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中田英寿 福島を旅する<#11> 来ました、ふくしま。

中田英寿 福島を旅する<#11>
来ました、ふくしま。

DATA
諸橋近代美術館
福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字剣ヶ峯1093番23
https://dali.jp/

日本全国の伝統文化に興味をもち、その魅力を発信している中田英寿さん。その活動の延長で美術館めぐりは今や、旅のテーマにもなっていると語る。なかでも、素晴らしいコレクションがあると名前が挙がったのが諸橋近代美術館だ。アジア最大級のダリコレクションを求めて、福島県北塩原村を訪ねた。

山の中の美術館で、非日常を味わう

深い森の奥、小川のほとりに忽然(こつぜん)と姿を現す中世風の洋館——。大小数百の湖沼が点在する国立公園の一角、美しい磐梯山を望む場所に、諸橋近代美術館はある。絵本のような風景を前に、中田英寿さんが言う。
「初めてここを訪れた時は、福島の山の中にこんなに素晴らしい美術館があることに驚きました」

普段からアート、工芸、建築に至るまで、あらゆる展覧会を見て回っているという中田さん。元々、建築やファッション、デザインへの関心は高かったが、美術館を訪れるようになったのはサッカー選手を引退した後。日本全国を旅したことがきっかけだったと振り返る。
全国を車で見て回るなかで、有名ではないけれど魅力的な美術館が、全国にはたくさん存在することを知り、以来、各地の美術館めぐりも旅のテーマのひとつに。とりわけ、諸橋近代美術館の展示には圧倒されたと語る。
「世界的に見ても、ダリの作品をこれほど収蔵している美術館は少ないのではないでしょうか」
諸橋近代美術館が収蔵する410点の美術品のうち、大半はスペインが生んだシュルレアリスムの巨匠、サルバドール・ダリの作品だ。その数346点。スペイン・フィゲラスにあるダリ劇場美術館、米国フロリダのダリ美術館に次ぐコレクション規模を誇る。

常識にとらわれず、自由な心で楽しむ

初代理事長の諸橋廷蔵氏は、全国にスポーツ用品チェーンを展開するゼビオの創業者だ。サルバドール・ダリの世界観に魅せられ、10年がかりで作品を収集。多くの人と感動を分かち合い、また福島の文化に貢献したいと、美術館を設立するに至ったことを、学芸員の大野方子さんが教えてくれた。
「作品をできるだけ間近に見て頂けるようにというのも、初代理事長がこだわった部分です。彫刻などは周囲を一周しながらご鑑賞いただけるものもあります」
館内を歩きながら時折、面白いですねと笑みを見せる中田さん。美術館を訪れる目的は、自分にはない視点、考え方に触れられることにあると明かす。
「僕にとっては、アートも工芸もデザインも建築も区別はありません。誰の手による作品かも重視しているわけではなく、唯一のものさしは、自分にとって美しいものかどうか。解説に頼らず、自分の頭で考えながら見る方が、作品の本質がよくわかるような気がします」

大野さんも、美術はもっと自由に楽しんでよいものと同調する。
「情報を基に鑑賞するのもひとつの方法ですが、とらわれ過ぎると、見方が制限されてしまいます。当館では見る人の感性に委ねる展示を心がけています」
震災後、落ち込んでいた来館者数もここ数年は順調に推移。今年は前年の2倍に迫る勢いだ。
「4月から開館20周年を記念した展覧会も開催予定です。ぜひご期待ください」
と大野さんは語る。

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