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中田英寿 福島を旅する<#01> 来ました、福島。

中田英寿 福島を旅する<#01>
来ました、福島。

DATA
福島ハイテクプラザ 会津若松技術支援センター
福島県会津若松氏一箕大字鶴賀字下柳原88-1
http://www4.pref.fukushima.jp/hightech/index-pc.html

中田英寿さんが、ふくしまを旅する連載企画。今回の目的地は、全国的にもお酒の名産地として知られる会津。中田さんが全国各地の酒蔵で“福島の日本酒を変えた人”と耳にした、鈴木賢二さんを訪ねて、福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センターに向かった。

より高品質でおいしく。県一丸で酒造り改革

日本酒の魅力を味わい尽くせる酒イベント「CRAFT SAKE WEEK」のプロデュースを始め、日本酒文化の普及に取り組む中田英寿さん。これまでおよそ350の酒蔵を訪れるなかで、各地の蔵元から鈴木賢二さんのうわさを度々、耳にしていたという。福島県の酒造りを改革し、大躍進に導いた人物がいる――と。
福島県の日本酒は、芳醇(ほうじゅん)・淡麗・旨口が特徴。全国新酒鑑評会では金賞受賞数6年連続日本一に輝くなど近年、大きく注目されており、中田さんも全体的に蔵元のレベルが高いと評価する。
「なかでも特別純米や純米吟醸で、比較的手頃な価格帯のお酒がおいしい印象があります」
我々が注力しているのも、まさにそのあたりのお酒ですと、鈴木さんはうれしそうにうなずく。
「県で開発した『うつくしま夢酵母』はなかなか良くできていましてね。一般的に純米吟醸と言えば、純米に比べて、米を磨く度合いが高いため価格も高くなるわけですが、この酵母を使えば、精米しすぎなくても、香りよく飲みやすいお酒ができるんです。つまり、価格も抑えられるということです」

日本有数の酒どころとして知られる福島県だが、他県に大きく後れをとっていた時期もあった。
平成2年の全国新酒鑑評会では、金賞ゼロ。これに危機感を強めた蔵元の要望を受け、県は酒造好適米の開発に着手。清酒アカデミーを開設し、地元杜氏(とうじ)の育成に乗り出した。平成7年には、蔵元が集まり高品質清酒研究会、通称「金とり会」を発足。持ち寄った日本酒について意見交換し、門外不出とされていた醸造技術を共有しながら、酒質の向上に取り組んだ。技術指導で会に参加していた鈴木さんだったが、自身も蔵元さんから多くのことを学んだと振り返る。

わかりやすく伝え、日本酒ファンの拡大へ

時同じく、会津坂下町出身で、新潟県醸造試験場の責任者を務めていた廣井忠夫さんからは「金賞の取れる酒造り」について話を聞く機会を得た。その理論を基に、鈴木さんは吟醸酒製造マニュアルを作成。県内の各蔵元に配布して回ったという。
こうした地道な取り組みが実を結び、福島県は平成17酒造年度の全国新酒鑑評会で初めて金賞数1位の称号を手にした。

福島県全体の技術の底上げに手応えをにじませつつも、販売数の伸びはまだまだ特定銘柄に限定されていると鈴木さんは言う。中田さんは、日本酒に馴染みのない人でも選びやすくするような表記が必要なのではないかと、提案する。
「日本酒度や酸度と言われても、知識がない人にはそれだけではわかりにくいと思います。それよりも、例えばそのお酒に合う料理をラベルに記載してくれている方が、選びやすく、イメージしやすいのではないでしょうか」
情報のあり方を話し合い、良いヒントを頂けたと笑みを浮かべる鈴木さん。日本酒を万人にわかりやすく、身近な存在へしていくために——。酒どころ福島のこれからの取り組みに期待したい。

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