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	<title>乳牛 - NIHONMONO</title>
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		<title>山地放牧が照らす酪農の未来。「玉名牧場」矢野希実さん／熊本県玉名市</title>
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		<pubDate>Fri, 10 Apr 2026 10:25:36 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2315.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>茶褐色の土がむき出しになった小高い山を、牛たちが悠然と歩いている。野生を感じさせるその締まった体つきは、山地での完全放牧によるものだ。牧場主の矢野希実さんは元エンジニア。脱サラして10年かけて開拓した東京ドーム約3個分の [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2315.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>茶褐色の土がむき出しになった小高い山を、牛たちが悠然と歩いている。野生を感じさせるその締まった体つきは、山地での完全放牧によるものだ。牧場主の矢野希実さんは元エンジニア。脱サラして10年かけて開拓した東京ドーム約3個分の土地で、30頭のジャージー牛を飼っている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">無一文状態で山に入り、土地を拓き、酪農を始めた</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2715.jpg" alt="" class="wp-image-54320" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2715.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2715-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2715-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>熊本県北部にある玉名市は、有明海、小岱山、菊池川と豊かな自然に恵まれ、気候も温暖。米や野菜、果物の栽培が盛んな農業のまちだ。この土地で矢野さんが新たな一歩を踏み出したのは2000年頃。</p>



<p>福岡県北九州市出身の矢野さんは、地元の製鉄所の設備などを設計するプラントエンジニアとして働いていたが、会社員として働き続ける人生にふと違和感を感じたという。幼い頃からアレルギー体質に悩まされていたこともあり、生活と食を根本から見直すようになった。その過程で農薬も肥料も使わない自然農法を実践する農家と出会い、食と農への関心は深まっていく。そして20代後半で脱サラし、自給自足と循環型農業を目指して現在の牧場がある山に入植することを決めた。</p>



<p>入植とは、未開の地に入り生活を始めることを指す。矢野さんは標高約200mにある雑木林と化した牧場跡地と出合い、ここでなら日本ならではの山地酪農の形を追究できると確信。2000年に牛と豚、犬を一頭ずつ連れて無一文状態で移住することを決めた。土地の片隅に小さな小屋を建て、木々を切り倒して間引き、荒れ果てた土地を耕し、玉名牧場を作った。</p>



<p>矢野さんが酪農を本格的に始めることができたのは、そこから7年後の2007年。牛乳の販売と並行してチーズの加工販売も始めて採算を取りながら、少しずつ理想とする牧場の形を作っていった。牧場の名は地名から取った玉名牧場。自然農法で育てた米や野菜、鶏の卵を売って生計を立てながら、現在の広さまで開拓するのに10年もの月日を要した。</p>



<h2 class="wp-block-heading">自然の摂理に沿った、力強い営みが息づく牧場</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2341.jpg" alt="" class="wp-image-54321" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2341.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2341-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2341-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>約15ヘクタールの広大な土地で暮らす乳牛は30頭。飼育する牛はジャージー種で、国内飼育の9割以上を占めるホルスタイン種に比べると、体重にして約200kgほど小さく搾乳量も少ないが、そのぶん自分の重さで膝や蹄（ヒヅメ）を痛めにくく、丘陵地での飼育に適している。</p>



<p>こうした環境適正はもちろん、ジャージー種から搾乳する牛乳は脂肪分やタンパク質が非常に高く、濃厚であるため、肝心の味でも差別化ができると考え、ジャージー牛を選んだ。</p>



<p>ちなみに、玉名牧場では一般的な酪農で用いられる穀物飼料や配合飼料は与えない。牛たちはお腹がすいたら山に自然に生える牧草を食べ、満腹になったら散歩をしたり、ウトウトとまどろんだり。</p>



<p>牧場には牛舎と呼ばれる牛を管理する小屋があるのが普通だが、玉名牧場には牛舎がなく、牛たちは年間を通して山の牧草地で自由に過ごす。当然糞尿も山でするわけだが、牧草しか食べていない牛の糞はまるで土のかたまりのようだ。水っぽさがなく、ツーンと鼻をつく悪臭もない。矢野さんがひょいと持ち上げたそれは見るからにふかふかとしていて、指の間からぽろぽろと崩れ落ちては山の土と一体となる。その様子からは、人の手を介さずとも自然に還り、この土地で循環していくことが容易に想像できる。玉名牧場のように放牧で酪農をしている牧場は全国でわずか20件ほどだという。</p>



<p>玉名牧場の牛は背骨が出て肋骨もうっすらと見えている。牛舎で管理されているホルスタインをイメージすると痩せているように感じるが、これが野生に近い姿だと矢野さんは言う。早く成長させて多くの乳を出せるように高たんぱく･高カロリーの飼料を与えることはしないので、スリムだし、一般的なジャージー牛と比べても半分以下の乳量しか採れない。だが、だからこそ健康なのだ。身体に負担がかからない食事をして、適度に運動し、よく眠り、ストレスなく暮らしているから、肥満にならないし病気にもかかりにくい。牛たちは山で自然に繁殖し、出産も人の介助を必要とせず、牛が自力で産み落とす。</p>



<p>玉名牧場には自然の摂理に沿った力強い営みが息づき、矢野さんはその循環こそ目指すべき酪農の姿であり、山地酪農こそ理想の牛乳をつくるためのベストな選択だと考えている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">季節と風土を映す玉名牧場の乳製品</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2758.jpg" alt="" class="wp-image-54322" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2758.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2758-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2758-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>こうした環境で育った牛たちの乳は、ほのかに黄色味を帯びたクリーム色が特徴だ。市場に出回っている牛乳の乳脂肪分の平均はホルスタインが3%台、ジャージーが4％台とされるが、玉名牧場のものは5％に達する。この高い乳脂肪分が濃厚でコクのある味わいを生み出しているが、後味は驚くほどさっぱりとしている。また、気温や牧草の状態の影響を受けて季節ごとに味が微妙に変化するのも玉名牧場の牛乳の特色の一つ。日本では120〜130度で3秒間の熱処理を行う高温殺菌が主流だが、玉名牧場では65度で30分という低温で殺菌しているため、タンパク質の変性が少ない。だから生乳本来のクリアな風味や季節ごとの味の特徴がそのまま保たれ、飲み口はさらり。タンパク質や脂肪分が舌にまとわりつくような重さもなく、すっと消えるような余韻がある。</p>



<p>そんな牛乳で作る玉名牧場の看板商品であるシェーブルタイプのオリジナルチーズ「ルミエール」は、まず香りに驚かされる。牧草を想起させる爽やかでほのかに甘い香りがふわりと立っているのだ。口に含むと、濃厚なコクと旨味が舌にじんわりと広がるが、山の空気のような清々しさも感じる。熟成とともに味に奥行きが増し、とろりと溶けていくのも、ルミエールのポイントだ。矢野さんが自ら生産する牛乳の乳質に合う製法を模索して完成させたこのチーズには、牛たちが暮らす自然環境や季節の移ろいが閉じ込められている。2011年にはくまもと食品科学研究会大賞で最優秀賞を受賞した逸品だ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">生計を立てられる持続可能な酪農を次の世代へ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2791.jpg" alt="" class="wp-image-54323" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2791.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2791-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/IMG_2791-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>牛乳やチーズ、バターなど、玉名牧場の乳製品は一般に向けて直販されているほか、県内外の料理人やパティシエ、自然食品店からも根強い支持を得ている。だが、矢野さんは生産量を今以上に増加させるのではなく、質を保ち続けることを目標にしている。</p>



<p>山頂を開拓した牧場は斜面が多く、日陰の部分は牧草が生えにくい。加えて、近年頻発している豪雨により土が流されることもあり、牧場内だけでは牧草を確保するのが難しくなってきているのが現実だ。そこで別の圃場で牧草を栽培して不足分を賄っているものの、牧場として使える十分な土地の確保が当面の課題である。</p>



<p>また、矢野さんは次の世代の酪農家にも責任を感じている。玉名牧場のような営農方法を目指して見学や研修に来る人は後を絶たないが、資金や土地の面でつまずくケースが少なくない。農業は生産するだけでなく、生計を立ててこそ初めて持続可能となる。そのためには若手にノウハウを伝えるだけでなく、彼らが安心して挑戦できる環境を整えることが重要だと矢野さんは考えている。これらの解決のためには、消費者が食べ物を選ぶ際の基準や意識を変えることが必要だ、とも。</p>



<p>そのために玉名牧場では、消費者と生産者双方に向けて、食や、その生産環境について考えてもらうための牧場案内やイベントを積極的に実施。その成果もあってか、矢野さんの思いに共鳴する消費者や生産者、料理人、そして自治体までもが、玉名牧場の製品の魅力、取り組みの素晴らしさを自主的に発信してくれるようになってきた。こうして、矢野さんの撒いた種は少しずつ実を結び、国土面積の約7割が山地･広陵地である日本に於ける山地酪農の可能性や価値への理解が深まるなど、活動の輪は広がりつつある。</p>



<p>矢野さんの渾身のチーズの名は「ルミエール」。フランス語で光を意味するそのチーズのように、山の営みから生まれた小さな光は今、熟成の時を迎えて次の世代を照らし始めている。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54314/">山地放牧が照らす酪農の未来。「玉名牧場」矢野希実さん／熊本県玉名市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>ジャージー牛を放牧し、「低温殺菌･ノンホモ」の牛乳を全国にお届け。なかほら牧場／岩手県岩泉町</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 16 Aug 2025 03:19:10 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9033.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>北上山系の広大な山地で、ジャージー牛主体の放牧酪農をしている「なかほら牧場」。野草を食べながらのびのびと過ごす健康な牛の生乳を、自社のミルクプラントで「低温殺菌･ノンホモ」に仕上げた牛乳は、「コクはあるのに後味がすっきり [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9033.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>北上山系の広大な山地で、ジャージー牛主体の放牧酪農をしている「なかほら牧場」。野草を食べながらのびのびと過ごす健康な牛の生乳を、自社のミルクプラントで「低温殺菌･ノンホモ」に仕上げた牛乳は、「コクはあるのに後味がすっきりしている」と県内外で評価されている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">故郷で山地酪農を目指す</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031.jpg" alt="" class="wp-image-53129" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手県の県土の約6割を占め、中央部から周辺部に向けてなだらかな勾配の山地が広がる北上山系。その標高700〜850メートルの窪地に、なかほら牧場はある。面積は、東京ドーム約25個分の、およそ120ヘクタール。ここで子牛も含め110頭の乳牛を放牧している。</p>



<p>なかほら牧場は、1984年に岩手県出身の中洞正（なかほらただし）さんが岩泉町有芸地区に入植して始めた牧場だ。中洞さんは東京農業大学在学中に、植物生態学者の猶原恭爾（なおばらきょうじ）博士が提唱した酪農スタイル「山地（やまち）酪農」を知り、衝撃を受ける。現在日本の多くの酪農家は、牛乳を大量に安価に提供するために、牛を放牧せず、牛舎につないで栄養価の高い外国産穀物飼料を食べさせている。それに対して「山地酪農」は、山に野シバを植え、草食動物である牛を放牧して草を食べさせることで、日本の国土の約7割を占める山を酪農に有効利用し緑の草地に変える、というものだった。しかも、「放牧」と聞くと平らで広い草地が必要と思いがちだが、牛は好物の草さえあれば傾斜地でも難なく歩くという。「これなら急傾斜地が多い岩手の山林でも酪農ができる」と考えた中洞さんは、卒業後に帰郷し、「北上山系総合開発事業」により売り出されていた現在の牧場を購入。この事業は県内8地区17市町村に酪農を誘致する事業で、牧場は、50ヘクタールの土地のほかにさまざまな設備や牛舎、住居なども付いた「建て売り牧場」だった。設備のなかには糞尿処理機など、牛の糞尿が放牧地の肥やしとなる山地酪農では不要なものも含まれており、多額の借金を抱えるものだったが、「故郷で放牧酪農を実践する」という夢のために決断したという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ジャージー牛を選んだ理由</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035.jpg" alt="" class="wp-image-53130" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>入植した中洞さんは、まず木を伐採して、牛たちが逃げないように牧場の周囲に柵を打ち、11頭の乳牛を放牧した。牛たちは歩き回って下草や木の葉などを食べるので、食べ尽くされて土壌がむき出しになる。そこに日が当たり牛たちの糞尿が肥料となって、やがて野シバなど在来の野草が生えるように。この作業を少しずつ繰り返すことで野草が生えた放牧地を拡大し、乳牛の頭数を増やしていった。ちなみに猶原博士は、牛が十分に食べられる量且つ、過食により野草が消滅しないちょうどいいバランスとして、「放牧地1ヘクタールあたりの牛の頭数を成牛に換算して1.5頭まで」としており、なかほら牧場でも、それに準じた規模で放牧を行っている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">生乳本来の風味を生かしたい</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051.jpg" alt="" class="wp-image-53131" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>なかほら牧場の牛たちは、通年昼夜問わず放牧されている。牛舎に入るのは、一日2回の搾乳時のみ。搾乳時には、国産のビートかすと大豆かす、小麦を混ぜた「おやつ」が与えられるが、それ以外は、春から秋までは放牧地内のノシバや野草を、放牧地が雪で覆われる冬は、自社採草地の無農薬牧草を発酵させた「サイレージ」や国産の干し草を食べながら、広大な放牧地でのびのびと過ごす。交配も出産も自然のまま。出産後も2か月までは母乳哺育なので、母牛･子牛ともにストレスがかからない。心身ともに健康そのものだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「63℃で30分間」の低温殺菌</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057.jpg" alt="" class="wp-image-53132" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>なかほら牧場ではそんな健康な牛たちの生乳を、自社のミルクプラントで牛乳に加工し、販売している。中洞さんは入植してから7年間は生乳を農協に出荷していたのだが、1987年に生乳の取引基準が「脂肪分（生乳に含まれる脂肪分の割合）3.5％以上」に変更になり、基準に満たない生乳の買取価格が半額程度となった。なかほら牧場の生乳は放牧で運動量が多いため、乳脂肪分が高くなかったが、水分量の多い青草を食べる春から秋にかけては乳脂肪分がさらに低くなる。そのため中洞さんは「この基準では経営が成り立たない」と危機感を感じ、自分のブランドを立ち上げることを決意。銀行から融資を受けてミルクプラントを建設し、牛乳の製造を始めた。ちなみに同牧場ではその後、ジャージー牛の比率を増やして生乳の脂肪分を高め、現在は夏が3.6〜3.8％、冬は4.3〜4.5％である。</p>



<p>同牧場の牛乳は、コクがあるのに後味がすっきりしている点が特徴だ。それをつくりだしているのが、「63度Cで30分間」の低温殺菌をしていること。「殺菌温度や時間によって、タンパク質が変化して生乳本来の味ではなくなる。そこで試行錯誤してたどり着いたのが、法律上ギリギリの『63度Cで30分間』だったんです」と説明するのは、中洞さんに代わり2021年から牧場長を務める牧原亨さんだ。牧原さんによると、日にちが経つと牛乳に「熟成した風味」が加わるそうで、顧客の中には購入した当日と1週間後の味の変化を楽しむ人もいるという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">瓶の上部の「生クリーム」も楽しんで</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061.jpg" alt="" class="wp-image-53133" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>もうひとつ、なかほら牧場の牛乳の特徴が、ノンホモジナイズ牛乳（ノンホモ牛乳）であることだ。「ホモジナイズ」とは牛乳に含まれている脂肪球を小さくつぶす工程のこと。大手乳業の大量流通品は120℃2秒などの高温殺菌工程における焦げつきを避けるため、殺菌の前にその脂肪球をつぶしておく必要があるのだ。しかし一方で、脂肪球を砕くため生乳本来の風味が失われるというデメリットがあることから、なかほら牧場では「生乳に近い味を楽しんでもらいたい」と「ノンホモ」を選択しているという。「うちの牛乳の味が濃厚といわれるのはそれもあるのです。また、日にちが経つと脂肪分が瓶の上部に浮いてきますが、これは生クリームですのでそのまま食べてもおいしいですし、パンにのせて食べるというお客様もいらっしゃいます」と牧原さんは胸を張る。</p>



<h2 class="wp-block-heading">次世代に引き継げる「安定経営」を目標に</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059.jpg" alt="" class="wp-image-53134" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在なかほら牧場のミルクプラントでは、牛乳のほかにアイスクリームやヨーグルト、バター、プリンなどの加工品も製造している。販売先は岩手県を越え、関東や関西、四国、九州まで拡大してきたが、それでも経営は厳しい。</p>



<h3 class="wp-block-heading">商品の価値を理解してもらうことが重要</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060.jpg" alt="" class="wp-image-53135" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>牧原さんの実家は、隣りの田野畑村で600頭の牛を牛舎で飼育する酪農家だったが、その後廃業となり、牧原さんは13年前になかほら牧場にやってきた。そして「こういうやり方で牛を飼いたい」と感じるようになったという。「でも、現在のように年一億円以上の赤字経営ではダメ。家族で食べていくことができて、次世代の若者に引き継げるような経営体にしないと」と明言する。</p>



<p>経営を安定させるために牧原さんは、消費者に商品の価値を理解してもらい売り上げを増やすことが必要だと考えている。「例えば、うちの牛乳の瓶の上部に浮いてくるのが脂肪分だと知らないお客様もいます。うちの牛乳の値段は一般的なものの5倍以上ですから、その理由、つまり放牧酪農でエサは草主体で、低温殺菌でノンホモである、ということを理解してもらわないと買ってもらえない。逆に理解してもらえば、購入につながるはずです」と牧原さん。若いスタッフや研修生とともに知恵を出し合い、「牛のため、山のため、乳製品を飼ってくれる生活者の健康のため」をモットーに、牧場の発展を目指す。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53128/">ジャージー牛を放牧し、「低温殺菌･ノンホモ」の牛乳を全国にお届け。なかほら牧場／岩手県岩泉町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>東京で作る“東京牛乳”「ウエストランドファーム」清水陸央さん／東京都瑞穂町</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/5794/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 21 Jun 2012 06:17:52 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[東京都]]></category>
		<category><![CDATA[瑞穂町]]></category>
		<category><![CDATA[ミルク]]></category>
		<category><![CDATA[乳牛]]></category>
		<category><![CDATA[畜産]]></category>
		<category><![CDATA[東京牛乳]]></category>
		<category><![CDATA[酪農]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_main.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>東京で作られる“東京牛乳” 牛乳といったら、広大な牧場にたくさんの牛がいて、というイメージがあるかもしれない。だから東京で作られる牛乳があるといったらびっくりするのではないだろうか。東京で作られる牛乳、その名も「東京牛乳 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/5794/">東京で作る“東京牛乳”「ウエストランドファーム」清水陸央さん／東京都瑞穂町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_main.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><h2 class="wp-block-heading">東京で作られる“東京牛乳”</h2>



<p>牛乳といったら、広大な牧場にたくさんの牛がいて、というイメージがあるかもしれない。だから東京で作られる牛乳があるといったらびっくりするのではないだろうか。<br>東京で作られる牛乳、<span class="swl-marker mark_yellow">その名も「<a href="https://www.tokyo-gyunyu.jp/" target="_blank" rel="noopener" title="">東京牛乳</a>」は、東京都の多摩地域の酪農家が作る産地指定牛乳だ</span>。酪農家が搾乳した生乳を、協同乳業が集乳して東京工場にて殺菌などの工程を踏んで製品として出荷している。搾乳から製品化まですべてを東京で行なっている、正真正銘の東京の牛乳なのだ。ただし多摩地区のスーパーでは販売されているもの、都心のスーパーではなかなか見かけることがない。それは<span class="swl-marker mark_yellow">大量に生産できない</span>からだ。お話を聞いた<a href="https://www.westlandfarm.tokyo/" target="_blank" rel="noopener" title="">ウエストランドファーム</a>代表の清水陸央さんは「ブランドとして認知をもっと広げたい」と話す。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img04.jpg" alt="" class="wp-image-6143" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img04.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img04-300x199.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure>



<h2 class="wp-block-heading">牛が自ら搾乳器に入ってくる</h2>



<p><span class="swl-marker mark_yellow">ときはコクがあるのに、後味はさっぱりとしている。</span>今度は搾りたての牛乳をいただく。こちらもとても美味しい。<br>この美味しさは、ウエストランドファームの搾乳器に秘密がある。何がその秘密かというと、<span class="swl-marker mark_yellow">牛が自ら搾乳ロボットに入ってくる</span>ことなのだ。<br>オランダ製の搾乳ロボットは、餌が置いてあるロボットの囲いに牛が入ってくる形になっている。するとセンサーが乳部を感知して搾乳ホースをつなぎ、自動的搾乳が始まるというもの。しかも、首輪につけられたICチップで牛の乳量を管理し、牛の体調管理も行うことができる。</p>



<p>この搾乳ロボットを使うと、なぜおいしいのか？清水さんはこう話す。<br>「おいしい牛乳というのは、いい餌ともうひとついい環境から生まれるんです。普通の搾乳だとどうしても人間のサイクルに合わせて仕事をしなくてはいけない。これがストレスの原因。でも<span class="swl-marker mark_yellow">このロボットは牛のサイクルに合わせて搾乳ができる</span>。だからストレスなくおいしい牛乳が搾れるんですよ」</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img01.jpg" alt="" class="wp-image-6140" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img01.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img01-300x199.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img02.jpg" alt="" class="wp-image-6141" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img02.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img02-300x199.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure>



<h3 class="wp-block-heading">鮮度にはかなわない</h3>



<p>そうして搾られた牛乳だが、一番おいしいのはやはりその場で飲むものだという。鮮度にはかなわないというのだ。いつも農場で搾りたての牛乳を、というわけにはいかないが、それでもやはり<span class="swl-marker mark_yellow">東京で牛乳を飲むなら、東京で絞られて、東京で製品化されたものが、鮮度がいい。</span>そのためにも、ほかの農場と手をとりあって「東京牛乳」をさらにメジャーにさせていきたいという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「東京牛乳」の挑戦</h2>



<p>事実、企業からの引き合いは多いのだという。しかし過去に200軒ほどあった東京の農場は、現在60軒ほどに減っている。広大な大自然というわけにはいかず、すぐ近くには家があり、マンションだってある。しかし、東京の酪農家はそうした事情のなかに、どのように適応していくのかという問いへの挑戦しているのだ。この旅でも訪れてきたように、地域ごとに独自の牛乳がある。おいしい牛乳への創意工夫が、ここ東京の牧場でも行われているのだ。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img03.jpg" alt="" class="wp-image-6142" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img03.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2012/09/5794_img03-300x199.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure>


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						<span class="p-blogCard__excerpt">お米マイスターのお店 東京千代田区の麹町にある「米マイスター麹町」というお店。「マイスター」という名前のとおり</span>					</div>
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