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中田英寿 福島を旅する<#08> 来ました、福島。

中田英寿 福島を旅する<#08>
来ました、福島。

DATA
HOTELLI aalto
福島県耶麻郡北塩原大字檜原字大府平1073-153
https://hotelliaalto.com/

40年の山荘から、温泉を備えた瀟洒(しょうしゃ)なホテルへ——。森と湖に彩られた裏磐梯(うらばんだい)の一角に、息をひそめるようにたたずむ一軒の宿がある。フィンランド語で「波」を意味するアアルトと名付けられたホテルは、福島の自然と北欧の風が出会う場所。心尽くしのもてなしで、多くの人を魅了し続けている。

福島の自然と北欧が調和する高原のホテルへ

全国を旅しながら見つけた日本の“もの”や“わざ”。そのえりすぐりを集めた自著「に・ほ・ん・も・の」で、中田英寿さんは裏磐梯にあるホテリ・アアルトを、こんな書き出しで紹介している。“何かが特別秀でているわけではない。それでも非常に居心地のいい宿がある——”。

1年間の3分の2は地方や海外に赴く中田さんにとって、ホテルに宿泊することは特別なことではなく、日常のひとコマだ。より良い環境、心地良い空間を求めて、これまで何百という宿に滞在してきたが、なかでもこの宿を、好きな場所のひとつと語る。
「人の多い場所が得意ではないので、食事やお風呂も個室がある宿泊施設を選ぶことが多いのですが、ここでは、ダイニングで食事する時間も、ストレスなく過ごせます」
五色沼(ごしきぬま)をはじめ、数え切れないほどの湖沼が点在する深い森の中に、ホテリ・アアルトがオープンしたのは今から9年前のことだ。

「元々ここは、ある企業の保養所として使用されていた築40年の山荘でした」
オーナーであり、福島県に本社を置く、八光建設(はっこうけんせつ)の宗像剛(むなかた・たけし)社長が、ホテル誕生の背景を明かす。
「弊社はその保養所の管理を任されていたのですが、2007年の3月に閉鎖されることになってしまって。しかしこれほど素晴らしい環境はそうはありません。失うには惜しい。それなら、自分たちの思いを形にしてみようと考えました」

それから、2年をかけて建物を改修。周囲の景観との調和を図るとともに、環境に配慮し、既存の躯体(くたい)を極力生かすことを決めた。使用する木材は地元産に限定。設計は3人の建築家に依頼し、東京藝術大学名誉教授の益子義弘(ますこ・よしひろ)さんを中心に、チームを組んで進めてもらったと振り返る。
木のぬくもりあふれる空間では、会津木綿などの伝統工芸と、北欧家具がゆるりと調和している。

「保養所時代とは間取りは大きく変わりましたが、建設当初のまま生かされています」
訪れる人に肩の力を抜いて、心地良い時間を過ごしてもらえたらと語る宗像社長。食事はもちろん、アルコールを含むドリンク類が宿泊料金に含まれているのも、滞在中、気兼ねなく楽しんでほしいという思いからだ。

「温泉のある宿としては珍しいですよね」
と、中田さんが言う。
「ほかにも、大浴場の外のラウンジに湯冷ましの飲み物が用意されていたり、小さな仕掛けが面白い。それでいて、過ぎないサービスが心地いいんです」
福島の人と自然のおくゆかしさから生まれた調和が、訪れる人を惹きつけている。

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