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日光社寺文化保存会の活動。日光のシンボルともいえる東照宮が祀るのは、徳川家康を神格化した東照大権現だ。徳川家康の遺言によりこの地が選ばれ、東照宮が完成したのは今から約400年前の1617年。それから現在まで、約400年もの間、あの荘厳な佇まいを保っているのだ。が、もちろん400年そのままというのでは、風化もするし、劣化もする。だから実は、東照宮はずっと定期的に修理が繰り返しおこなわれてきているのだ。その始まりは、3代将軍家光のとき。寛永の大造営といわれ、江戸、京都、大阪などから集められた宮大工が式年遷宮を行なったのが最初のことである。以後20年から30年おきに、いわばメンテナンスが施されてきた。そしてそれは現在でも続いていることなのだ。 |
平成の大修理。現在は平成の大修理の真っ最中。今回はその作業を見学させてもらうことができた。修理の方法や素材などは、できうる限り当時のままに行なっている。まず下地の漆を塗る作業を見せてもらう。そのときに職人さんが一枚の板の漆を削った部分を指さした。そこには何度も塗り重ねたあとがあったのだが、それがまさに修理のあとだという。何度も、何十年、何百年も塗り重ねられたあとがそこにはあった。 ◆写真右:棰裏板 古塗膜修理塗り重ねの説明/380年間14回の漆塗膜断層 |
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保存修理のその先に。この修理作業を管理運営しているのは、日光社寺文化財保存会だ。この保存会が正式に発足するまでは、それぞれの社寺で管理してきたという。保存会の主な活動の第一は、もちろん指定建造物の保存修理と管理だ。実はこれも大変なこと。例えば今回見学した東照宮には、「これも金箔。うわ、こんなに金箔を貼るんですね」と中田も驚くほどに金箔を使用する。もちろん金は値段の変動がある。それで最初に立てた予算案よりもぐんとお金がかかってしまうことだってあるのだ。一般人にはあまり考えのいかないところだが、そういったことを管理するのも保存会の重要な役割。 ◆写真左上:斗栱 切粉下地付/漆下地 |
ACCESS
- 財団法人 日光社寺文化財保存会
- 栃木県日光市山内2281
- URL http://www.nikko-bunkazai.or.jp/