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	<title>ウバメガシ - NIHONMONO</title>
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	<description>「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン</description>
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	<title>ウバメガシ - NIHONMONO</title>
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		<title>人をつなぐ炭づくり「土佐備長炭一」／高知県安芸市</title>
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		<pubDate>Sat, 10 Oct 2026 03:49:55 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[備長炭]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-141423.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>高知県東部に位置する安芸市は、北に四国山地、南に土佐湾を望む。森林率は89％に達し、山が深く谷が多い地形をしている。そのため、山間部にはかつて炭焼き小屋が点在し、地域の文化を形づくっていた。しかし、燃料としての炭の需要減 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-141423.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>高知県東部に位置する安芸市は、北に四国山地、南に土佐湾を望む。森林率は89％に達し、山が深く谷が多い地形をしている。そのため、山間部にはかつて炭焼き小屋が点在し、地域の文化を形づくっていた。しかし、燃料としての炭の需要減少や産業構造の変化により、やがて炭窯の火は消えていった。</p>



<p>一度途絶えた安芸市の製炭業に、再び火をともした若き炭焼き職人がいる。教員から転身し、2015年7月に「土佐備長炭一」を立ち上げた近藤寿幸さんだ。10年を経た現在も、安芸市で唯一の窯元として製炭を続けている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">かつての備長炭産地で再始動する</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-144121.jpg" alt="" class="wp-image-55354" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-144121.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-144121-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-144121-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>窯の前に立つと、まず、その綺麗さに驚く。炭焼き小屋といえば、土埃と煤にまみれた現場を想像しがちだ。しかしここは、かつて県と市が建てたものを近藤さんが10年前に手に入れ、修繕しながら守り続けてきたという。整えられた空気には、職人としての矜持が滲む。</p>



<p>炭焼き窯が囲われているのも特徴的だ。全国的にみても、雨除けの屋根が付いた窯は見られるものの、ここまで囲われている窯はなかなか無い。</p>



<p>備長炭の製造で有名な和歌山（紀州備長炭）や宮崎（日向備長炭）も窯は基本的には野ざらしだ。一方、高知（土佐備長炭）では、昔から窯を建物で囲う文化があるという。「雨風が強い高知で、湿気が入って炭が爆ぜるのを防ぐためでしょうね。特にここは僕が厳重に囲っているというのもありますけど」と近藤さん。品質を守るための知恵が形になっている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">良質な備長炭の原木を伐るのは、命がけの仕事</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-160622.jpg" alt="" class="wp-image-55355" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-160622.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-160622-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-160622-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>備長炭の原木は大きく分けてウバメガシとカシの二種があり、どちらも硬く、密度の高い木ほど良い炭になる。「原木の密度が高いほど、炭の温度も燃焼時間も伸びるんです」と近藤さんは語る。</p>



<p>ウバメガシは安芸市でも一部の地域で見られるが、広く分布しているのは和歌山県、愛知県の知多半島、高知県の室戸市や東洋町など、ごく限られた地域に限られる。いずれの場所</p>



<p>も、ウバメガシの生育地は平地ではなく、岩場や急斜面といった厳しい環境だ。過酷な土地でゆっくり育つことで木の繊維が締まり、硬く強い、備長炭の原木にふさわしい密度を備えた木へと育っていく。</p>



<p>そのため、原木を伐り出す山は想像を超える険しさとなる。</p>



<p>「高知県の山は勾配がきつく、木は急斜面に生えています。伐採現場は常に命の危険と隣り合わせです」。</p>



<h3 class="wp-block-heading">個性を持つ備長炭は“料理の相棒”と呼ばれる</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-144816.jpg" alt="" class="wp-image-55356" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-144816.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-144816-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-144816-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>炭には「白炭」と「黒炭」がある。土佐備長炭は白炭に分類され、焼き方と仕上げの工程が大きく異なる。白炭は、1,000度を超える高温で一気に炭化させて窯から真っ赤に焼けた状態で取り出し、灰をかけて急冷する。灰が白く付くため「白炭」と呼ばれる。一方、黒炭は400〜700度の低温でゆっくり焼き、窯の中で密閉して冷やすため炭素が黒いまま仕上がる。</p>



<p>料理の世界では、この炭の個性の違いが、決定的な差を生む。</p>



<p>「白炭は炎が立たず、高温の遠赤外線でじっくり焼けるため、表面を焦がさずに中まで火が通ります。黒炭は炎が立つので、表面が香ばしく焼けるんです。例えば、黒炭を使って焼き上げた焼き鳥は、焦げていなくてもまっ黒な色になりますよね。料理人の方に言わせると、白炭にしか出せない黄金色と、黒炭にしか出せない黒色があるようですね」と近藤さんは言う。</p>



<p>料理人は、火力や温度の上がり方、燃焼時間、香りといったそれぞれの個性を理解し、料理に合わせて使い分ける。備長炭が「料理の道具」ではなく「料理の相棒」と呼ばれる理由が、ここにある。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「横くべ」という革新的な窯入れ方法が、高知を生産量日本一へと押し上げた</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-150257.jpg" alt="" class="wp-image-55357" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-150257.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-150257-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-150257-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>土佐備長炭は、製造工程において他にはない独自の窯入れ方法を採っている。和歌山や宮崎が伝統的に行う、木を立てて窯に入れる「縦くべ」に対し、高知では木を寝かせて入れる「横くべ」だ。木を寝かせて積み上げるため、大量の原木を容易に窯の中に積み上げられる。この技術は、実は面白い偶然から生まれた。</p>



<p>燃料革命で炭が売れなくなった時代、気落ちした高知の炭焼き職人が「もうやってられん」と原木を適当に窯へ入れたところ、意外にも美しい炭が焼き上がったという。職人は、そこから工夫を重ね、わずか十年ほどで「横くべ」方式を完成させたのだ。</p>



<p>「横くべ」は窯の大型化を可能にし、高知は9〜12トン級の大窯を扱う、日本最大の備長炭産地へと成長した。</p>



<p>伝統は、ただ守るだけでは続かない。時に偶然が、革新的な発想の転換を生み出す。</p>



<h3 class="wp-block-heading">良い炭と悪い炭の判断基準 </h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-145559.jpg" alt="" class="wp-image-55358" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-145559.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-145559-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-145559-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>良い土佐備長炭とは、長さが24〜20センチほどで、叩くと「チンチン」と金属のような澄んだ音が響く、硬度16度以上の炭を指す。</p>



<p>「見ればすぐに分かります。表面がツルッとしていて、滑らかで美しいものが良い備長炭です。逆に、表面がささくれていたり、穴が空いていたりするものは良くありません。割れ目から空気が入り、燃焼時間や温度がまばらになるんです。焼き鳥屋さんや鰻屋さんのように、一定の火力を求めるお客様にとっては扱いにくい炭になってしまう。結果として、良い炭ではないという評価になるわけです」と近藤さんは語る。</p>



<h2 class="wp-block-heading">障がい者の働ける場所づくりを目指して </h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-145049.jpg" alt="" class="wp-image-55359" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-145049.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-145049-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-145049-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>開業して10年が経つ。前職は特別支援学校の教員だった近藤さんは、土佐備長炭を伝統産業とする室戸市にある窯元に弟子入りして2年間で技術を学び、地元の安芸市で開窯したというが、伝統産業は決して甘い世界ではない。何を原動力にここまで続けてこられたのだろうか。</p>



<p>そもそも、近藤さんは“炭”ありきで炭造の道に入ったのではなかったそうだ。教員を務めながら、障がいのある生徒たちの成長と進路に向き合う中で、高知県東部に障がい者雇用の場がほとんどないという現実に直面していた。そんな時に、趣味の剣道を通じて土佐備長炭の職人に出会い、17工程に細かく分かれた炭焼きの仕事を知る。その中に、「支援があれば障がいのある人でもできる工程がある」と気づき、炭焼き職人への転身を決意したという。</p>



<p>「周囲の反対を全て押し切ってこの世界に飛び込んだのですが、『間違えた』と思いました。もう、しんどいし、きついし、給料は少ないし、休みもない。でも、障がい者を雇用する場をつくりたいと言って学校の先生を辞めた以上、その目標を達成せずに戻ることはできない。意地でも雇用をするまでは辞めないと決めてやってきました」。</p>



<p>ようやく障がいのある人を雇うことができるようになり、しばらく経ったある日、スタッフたちが言った。</p>



<p>「障がい者として生まれてよかったです。」「ずっとネットの世界で生きてきましたが、初めて現実の世界で居場所を得ました」。</p>



<p>近藤さんの歩む道を肯定する言葉だった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">命を懸ける仕事の対価</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-160235.jpg" alt="" class="wp-image-55360" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-160235.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-160235-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-160235-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>土佐備長炭一の備長炭づくりは、伐採・運搬・窯入れ・乾燥10日・炭化10日・窯出しという一連の工程を、約30日かけて進めていく。その後、選別・梱包・出荷へと続く。 これは、近藤さんが10年かけて見つけた、工房の窯に最も適したサイクルだ。安全で習熟しやすい工程は障がいを持つスタッフが担っている。近藤さんはこれまでに障がいを持つ人を４人雇用した経験があり、現在は、５人目のスタッフが一人いて、活躍しているという。</p>



<p>近藤さんは語る。</p>



<p>「多くの人が思い浮かべる炭焼きの風景は、窯の前の静かな作業だと思いますが、備長炭づくりの山での仕事こそ伝えたいです」。</p>



<p>伐採を行うのは、斜度50〜60度の急斜面だ。片側に谷が口を開ける細い山道を、ガタゴトと揺られながら車を運転してたどり着く。スパイク付きの地下足袋をはき、梯子を登って木々の元へ。崩れやすい足場でチェーンソーを操り、木の倒す方向を誤らずに伐る。倒した木は長さ約180cmに切り揃え、１本１本斜面を滑らせて運搬車が入るところまで落とす。</p>



<p>半日で30本、約1トンの原木を運搬車に載せ、軽トラックに積み込み直し、窯へと運ぶ。 山での作業は、一つ誤れば即、命を落としかねない。実際に滑落事故も起きている。</p>



<p>「費用対効果なんて合わないですよ」と苦笑しながらも、真剣な眼差しは揺るがない。</p>



<p>それでも近藤さんが続けるのは、障がい者の働ける場所をつくり、炭を待つ料理人に応え、そして山を守りたいという強い思いがあるからだ。</p>



<p>「今の夢は、そうですね、もうちょっと障がい者の雇用を増やしたいです。現状に満足はしていなくて。僕は、目標が達成できたら、また別の目標を掲げます。自分ができることを追い求めている時が幸せだと感じます」</p>



<h2 class="wp-block-heading">炭焼きで、人と山の未来をつなぐ </h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-141748.jpg" alt="" class="wp-image-55361" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-141748.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-141748-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/10/24ichi-141748-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>近藤さんは、山の未来を守るために、紀州備長炭の生産者が実践してきた「択伐（たくばつ）」を取り入れ、10年サイクルで山を再生させる取り組みを続けている。</p>



<p>択伐とは、森の中から成熟した木だけを選んで伐る方法だ。森全体を残したまま必要な木だけを選んで伐るため、鳥や動物のすみか、水を蓄える土壌など、森が本来持つ働きを保ちながら利用できる。</p>



<p>一方、これまで一般的だった皆伐（かいばつ）は、一定の区画にある木を一度にすべて伐採する方法で、短期間で多くの木材を得られる利点がある。しかし、伐った直後は地面がむき出しになり、光や風の通り方が変わることで、森の環境は大きく変化する。そのため、伐採後には苗木を植え、森を育て直す再造林が欠かせない。</p>



<p>皆伐では、次の木が育つまでおよそ25年かかると言われている。それに対し、択伐なら10年に一度のサイクルで山に戻り、原木を得ることができる。</p>



<p>ただし、どの山でも択伐ができるわけではない。長く人の手が入らなかった山では、木が太く大きく育ちすぎていることがある。そうした大木を伐り倒すと、周りの木に引っかかったり、巻き込んで倒れたりして、重大な事故につながりかねない。安全を優先すると、結果として広い範囲を伐らざるを得ず、皆伐に近い形になる場合もあるという。&nbsp;</p>



<p>近藤さんは言う。</p>



<p>「高知でも択伐を取り入れていけば、資源がなくなることを防げると思って、僕は択伐をしています。今、世界の和食ブームもあって備長炭への問い合わせは多いです。生産者が少ない分、作れば作るほど売れる状況にはあります。ただ、原材料の木を伐りすぎたら、今度は材料がなくなって作れないということになる。資源が無くなり、技術が途絶えるようなことはしたくないので、どうバランスを取っていくかが、とても大事だと思います」</p>



<p>だからこそ近藤さんが大切にしているのは、山を長く放置しないことだ。</p>



<p>「山は、一定の周期で人が入り、木を伐り、また次の木を育てていくことで、次の世代へつないでいけるんです。炭をつくるために木を伐るだけじゃなく、木を使いながら次の山を育てていくところまでが、炭焼きの仕事だと思っています」&nbsp;</p>



<p>今日もまた、土佐備長炭一で一本の木が炭へと生まれ変わっていく。</p>



<p>その営みが、障がいのある人が胸を張って生きられる場所を維持し、未来の山を支えている。近藤さんにとって炭を焼くことは、人と山の未来をつなぐ仕事なのだ。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/55344/">人をつなぐ炭づくり「土佐備長炭一」／高知県安芸市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>紀州備長炭が生まれる現場。「B-STYLE」が守る伝統の技／和歌山県日高川町</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 30 Sep 2026 03:12:07 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[白炭]]></category>
		<category><![CDATA[ウバメガシ]]></category>
		<category><![CDATA[林業]]></category>
		<category><![CDATA[紀州備長炭]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/b53ab2c8ae49dd213bd8f5c18196477e.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>唯一無二の品質を誇り、国内外の料理人から厚い支持を集める紀州備長炭。江戸時代から続くその製炭技術は、和歌山県の無形文化遺産に指定されている。紀州備長炭の生産量日本一の日高川町（ひだかがわちょう）で、製炭士として炭づくりを [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/b53ab2c8ae49dd213bd8f5c18196477e.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>唯一無二の品質を誇り、国内外の料理人から厚い支持を集める紀州備長炭。江戸時代から続くその製炭技術は、和歌山県の無形文化遺産に指定されている。紀州備長炭の生産量日本一の日高川町（ひだかがわちょう）で、製炭士として炭づくりを行っているのが、「B-STYLE」の湯上彰浩さんだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">紀州備長炭とは？江戸時代から続く伝統の炭</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/b0f13e7729551f5b63de1b73d964fb0e.jpg" alt="" class="wp-image-55201" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/b0f13e7729551f5b63de1b73d964fb0e.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/b0f13e7729551f5b63de1b73d964fb0e-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/b0f13e7729551f5b63de1b73d964fb0e-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>紀州備長炭は、ウバメガシやカシを原料に作られる「白炭（しろずみ）」の一種。一般的な「黒炭（くろずみ）」とは異なり、高温で焼き上げて急冷することで、硬く締まった炭に仕上がるのが特徴だ。その歴史は古く、紀州では平安時代にはすでに製炭が行われていたとされている。江戸時代には、品質の高さが評判を呼び全国へと広がった。</p>



<p>そんな歴史を背景に今も伝統的な炭づくりを受け継ぎ、紀州備長炭の一大産地となっているのが、和歌山県の中央に位置する日高川町。町名の由来となった日高川が流れ、面積のほとんどを山林が占める自然豊かな地域で、原料となるウバメガシをはじめとする広葉樹が多く自生している。</p>



<p>「現在、町内には30軒ほどの炭焼きがいます」と話すのは、同町で製炭士として紀州備長炭づくりに励む湯上彰浩さん。江戸時代から続く製炭士の家に生まれた4代目だ。高校卒業後は別の仕事を経て、30歳まで看護師として働いた後、家業である炭焼きの世界へ飛び込んだ。「決まりきった働き方は、 自分には合わなかった」と振り返る湯上さん。今は「自分たちでスケジュールを決めながら仕事ができるのが自分には合っている」と笑う。現在、先に炭焼きに従事していた弟の彰太さんや仲間とともに若手製炭士チーム「B-STYLE」を結成し、役割を分担しながら紀州備長炭づくりに取り組んでいる。「ありがたい話ですが、親父が良い炭焼きだったんで、その技術をそのまま引き継ぐことができました。ものづくりは大変ですが、その分楽しさもあります」と話す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">過酷な山仕事から始まる紀州備長炭づくり</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/3ce39078ef6b9e766a522db64d7119c1.jpg" alt="" class="wp-image-55202" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/3ce39078ef6b9e766a522db64d7119c1.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/3ce39078ef6b9e766a522db64d7119c1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/3ce39078ef6b9e766a522db64d7119c1-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>紀州備長炭の原料の90％以上を占めるのが、ウバメガシだ。木質が緻密で硬く、炭にすると重く締まった質の高い備長炭になる。紀州備長炭づくりは、そのウバメガシを山で伐採するところから始まる。ウバメガシは傾斜のきつい中腹から山頂付近に群生することが多く、足場の悪い斜面での作業は想像以上に過酷だ。さらに、若い木を残しながら必要な木だけを選別し、原木林を守る伝統的な伐採方法が受け継がれているため、重機で一気に刈り取ることはできない。</p>



<p>湯上さんは、「伐採した木を運び出すだけでも大仕事。重機を入れてガサガサっとやれば早いんですけど、そういうわけにはいきません」と語る。急斜面では滑落の危険も常につきまとう。「擦り傷や切り傷は日常茶飯事。僕もチェーンソーで足を切って、ドクターヘリで運ばれたことがありますよ」。それでも山へ入り続けるのは、この山で育ったウバメガシこそが、高品質な紀州備長炭を生み出す原木だからだ。</p>



<p>　</p>



<h3 class="wp-block-heading">まっすぐに整えた原木を、高温の窯の中へ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/972ca865643a9f2cbdf2d7ae023946eb.jpg" alt="" class="wp-image-55203" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/972ca865643a9f2cbdf2d7ae023946eb.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/972ca865643a9f2cbdf2d7ae023946eb-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/972ca865643a9f2cbdf2d7ae023946eb-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>切り出した原木は長さをそろえ、曲がった原木には切れ目を入れてくさびを打ち込み、紀州備長炭特有のまっすぐで美しい形状に整える。その後、前回の窯出しで残った熱が冷めきらないうちに、新しい原木を窯へ。人が入れる程度まで温度が下がったところで窯に入り、原木を一本一本手作業で立てながら、隙間なくぎっしりと詰めていく。原木を立てて入れるのは、紀州備長炭づくりの特徴のひとつだ。</p>



<p>一度に窯へ入れる原木は約5トン。人が入れる温度とはいえ、温度計は約100℃を示すほどの高温だ。窯の中での作業は数人がかりで2〜3時間に及び、「夏場は地獄ですね」と湯上さんは笑う。</p>



<h3 class="wp-block-heading">見えない窯の中を“煙で読む”職人の技</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/a18da58eb600a456a9483e5580c3d469.jpg" alt="" class="wp-image-55204" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/a18da58eb600a456a9483e5580c3d469.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/a18da58eb600a456a9483e5580c3d469-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/a18da58eb600a456a9483e5580c3d469-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>窯詰めを終えると窯口を石と粘土でふさぎ、下部の雑木に火をつけて窯の温度を上げ、約1週間かけて原木の水分を抜いていく。窯の中を直接見ることはできないため、炭化の進み具合を見極める手掛かりとなるのが、煙の量や色、臭いだ。「初めは水分を含んだ白い煙が出ますが、炭化が始まるころには青みがかって、酸っぱい臭いが混じってくるんです」と湯上さん。炭化が始まると焚き口を閉じ、わずかに空気穴を残して蒸し焼きにする。</p>



<h3 class="wp-block-heading">炭の純度を高める重要な工程「ねらし」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/00f659a85d1deac6bdc8a3ffc20ebcc6.jpg" alt="" class="wp-image-55205" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/00f659a85d1deac6bdc8a3ffc20ebcc6.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/00f659a85d1deac6bdc8a3ffc20ebcc6-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/00f659a85d1deac6bdc8a3ffc20ebcc6-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>備長炭づくりでは、薪の火を直接原木へ移してはいけない。十分に乾燥した原木は、窯の温度が上がることで上層部から自然発火し、その火がじわじわと広がりながら炭化が進む。火力が強すぎれば、一晩で燃え尽きてしまうこともあるため、自然発火した炭材が炎を立てないよう、約1週間かけてゆっくりと炭化を進めていくことが重要だ。</p>



<p>空気を調整し、火力の“良い塩梅”を見極めるのが、製炭士の腕の見せどころ。判断が遅れれば、酸素が入りすぎて火力が強くなり、炭が焼けてしまう。煙のわずかな変化を読み取り、最適な瞬間を逃さないことが求められる。「自然発火が始まるタイミングでの火力調整が命。そのタイミングって、もう数分の勝負なんですよ」と湯上さんは話す。</p>



<p>炭化の最終段階では、煙の色が青色から無色になる。このときに行うのが、炭に含まれる不純物を燃やし切るための作業「ねらし」だ。焚き口を少しずつ広げて空気を送り込み、やがて窯の中の温度は1000℃を超える高温に。この過程によって、炭素の純度の高い炭へと仕上がっていく。</p>



<p>十分に焼き上がったところで、「窯出し」へ。明るいオレンジ色に熾（いこ）った炭を窯から掻き出し、土と灰を混ぜた「素灰（すばい）」をかけて燃焼を止める。このとき表面に白い灰が付着することが、「白炭」と呼ばれる由来だ。 この急冷によって、ギュッと硬く締まった紀州備長炭が完成する。</p>



<h2 class="wp-block-heading">料理人を魅了する紀州備長炭の力</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/c4062bca4e8c12b34724f19e4c95eb6f.jpg" alt="" class="wp-image-55206" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/c4062bca4e8c12b34724f19e4c95eb6f.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/c4062bca4e8c12b34724f19e4c95eb6f-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/c4062bca4e8c12b34724f19e4c95eb6f-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>幾重もの工程と職人の技によって生み出される紀州備長炭。その大きな特徴は、高い炭素率にある。一般的な黒炭の炭素率が70〜80％程度なのに対し、紀州備長炭は90％以上。一度火が入ると長時間安定した火力が保たれ、焼き物の脂やタレが炭に落ちて一度火が弱くなっても、またしっかり火が戻ってくる。炎や煙が立ちにくく、余分な香りもつきにくい。</p>



<p>湯上さんらが手掛ける紀州備長炭の出荷先は、ミシュラン掲載店をはじめとした県内外の名だたる料理店。素材本来の味を損なわず、繊細な火入れが求められる焼き鳥やうなぎ、日本料理などの現場で高く評価されている。</p>



<p>炭づくりを実際に見ようと、遠方から工房を訪れる料理人も少なくない。良い炭を作ることに全力を注ぎ、その先でどう使うかは、使い手に委ねている湯上さん。それでも、炭づくりについて熱心に学ぼうとする料理人の姿を見ると、「関心を持って大事に使ってくれているんだな」と感じ、作り手としてのやりがいにつながっているという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">“これぞ紀州備長炭！”という炭を目指して</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/2fbd3478e2e5c5083c8cd02ffe52cdca.jpg" alt="" class="wp-image-55207" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/2fbd3478e2e5c5083c8cd02ffe52cdca.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/2fbd3478e2e5c5083c8cd02ffe52cdca-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/09/2fbd3478e2e5c5083c8cd02ffe52cdca-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>紀州備長炭のクオリティを左右するのは、炭焼きがどれだけ上手くできるかどうか。「ここまでの製法を築き上げた昔の人たちは本当にすごいと思います。ただ、同じ製法で焼いても、やっぱり職人によって炭の出来は変わってくるんです」。そう話す湯上さんにとって、大きな目標となっているのが父の存在だ。</p>



<p>「うちの先代は、本当に炭づくりが上手でした。親父のような炭を焼ければ、どこに出しても恥ずかしくない。“これぞ紀州備長炭！”という炭なんです」。目指すのは、父が焼いたような高品質の炭を、安定して作り続けること。</p>



<p>季節や木の状態、ほんのわずかな火加減の違いによって仕上がりが変わる炭づくり。湯上さんは、「ものづくりとして、良いものを作る」ということを意識しながら、季節ごとの違いや窯の癖、一つひとつの変化と向き合い、ときにはベテランの炭焼きたちの話に耳を傾け、経験を積み重ねている。</p>



<p>「紀州備長炭は、ハイクオリティであることがブランドとしての大前提。先人の技を受け継ぎながら、そのクオリティを維持していきたいですね」と湯上さん。</p>



<p>原木を山から運び出し、煙の色や臭いを読み、わずかな火加減を見極める。そうした地道な仕事の積み重ねによって生まれる紀州備長炭が、これからも料理人の技と日本の食を支えていく。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/55192/">紀州備長炭が生まれる現場。「B-STYLE」が守る伝統の技／和歌山県日高川町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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