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深く広く陶芸を届ける・青木良太

深く広く陶芸を届ける・青木良太

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「打倒ウエッジウッド」。260年以上の歴史を持ち、世界最大の生産数を誇るイギリスの陶磁器メーカーを本気で超えようと思っている人物が岐阜県土岐市にいる。陶芸家・青木良太さん。自他共に認める”陶芸オタク”である。頭に巻いたターバンに足元はゴールドのスニーカー。工房のBGMは爆音のヒップホップかドビュッシーの美しい調べ。いわゆる陶芸家らしくないスタイルの反面、誰よりも作品を作り、誰よりも研究を続けているのは間違いなく彼である。誰も見たことがない色をつくるため、年間約15,000もの釉薬を試し続け、気づけば20年が経過。その過程で、金や銀にプラチナ、果てはスワロフスキーなど、扱いの難しさゆえ陶器に用いられてこなかった素材を使い、21世紀の美濃焼を生み出してきた。

彼の代表作の一つが、黄金に輝く「王様のワイングラス」 。ただでさえ焼いてみないと仕上がりがわからないとされる陶芸の世界において、不可能とされてきたワイングラス を、長年の研究の末に世界で初めて完成させた。ワイングラス はもともと海外の文化。それを日本人が陶器で完成させたことに意味があると青木さんは語る。そして、現在も彼以外に陶器のワイングラス を安定的につくることができる陶芸家は地球上に存在しない。さらには、コスト的にも技術的にも厳しいとされてきた真紅の釉薬「RED」の開発にも成功。無限に広がる釉薬の配合を公式化し、誰もフォローできない研究領域を邁進し続けている。

青木さんが陶芸を奥深く掘り下げる以上に力を入れているのが、日本の陶芸そのものを広めるということだ。世界中の人に自身の器を手に取って使ってもらい、日本の陶芸の素晴らしさを知ってもらいたいのだという。そして親の代から子の代へと受け継がれる良いものとして残したい。その為には世代問わず、まずは陶芸に触れてもらう事が重要だと考えた。
だからこそ様々なジャンルの作品を作った上で、陶芸との接点を数多く用意している。現代アートの文脈に沿った作品からアバンギャルドなアイテム、ふだん使いの器、果ては“ガチャガチャ”向けのアイテムを作り、幅広い年齢層に向けて陶芸で語り掛ける。また、自身のオンラインショップやアートギャラリーだけでなく、アウトレットモール「土岐プレミアムアウトレット」で店も始めた。実は土岐プレミアムアウトレットは岐阜県で一番人が集まる場所。陶芸に興味がない不特定多数で幅広い年齢層の人が集まるからこそ、そこに美濃焼を気軽に買える店を置きたかった。より多くの世代の人々に陶芸に触れてもらい、知ってもらう事こそ自身の使命だと考えているのだ。

思い描いた形や色が具現化できないことが当たり前な陶芸の世界で、青木さんは誰よりも土と向き合い、土の声に耳を傾けてきた。「今も土に触れることが一番楽しいし、思っていたものと違うものができるのも面白くて飽きない。結局好きなことを続けたくて必死に頑張ってきただけ」。青木さんの言葉以上に、彼の器は陶芸の魅力を雄弁に語る。

ACCESS

RYOTA AOKI GALLERY
岐阜県土岐市妻木2190-3
TEL 090-9945-1393
URL https://www.ryotaaoki.com/