」と明言する。</p>



<p>経営を安定させるために牧原さんは、消費者に商品の価値を理解してもらい売り上げを増やすことが必要だと考えている。「例えば、うちの牛乳の瓶の上部に浮いてくるのが脂肪分だと知らないお客様もいます。うちの牛乳の値段は一般的なものの5倍以上ですから、その理由、つまり放牧酪農でエサは草主体で、低温殺菌でノンホモである、ということを理解してもらわないと買ってもらえない。逆に理解してもらえば、購入につながるはずです」と牧原さん。若いスタッフや研修生とともに知恵を出し合い、「牛のため、山のため、乳製品を飼ってくれる生活者の健康のため」をモットーに、牧場の発展を目指す。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53128/">ジャージー牛を放牧し、「低温殺菌･ノンホモ」の牛乳を全国にお届け。なかほら牧場／岩手県岩泉町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>東京で作る“東京牛乳”「ウエストランドファーム」清水陸央さん／東京都瑞穂町</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 21 Jun 2012 06:17:52 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[酪農]]></category>
		<category><![CDATA[東京都]]></category>
		<category><![CDATA[瑞穂町]]></category>
		<category><![CDATA[ミルク]]></category>
		<category><![CDATA[乳牛]]></category>
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		<category><![CDATA[東京牛乳]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_main.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>東京で作られる“東京牛乳” 牛乳といったら、広大な牧場にたくさんの牛がいて、というイメージがあるかもしれない。だから東京で作られる牛乳があるといったらびっくりするのではないだろうか。東京で作られる牛乳、その名も「東京牛乳 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_main.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><h2 class="wp-block-heading">東京で作られる“東京牛乳”</h2>



<p>牛乳といったら、広大な牧場にたくさんの牛がいて、というイメージがあるかもしれない。だから東京で作られる牛乳があるといったらびっくりするのではないだろうか。<br>東京で作られる牛乳、<span class="swl-marker mark_yellow">その名も「<a href="https://www.tokyo-gyunyu.jp/" target="_blank" rel="noopener" title="">東京牛乳</a>」は、東京都の多摩地域の酪農家が作る産地指定牛乳だ</span>。酪農家が搾乳した生乳を、協同乳業が集乳して東京工場にて殺菌などの工程を踏んで製品として出荷している。搾乳から製品化まですべてを東京で行なっている、正真正銘の東京の牛乳なのだ。ただし多摩地区のスーパーでは販売されているもの、都心のスーパーではなかなか見かけることがない。それは<span class="swl-marker mark_yellow">大量に生産できない</span>からだ。お話を聞いた<a href="https://www.westlandfarm.tokyo/" target="_blank" rel="noopener" title="">ウエストランドファーム</a>代表の清水陸央さんは「ブランドとして認知をもっと広げたい」と話す。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img04.jpg" alt="" class="wp-image-6143" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img04.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img04-300x199.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure>



<h2 class="wp-block-heading">牛が自ら搾乳器に入ってくる</h2>



<p><span class="swl-marker mark_yellow">ときはコクがあるのに、後味はさっぱりとしている。</span>今度は搾りたての牛乳をいただく。こちらもとても美味しい。<br>この美味しさは、ウエストランドファームの搾乳器に秘密がある。何がその秘密かというと、<span class="swl-marker mark_yellow">牛が自ら搾乳ロボットに入ってくる</span>ことなのだ。<br>オランダ製の搾乳ロボットは、餌が置いてあるロボットの囲いに牛が入ってくる形になっている。するとセンサーが乳部を感知して搾乳ホースをつなぎ、自動的搾乳が始まるというもの。しかも、首輪につけられたICチップで牛の乳量を管理し、牛の体調管理も行うことができる。</p>



<p>この搾乳ロボットを使うと、なぜおいしいのか？清水さんはこう話す。<br>「おいしい牛乳というのは、いい餌ともうひとついい環境から生まれるんです。普通の搾乳だとどうしても人間のサイクルに合わせて仕事をしなくてはいけない。これがストレスの原因。でも<span class="swl-marker mark_yellow">このロボットは牛のサイクルに合わせて搾乳ができる</span>。だからストレスなくおいしい牛乳が搾れるんですよ」</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img01.jpg" alt="" class="wp-image-6140" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img01.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img01-300x199.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img02.jpg" alt="" class="wp-image-6141" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img02.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img02-300x199.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure>



<h3 class="wp-block-heading">鮮度にはかなわない</h3>



<p>そうして搾られた牛乳だが、一番おいしいのはやはりその場で飲むものだという。鮮度にはかなわないというのだ。いつも農場で搾りたての牛乳を、というわけにはいかないが、それでもやはり<span class="swl-marker mark_yellow">東京で牛乳を飲むなら、東京で絞られて、東京で製品化されたものが、鮮度がいい。</span>そのためにも、ほかの農場と手をとりあって「東京牛乳」をさらにメジャーにさせていきたいという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「東京牛乳」の挑戦</h2>



<p>事実、企業からの引き合いは多いのだという。しかし過去に200軒ほどあった東京の農場は、現在60軒ほどに減っている。広大な大自然というわけにはいかず、すぐ近くには家があり、マンションだってある。しかし、東京の酪農家はそうした事情のなかに、どのように適応していくのかという問いへの挑戦しているのだ。この旅でも訪れてきたように、地域ごとに独自の牛乳がある。おいしい牛乳への創意工夫が、ここ東京の牧場でも行われているのだ。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img03.jpg" alt="" class="wp-image-6142" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img03.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img03-300x199.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure>


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					<span class="p-blogCard__caption">NIHONMONO &#8211; 「にほん」の「ほんも&#8230;</span>
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						<a class="p-blogCard__title" href="https://nihonmono.jp/article/6588/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">ブレンドしてさらにおいしく「お米マイスター」福士修三さん／東京都千代田区 &#8211; NIHONMONO</a>
						<span class="p-blogCard__excerpt">お米マイスターのお店 東京千代田区の麹町にある「米マイスター麹町」というお店。「マイスター」という名前のとおり</span>					</div>
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