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	<description>「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン</description>
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		<title>100年後の森へ、今日も向き合う。「王子ホールディングス」／北海道夕張郡栗山町</title>
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		<pubDate>Fri, 03 Apr 2026 01:11:56 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/7.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「日本資本主義の父」とも呼ばれ、日本初の銀行の設立、鉄道･保険･製紙など幅広い産業の基盤を作った実業家･渋沢栄一の尽力により1873年に設立された「抄紙会社（しょうしがいしゃ）」をルーツに持ち、150年の歴史を誇る王子ホ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/7.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「日本資本主義の父」とも呼ばれ、日本初の銀行の設立、鉄道･保険･製紙など幅広い産業の基盤を作った実業家･渋沢栄一の尽力により1873年に設立された「抄紙会社（しょうしがいしゃ）」をルーツに持ち、150年の歴史を誇る王子ホールディングス。国内民間最大級となる約19万ヘクタールの社有林を擁し、北海道栗山町で100年前から木を植え、森を育て、今もなお100年後の収穫を見据えた森づくりを続けている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">渋沢栄一から受け継ぐ、150年の「やり遂げる」意志</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/1.jpg" alt="" class="wp-image-54276" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/1.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/1-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>北海道中部に位置し、町域の約半分を森林が占める夕張郡栗山町。かつて夕張炭鉱の盛栄とともに発展し、元日本ハムファイターズ監督の栗山英樹氏が自身の名にちなんだこの地に少年野球場「栗の樹ファーム」を構え、20年以上交流を行っていることでも有名な町である。この町の山間部、見渡す限りの雪景色の中に広がる大森林。ここは王子ホールディングス（以下･王子HD）が保有する社有林だ。その歴史をさかのぼれば、1873年に明治の実業家･渋沢栄一が深く関わり、抄紙会社を設立したところに行き着く。当時の日本では和紙が主流で、西洋式の技術で大量生産できる洋紙はまだ存在しなかった。それを自分たちの手で作ることは、情報を広く伝えるための出版や新聞を支え、国家の近代化を進めるために欠かせない挑戦だった。操業当初は赤字が続く苦境に立たされたが、渋沢はそれでも諦めなかった。その「やり遂げる」精神が、150年続く同社の揺るぎない礎となっている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">原料は、自分たちでも育てる</h3>



<p>創業当時の紙の原料はボロ布。その後、文明の発達に伴い、増え続ける紙の需要に対応するため、1889年には木材から紙をつくる製造技術を開発。1930年代からは将来にわたる原料の安定確保のため森林の育成に取り組んできた。現在、同社が国内に持つ森林は大阪府の総面積とほぼ同じ約19万ヘクタールに及び、民間企業としては国内最大規模を誇る。北海道ではトドマツやカラマツ、本州ではスギやヒノキなど、その地域に昔から自生していた木を中心に植え、育て、収穫する。この北海道栗山町の森を担うのが、王子木材緑化の小笠原哲彦さん、佐藤有さんだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">事業が、森を豊かにする</h3>



<p>同社が森を持ち続ける理由は、シンプルだ。「木を使うものは、木を植える義務がある」。その一点から始まった営みが、森を育て、水源を守り、川下の農業を潤すという恵みを生んでいる。森が育てば水が清くなり、川下の農業や海（漁業）にも恵みが及ぶ。数値で証明できるものではないけれど、「そういった効果はあると思います」というのが、彼らの実感だ。事業を続けた先に豊かな自然があるという事実を、150年という時間が静かに証明してきた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">マイナス20度冬の森で、収穫は最盛期を迎える</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/44.jpg" alt="" class="wp-image-54277" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/44.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/44-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/44-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>同社の北海道の社有林では、厳しい冬こそが収穫の最盛期となる。気温が氷点下まで下がり、雪が深く積もる北海道の冬こそが、質の高い木材を収穫するための適期なのだ。そこには、北国ならではの合理的な理由がある。</p>



<h3 class="wp-block-heading">冬の森が、最高の木材を生む</h3>



<p>木は冬になると休眠状態に入り、内部の水分量が低くなる。夏に伐（き）ると樹液がどっとあふれ出るが、冬の木は締まったままの断面を保ち、乾燥も早く、長持ちする良質な木材になるのだという。さらに、氷点下の冷気が地面を凍結させたり、積もった雪がクッションになることで数十トンの重機を乗り入れても土壌を傷つけずに済み、凍結しているほうが丸太が滑って運びやすいという点でも、冬は林業に適した季節だ。「木は水分を蓄えているので、活動を止めて乾燥している冬に行うほうがいい木が採れる」。そんな北国ならではの知恵を、佐藤さんたちは自然体で語る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">機械では補えない、山師の眼</h3>



<p>彼らはいわば現代の「木こり」だ。雪深い森の中で重機を操りながら、その土地の水の流れや植生のバランスをすべて把握している。「ここは切ってはいけない。ここを切ると水が枯れてしまう」。そう話すように、長年の経験に裏打ちされた五感で判断を下し、100年後の森の姿を想像しながら、今どの一本を収穫すべきかを導き出す。最新鋭の機械が導入され安全性や効率は飛躍的に高まったが、最後は彼らの眼力が森の未来を決定づけているのだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">1分で丸太へ。実業が生む「無駄のない」循環</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/10.jpg" alt="" class="wp-image-54278" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/10.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/10-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/10-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>かつてはチェーンソーを手に人が命がけで斜面を歩いた現場も、現在は高度な機械化が進んでいる。安全性が高まり、若い世代も参入しやすくなったことで、深刻だった担い手不足にも変化の兆しが見え始めている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">1分で丸太になる、ハーベスタの仕事</h3>



<p>機械化を象徴するのが、伐倒（ばっとう）から枝払い、丸太の切り出しまでを一手にこなす重機「ハーベスタ」。搭載されたコンピューターは木をつかんだ瞬間に曲がりや太さを瞬時に判断し、最も価値が高くなるようなカット数を計算する。雪を蹴立てる音とともに、わずか1分足らずで規定の長さへと切り揃えられていく。人数を抑えて安全に働くための不可欠な知恵であり、残った枝の先までもがバイオマス燃料の材料として活用され、森の資源を余すことなく活用している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">紙の需要は、世界とともに広がる</h3>



<p>こうして森から生まれた木材は、建築材や家具材として、また製材には向かない低質材はチップ化して、紙をはじめ、段ボールやバイオマス燃料などさまざまな姿へと変わっていく。デジタル化が進む今、紙の役割が変わりつつあるのは確かだ。しかし新聞などの情報メディア向けの需要が縮小する一方で、そもそもその比率は王子HDの売上の中でそれほど大きくない。むしろ「包む」「拭く」という暮らしに根ざした用途の需要は世界的に高まり続けており、「段ボールや衛生用紙はなくなるどころか増えていく」とふたりは話す。ネット通販の拡大がその需要をさらに後押ししている。紙を作り、その紙をリサイクルしてまた段ボールへ。「そこまで一貫してやっているところはなかなかない」とふたりが口をそろえるように、原料育成調達から製造、リサイクルまでを自社で完結させる仕組みは、世界的にも珍しいビジネスモデルだ。現在は木からプラスチックや医薬品を作る研究にも取り組んでおり、森林資源を未来の成長産業へとつなげようとしている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">100年後のリレー。終わりのないバトン</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/55.jpg" alt="" class="wp-image-54279" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/55.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/55-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/55-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在、日本の多くの森が手入れされずに放置されている。最大の理由は、森を健やかに保つ営みがすぐには収益に結びつかないからだ。王子HDのような企業が事業として本気で森に向き合い続けることが、日本の林業全体を底から支えることにつながっている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">事業としての森が、日本を守る</h3>



<p>一本の苗木を植えただけでは社会はすぐには変わらない。しかし事業として継続できる規模で植え続けることには、未来を変える力がある。木を育て、適切に収穫し、経済を回していくことが、結果として次の世代に健全な環境を残すことにつながっていく。「次の世代の人たちにも森を引き継ぎ、更に良い森づくりを行ってくれたら」と話すふたりの言葉は、静かだが力強い。確かな覚悟が、言葉の奥に宿っている。その背景には、日本の森が抱える現実がある。手入れされない森はやがて荒れ、水源が失われ、土砂災害のリスクも高まる。しかし現実には、担い手不足と高齢化により、多くの森が手入れされないまま放置されている。木は人間が意志をもって作り出すことのできる再生可能な資源だ。そして、世界中のメーカーが石油に頼ってきたモノづくりを、木材をはじめとするバイオマスに置き換えていく取り組みを加速している。王子HDが事業として森に向き合い続けることは、日本の自然そのものを守ることでもあるのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">今植える木は、孫の代へ</h3>



<p>今日植えた木が収穫されるのは、はるか先、孫の代の話だ。スギ･ヒノキで40〜50年、北海道のトドマツやカラマツは60〜70年。植えた苗木を伐るのは孫の代になる。「先代が植えたものを今収穫し、今植えるものは100年後の後輩に託したい」とふたりは話す。自分が生きている間には完結しない仕事を、それでもひたむきに続けていく覚悟がその言葉ににじむ。「森林をしっかり育てて、そこから作れるいろんな素材を研究して社会に届けるのが使命」。その言葉が示すように、150年前に渋沢栄一が描いた志は今も生きている。終わりのない「100年単位のリレー」を事業としてつないでいく。その営みが、日本が誇る豊かな水と緑を、そのままの形で未来へ手渡していく。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54273/">100年後の森へ、今日も向き合う。「王子ホールディングス」／北海道夕張郡栗山町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>琉球紅型の未来を見据えたものづくりをする、知念紅型研究所 知念冬馬さん／沖縄県那覇市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 31 Mar 2026 06:05:52 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-001.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>鮮やかで大胆な配色と図柄、沖縄にいにしえから伝わる染めの技術である琉球紅型（びんがた）。紅型は、琉球王朝の王族の着用品として仕立てられ献上されていた。那覇にある知念紅型研究所の10代目当主・知念冬馬（とうま）さんは、新し [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-001.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>鮮やかで大胆な配色と図柄、沖縄にいにしえから伝わる染めの技術である琉球紅型（びんがた）。紅型は、琉球王朝の王族の着用品として仕立てられ献上されていた。那覇にある知念紅型研究所の10代目当主・知念冬馬（とうま）さんは、新しい風を吹き込みながら紅型と日々向き合っている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">王族に紅型を献上していた、紅型三宗家のうちの一家</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-027.jpg" alt="" class="wp-image-54261" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-027.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-027-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-027-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>沖縄に伝わる伝統工芸で、唯一の染め物である紅型。古くは、着用品として琉球王朝の王族のためだけに作られていたものだが、現在は着物や帯、小物などに施され、広く親しまれている。もともとは、「びんがた」と、平仮名表記だったけれど、昭和に入り漢字で紅型と表されるようになったのだそう。</p>



<p>今から120年ほど前までの琉球王朝時代、王族への献上品として紅型を仕立てていたのは、紅型三宗家といわれた城間家、沢岻（たくし）家、そしてこちらの知念家だ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">大戦による紅型の衰退と復興</h3>



<p>ところが、廃藩置県や薩摩侵攻などにより王制が解体され、450年ほど代々続いた仕事がなくなってしまった。生業としては継続できないけれど、紅型の技術を途絶えさせてはならないと、明治以降もどうにか制作を続けた家もあった。知念家は他の仕事で生計を立てながら、紅型の道具や資料を大事に守り続けた。時が経ち、昭和の戦後復興の沖縄で、冬馬さんの祖父・貞男さんが紅型を続けていた親戚に知念の紅型を教わり家業として復活させた。</p>



<p>職人たちは、舞踊の琉装やお土産品として紅型の制作をはじめ、沖縄の工芸として復興させていった。1972年頃から、本土から和装として注文が入るようになり紅型界にも活気が戻ってきた。そうして1984年には、「琉球びんがた」として経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">歴史ある琉球紅型を受け継ぐ10代目</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-053.jpg" alt="" class="wp-image-54262" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-053.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-053-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-053-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>那覇空港からほど近い場所に工房を構える知念紅型研究所。現在の当主、知念冬馬さんは、京都でグラフィックデザインの勉強をし、大阪でデザイナーとして働いた後に、アートを深めるためにイタリア・ミラノへと留学した。そこで芸術作品や当たり前に残る歴史ある建物などを日常的に目にするなかで、「自分も、消費されずに残っていくものづくりがしたい。自分の世界を表現したい」という思いがかたまったという。いつかは継ぐつもりでいた家業の紅型、自分が行き着いた想いにぴったりだった。</p>



<p>その決意を胸に沖縄へ戻り、知念紅型研究所で紅型と向き合う日々が始まった。22歳での帰郷は考えていたよりも早かったが、まずは自身の技術を磨くことを第一に考えれば最良の選択だった。しかし、その矢先、これまで工房を守っていた祖父が急逝し、工房に入って数ヶ月で経営まで自分が行わなくてはならなくなった。その数年、本当に必死だったと振り返る。</p>



<p>知念さんは、2021年には日本伝統工芸展日本工芸会の新人賞を受けるなど、いくつもの賞を受賞している。また現在は、琉球びんがた普及伝承コンソーシアムの理事、琉球びんがた事業協同組合の副理事を務めている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">沖縄独特の紅型が生まれる工程</h2>



<p>紅型の製作には、デザインをした図案を彫った型紙を用いる。その型紙を生地にあて、上から防染糊（ぼうせんのり）を塗る。乾かし、糊ののっていない箇所に段階的に顔料（がんりょう）を染め重ねる。次は染めた部分に糊をのせ、最後にそれ以外の地色を染める。色を定着させるため、蒸して水洗いをし乾かして完成だ。大まかに説明するとこうだけれど、きちんとわけると完成までに10以上もの工程がある。</p>



<p>生地の素材に決まりはないが、絹や綿などが用いられることが多い。しばりがない分、多種多様な染め方ができるのだそうだ。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-007.jpg" alt="" class="wp-image-54263" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-007.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-007-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-007-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>藍色がきれいなこの図柄は「アメフィーバナ」。沖縄の言葉で雨降り花の意味で、ノアサガオが描かれている。地の青の部分は琉球藍で染められている。琉球藍は本土の藍よりも、青みが強く深みがあるという特徴を持つ。　</p>



<p>背景の地色は植物などから得る天然の染料、柄自体には顔料を用い、発色の強い顔料で紅型の力強さを表現する。染料は水溶性で生地の内部まで入り込むため下地に馴染んだ色となり、顔料は粒子として表面に付着するため、鮮やかな色が表現できる。それぞれの性質を活かした色彩のコントラストがこだわりだ。</p>



<p>知念さんは「顔料が表に出てきて、柔らかさのある染料は少し後ろに下がるんです。それでメリハリのある立体感が生まれて奥深い作品に仕上がっていきます」と語る。さまざまな顔料を使い、色自体もそれぞれの図案ごとに配合していく。</p>



<p>沖縄に戻り、本格的に紅型を始めた当初は、祖父のデザインとは違った、自分オリジナルのものを作りたいという意識が強く、実際いろいろ挑戦してきたけれど、様々な日々の制作を重ねていくごとに、代々伝わる図柄の染めやすさとか、色をつけた時の美しさなどに気づくことも多かったという。</p>



<p>昔から好まれる古典の柄は変わらず好きな人も多いので、歴史ある古典の柄は作り続け、それに加え、若い人たちも親しみやすいようなモダンな柄も意識し、時代の移り変わりとともに長く愛してもらえるような商品を制作する。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-076.jpg" alt="" class="wp-image-54264" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-076.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-076-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-076-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>型置きという、型紙を置き、防染糊をヘラで塗っていく作業を行う。糊でマスキングし、この後に染める染料の色が染まらないようにするためだ。糊をすくい、均等にのばし、そっと型紙をはがし、柄がきちんとつながるように隣に型紙を置く。スピードが遅いと、すぐそばから乾燥して目詰まりしたり、紙を剥がすと穴だらけになってしまったりするのだそう。知念さんの所作は、流れるようになめらか。この作業は、沖縄に戻ってきた年は1日に生地1本しかできなかったのが、今では1日に15本もできるのだとか。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-059.jpg" alt="" class="wp-image-54265" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-059.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-059-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-059-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>もち米やぬかで手作りする防染糊には青い顔料を混ぜている。そうすることによって、後の<s>地</s>染めの時の発色がよくなるのだそうだ。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-037.jpg" alt="" class="wp-image-54266" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-037.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-037-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-037-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>細かい色をのせていく「色差し」は2本の筆を同時に持って行う。つけ筆で顔料をのせていき、刷り筆で粒子の粗い顔料を生地に浸透しやすくするために刷り込んでいく。その次の工程では、模様のイメージを強調させるために、さらに色を差しながら筆でぼかしを入れ、ここでも立体感を出していく。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-042.jpg" alt="" class="wp-image-54267" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-042.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-042-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-042-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>筆も、幾種類もあり、生地によって使うものを変える。道具は手作りのものも多い。</p>



<h3 class="wp-block-heading">倍の手間がかかる大作、朧型を毎年手がける</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-017.jpg" alt="" class="wp-image-54268" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-017.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-017-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/chinenbingata-017-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「花降る島」と名付けられたこちらの着物は、異なる図柄の型紙を2枚重ねて染める朧型という技法で作られている。2倍の手間がかかり、高い技術が求められるので、手をつける人は多くはないのだそう。労力はかかるけれど、知念さんはこの朧型が好きで度々手がけるのだそう。この生地は近くの南風原町で作られた、シルクの薄い生地である壁上布が用いられている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">SNSでの発信で紅型ファンを増やす</h3>



<p>異業種とのコラボレーションも積極的に行っていて、地元のやきものに紅型の柄を転写させたり、泡盛のラベルデザインに紅型を施したりなどと、沖縄の特産品同士のコラボも手がけている。染め物に興味がない人にも見てもらえる機会となるし、もちろんその逆もあると考える。</p>



<p>現在知念さんは、SNSでの発信を積極的に行っている。制作の工程を動画で紹介したりと、紅型に興味を持ってもらえるような投稿をしている。投稿だけでなく、動画の編集もすべて知念さんが行っているそう。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="683" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/image-54-1024x683.jpeg" alt="" class="wp-image-54253" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/image-54-1024x683.jpeg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/image-54-300x200.jpeg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/image-54-768x512.jpeg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/image-54-1536x1024.jpeg 1536w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/image-54.jpeg 1600w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>その効果か、実際、工房を見学に訪れる人の数は増え続けていて、紅型を知らなかった全国の若い世代にもSNSでの発信を見てもらえている様子。</p>



<p>それから、製品を扱ってもらっている本土の呉服屋さんには度々出向いている。接客もしながら、地元沖縄とはまた違った、その土地ごとのお客さんの好みなどを直接聞くことができる。それを持ち帰り制作に活かすことも多い。</p>



<p>現在、知念紅型研究所では、熟練の職人から、紅型職人を目指してやってきた若手まで10人ほどが勤めていて、それぞれの持ち場できびきびと手を動かしている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">琉球紅型の未来を見据えて</h2>



<p>「文化だからとか、伝統だからとか、特別なことじゃなくて、仕事として続けていく。それが歴史文化になっていくと思う」という知念さんの言葉からは、これからの琉球紅型を見据え、背負う覚悟のようなものが感じられる。</p>



<p>「楽しくないと続かないし、難しさがあるからあきずに新しい挑戦ができる。スタッフたちにも自分がチャレンジしていく姿を見せていきたいし、これからも自分を追い込みながら、現代における紅型というものを作っていきたい」とまっすぐな思いが発せられる。</p>



<p>この先も琉球紅型が発展し続けるように継承を続けながら、軽やかにストイックに挑戦を続け、琉球紅型界を明るく牽引してくれるだろう。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54250/">琉球紅型の未来を見据えたものづくりをする、知念紅型研究所 知念冬馬さん／沖縄県那覇市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>肥沃な土壌が育むコクのある豊かな味わいの河内晩柑「吉本農園」／愛媛県愛南町</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 22 Mar 2026 05:19:36 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[新着記事]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[柑橘]]></category>
		<category><![CDATA[河内晩柑]]></category>
		<category><![CDATA[農林水産大臣賞受賞]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto005.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>愛媛県愛南町の特産である河内晩柑を中心に、さまざまな品種の柑橘を生産している愛南町御荘にある吉本農園。こだわりの方法で栽培されている柑橘たちは「他とは一味違う」と高く評価され、リピーターも多い。園主である吉本敏幸さんによ [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54229/">肥沃な土壌が育むコクのある豊かな味わいの河内晩柑「吉本農園」／愛媛県愛南町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto005.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>愛媛県愛南町の特産である河内晩柑を中心に、さまざまな品種の柑橘を生産している愛南町御荘にある吉本農園。こだわりの方法で栽培されている柑橘たちは「他とは一味違う」と高く評価され、リピーターも多い。園主である吉本敏幸さんによると、そのおいしさの秘密は“土”にあるという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">さっぱりとした甘さとほろ苦さが上品な大人の味わい</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto022.jpg" alt="" class="wp-image-54238" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto022.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto022-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto022-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>愛媛県の南部に位置する愛南町は、日本一の生産量を誇る河内晩柑（かわちばんかん）の一大産地だ。愛南ゴールド、宇和ゴールド、美生柑など、幾つもの名前を持つ河内晩柑は、その見た目と味わいがグレープフルーツに似ていることから“和製グレープフルーツ”と呼ばれることもある。甘みはしっかりあるけれど甘ったるくはなく、心地良い酸味とほのかな苦味があって、瑞々しくジューシーな人気の柑橘だ。この河内晩柑を中心に、甘平や紅まどんな、せとか、伊予柑、デコポン、温州みかんなど9種類の柑橘を、家族と一緒に力を合わせて生産しているのが吉本農園の園主である吉本敏幸さんだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">周囲の反対を押して前例のない平地での柑橘栽培に挑戦した初代</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto006.jpg" alt="" class="wp-image-54239" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto006.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto006-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto006-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>愛媛県における柑橘栽培の中心地である南予地方の柑橘園地は、急斜面につくられた段々畑が主流だが、吉本さんの園地は傾斜のない平地にある。第二次世界大戦中には「飛行場にできるんじゃないか？」と言われていたほど広く平らなこの土地を見て、愛媛県の柑橘栽培先進地である吉田町でみかんを作っていた人が「ここにみかんを植えてみたら？」と言ったことが吉本農園のルーツとなった。「祖父が柑橘栽培を始めようとした当時、ここは芋畑だったんです。周囲からは『なんで芋畑に柑橘を植えるんだ？』と反対されたらしいんですが、それを押し切ってやってみたら上手くいった。だから今があるんです。ここは雨が多く降るし、暖かい。北西の風が強く吹くので、まず防風林を植えて。温州みかんは雨を嫌うと言われていますが、土をきちんとつくればどんな柑橘でも栽培できることがわかってきました。おいしい柑橘が育つ、保水力があって水キレの良い土にするためには、有機物と微生物が大事なんです」と吉本さんは話す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">土中の微生物や生き物の力を借りてつくる健やかで豊かな土壌</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto014.jpg" alt="" class="wp-image-54240" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto014.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto014-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto014-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>おいしい柑橘とは単純に糖度の高い・低いだけではなく、糖度と酸とのバランスと、土中のミネラルによるコクが重要だという。そのためには土中にミネラルをつくり出してくれる微生物を繁殖させてやる必要がある。「堆肥や敷きワラなどの有機肥料を入れながらコツコツと土づくりを続けてきました。今は堆肥センターがあってそこで堆肥を買うことができますが、昔は畜産農家から家畜の糞をもらってきて、茅や稲わらを入れて発酵させていたからものすごく臭かったんですよ。土が肥えてくるとミミズが増えてきます。そして次にはモグラが来てイノシシが来る。地面に穴が空いていたり、土を掘った跡ができたりすると、いい土ができたというサイン。でも除草剤をかけると微生物は激減してしまうんです」。祖父の開墾した園地を父親から受け継いだ吉本さんは、20年以上堆肥を入れ続け、大切に園地の土を守り育てている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">自然が与えてくれる豊潤なおいしさ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto007.jpg" alt="" class="wp-image-54241" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto007.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto007-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto007-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>河内晩柑は収穫する時期によって味が全く違う不思議な柑橘だ。収穫期の始まりにあたる3月に出回る河内晩柑は、水分が多くフレッシュな感じで種がある。収穫期の中盤に差し掛かる6月頃から不思議なことに種が消え、プリプリした食感の円熟した味わいが終盤の8月頃まで楽しめる。「時期によって味や食感が変わりますが、どの時期もそれぞれに特長があり、ちゃんとおいしいと思ってもらえるものを作っている自負があります最初はよそで作っているみかんと味が変わらなかったけれど、差が出てきているのが自分でもわかるようになったら自信がついてきました。10年くらい前からお客さまからも『おいしいね』という反応が出てきて、リピートしてくれる方が増えてきました」。そう話す吉本さんの目は輝いている。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto009.jpg" alt="" class="wp-image-54242" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto009.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto009-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto009-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「自然は、その季節に人間が欲するものをうまく与えてくれているように感じます。寒い冬には温かそうなオレンジ色をした温州みかんが、暑い夏には見た目にも涼やかな黄色の河内晩柑がおいしくなってくる。暑さに参っていても、みずみずしくスッキリとした味わいの河内晩柑を食べると元気になります。夏にはなくてはならない柑橘のひとつです。今は一年中いろいろな果物や野菜が手に入りますが、季節感がないのは良いことなのか、悪いことなのか。旬のものは生産時の環境負荷もないし、何よりおいしいんじゃないかと思いますね」。</p>



<p>吉本農園では、さまざまな品種の柑橘をバランス良く栽培しているため、品種リレーによって一年を通して季節の柑橘が収穫できるという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">おいしいみかんづくりに完結はない。日々努力の繰り返しが続いていく</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto034.jpg" alt="" class="wp-image-54243" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto034.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto034-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto034-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>除草剤や化学肥料をできるだけ使用せず、肥沃な土壌をつくるためにはもちろん苦労もある。除草剤を使いたくないからといって、園地を草だらけにしてしまうわけにはいかない。土づくりにこだわった柑橘栽培は草刈りとの戦いでもある。しかし、これまでは人の手で行なっていた草刈りも、24時間自動で園地の草刈りをしてくれる自走式草刈り機によって省力化を図るなど、時代に合わせて変化している。ちなみに自走式草刈り機の導入は、園地が平らであったからこそ可能だったことでもある。地の利を生かした栽培だ。</p>



<p>また夏の水やりも柑橘の生育や品質に影響を与える重要な作業だ。3km下の水源からポンプアップした水や、山から引いてきた水を使って潅水しているが、それも限りがある。足りない分は川から汲み上げたり、水田に水が要らなくなる8月頃からは灌漑用水を利用したりしながら、適切な量とタイミングで灌水を行っているという。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto001.jpg" alt="" class="wp-image-54244" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto001.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto001-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/yoshimoto001-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>除草剤を一切使わず、人の手で草を刈り、刈った草はそのまま土に還す。そんな地道な作業を長年積み重ねることで、畑は保水力がありながら水はけの良い、ふかふかな土壌へと育っていった。根が健やかに張ることで果樹は必要な養分をしっかりと吸収し、果実の糖度は自然と高まる。また、草を活かした環境づくりは、カメムシなどの害虫が発生しにくい畑づくりにもつながっている。柑橘それぞれの特性に合わせて土壌を整えることで、ほどよい酸味が甘みを引き立て、「一度食べればまた食べたくなる」味わい深いみかんが生まれる。こうした長年にわたる試行錯誤と、土作りに真摯に向き合い続けてきた姿勢が評価され、2003年に吉本農園は農林水産大臣賞を受賞した。</p>



<p>「みかんの産地を守りたい、産地を盛り上げないといけないという信念を持ってみかんを育ててきました。それが認められ、こんな素晴らしい賞をいただけたことは本当に嬉しいことです。せっかく今までおいしいみかんづくりをやってきたんだから、その技術やノウハウを伝えて行きたい。そうすることで愛南町も元気になるし、農家の生きがいにもなるんじゃないかと思っています」と吉本さんはいう。「一度食べればまた食べたくなる」と絶賛される吉本農園の柑橘たちは、年を重ねるごとに新たなファンを増やし続けている。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54229/">肥沃な土壌が育むコクのある豊かな味わいの河内晩柑「吉本農園」／愛媛県愛南町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>柑橘を食べ物からエンターテイメントへ昇格させる柑橘ソムリエ。「NPO法人柑橘ソムリエ愛媛」二宮 新治さん／愛媛県宇和島市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 22 Mar 2026 05:08:30 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[新着記事]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
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		<category><![CDATA[柑橘ソムリエライセンス制度]]></category>
		<category><![CDATA[柑橘]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit047.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>“愛媛の柑橘をサブカルチャーに”と発足した「NPO法人柑橘ソムリエ愛媛」。その理事長である二宮新治さんを中心とする若手の柑橘農家が、「ワインや野菜のように柑橘のソムリエがいたらおもしろいんじゃないか」という考えの下、20 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54210/">柑橘を食べ物からエンターテイメントへ昇格させる柑橘ソムリエ。「NPO法人柑橘ソムリエ愛媛」二宮 新治さん／愛媛県宇和島市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit047.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>“愛媛の柑橘をサブカルチャーに”と発足した「NPO法人柑橘ソムリエ愛媛」。その理事長である二宮新治さんを中心とする若手の柑橘農家が、「ワインや野菜のように柑橘のソムリエがいたらおもしろいんじゃないか」という考えの下、2020年に「柑橘ソムリエライセンス制度」を立ち上げた。それ以来、この制度をきっかけとし、知れば知るほど深みにハマるという柑橘の世界に魅せられる人が増えている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">愛媛県が名実ともに柑橘王国である理由      <strong>    </strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit042.jpg" alt="" class="wp-image-54220" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit042.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit042-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit042-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>愛媛県といえば真っ先に柑橘が思い浮かぶほど、愛媛県は柑橘類の収穫量と品目数ともに日本一を誇る柑橘王国だ。紅まどんなや甘平、紅プリンセスなどの独自品種もあり、品種リレーにより、ほぼ1年中柑橘が市場に出回っていることも柑橘王国と称される由縁となっている。</p>



<p>柑橘栽培は県内全域で行われており、特に生産量が多いのが、県内の沿岸部全域だ。さらに、南予地方に位置する宇和島市は柑橘栽培の中心地であり、愛媛県で最初に温州みかんの栽培が始まった愛媛県のみかん栽培発祥の地としても知られている。リアス海岸の急斜面に広がる段々畑は宇和島市の原風景だ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">柑橘の一大産地・宇和島から発信する柑橘ソムリエライセンス制度</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit001.jpg" alt="" class="wp-image-54221" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit001.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit001-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit001-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>そんな柑橘栽培の盛んな宇和島市で、柑橘農家を営みながら「柑橘ソムリエライセンス制度」を立ち上げたのが二宮新治さんだ。宇和島市で生まれ育った二宮さんの実家は祖父の代から続く柑橘農家だったが、二宮さんに家業を継ぐ気はなく、京都でアパレル系の仕事に従事していた。しかし20代半ばに祖父が亡くなったことがきっかけとなり、家業を継ぐこと本格的に考えるようになる。「1990年代後半から2000年代の前半にかけて、家業を継ぐ前後の柑橘業界は、不景気の煽りを受けて暗く沈んでいました。家業を継いで数年が経過し、やっと自分も農業にも慣れてきたと思えるようになったころ、同世代の地元農家と柑橘と地域を盛り上げるために何か面白いことができないか話していました。その時『ワインや野菜のように柑橘のソムリエがいたら面白いんじゃないか？』と盛り上がったことが柑橘ソムリエライセンス制度を立ち上げるきっかけになりました」と二宮さん。そこから地元の柑橘農家を中心に、思いに共感してくれた各分野のプロフェッショナルや柑橘愛好者たちが集り、柑橘のおいしさや楽しさを伝えることを目的とするNPO法人柑橘ソムリエ愛媛を設立。柑橘ソムリエライセンス制度を立ち上げた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">柑橘を単なる嗜好品からサブカルチャーへ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit011.jpg" alt="" class="wp-image-54222" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit011.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit011-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit011-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「柑橘は品種が多くて個性豊か。美しい色や可愛らしい形、味や香り、皮を剥いたときの音の違い、生産者の人柄や産地の特色など背景もさまざま。そこにサブカルチャー的な要素を感じたんです」と二宮さんはいう。愛媛が誇る柑橘だからこそ、せっかくならおいしいもの・好みに合うものを選べるようになって欲しい。味のバリエーションを知ってもらうことで柑橘に興味を持ってもらいたい、柑橘に対する愛を自由に語り合って欲しい。そんな思いも「柑橘ソムリエライセンス制度」誕生の背景にある。</p>



<h3 class="wp-block-heading">学科と実技の集中講義で柑橘を最大限に楽しめる人材を養成する</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit014.jpg" alt="" class="wp-image-54223" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit014.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit014-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit014-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>柑橘ソムリエライセンスは、2日間の講座を受講し、試験を受けて合格すれば取得できる。講座はテキストに沿って柑橘の基礎知識について学んでいく学科と、テイスティングによる実技で構成されている。学科で使われるのは、二宮さんたちが試行錯誤しながらつくったという「柑橘の教科書」だ。業界初の柑橘ガイドブックであり、 “みかんとは”という定義からはじまり、みかんと柑橘の曖昧な関係、柑橘の分類や品種の解説、食べ方、農法や販売・流通、歴史やなど、柑橘に関するあらゆる情報が網羅されていて、テキストとしてだけでなく、読み物としても楽しめるという。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit016.jpg" alt="" class="wp-image-54224" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit016.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit016-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit016-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>実技では生果やジュースを使い、柑橘の目利きの仕方やテイスティングによる味のとらえ方、柑橘の魅力を伝える表現力を鍛えていく。目利きの方法もいろいろあるが、ヘタから得られる情報は多い。色や形、大きさを見ることによって、糖度や酸味、味の濃さ、水分量などがわかる。甘みにも爽やかなものもあればモッタリと重いものもあり、香りにも華やかなもの、穏やかなものがある。さらに酸味と甘みのバランス、香りのカーブなど、単純においしい・おいしくないを越えて、味を構成する要素を分析しながら受け止めることを学んでいく。その上で、学んだ柑橘の魅力を伝える表現方法を見つけていくのが目指すところだという。</p>



<p>「ワインソムリエや野菜ソムリエの内容を落とし込んでいけば早かったんでしょうけど、自分たちが柑橘農家として感じたことを取り入れようとしたので、講座の内容を完成させるまでに時間がかかりました。周囲は概ね好意的で、他の産地も協力してくれています。停滞していた柑橘業界を盛り上げる、起爆剤的なものが求められていたのかもしれません」と話す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">柑橘の魅力を、より身近に伝えるために</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit026.jpg" alt="" class="wp-image-54225" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit026.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit026-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit026-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p><br>柑橘ソムリエライセンス制度の運営と並行して、二宮さんたちはオンラインストアで生果やストレートジュースの販売にも取り組んでいる。その背景にあるのは、柑橘のおいしさや面白さを、より身近な形で伝えたいという思いだ。品種の違い、産地や栽培方法による味わいの変化。柑橘ソムリエとして生産に携わるメンバーは、日々柑橘と向き合う中で、その個性や奥深さを言葉にしてきた。その知見を消費者と共有する手段として選ばれたのが、柑橘をそのまま搾ったジュースである。</p>



<p>使うのは、柑橘ソムリエ自らが育てた柑橘のみ。単一品種で個性をまっすぐに表現したものもあれば、複数品種を組み合わせ、味わいの広がりを引き出したものもある。甘さの立ち方や余韻、香りの違いから、柑橘の多様さが感じ取れる。産地や生産者の違いといった背景まで含めて知ることで、柑橘はより深く、面白い存在になる。こうした体験を通じて柑橘の魅力を伝え、楽しむ人を増やしていくことも、柑橘ソムリエの活動の一つなのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">我が子のようでもあり、自分自身でもある柑橘</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit019.jpg" alt="" class="wp-image-54226" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit019.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit019-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit019-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>柑橘を盛り上げようという活動が広がりを見せる一方で、国内における柑橘の需要は減り続けているという現状がある。さらに温暖化による寒暖差の減少で味に締まりがなくなる、気温の上昇で木が活性化して肥料が大量に必要になる、病気や害虫の発生期間が長くなるなど、柑橘栽培を取り巻く環境は年々厳しさを増してきている。さらに人手不足や後継者問題、機械化が困難などといった、産業を維持していく上での課題もあるという。</p>



<p>しかし、できることはまだまだあると二宮さんはいう。「今後は変化に対応していくことが重要です。成長を抑制するような栽培方法の模索、気候に合わせた品種へ切り替えていくとか。柑橘をおいしいといってもらえることは、自分が肯定されているように思えるんです。柑橘に自分を投影しているんでしょうね。だからやれることを一生懸命やっていきたいです」。&nbsp;</p>



<h2 class="wp-block-heading">一人でも多くの柑橘ソムリエが世に羽ばたいていくことを願う</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit003.jpg" alt="" class="wp-image-54227" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit003.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit003-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/kankit003-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>年に2〜3回のペースで開催されている柑橘ソムリエライセンス講座は、募集をかけると最短約5分で枠が埋まってしまうという人気ぶりだ。各地から開催して欲しいとの申し出があるものの、当面はこのペースで続けていく予定だそう。ちなみに合格率は65〜70％程度で、合格すれば認定証が付与される。2020年に柑橘ソムリエライセンス制度がスタートしてから、2026年3月時点で200人を超える柑橘ソムリエが誕生し、全国各地で“柑橘を楽しむプロフェショナル”として活動している。そして、この活動を続けてきたことで、柑橘好きのコミュニティは増えていると二宮さんは感じているという。それをもっと増やしたい、この活動を次の代にまで繋げていくというのが二宮さんの今後の目標だ。柑橘王国・愛媛ならではのユニークな取り組みは、着実にその成果を上げてきている。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54210/">柑橘を食べ物からエンターテイメントへ昇格させる柑橘ソムリエ。「NPO法人柑橘ソムリエ愛媛」二宮 新治さん／愛媛県宇和島市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>故郷の段々畑を守り、真穴みかんの歴史をつなぐ。「真穴柑橘共同選果部会」／愛媛県八幡浜市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 22 Mar 2026 04:57:07 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[新着記事]]></category>
		<category><![CDATA[真穴みかん]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[パチパチ]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana030.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>全国屈指のかんきつ王国・愛媛。なかでも八幡浜市真穴（まあな）地区は、高級温州みかんブランド「真穴みかん」の産地として知られる。いかにして温州みかんを高級かんきつの地位に押し上げたのか。そこには、栽培技術の研鑽やブランドイ [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54185/">故郷の段々畑を守り、真穴みかんの歴史をつなぐ。「真穴柑橘共同選果部会」／愛媛県八幡浜市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana030.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>全国屈指のかんきつ王国・愛媛。なかでも八幡浜市真穴（まあな）地区は、高級温州みかんブランド「真穴みかん」の産地として知られる。いかにして温州みかんを高級かんきつの地位に押し上げたのか。そこには、栽培技術の研鑽やブランドイメージの向上など、産地を守り育てるための「真穴柑橘共同選果部会」のたゆまぬ努力があった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">宇和海を臨む、県内有数のみかんの産地</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana023.jpg" alt="" class="wp-image-54198" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana023.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana023-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana023-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>四国最西端に位置する愛媛県佐田岬半島を臨む、八幡浜市の真網代（まあじろ）地区と穴井地区。真穴は、この2つの地区の総称だ。市内中心部から車を走らせること25分。海岸線に沿って進んでいくと、そのうち急傾斜の段々畑が見えてくる。地元の人々にとってはありふれた景色かもしれないが、海と段々畑の織りなすそれは、日本の原風景を思わせる美しさだ。</p>



<p>真穴みかんは、宇和海を臨むこの段々畑で栽培されている。温州みかんのなかでも極上品として知られ、首都圏を中心に高い評価を得ている。</p>



<p>生産から出荷までを行う「真穴柑橘共同選果部会（以下、真穴共選）」は、共選長の中井平昌（ひらまさ）さんをはじめ、155軒の生産者とJA職員で構成されている。生産者のほとんどは真穴地区出身。地域と共選のメンバーが一丸となって高品質の真穴みかんの生産に取り組んでいる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">真穴の温州みかんをブランディングし「真穴みかん」に</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana009.jpg" alt="" class="wp-image-54199" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana009.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana009-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana009-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>真穴のみかん栽培の歴史は、明治33（1900）年、愛媛県における温州みかん発祥の地・宇和島市吉田町立間から植栽した300本の苗木から始まった。</p>



<p>海岸部にリアス式海岸が続き、平地が少なく傾斜地の多いこの地域は、農耕には向かないが、気候は温暖で日照量も多く、水はけも良いことから果樹栽培には適した環境だった。先人たちは山を耕し、段々畑を築き、懸命にみかん栽培に取り組んできたのだ。</p>



<p>その名が全国に轟いたのは、昭和39（1964）年。みかん産地として日本初の「天皇杯」を受賞したのだ。天皇杯は、全国各地の特に優れた農林水産業者に授与される最高位の栄誉。これを契機に、より高品質なみかん栽培に取り組み、「真穴みかん」として商標登録を行うなど地域ぐるみでブランド化を進めてきた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「５つの太陽」が育む、唯一無二の甘さ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana029.jpg" alt="" class="wp-image-54200" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana029.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana029-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana029-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>自然の地形と知恵を活かした「５つの太陽」。これが真穴みかんを甘くジューシーに育てる秘訣だという。</p>



<p>太陽の光、海のきらめき、段々畑の石垣の照り返しという明治時代から変わらぬ3つの太陽に、近年は園内の地温の調整や保湿、大雨による肥料の流出防止を兼ねて敷いた農業用の白いマルチシートによる太陽光の反射、舗装された園内道からの照り返しが加わった。これら5つの光を巧みに利用し、光合成を促進させることで果実の糖度を最大限に高めている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">厳格な基準と、職人による食味確認</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana014.jpg" alt="" class="wp-image-54201" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana014.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana014-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana014-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>真穴みかんの出荷は10月下旬から始まり、ピークは11月〜12月。</p>



<p>収穫されたみかんは選果場に運ばれるが、選別は非常に厳しく、最新鋭のカメラと光センサーを用いて糖度・酸度・大きさ・形が計測され、ランク分けされる。</p>



<p>最終的には熟練者による食味のチェックも行われるという。「私はこれを、最も重要な判断基準にしています」と中井さん。</p>



<p>これらの厳しい選考基準をクリアした果実だけが真穴みかんとして赤いシールのお墨付きをもらう。果肉を包む薄皮は口のなかでとろけ、ジューシーな果汁が溢れるので「飲むみかんジュース」と称されるほど。</p>



<h3 class="wp-block-heading">気候変動に負けない、全天候型のマルチドリップ栽培</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana025.jpg" alt="" class="wp-image-54202" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana025.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana025-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana025-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>真穴地区は天然の乾燥地域という恵まれた条件で、昔から良いみかんが実ると評価されてきたが、昨今の相次ぐ異常気象により、みかんの味わいにばらつきが生じる年が増えたという。特に、秋に大量の降雨に見舞われると糖度が十分にのりきらず、品質の低下につながってしまうのだ。</p>



<p>その対策として導入しているのが「マルチドリップ栽培（通称：マルドリ栽培）」。園地に白いマルチを敷くことにより雨水を防ぎ、気候変動に左右されることなく高品質を維持するための取り組みだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">持続可能な農業の可能性を秘めた画期的技術</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana004.jpg" alt="" class="wp-image-54203" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana004.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana004-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana004-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>マルドリ栽培は、園地に白いマルチを敷き、その下に点滴チューブを入れて適度な灌水を行う手法。専用のセンサーにより土壌水分量を管理しながら、最低限のストレスの中で果実の糖度を上げる一方で、酸は抑えることができる。</p>



<p>ストレス栽培は果実の糖度を高めるうえで不可欠な手法だが、従来式では木への負担が大きく、良く実が成った年の翌年に不作となる隔年結果や、木の寿命を縮める懸念があった。</p>



<p>一方、マルドリ栽培は「木の負担を減らしつつ、果実にマイルドストレスをかけることで高糖度のみかんを生産できる」という。実際、真穴地区全体の生産者1軒あたりの平均収穫量が4トンなのに対し、マルドリ栽培で成功している生産者は毎年安定して6〜8トンの収穫量を記録。品質のブレも少なく、安定した生産が望める。</p>



<p>「良い年と悪い年のブレを最小限にとどめ、生産量を確保しながら美味しさを追求する。それを可能にするのがマルドリ栽培です」と中井さんは手応えをにじませる。マルドリ栽培に取り組む生産者は年々増加していると言う。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ブランドを支える、加工品の展開</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana018.jpg" alt="" class="wp-image-54204" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana018.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana018-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana018-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>真穴共選では、一年を通して真穴みかんの美味しさを届ける加工品開発にも積極的だ。</p>



<p>「出荷基準を満たした果実でも贅沢に加工原料として使用し、極上なみかんジュースに仕上げています」と事務局長の阿部定生（さだお）さん。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana005.jpg" alt="" class="wp-image-54205" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana005.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana005-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana005-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>加工品の主力はストレートジュース。素材の味そのままの濃厚な甘さと香りが楽しめると好評だが、その陰には開発に長い時間をかけ、幾度となく試作を繰り返しながら特別な製法を生み出した苦労があったそうだ。</p>



<p>「なぜ真穴みかんのジュースは色が濃いんですか？とよく聞かれるのですが、これも開発の中で、店頭に並べていただいたときに、他のみかんジュースとひと目で違いが分かるように試行錯誤を繰り返した結果です。」と中井さんは話す。搾汁方法の違う果汁をブレンドすることで、より深みのあるジュースに仕上がるそうだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">真穴みかんで作るクラフトジン「八°八°（パチパチ）」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana036.jpg" alt="" class="wp-image-54206" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana036.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana036-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana036-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>近年、小規模な蒸留所発のクラフトジンが流行っているが、真穴共選でも真穴みかんを使ったクラフトジンの商品化に挑んだ。真穴みかんの公式販売を行う「旬香物産」と、地元の酒造メーカー「近藤酒造」との共同開発による「八°八°（パチパチ）」だ。</p>



<p>真穴みかんの果実、花、新芽、防風垣に使うコノテガシワの実など、みかんに関係する8種のボタニカルを素材ごとに蒸留し、ブレンドしている。</p>



<p>「八°八°（パチパチ）」というユニークな名前の由来は、みかんを収穫するときの音。</p>



<p>真穴地区では、ハサミで果実を傷つけないよう二度摘みを行う。一度目のハサミは少し枝を長めに残して切り、手元でもう一度。丁寧にみかんを収穫する真穴地区ならではの音を、丁寧に仕込んだクラフトジンの名前にしたのだ。</p>



<p>みかんらしい爽やかな香りや甘みを表現した意欲作は、「東京ウイスキー＆スピリッツコンペティション2022」洋酒部門（ジン）で銀賞を受賞した。</p>



<h2 class="wp-block-heading">段々畑の風景を守り、未来永劫、産地としての歴史が続くように</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana015.jpg" alt="" class="wp-image-54207" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana015.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana015-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana015-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>担い手の高齢化、後継者不足などの影響もあり、中山間地の農業は全国的に縮小傾向にあるが、真穴地区は異例の粘りを見せている。</p>



<p>真穴共選の栽培面積は、20年前が約290ヘクタールだったのに対し、現在（2025年）は約250ヘクタール。共選によるブランド化と新技術の導入といった取り組みにより、この20年で栽培面積の減少はわずか40ヘクタールにとどめているのだ。また農家の減少率も他の地域に比べると少ないようで、現在も155軒の農家が産地を支えている。</p>



<p>「ブランド化することによって、生産者一人ひとりにプライドを持って作っていこうという気概が生まれたのだと思います。」と中井さんは語る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ベテラン農家と新規就農者をマッチング</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana006.jpg" alt="" class="wp-image-54208" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana006.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana006-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/maana006-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在、真穴地区では年間１〜2名の農業研修生を迎え、新規就農者の増加を目指している。行政に頼るのではなく、共選としていかにして新規就農者を受け入れていくか。それが未来の真穴地区を作っていくために重要なポイントだと二人は考えている。</p>



<p>承継を考えている60代以上の生産者を募り、研修生とマッチングさせる取り組みを実施。ベテラン生産者のもとで2年間研修を行い、将来的にその園地を承継するというのが理想的な流れだ。「今後は倉庫や園内道などハード面での整備を進め、受け入れ体制を充実させていきたい」と阿部さんは話す。</p>



<p>「生産者と地域の人々が一致団結して取り組んでいくことによって、他の産地と切磋琢磨しながらみかん産業を盛り上げていきたい。」</p>



<p>中井さんのその言葉には、みかん農家としての矜持がにじんでいた。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54185/">故郷の段々畑を守り、真穴みかんの歴史をつなぐ。「真穴柑橘共同選果部会」／愛媛県八幡浜市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>やんばるの森が育む世界が認めた沖縄コーヒー「ADAファーム」／沖縄県国頭村</title>
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		<pubDate>Sun, 22 Mar 2026 04:44:21 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[新着記事]]></category>
		<category><![CDATA[ニューワールド2号]]></category>
		<category><![CDATA[コーヒー豆]]></category>
		<category><![CDATA[スペシャルティコーヒー]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/ada-024.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>沖縄の自然豊かな土壌と植物としてのコーヒーとの出会い、そしてコーヒーを愛する仲間とのご縁。10年以上の歳月をかけて丁寧に育まれ、情熱あふれる物語が詰まった特別なコーヒー豆を作るADAファーム。沖縄らしい風味豊かなコーヒー [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/ada-024.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>沖縄の自然豊かな土壌と植物としてのコーヒーとの出会い、そしてコーヒーを愛する仲間とのご縁。10年以上の歳月をかけて丁寧に育まれ、情熱あふれる物語が詰まった特別なコーヒー豆を作るADAファーム。沖縄らしい風味豊かなコーヒーは世界中の焙煎士やコレクターから熱い視線を注がれる稀少な存在となっている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">豊かな森が育てる日本初のスペシャルティコーヒー</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/ada-006.jpg" alt="" class="wp-image-54181" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/ada-006.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/ada-006-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/ada-006-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>沖縄県北部、やんばるの森に位置する「ADAファーム」は、日本で初めて、スペシャルティコーヒーの認定を受けた農園だ。この称号は、カッピング（試飲審査）による100点満点の評価で80点以上という、極めて高いスコアを獲得した豆だけに与えられる。審査では「きれいな味わい（クリーンカップ）」や「際立つ酸味の質」「甘さ」など、10項目にわたる厳格な基準で品質がチェックされる。</p>



<p>栽培に最適とは言い難い環境にありながら、味と香りのポテンシャルが世界基準に達したことは、代表・徳田泰二郎さんの飽くなき情熱の結晶だ。その快挙は、今や沖縄コーヒー界全体の大きな希望となっている。</p>



<p>「徳田さんは常に進化されている。世界で認められてもなお挑戦をされていて、それが豆のクオリティに出ている。」そう話すのは、2017年に行われた「ジャパン コーヒー ロースティング チャンピオンシップ」（JCRC）で優勝、その後2019年イタリアで行われたWCRC（ワールドコーヒーロースティングチャンピオンシップ）に日本代表として出場し、初出場にして世界第2位に輝いた仲村良行さん。沖縄県沖縄市にある「豆ポレポレ」を営み、ADAファームの豆を愛する日本を代表する焙煎士のひとりだ。</p>



<p>徳田さんは沖縄でコーヒー栽培を始めた理由を「まずはここに素晴らしい農地、そして豊かな土があった。そして、植物としてのコーヒーに出会えた。さらに、沖縄のコーヒーを愛する仲間たちとの出会いもあった。それがすべてご縁で、気づいたらここまで来ていた」と語る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">沖縄の土と、コーヒーと共に</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/ada-030.jpg" alt="" class="wp-image-54182" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/ada-030.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/ada-030-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/ada-030-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>コーヒー栽培の適地は、赤道を中心に南北回帰線の間に広がる「コーヒーベルト」と呼ばれる熱帯地域だ。代表的な産地にはブラジルやエチオピア、インドネシアなどが挙げられるが、沖縄はその北限ギリギリの外側に位置する。台風や冬の低温、酸性の土壌など、コーヒーにとっては決して「快適」な環境ではない。</p>



<p>しかし徳田さんは、土壌改良で環境を無理に変えるのではなく、山がもたらす恵みやサイクルをそのまま活かす農法を選んだ。具体的には、周囲の原生林を残し、自然の森のサイクルを壊さずに、その中で作物を育てる画期的な農法だ。<br><br>その年の気候は、豆の個性にダイレクトに刻まれる。例えば、夏場に雨が多ければ健康的な果実がしっかりと育ち、逆に、乾燥や寒暖差が激しい年は、生命力が凝縮される。</p>



<p>徳田さんは「その年の沖縄がどんな年だったかは、豆が語ってくれる」と話す。ADAファームのコーヒーを飲むことは、その年の沖縄の雨音や陽光を追体験することと同義だ。それは単なる飲み物ではなく、沖縄の自然の「記録」が詰まった唯一無二の一杯なのである。</p>



<h2 class="wp-block-heading">熟成を待ち、１粒１粒丁寧に手摘み</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/ada-032.jpg" alt="" class="wp-image-54183" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/ada-032.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/ada-032-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/ada-032-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ADAファームのコーヒーの開花期は通常4〜7月。開花から7〜8か月かけて果実は成長・完熟となり、12月から4月までが収穫期となる。コーヒーの花は開花の期間が長いので、その分収穫の幅もあるが、本来コーヒーは雨季や乾季などメリハリがある気候の方が開花しやすい。しかし、沖縄の場合は気候が安定しないことが多く、コーヒーが開花のきっかけを掴めないこともあり、収穫の期間がより長くなる。果肉の成長だけでなく、種も成長していなければならないコーヒー豆は、種の様子を伺いながら一番いい状態を見極めていく。収穫前の気候や、コーヒーの木の個体差により、完熟した時の果実の表情や状態が変わっていくのだそうだ。収穫の際には、自分たちの目で熟度を確かめ、感触を確かめ、味わい、手摘みしていく。この丁寧さが、ADAファームの品質に繋がっている。</p>



<p>「特別なことはしていない」と徳田さんは語るが、1粒1粒のコーヒーの実に細かな手間をかけ育て上げている。</p>



<p>精製とは、収穫した実から種子（コーヒー豆）を取り出し、乾燥させる工程を指す。最高の状態で収穫されたコーヒー豆を、その豆の個性を見極め、皮を剥き、乾燥し、発酵させていく。ADAファームの精製は、常に同じではない。</p>



<p>「収穫までは同じ豆。しかし精製によって、驚くほど多様な表情を引き出せます。だからこそ、豆のポテンシャルを最大限に広げた状態で焙煎士へ託したいんです」と徳田さんは語る。目指しているのは、農園主として豆の個性を決めつけるのではなく、精製という『味の翻訳』を通じて、その豆が持つ可能性の選択肢を広げることだ。</p>



<p>また、栽培している品種にも個性がある。赤い実をつける「ニューワールド1号」は華やかな香りと明るく良質な酸味が特徴だ。一方、黄色い実の「ニューワールド2号」は、どっしりとした甘みの強さと、香ばしさとコクが際立つ。</p>



<p>数十年前に先駆者が沖縄に持ち込んだこれらの苗を、徳田さんたちは世界に認められる品質へと磨き上げた。今後は仲間と共に新種開発にも挑むという。自然に無理をさせず、土と対話しながら一粒一粒に情熱を宿す。その一杯を口にしたとき、きっと香ばしい香りとともに、生命力あふれるやんばるの森の風景が目の前に広がっていくはずだ。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54176/">やんばるの森が育む世界が認めた沖縄コーヒー「ADAファーム」／沖縄県国頭村</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>“一途に育てて半世紀”トマト農家の新たなる挑戦「ヨダファーム」／山梨県中央市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 22 Mar 2026 04:33:37 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[新着記事]]></category>
		<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[桃太郎トマト]]></category>
		<category><![CDATA[トマト糀カレー]]></category>
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		<category><![CDATA[農業]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export2.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>甲府盆地の中央部に位置する山梨県中央市は、日照時間の長さとミネラルが豊富な水を活かし昔から農業が盛んな地域。この地でヨダファームはトマト一筋でつくり続けること約半世紀。娘婿の功刀隆行（くぬぎたかゆき）さんが加わり6年、ト [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export2.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>甲府盆地の中央部に位置する山梨県中央市は、日照時間の長さとミネラルが豊富な水を活かし昔から農業が盛んな地域。この地でヨダファームはトマト一筋でつくり続けること約半世紀。娘婿の功刀隆行（くぬぎたかゆき）さんが加わり6年、トマトの美味しさを伝えるべく日々奮闘している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">義父の育てたトマトの味</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export4.jpg" alt="" class="wp-image-54166" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export4.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export4-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export4-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ヨダファームに功刀さんが就農するきっかけとなったのは、農園長である依田克己（よだかつみ）さんの娘である妻との出会いだった。結婚の挨拶で訪問した際、義父である克己さんの育てたトマトを食べ、その美味しさに感銘を受けたという。しかし、「トマトづくりは自分の体力が尽きたら終わりだ」という克己さんの言葉に、高齢化が進む農業界の実態を痛感する。功刀さんは「こんなに美味しいトマトを終わらせることはできない」と一念発起。13年間勤めた農業協同組合の退職を決意し、後継者となるため就農を果たした。</p>



<h2 class="wp-block-heading">トマト一筋、こだわりの品質</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_0683_batch.jpg" alt="" class="wp-image-54167" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_0683_batch.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_0683_batch-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_0683_batch-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>60年の歴史を持つヨダファームでは、代々「桃太郎トマト」に品種を絞ってトマトをつくり続けてきた。桃太郎トマトは甘みと酸味のバランスの良さが特徴の大玉トマト。フルーツトマトなど甘みの強い品種が好まれる中「甘さだけではない」トマトづくりを追及してきたのだという。味が濃く、はじけるような瑞々しさ、皮の薄さや実とゼリー部分のバランス、それら細部に至るまでこだわり抜かれているのがヨダファームのトマトなのだ。</p>



<p>「量産するのではなく“質”に重きを置いてきた」というトマトづくりには、随所に長年培ってきた工夫がみられる。本来であれば1本の苗から約70個のトマトが実るところをその半量に制限し、1個に対して2個分の旨味と栄養が凝縮された濃厚な味わいのトマトをつくりあげている。他にも自然に近い状態でトマトを育てるため、農薬の使用に細心の注意を払いながら受粉を担うマルハナバチの活動を妨げない環境づくりへの取り組みも行っている。このような品種を限定したトマトづくりの裏には、「様々な品種に栽培のリソースを分散させるのではなく、これまで積み上げてきた経験を最大限活かして質を高めていく」というこだわりが詰まっている。そしてその思いは克己さんから功刀さんへ、二代にわたって受け継がれているのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">水耕栽培で育つトマトの味は？</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export3.jpg" alt="" class="wp-image-54168" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export3.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export3-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export3-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>克己さんの先代から続くヨダファームは、当初土に植えて育てる土耕栽培をしていた。しかしこの手法には土に含まれる細菌や病害虫の影響を受けやすく、対策として消毒や農薬に多くのコストがかかるという難点がある。より美味しく安全なトマトをつくるため、克己さんは当時まだ日本ではあまり普及していなかった水耕栽培に挑戦。水と肥料分を溶かした培養液を流して作物の根に伝えて栽培する方法で、農薬を最小限に抑えられることが大きなメリットだ。まだ、水耕栽培を始めた当初は「水を与えれば大きくなるが、味が薄い」という悪いイメージが強かったという。土とは異なり乾かすことができないため水の与えすぎには注意が必要であるが、日差しが強い時にあえて水やりを抑えてストレスをかけることで、トマト本来の甘味を引き出している。2棟あるビニールハウスの中は夏になるとかなりの暑さとなるが、その中でもエアコンを付けずに日光を取り込み続けて光合成を促すことで、糖度5〜6度と甘みの強いトマトが出来上がるのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「美味しいトマトを届けたい」クラウドファンディングの始動</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4583_batch.jpg" alt="" class="wp-image-54169" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4583_batch.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4583_batch-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4583_batch-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「義父がこだわって育てたトマトの美味しさを、より多くの人に届けることはできないだろうか」。功刀さんは更なるビジネスルート拡大のため、全国から農家が集う都内の青山ファーマーズマーケットにも出店し、直販を行った。新鮮で美味しい野菜や果物を求める食通のユーザーが多く足を運ぶ市場であるが、お客さんと対話できるのはわずか30秒ほど。「トマトの質には自信があるし、相応の売上げは立つが、その“思い”までは伝えることができなかった」と功刀さんは話す。どうにか生産に込めた思いを伝える術はないのか。そんな中スタートすることとなったのが、クラウドファンディングサービス「Makuake」でのプロジェクトだった。</p>



<p>Makuakeは商品に込めた思いやこだわりをプレゼンし、商品やサービスに対して応援したいと感じた人が出資をしてくれるシステム。ヨダファームのプロジェクトは2019年8月の第1回から始まり、第9回まで回数を重ねる中で総サポーター数は3000名を超え、応援総額は約2400万円にまで及んだ。Makuakeの加工品プロジェクトでは、トマトを程よく乾燥させることで旨味を凝縮させつつ、フレッシュでジューシーな味わいをバランス良く残した「レアドライトマト」づくりを。他にも新ジャンルとして挑んだ、調味料･ソース･ドレッシングなどにアレンジを効かせられる「トマトの『み』」や、無水で調理した「トマト糀カレー」など、創意工夫を凝らした数々の商品を展開していく。料理研究家の友人のアドバイスをもとに試行錯誤を重ね、パッケージは高校時代の同級生にデザインを任せるなど、周囲の協力を得ながら商品の開発を進めていったという。加工品プロジェクトの中でも特に高い支持を得た「トマトケチャップ」、「トマト塩糀」、「バーベキューソース」は、現在もヨダファームのwebサイトで販売数の多い人気プロダクトに成長した。昨今では「美味しい」という商品の感想から、「調子はどう？」といった知人の支援者から何気ない励ましのメッセージが届くことも多く、Makuakeのプロジェクトを成功させて以降、既存顧客との関係性が濃くなっている実感があるのだと、功刀さんは嬉しそうに話す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">トマト本来の味が活きる商品づくり</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4584_batch.jpg" alt="" class="wp-image-54170" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4584_batch.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4584_batch-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/IMG_4584_batch-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>功刀さんが新たな加工品の開発に挑むこととなったもうひとつの理由は、大量に生じてしまうフードロスの問題だった。年間生産量の約10％、重さにして5トンにも及ぶ規格外品のうち、市場に出すことのできないものは泣く泣く畑の肥料となっていたという。形は悪くとも、味のポテンシャルは十分に高い。自信のある品質だからこそ、加工の際に添加物など余計なものは一切使わず、トマトの本来の味を活かせるよう工夫を凝らしている。2020年には功刀さんのフードロス削減に対する思いに共感を得た企業との初コラボレーションが実現。その中でも反響が大きかったのは日本酒銘柄「七賢」を醸造する山梨銘醸と共同開発し、造り酒屋の塩糀と組み合わせた「トマト塩糀」だ。塩糀と絶妙な割合でブレンドすることで、トマト本来の味が引き立つ仕上がりとなり、支援者をはじめ多くのユーザーから好評を得た。他にも「とろけるトマトケチャップ」は七賢の醸造に使用している糀に加え、同じく県内企業であるアサヤ食品のワインビネガーを使用。規格外品となったトマトを完熟させ、一瓶に約10個分使用したトマトの存在感が抜群のケチャップとなっている。様々なコラボ商品を手掛けつつも、「トマトが主役になる」というこだわりは常に大切にしているそうだ。</p>



<p>とは言え目新しい商品の考案に励むあまり、「奇をてらいすぎた商品だ」と率直な意見が返ってくることもしばしばあったのだそう。斬新さも必要だが、あくまでも歴史あるヨダファームのトマトの良さを活かせるようなバランスが肝心。商品開発から学ぶことは非常に多かったと、功刀さんは当時を振り返る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">農家の逆境の中で</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export16.jpg" alt="" class="wp-image-54171" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export16.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export16-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export16-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>昨今の世界情勢において、資材費や光熱費の高騰による生産意欲の低迷、高齢化に伴う農業者の減少は日本の大きな課題となっている。これらが要因となり市場に出回る農産物は“質”ではなく、より効率性を追求した“量”が重視される現実を功刀さんは市場で目の当たりにした。高品質を保つことをモチベーションに品種や生産量も制限してきたヨダファームにとっては向かい風とも言える状況と言えるだろう。そういった意味でも、生産者が値段を決めることができない一般市場ではなく、自分たちでトマトの負荷価値を値段に反映して販売できる直販やクラウドファンディングの実施は、非常に実りの多い取り組みだったに違いない。クラウドファンディングの活動が県内スーパーの目に留まり、ヨダファームのトマトを求めて声がかかることもあったという。2023年の春にはほとんど一般流通ではなく、独自の販売ルートを開拓するまでにこぎ着けた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">美味しいものを評価してもらえるような機会をつくりたい</h3>



<p>功刀さんは今後、より直接お客さんと繋がることができる体験型の企画を提案していきたいと語る。直近のMakuakeのプロジェクトでは、リターンとして「初代ヨダファーム農民権」と題した農業体験チケットを考案。実際に農作業をして採れたてのトマトを味わえる収穫体験のほか、商品の割引や野菜のサブスクリプション購入などの特典を設けている。加えてカフェ兼加工工場の建設も予定しており、収穫したての新鮮なトマトをその場で調理して食べてもらえるようなサービスの展開も視野に入れているのだとか。オンラインでの交流という段階から、実際に現地へ足を運んでもらうという新たなフェーズへ。「農家のリアルを感じてもらいたい」という功刀さんの理想が、より現実味を増してきた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ヨダファームだからつくることができるトマトの価値を</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export7.jpg" alt="" class="wp-image-54174" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export7.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export7-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/export7-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>トマトを手に取る時、食味･栽培過程･価格など、消費者の購買理由は様々だろう。その中でもヨダファームのトマトが選ばれ続けている理由は、ここまで述べてきたように半世紀に及んで培ってきたノウハウと、“美味しいものをつくりたい”という思いが詰まっているから。克己さんは過去に海外まで赴き、トマトづくりを学んだこともあるそうだが、そういった職人の蓄積された経験とスキルに、斬新な展開やクラウドファンディングへの挑戦をする功刀さんのような発信者の力が掛け合わさることで、トマトの新しい価値を提唱している</p>



<p>流通や担い手の問題など、こうした課題は決してトマトに限ったことではない。課題解決に向けて、まずは普段食べている野菜のつくり手の思いに触れる機会を設け、様々な人の苦労や関わりがあってこそ、安全で美味しい製品がつくられているということ。また従来の量産･出荷のスタイルに固執せずとも、柔軟な発想を取り入れた新しいスタイルで持続可能な農業を築いていけることを、自身の取り組みを通して多くの人に伝えたいと功刀さんは語る。</p>



<p>農産物の価値が見直され、農家が潤い、さらに質の良い野菜が生産されていく。その先に国内の食糧自給率や就農者の増加といったあらゆる好循環を生み出していける未来が待っているのではないだろうか。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54160/">“一途に育てて半世紀”トマト農家の新たなる挑戦「ヨダファーム」／山梨県中央市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>自宅工房で紡ぐ伊予絣。伝統工芸を未来へとつなぐ。伊予絣作家･村上君子さん／愛媛県松山市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 08 Mar 2026 09:14:21 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[伝統工芸品]]></category>
		<category><![CDATA[伊予絣]]></category>
		<category><![CDATA[愛媛県指定無形文化財]]></category>
		<category><![CDATA[日本三大絣]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-9.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>日本三大絣のひとつであり、愛媛の伝統工芸品の「伊予絣（いよがすり）」。54歳頃から機織りを始めた伊予絣作家の村上君子さん。伝統工芸展への挑戦、そして伊予絣に向き合う姿勢は、まさに“生きること＝織ること”を体現している。  [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-9.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>日本三大絣のひとつであり、愛媛の伝統工芸品の「伊予絣（いよがすり）」。54歳頃から機織りを始めた伊予絣作家の村上君子さん。伝統工芸展への挑戦、そして伊予絣に向き合う姿勢は、まさに“生きること＝織ること”を体現している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">50代で出会った機織りと伊予絣</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-37.jpg" alt="" class="wp-image-54151" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-37.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-37-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-37-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>　1948年生まれ、伊予絣作家として活動する村上さん。機織りを始めたのは、意外にも50歳を越えてから。長年アートフラワー講師として活動していたが、手首の故障をきっかけに作品作りが難しくなり、その道を離れることを決意。以後は「人に教えること」からも距離を置き、自分自身が心から楽しめる、新たな表現を探し始めたという。</p>



<p>　陶芸や木彫など新たな手仕事に挑戦する中で、最も心を惹かれたのが「織り」だった。「幼い頃、通学路に絣工場があって。ちょうど石手川（いしてがわ）沿いの土手で糸を張って作業をされていたんです」。その光景は村上さんの中の原風景。藍で染められた糸を使う紺屋（こんや）たちの仕事を時にはこっそり眺め、子どもながらに遊び心を刺激された記憶が、時を経て心を動かした。機織りの作業は幸いにも、故障していた手の動きとも合っており、この先も続けられる手仕事だった。現代の伊予絣作家、白方宣年（しらかた のぶとし）氏が主宰するイオリ工芸の染織教室に入門し、5年間学んだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">手間ひまが生む、親しみやすい絣の魅力</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-12.jpg" alt="" class="wp-image-54152" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-12.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-12-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-12-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>　かつて松山を含む伊予地方では、綿花の栽培が行われており、暮らしのなかに木綿を扱う文化が息づくなかで「伊予絣（いよがすり）」は発展した。</p>



<p>　</p>



<p>　絣（かすり）は、織り出された文様の輪郭にかすれたような表情があらわれるのが特徴の織物。経糸（たていと）や緯糸（よこいと）を部分的に括（くく）ることで染料が染み込まない箇所を作り、藍染めを施す。そして白と藍のコントラストが美しい絣独特の風合いを生んでいる。伊予絣は久留米絣（福岡県）･備後絣（広島県）と並んで「日本三大絣」と称されるが、比較的に緯糸にのみ絣糸を用いて織られた絣模様「横絣（よこかすり）」を中心とした構成が多いという。</p>



<p>　「一反で17メートルの糸を仕掛けた場合、緯糸（よこいと）だけで1000ヶ所以上もの括りが必要となることもある」と村上さん。そのため、経糸（たていと）の括りには約1ヶ月程度を要するのに対し、緯糸（よこいと）の括りは2〜3ヶ月かかるなど、手間が非常にかかる工程になるそう。横絣は模様が横方向に連続して展開されるため、繊細かつ規則的な模様表現が可能となるが、その分制作には高度な技術と時間が必要とされる。この特徴が伊予絣の素朴で親しみやすいデザイン性と密接に結びついており、実用的で日常に根ざした織物としての魅力を生み出している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">好奇心をカタチに、緻密に織り仕上げる</h3>



<p>　村上さんの伊予絣制作の出発点は、花をモチーフにしたデザインが多かった。しかし、制作を続ける中で、日常生活で感動したものをデザインに取り入れるようになったという。「何度も眺めながら仕上げていく」と語るように、村上さんの作品には好奇心が色濃く反映されている。近年では、道後公園の断層や小惑星探査機「はやぶさ2」など、地球や宇宙にまつわるモチーフが新たなテーマとして登場している。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-18.jpg" alt="" class="wp-image-54153" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-18.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-18-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-18-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>　デザインが完成すると、模様を正確に織り出すために、糸の括る位置や量を細かく計算し設計する工程に移る。「仕上げる時にもズレないことを心がけています。絣はズレも味わいのひとつと言われますが、私は計算したものが計算通りに仕上げられないと悲しいんです。私の性格でしょうね」と村上さんは笑顔で話す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">工房は自宅、日常に息づく手仕事</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-34.jpg" alt="" class="wp-image-54154" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-34.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-34-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-34-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>　村上さんは工房を持たず、自宅で全工程を一人で手がけている。機織りの作業は全体の2〜3割程度で、ほとんどの時間を染色や糸の準備に費やす。自室ではデザインを考案し、ガレージでは発酵させた藍を使って染色を行う。湿度や温度、そして染液の酸性･アルカリ性を示すpHを測定しながら、藍を最適な状態に保つのも重要な仕事だ。染色は40回ほど繰り返され、仕上がりまでに約1ヶ月を要する。その後、時間をかけて糸を解き、成形していく。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-14.jpg" alt="" class="wp-image-54155" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-14.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-14-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-14-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>　そしてリビングに置かれた機織り機で織り進める。驚くことに、その機織り機はご夫妻で手作りしたもの。伊予絣会館にあった機織り機を詳しく観察し、村上さんが設計図を描き、ご主人が村上さんの身長に合わせて製作したという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">伝統工芸展への挑戦と伊予絣の伝承</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-7.jpg" alt="" class="wp-image-54156" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-7.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-7-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-7-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>　複数の工程を同時に進めながら、村上さんが1年で仕上げる伊予絣はわずか2～3枚。長い時間をかけて織り上げた作品が完成したときは、胸が高鳴るという。</p>



<p>　2011年には「第45回 日本伝統工芸染織展」にて、伊予紬織着物《薫風の時》が山陽新聞社賞を受賞。その後も完成させた作品を、染色展や日本伝統工芸展などへ積極的に出品している。全国を巡回する日本伝統工芸展への挑戦は、伊予絣を広く知ってもらう貴重な機会。挑戦し続けることが、伝承につながっている。</p>



<p>　2021年には日本工芸会の正会員に認定され、2025年には伊予絣が愛媛県指定無形文化財に指定。村上さんはその技術保持者として認められた。これからも、制作に向き合いながら、伊予絣をカルチャーとして広めていく。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-33.jpg" alt="" class="wp-image-54157" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-33.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-33-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/murakamikimiko-33-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「主婦が台所仕事や掃除の合間に作業をしています。ひとりで少しずつ、楽しみながら。この歳になって打ち込めることがあるのは幸せなことですから」と、村上さんは穏やかに語る。</p>



<p>　50代から始め、「自分が心から楽しめること」を求めてたどり着いた伊予絣。暮らしの中で糸と向き合い、少しずつ仕上げていく作業は、村上さんにとって人生そのものでもある。「いい作品をどれだけ残せるかも挑戦」と語るその姿からは、確かな探究心と、受け継がれてきた伝統工芸の技を未来へとつなげていこうとする意志がにじむ。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54143/">自宅工房で紡ぐ伊予絣。伝統工芸を未来へとつなぐ。伊予絣作家･村上君子さん／愛媛県松山市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>目標は、名実ともに“世界一”の蜂蜜酒･ミードを作ること「EIGHT CROWNS」代表 Maynard Plant（メイナード･プラン）さん／宮城県富谷市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 08 Mar 2026 08:42:59 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[蜂蜜]]></category>
		<category><![CDATA[ミード]]></category>
		<category><![CDATA[BTI･ World Mead Challenge金賞]]></category>
		<category><![CDATA[MONKEY MAJIK]]></category>
		<category><![CDATA[WILD FLOWER]]></category>
		<category><![CDATA[インフューズドハニー]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_A_4625.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>日本屈指のロックバンドとして、ミュージックシーンで輝き続けるMONKEY MAJIK。そのボーカル＆ギターのMaynard PlantさんとドラムのTAXさんが取り組んでいるのが、養蜂だ。ふたりが20年以上も暮らす宮城県 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54130/">目標は、名実ともに“世界一”の蜂蜜酒･ミードを作ること「EIGHT CROWNS」代表 Maynard Plant（メイナード･プラン）さん／宮城県富谷市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_A_4625.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>日本屈指のロックバンドとして、ミュージックシーンで輝き続けるMONKEY MAJIK。そのボーカル＆ギターのMaynard PlantさんとドラムのTAXさんが取り組んでいるのが、養蜂だ。ふたりが20年以上も暮らす宮城県富谷市で採蜜し、市の中心部にある観光交流ステーション「とみやど」の中で「EIGHT CROWNS」という店舗で生はちみつを販売している。ミュージシャンであるふたりが、養蜂家となったその理由とは……？</p>



<h2 class="wp-block-heading">少年時代の記憶から辿り着いた、富谷での養蜂</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_A_4022.jpg" alt="" class="wp-image-54135" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_A_4022.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_A_4022-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_A_4022-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>宮城県富谷市は、かつて宿場町として栄えた、仙台市北部に隣接する人口5万人超の町。近年は「子育て世代に優しい町」として若い世帯の流入で話題となっている。そんな富谷市で20年以上も暮らしているのが、MONKEY MAJIKのMaynard PlantさんとドラムのTAXこと菊池拓哉さん。</p>



<p>このふたりが、はちみつの会社「EIGHT CROWNS」を立ち上げたのは、2018年のことだった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">カナダで出会った養蜂の世界</h3>



<p>その背景にあるのが、カナダ出身のMaynardさんの少年時代にある。Maynardさんが10代のころ、養蜂家だった伯父さんを手伝うことがあった。ミツバチ何万匹もの小さな命を育て、その受粉によって農作物が実り、人々はその恵みを口にする。自然の循環と、生き物それぞれの役割を、体感として学んだ時間だったという。その記憶が「いつか自分もやってみたい」という思いとして、心に残り続けていた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">富谷市での出会いが“点と点”をつなぐ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_A_4536.jpg" alt="" class="wp-image-54136" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_A_4536.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_A_4536-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_A_4536-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>そんな中、NHKのローカル番組でナビゲーターを務めていたMaynardさんは、富谷市長の若生 裕俊氏と出会うこととなる。若生氏は、ビルの屋上で行う「都会式養蜂」に関心を寄せ、富谷市役所の屋上で養蜂を行っていた。そこに運命的なものを感じたMaynardさんは「富谷は養蜂を推進している町なんだから、自分もやってみよう！」とTAXさんと養蜂を始めることにした。</p>



<h2 class="wp-block-heading">始まりは“8つのミツバチの巣箱”</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_2624.jpg" alt="" class="wp-image-54141" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_2624.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_2624-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_2624-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>宮城県中部に位置する「七つ森」という緑豊かな場所に、7つの西洋ミツバチの巣箱、そして1つの日本ミツバチの巣箱、全部で8つの巣箱を置いたことからスタートを切った。会社名のEIGHT CROWNSのEIGHTはここからくる。そしてCROWNS＝冠は、女王蜂をリスペクトする単語をつけたかったからだ、とMaynardさんは話し、「後で考えたら、EIGHTって日本語で数字の8（ハチ）だから、ちょうどよかった」と笑う。</p>



<h3 class="wp-block-heading">テロワールを生かした採蜜で独自性のあるはちみつづくり</h3>



<p>花を求めて蜂の巣箱を移動させる移動養蜂ではなく、自分たちのテロワールで採蜜したいと考えていたMaynardさんとTAXさんは、蜜源としてハゼリソウの木を植えた。ハゼリソウは、青紫色の花が特徴的でミツバチにとって最高峰の蜜源植物ということで知られている。その蜜を集めることで黄金色のフルーティーなはちみつができる。あっさりとした甘味が特徴で、紅茶やヨーグルト、チーズなどにもよく合う。採蜜量は決して多くないが、クオリティのみがこだわりだ。</p>



<p>採蜜場所を増やすことはあるとしても、巣箱を持って移動することは考えていないという。年ごとの気候や自然環境によって、はちみつの風味は微妙に変化する。その違いこそが、この土地ならではのテロワールであり、異なる味わいを楽しめることに価値を感じているからだ。　</p>



<h3 class="wp-block-heading">富谷だから生まれる“WILD FLOWER”という味わい</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3261.jpg" alt="" class="wp-image-54137" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3261.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3261-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3261-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>富谷という場所柄、ミツバチが一種類の花の蜜から集めた単花蜜を採取するのは難しく、山桜、アカシア、藤などから採蜜し、それを「WILD FLOWER」としてパッケージ。一方、単花蜜のはちみつは、彼らと同じような規模でこだわりを持っている各地の養蜂家から仕入れ、販売を行っている。</p>



<p>その単花蜜（アカシア）を使い、同社が製造に注力しているのがハバネロやレモン、サフランなどをはちみつに漬け込んだインフューズドハニー（Infused Honey）。幅広い料理に使えるほか、代謝促進や免疫力向上といった健康効果も期待できるとして、近年、海外で注目を集めているのだそう。</p>



<h2 class="wp-block-heading">蜂蜜酒･ミードで富谷から世界へ挑む</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3227.jpg" alt="" class="wp-image-54138" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3227.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3227-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3227-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>さらに、彼らはWILD FLOWERから「ミード」を醸造。ミードとは、はちみつと水と酵母菌を発酵させてできあがる醸造酒で、神話にも出てくる世界最古の酒といわれている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">東北の酒蔵とともにミードを開発</h3>



<p>ミード醸造のきっかけは、MONKEY MAJIKのカナダツアーの際、飛行機の機内誌がミードを特集していたのを見たTAXさんが「ぜひやってみたい」と持ち掛けたことにある。帰国後、MaynardさんとTAXさんは世界中のミードを飲み、同じ東北の日本酒造会社に醸造を依頼することにした。国内でミードを醸造しているのは20〜30社ほどに限られ、東北地方ではこの会社のみ。ミードを造れる環境そのものの希少性にあった。日本酒造りで培った発酵技術を生かし、はちみつ本来の香りや風味を損なわずに仕上げているのが特徴だ。甘口からドライタイプまで表現の幅も広く、実際に口にしたMaynardさんとTAXさんが「おいしい」と感じたことが、醸造を託す決め手となった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">日本酒酵母×生はちみつが生む、ドライでフルーティーな一杯</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3204.jpg" alt="" class="wp-image-54140" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3204.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3204-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3204-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>EIGHT CROWNSのミードの原料には日本酒の酵母を使う。加水した生はちみつに日本酒酵母を合わせることで、少し酸味のあるドライな仕上がりになった。峰の雪酒造の社長がいろいろと試した結果、この酵母にいきついたそうで、まるでマスカットのようなフルーティーで飲みやすいミードに仕上がった。</p>



<p>Maynardさんは、自分のミードに「こんなにおいしいものができるなんて！すごく満足している」と笑う。ブドウによってワインの味が変わるように、ミードもはちみつによって味が左右される。EIGHT CROWNS の作る極上のはちみつが、極上のミードになるのは、言わずもがななのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">世界的な評価を獲得</h3>



<p>EIGHT CROWNSのミードは、 「WILDFLOWER TRADITIONAL MEAD」と名付けられ、2023年にアメリカの世界的酒品評会「BTI･ World Mead Challenge」で金賞を受賞した。酸味と甘味のバランスも絶妙で、日本酒のようなクリアな味わいも感じることができる。Maynardさんは当初、ミードの醸造にあまり乗り気ではなかったが、「様々な料理と相性抜群。ミツバチが集めた自然の恵みをそのままの状態で食卓へ届けたい」との思いから、追求を重ねたことが実を結んだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">目指すのは“世界一のミード”と、世界の養蜂家をつなぐ未来</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3290.jpg" alt="" class="wp-image-54139" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3290.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3290-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/eight-crowns_B_3290-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>Maynardさんに将来の夢を聞くと、「まずは自分のミーダリー（ミードを造る場所）を作ること」とし、さらに今でも評価の高い彼らのミードを超えた“世界一”のミードを作ること、そしてミードで地域を盛り上げていきたいと話してくれた。</p>



<p>また、養蜂家としては、日本だけでなく世界中の養蜂家とつながることのできる“ハブ”のような存在になることだ、と笑顔を見せてくれた。</p>



<p>EIGHT CROWNのはちみつは、加熱や過度な濾過を行わず、天然のビタミンやミネラル、酵素を多く含んでいる。ミツバチが花から集めてきた蜜の風味や栄養をできるだけ損なわずに届けたいからだ。それは富谷のテロワールを表現することにもつながる。</p>



<p>自然豊かな宮城県の小さなまちで生まれ、世界からも評価されるはちみつとミードは、日常に豊かさと元気を運んでくれるはず。富谷から生まれる“最高のはちみつとミード”を、ぜひ五感で味わってほしい。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54130/">目標は、名実ともに“世界一”の蜂蜜酒･ミードを作ること「EIGHT CROWNS」代表 Maynard Plant（メイナード･プラン）さん／宮城県富谷市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>求めるのは「触りたくなるかたち」。命の手ざわりを形にする漆芸家･笹井史恵さん／京都府向日市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 08 Mar 2026 08:13:13 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[漆芸]]></category>
		<category><![CDATA[ビラブド]]></category>
		<category><![CDATA[空のさかな]]></category>
		<category><![CDATA[天日の舟]]></category>
		<category><![CDATA[瑠璃のさかな]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3812.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>光を受けて柔らかく浮かび上がる曲線。まるで花がほころぶ瞬間や、しなやかに折り重なる布を思わせる質感に、思わず手を伸ばしたくなる。漆でつくる「思わず触りたくなるようなかたち」を探求する漆芸家、笹井史恵さんは、日々漆と語らい [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3812.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>光を受けて柔らかく浮かび上がる曲線。まるで花がほころぶ瞬間や、しなやかに折り重なる布を思わせる質感に、思わず手を伸ばしたくなる。漆でつくる「思わず触りたくなるようなかたち」を探求する漆芸家、笹井史恵さんは、日々漆と語らいながら、まだ見ぬ新しいかたちを生み出している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">漆でつくる、触れたくなるかたち</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3855.jpg" alt="" class="wp-image-54118" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3855.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3855-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3855-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>京都府向日市にある自宅兼アトリエ。漆を乾燥させるための戸棚「漆室（うるしむろ）」には、不思議な存在感のある作品が並んでいる。風を含んだようなやわらかな膨らみや、たわわに実った果実のようにみずみずしいかたち。表面は光を受けてしっとりとした艶を帯び、思わず指先を近づけてみたくなる。</p>



<p>笹井さんが手がける漆の立体作品は、一度塗っただけで完成するものではない。漆を塗り重ね、そのたびに研ぎを入れることで、わずかな凹凸を整えながらムラなく均一な塗り面をつくっていく。さらに漆は温度と湿度を管理した空間でしか硬化しないため、乾燥を待つ時間も必要だ。その反復が何度も積み重なって、初めてこのなめらかな質感や柔らかなフォルムが立ち上がってくる。</p>



<p>「触ったときの感覚を想像しながら、塗りや形を決めていきます」というのが、笹井さんの制作スタイル。塗っては研ぎ、また塗り重ねるうちに漆の厚みがふくらみになり、研ぎの精度がなめらかさを生む。そうして少しずつ育てられる造形には、笹井さんが指先で確かめながら漆と向き合った時間が折り重なっている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">選んだのは「痩せない作品」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3809.jpg" alt="" class="wp-image-54119" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3809.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3809-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3809-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>笹井さんが生まれ育ったのは、大阪府八尾市。下町育ちで父は会社員、母は専業主婦と、芸術に縁のある家庭ではなかったという。高校生のときに美術の道に惹かれ、京都の芸術大学に進学した。</p>



<p>「高校では絵を描いていたのですが、続けているうちに、自分は平面に向かうより手の内でかたちを作る方が向いてるんじゃないかな？と思うようになって。陶芸家はどうだろう？まずはやってみよう、という気持ちで芸術系の大学に飛び込みました」</p>



<p>大学に入ったら、まずは染織･陶芸･漆芸をひと通り体験。そのなかで笹井さんの心をとらえたのが、漆だった。「陶芸は焼くと縮んでしまうのが、ちょっと寂しかった」という笹井さん。逆に漆は、塗り重ねるほどにふっくらと肉付いていく。重ねるごとに表情が変わり、その変化を見ながらゆっくりとかたちを決めていけることに魅力を感じた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">誰も歩んでいない道を、自分の手で</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3876.jpg" alt="" class="wp-image-54120" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3876.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3876-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3876-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>こうして漆芸を選んだ笹井さんは、当初は工房で器をつくる未来を思い描いていた。しかし、実際に手を動かすうちに器づくりの枠を越え、自分の感覚に正直にかたちを追い求めるようになっていく。心のおもむくままに進んだ結果、行き着いたのは自分の好きなかたちを追求できる漆のオブジェだった。</p>



<p>当時はまだ、器や仏具をつくる“職人”として活動する人がほとんどだった漆芸の世界。だからこそ、あえてアートの領域に振り切れば、まだ誰も踏み入れていない新しい道を切り開けるのではないか――。そう考えたことが、アーティストへと舵を切り、自分だけの表現を模索し始める大きなきっかけとなった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">身近な自然や人との対話が、創作の源に</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3886.jpg" alt="" class="wp-image-54121" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3886.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3886-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3886-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>漆に出会って以来、笹井さんは一貫して「かたち」と向き合い続けてきた。その道のりは、自分の心に浮かぶ感覚をどうすれば漆に託せるかを探し続けてきた歩みでもある。笹井さんの作品づくりには、時間のかかる工程を楽しみ、美意識を貫く芯の強さがうかがえる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">日常の気づきが生んだ、ふっくらとした生命のかたち</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/11beff8b8299f36a57165b09de32a720.jpg" alt="" class="wp-image-54122" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/11beff8b8299f36a57165b09de32a720.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/11beff8b8299f36a57165b09de32a720-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/11beff8b8299f36a57165b09de32a720-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /><figcaption class="wp-element-caption">ビラブド（2013年）／写真：兼岡弘志</figcaption></figure>



<p>笹井さんの代表作のひとつに「ビラブド」シリーズがある。丸みを帯びた柔らかなフォルムは、赤ん坊や子どもといった「ヒトがもっとも愛情を注がれる時期の姿」を連想させ、見る人の顔を思わずほころばせる。ふっくらとした輪郭が、「触りたくなるようなかたち」という笹井さんのテーマを端的に示している作品だ。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/76292e5a0da85289f3774bae2fe6212a.jpg" alt="" class="wp-image-54123" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/76292e5a0da85289f3774bae2fe6212a.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/76292e5a0da85289f3774bae2fe6212a-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/76292e5a0da85289f3774bae2fe6212a-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /><figcaption class="wp-element-caption">空のさかな- ひよく（2019年）／写真：今村裕司</figcaption></figure>



<p>もうひとつの代表作「空のさかな」シリーズは、笹井さんの作品の特徴であるふくよかな丸みと稜線の重なりが美しく調和した作品だ。</p>



<p>こうした作品には共通して、日常のささやかな気づきや、身近な自然を見つめる笹井さんの好奇心が感じられる。子どもの肌のようなみずみずしさ、水面を泳ぐ魚のようなしなやかさ。そうした生命の姿が、漆特有の深みある質感で表現されているのが、笹井さんの作品の魅力だといえるだろう。</p>



<h3 class="wp-block-heading">学生と過ごす時間が、創作のエネルギーになる</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3916.jpg" alt="" class="wp-image-54125" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3916.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3916-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3916-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>笹井さんは自身の制作活動と並行しながら、京都市立芸術大学で教授を務め、漆の立体作品づくりを学生に伝えてきた。大学で若い世代に接する時間は、自身にとっても大きな刺激になるという。「ずっと制作だけに打ち込んでいたら、行き詰まっていたかも。学生さんと接することでバランスが取れて、エネルギーをもらっています。」</p>



<p>若い世代との対話は発想をひらき、笹井さんの作品づくりをより豊かにしている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">コラボレーションで開かれた、新たな世界</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3813.jpg" alt="" class="wp-image-54126" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3813.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3813-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/86A3813-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /><figcaption class="wp-element-caption">かき蓋物（2013年）</figcaption></figure>



<p>異なる分野の作家たちと作品をつくる“コラボレーション”も、笹井さんにとって表現の幅を広げる大きなきっかけとなった。漆とはまったく違う素材や考え方に触れることで、新たな可能性が生まれているという。</p>



<p>竹工芸家･四代田辺竹雲斎さんとの共作「天日の舟」はその代表例だ。青漆を使い、エッジの効いた円形で海面に浮かぶ太陽を表現した笹井さんに対し、田辺さんはその青い輪に竹の束を編み重ね、海原に太陽の光が広がる瞬間が表現された。漆でつくるシャープなラインと竹の柔らかさが融合して、新しい工芸の魅力が生み出されている。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/082b5383515137e7f455a11adf02083c.jpg" alt="" class="wp-image-54127" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/082b5383515137e7f455a11adf02083c.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/082b5383515137e7f455a11adf02083c-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/082b5383515137e7f455a11adf02083c-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /><figcaption class="wp-element-caption">玻璃の魚（2019年）／写真：兼岡弘志</figcaption></figure>



<p>截金（きりかね）ガラス作家の山本茜さんとの共作「瑠璃のさかな」も、2人の作家の個性が融合した作品だ。「截金ガラス」とは、細い線状に切った金箔で模様を描き、それを溶かしたガラスの中に封じ込める山本茜さんオリジナルの技法。山本さんがつくるガラスの目に着想を得た笹井さんは、水面を跳ねるような鮮やかな青いさかなを誕生させた。</p>



<p>「いろんな工芸家の方とのコラボレーションを経て、ひとりで制作していたらたどり着けなかった世界が見えました。もちろん自分のためになるし、学生さんにも還元できるので、2倍にも3倍にも良い影響を生んでくれていると思っています」。さまざまな作家との共作は、笹井さん自身がいつの間にか作っていた“漆はこうあるべき”という無意識の思い込みをほどくきっかけにもなったという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">もっと自由に、もっと遠くへ。漆の可能性を信じて</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/742546eb5a370b789891a5850e611f8f.jpg" alt="" class="wp-image-54128" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/742546eb5a370b789891a5850e611f8f.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/742546eb5a370b789891a5850e611f8f-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/03/742546eb5a370b789891a5850e611f8f-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>笹井さんの作品は、美術館での展示、個展、さまざまな企画展などで展示されてきた。また、ザ･リッツ･カールトン京都では、館内のアートワークの一部として笹井さんの作品が常設展示されている。訪れた人が、宿泊や食事の時間の中で作品を目にすることができる、特別な空間だ。</p>



<p>近年では、2024年に開催した個展「風様ふわり、忽ちに雷様」での新しい挑戦が評価され、第75回芸術選奨美術部門 文部科学大臣新人賞を受賞した。さらに2025年夏にはアメリカで初めての個展を実現し、活動の舞台を大きく広げている。</p>



<p>「日本の工芸って、やっぱりクオリティが高いと思うんです。だからこそ、もっと多くの人に見てもらえる機会が増えたら、海外でももっと関心を持ってもらえるはず。実際に、海外の方が作品を見に来られることもありますし、可能性は大いにあると思っています」<br><br>2026年、イギリス・ロンドンにあるヴィクトリア＆アルバート博物館では、日本の漆芸を紹介する展覧会が予定されており、笹井さんの作品も出品が決まっている。ひとりの作家として、日本の工芸を世界に伝える入り口に立つ。その意思と未来への期待が、笹井さんの言葉から確かに感じられた。</p>



<p>次はどんな出会いがあり、どんな表現が生まれるのか。そこから生まれる作品は、きっとまた私たちの心を揺さぶってくれるだろう。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54106/">求めるのは「触りたくなるかたち」。命の手ざわりを形にする漆芸家･笹井史恵さん／京都府向日市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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